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2004.05.23

煙を憎んで人を憎まず

新聞投稿用の原稿(1200字)
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他人が吸ったたばこの煙を吸わされることを受動喫煙といいます。たばこの煙には吸う人のからだの中に入っていく主流煙と、火のついたたばこの先から出る副流煙があり、副流煙の方により多くの有害物質が含まれていることがわかっています。たばこの煙は吸う人ばかりでなく周囲の人にも害を及ぼしているのです。約3割の国民が職場や学校、家庭で毎日受動喫煙を受けているというデータもありますし、県内ではスポーツ施設でさえ約4割で喫煙制限が行われていないこともわかっています。(02年北部福祉保健所調べ)
わが国では受動喫煙の害を防止する目的で、昨年5月より健康増進法が施行されました。法律の趣旨は「公共の場所や多数の利用者がいる施設の管理する者は、利用者が受動喫煙の害を受けないような措置を講じなければならない」というものです。沖縄県では、公共施設での分煙状況を把握するために、今年1月に千施設余りに対して実態調査を行いました。その結果は、本紙4月4日記事「分煙対策:県内ホテルなど4割強は未対策」で報じられているように、施設や敷地内の完全禁煙・完全分煙を実施しているのは全体の4割にとどまり、特に、ホテルや飲食店で対策が進んでいないことが明らかになりました。分煙が進まない理由の一つに「喫煙する客への配慮」が挙げられていますが、受動喫煙の害も明らかになり、喫煙者よりも非喫煙者の方が多い社会(喫煙率は男42%女11%)と成りつつある状況では、もはやその理由は通用しないでしょう。今回の調査では、分煙対策の表示をしている施設が15%しかありませんでした。管理者は、喫煙者に対して受動喫煙防止対策への協力を求めるべきで、そのためには来客者がわかる場所にそのことを表示する必要があります。職場への調査では、たばこに関する問題を検討する委員会の設置が全体の1/4に過ぎないという結果でした。たばこ問題を個人レベルの問題として、当事者だけで解決しようとしても両者の人間関係が悪化して話がこじれるだけです。組織内にたばこ対策委員会を設けて分煙を推進していきましょう。その際には、現在喫煙者に対する禁煙支援も同時に行うことも必要です。たばこを吸っている人の約半数がやめたいと思いながら吸い続けているからです。たばこがやめられないのはニコチン依存という病気のせいでその人が悪いのではありません。「煙を憎んで人を憎まず」の精神で、家庭や職場で分煙・禁煙を勧め、煙のない家庭、煙のない社会の実現を目指しましょう。
県では「世界禁煙デー」フォーラムinおきなわ2010を開催します。テーマは「無煙環境をサポートする」です。日時は5月31日(月)午後1時半から4時。場所は沖縄産業支援センター(那覇市)で参加無料です。当日は、ホテルマンや飲食店長などによる実践報告や県内施設分煙に関する実態調査の解説を行います。

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