2023.01.20

2022 那覇マラソンレポート

久々の投稿。

地元ミニコミ紙に掲載された記事です。

「ランナーの皆様はスタート1分前までマスクを着用して下さい」「スタート10秒前からカウントダウンを行いますが、声は出さないで下さい」など3年ぶりにリアル開催となった那覇マラソンは感染対策を徹底した上で行われました。今回が那覇マラソン10回目の挑戦となる私もライバルたちの息遣いを感じ興奮しながらスタートを待つ独特の雰囲気を味わっていました。そもそも、学生時代から部活(卓球)の練習前に走らされるくらいしかマラソンには縁がありませんでしたが、40代半ばに単身赴任した八重山で何気なくランニングを始め最初の2週間くらいはきつかった気もしますが、いつの間にか生活の中に定着し「月に100km走る」という目標を置き、毎月どうにかクリアするという生活を続けています。その中でやはり大会に出ることは走り続けるモチベーションとなり衣装ケースの中で増殖するマラソンTシャツを眺めるのも楽しみとなっていました。

しかし、新型コロナウイルス感染症の県内発生が確認されると、20202月に行われたおきなわマラソンを最後に、県内ではフルマラソン、ハーフマラソンともリアル開催が行われなくなりました。苦肉の策として、各自が走った記録を投稿するオンラインマラソンなるものが開催されることもありましたが、走り続けるモチベーションとしては十分とは感じられませんでした。

加えて、仕事が県のコロナ対策を担う立場であったため、走るための時間も十分確保できず、出勤や退勤の際にカバンを背負って走るのがやっとという状態が続きました。当然感染が拡大するとその分仕事が増え、月間ランの距離も100kmを割るという状況に陥り、最もハードだった20218月は月間33kmまで落ち込み、当時の手帳には「もうこのまま走れない生活に戻るのか」とコロナに負けた感が漂うつぶやきが記載されています。

ただ、走り始めた頃から目標としていた「那覇マラソンで上位1000名に入り翌朝のタイムスに自分の名前が載っているのを職場で確認する」ということも未達成のままだし、このままコロナに負けてたまるかという気持ちと、忙しいからこそランニングを続け仕事以外の時間を確保することが大事と発想を少し変えてみたところ、再び毎月100kmランにチャレンジできるようになり、20219月以降今月までずっとクリアできています。

<brさて、肝心の2022那覇マラソンですが、沿道では多くの方が応援してくれて、以前と変わらない温かい声援を受けながら走ることができました。ただ、いつも同じ場所で応援してくれていた叔父が昨年亡くなったため、その場所を走る時は急に寂しさがこみ上げ、3年という空白の時間を実感して走りました。最高気温が26℃を超える過酷な環境の中、レース後半から両太ももが痙攣し始め痛みで止まったり歩いたりもしましたが、無事4時間20分というタイムで完走❗️順位はこれまでの最高の1033位で、目標順位まであと一歩という結果でしたが格別な思いでレース後のビールを味わうことができました。

<brということで、2022年那覇マラソンレポートを読んでくださりありがとうございます。1000番以内に入るという目標は来年に持ち越しとなりましたので早速練習を始めました。これからの1年間も無事に走り続けていきたいと思います。

9fb2e60ac4f34988bb1409b719ed45b6

| | Comments (0)

2020.07.25

TACOの将来

何年振りかの更新(元気でやってますよ)

沖縄県旅行者相談センターTravelors Access Centre Okinawa

通称TACOの将来をタコ部屋で案じています。

現状のスペックとしては、

  • 国内線到着出口でサーモグラフィーチェック

  • 同意が得られた方に再度検温と連絡先を記入してもらう同意が得られた方に問診と検査の案内を行う

  • <li>同意の得られた方に検査を実施

    • 現状では空港ビル内で、鼻咽頭ぬぐい液+抗原検査

  • 結果が陰性ならリリース。陽性なら入院転院調整センターにつなぐ

よくぞここまで来たもんだと思うけど、やはり同意を得るのは厳しいですね。

現状もとても持続可能な体制とは言えません。

でも有識者の皆さんは「国際線並みの検疫体制を!」という意見が強く

さらにスペックをあげる方向で議論が進んでいく。

飛行機降りてサーモまでの行列の中を移動してやっと到着口にたどり着く?

と国際線の状況を想像してみたりする。

 

方法論はいろいろ議論すべきですが、マインドとしては、一人残らずとらえる

というよりは、旅行に来て体調がすぐれない人に親身になって相談に乗る

という姿勢の方が、声もかけてもらいやすくなるんじゃないですかね。

空港あるいはタビナカでの旅行者からの相談に対して「健康面」と「観光面」

からサポートする体制を厚くすることの方が大事なような気がします。

あとは観光関連で働いている人が感染した場合に、早く見つけて隔離しくみも大切ですね。


コロナとの戦いは野球で言えばまだ3回表のコロナの攻撃。長期戦で頑張りましょう!

| | Comments (0)

2016.08.07

ドアノブクエッション The Doorknob Question  

先日参加した臨床のドクター3名による講演会で聞いた耳慣れない言葉が

ドアノブクエッション
 

検索すると、さくだ先生ら数名のドクターが取り上げていた^^/

患者さんが診察を終えて、まさにドアノブに手をかけたところで
「先生、実は...」と質問をしてくること
(参考記事;yomiDr.

あるいは

そのような質問が出ないように、医師の方から「最後に何か
気になることはないですか?」と帰りがけの患者に質問すること
(この場合はドアノブ質問という場合も)

のどちらかのようである。

恥ずかしながら初耳。
だけど8年前の週刊医学界新聞には

卒前教育の場面では,OSCEの導入によりここ10年ほどで
コミュニケーションスキルの教育が非常に充実してきています。
ですから今の研修医は,傾聴やオープンエンド・クエスチョン,
ドアノブ・クエスチョンなどそれ以前の医師には
耳慣れないスキルも使えるようになっています。

ともある。でもそれは不勉強のエクスキューズにはならんしが。

自分自身の経験上はあまり深刻なドアノブに当たったことはなくて、
どちらかというと

先生、点滴打ったら元気になるからお願いできないかねぇ

とか
うちの子に抗生剤出してもらえませんか?

などの患者のwantsに関するものが多かった気がする 

» Continue reading

| | Comments (0)

2016.07.31

精神保健医療と健康危機管理

宿題とノルマに追われる苦しい7月末を迎えていますが、たまたま
全国保健所長会の健康危機管理に関する委員会で、
精神保健福祉について検討している資料にぶつかったので、
書き留めておきます。

まず、措置入院に関する対応について考えうる理想的な対応

平時の対応(日常対応)

  • ハイリスク者のモニタリングができる
  • プライバシーに配慮した情報収集・管理ができる
  • ケース管理が適切にできる
  • 市町村、関係機関との連携が円滑にできる
  • 夜間・休日を含め、緊急体制が整っている
  • 地域で精神障害者に対して正しい理解が得られる
  • 家族が適切に対応できる

有事の対応(緊急対応)

  • 迅速な情報収集により、法に基づく的確な判断と対応ができる
  • 関係機関(警察、消防、医療機関等)と連携した対応が迅速にできる
  • 情報の一元管理ができ、迅速な対応ができる
  • 関係機関と情報共有ができる
  • 適切な医療が提供できる

事後対応

  • 住民が偏見を持たない
  • 再発を起こさない
  • 本人・家族が地域で普通に暮らせる
  • 地域で普通に暮らせる(追跡調査)
  • 再発防止のために関係者による事後の評価ができる
  • 事後評価に基づく体制の整備

これらの項目について課題解決の具体的な方法について

  • 事例のデータベース化
  • 家族バックアップシステムの構築
  • 関係機関と連携した相談体制の充実
  • 医療機関と連携した退院準備期からの対応
  • 関係機関との体制整備のための検討
  • 関係機関を含んだ事後評価

が挙げられています。

こういう手引きを参考に、ひとつひとつ塗りつぶしていく作業を
進めていきましょう。

ちなみに精神保健福祉が健康危機管理対策の分野に含まれたのは
平成17年の地域保健対策検討会中間報告

» Continue reading

| | Comments (0)

2016.01.23

ランの効用〜宮古島ワイドーマラソン2016体験記〜

「フルマラソンなんて体に悪いんじゃない?」

「確かに1日で42.195km走るのは体に大きな負荷になるんですが、そのレースを目標にして日々の生活が変わることで体にいいこともあるんですよ」

「たとえば?」

「えっとー...」

という風に会話でいつも詰まってしまうので、ランニング雑誌から
効用っぽいのを拾いあげみた(あくまで雑誌のレベルということで)

  1. ランニングで大量の汗をかくことで休眠汗腺が覚醒し汗腺の機能が高まることで暑熱馴化など環境の変化に対応できる能力が高まる
  2. 日常的に体液の変動を起こせば、尿細管は高いレベルの適応力を維持できる
  3. 完走や目標タイムに向かっていく行動の先には...「自己効力感」が産み出される
  4. mind fullness(今その瞬間に集中する)で思い込みから解放され「新しい変化に常に着目できる」脳機能の活性化につながる
  5. ランニングは中高年以降でも達成感を感じることができる数少ないスポーツ
  6. ランナー同士の会話等で承認欲求が満たされ「心の健康」につながる
  7. 他者とではなく過去の自分を超えようと走っているので「望ましい比較作法」を身につける」
(1〜2:長田道夫筑波大教授、3:征矢英昭筑波大大学院教授、4:星研一長野赤十字病院部長、5〜7:斎藤環筑波大教授)

と、こんな風に返せばいいんですね 笑

» Continue reading

| | Comments (4)

2015.09.23

エビデンスに基づくへき地医療者確保

連休前に行われた母校での医学生とのワークショップ

へき地における地域医療を担う人材確保について話し合いました。
そのときの資料がこちら。

Increasing access to health workers in a remote and rural areas through improved retention
Global policy recommendations

WHOがエビデンスに基づいて推奨しているへき地での医療者の確保
離島県沖縄にとっても重要な医療政策。
サマリーより抜粋(specific recommendations)

  • Education 教育
    1. Student from rural backgrounds へき地出身学生の優遇
    2. Health professional schools outside of major cities 大都市外に専門教育施設
    3. Clinical rotations in rural areas during studies 在学中のへき地ローテーション
    4. Curricula that reflect rural health issues へき地の健康問題を反映した教科課程
    5. Continuous professional development for rural health workers へき地勤務者への生涯教育

  • Regulatory 制度規定
    1. Enhanced scope of practice へき地における業務範囲の拡大
    2. Different types of health workers 異なるタイプの医療職種の活用
    3. Compulsory service へき地勤務の義務づけ
    4. Subsidized education for return of service 義務に対する教育費用助成

  • Financial Incentives インセンティブ
    1. Appropriate financial Incentives へき地勤務に伴うコストに対する適切なインセンティブ

  • Professional and personal support プロフェッショナル及び個人のサポート
    1. Better living conditions 生活環境の改善
    2. Safe and supportive working environment 安全で協力的な勤務環境
    3. Outreach support 都市部からへき地への出張サポート 遠隔支援
    4. Career development programmes へき地に居ながらのキャリア開発プログラム
    5. Professional networks 孤立感を低減するための専門家ネットワーク
    6. Public recognition measures 広報活動

折しも専門医についてのあり方検討がなされ、専門医機構なる
団体も整備されました。その中には総合専門医の研修プログラム基準も
示されています。こういう流れも踏まえつつ、離島へき地で働いたメリット
を伝えていくべきですね。

» Continue reading

| | Comments (0)

2015.09.17

ごっちゃん、翁長さんに会いにいってみたの巻

» Continue reading

| | Comments (0)

2015.09.16

9月24日〜30日はなぜ結核予防週間なの?

9月24日から30日は結核予防週間です

公衆衛生の仕事をしていると当たり前のようにインプットされていましたが
昨日、結核予防週間用のラジオインタビューを受けてて、
「どうしてこの時期に結核予防週間を設定したんですか」
と急に聞かれ、...返答できずモヤモヤしたまま1日過ごしました

厚生労働省や結核予防会製薬会社のサイトでも見つからず、

今日は何の日という記念日サイトによると

1949(昭和24)年から厚生省(現在の厚生労働省)と結核予防会(JATA)が実施。
結核についての正しい知識を普及し、これからの活動を考える週間。

今は亡き、結核予防法の成立した日かとも思ったが

昭和26・3・31・法律 96号 

で、この6ヶ月後は世界結核デーWorld TB dayだから、
その反対側(カレンダーの)に設定したかとも思ったけど
JATAによると、WHOが設定したのは1997年のことだって。

ということで結局わからないままです。

一応ラジオでは

これから寒くなる季節を控え、風邪などで体調を崩すことも結核発病に つながる危険性もあることから、この時期に設定したかもしれません

と答えました。あくまで個人の推測の範囲ということでお許しを。


» Continue reading

| | Comments (0)

2015.08.21

正体不明の声。それは幻聴

あっという間に2週間たってしまうが、8月9日に行われた
県民健康フェアに精神保健福祉士協会のブースで
紹介されていたバーチャルハルシネーションヤンセンファーマ提供)

ホームページでも見れる動画を、会場ではヘッドセット着用して体験。結構な人気でした。

そのメカニズムや対処法などを解説した「正体不明の声ハンドブック」(アルタ出版)は
同社のサイトからフリーダウンロードもできる(感謝)

項目だけ書き出してみると

  1. 正体不明の声が生じるわけ;不安、孤立、過労、不眠の4条件がしばらく続くときに生じやすい
  2. 正体不明の声を精神科では「幻聴」「幻声」と呼んでいる
  3. 幻聴のルーツは本人の気持ちや考え
  4. 幻聴のもたらす悪影響①
    • 不愉快、混乱などの直接的悪影響
    • 個人情報漏洩体験の出現
    • 思考伝播の出現(自分の気持ちが筒抜けになってると感じる)

  5. 幻聴のもたらす悪影響②
    • 妄想の出現=いやがらせをされる、噂される、盗聴されているなど

  6. 幻聴・妄想の治療の基本=4本柱は
    • 日常生活の過ごし方に注意を払う
    • 精神科の専門家との相談を継続する
    • お薬を服用する
    • 幻聴の受け止め方を工夫する

  7. クスリ(抗精神病薬)による治療
  8. 生活上の注意
  9. 幻聴は実際の他人の声ではないと受け止める
  10. 幻聴への態度:気にかけず、相手にしない

» Continue reading

| | Comments (0)

2015.07.31

HANS症候群

子宮頸がんワクチン接種後の副反応に関する講演会でフロアから

今日の毎日新聞も読んでみてください

と言われたので、検索してヒットしたのがこれ。

くらしナビ・医療・健康:子宮頸がんワクチン勧奨中止から2年 
横田俊平・前日本小児科学会長に聞く(2015年7月30日毎日
 

Q 患者の症状は?

 A 10人はいずれもワクチン接種を受けるまで精神・運動機能が正常でした。ところが接種後は姿勢を保てなくなり車椅子生活を余儀なくされた子や登校できなくなった子もいます。症状は多様ですが共通するのは▽全身の痛み▽だるさ▽起床時からの頭痛▽生理不順−−など。記憶の障害などが起きるケースもあります。私たちの研究チームは「ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン関連神経免疫異常症候群(HANS)」という新しい病気と考えています。

HANS症候群については、横田先生は今年1月の日本医師会・
日本医学会の合同シンポジウムの場でも指定発言している。

指定発言「多発するHPVワクチン副反応例の臨床的解析」  横田俊平国際医療福祉大学熱海病院長/小児科教授は,HANS症候群を新たな病態として,「接種者を対象にした全国調査」「治験・研究センターの設置」「第三者による予防接種全般の副反応調査・解析機構の設置」を提案した.

主な症状としては

  • 運動系障害(歩行できない、バランスが取れない、けいれんなど)

  • 感覚系障害(手足が痛い、光がまぶしいなど)

  • 自律神経・内分泌系障害(日中眠い、過食、生理不順など)

  • 認知・情動系障害(無気力、顔が覚えられないなど)

とのこと。

昨日の講演会では症例報告のレベルではなく疫学的に証明できるか
どうかなどについて議論がありました

» Continue reading

|

«離島が子だくさんな理由