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2004.08.18

おばぁ、馬飼ってるの?

届けものをする用事があって、5歳の息子を連れておばあちゃん
(彼にとっては祖々母)の家を訪ねた。いつもお盆やお正月で会う
程度で、その時はおばあちゃんの息子の広いきれいな家で会ってい
たから、近所に別々に住んでるおばあちゃんンちに行くのは彼にと
って初めての経験だった。

そこは古く、昔ながらの家のつくりをしていた。トイレは家の外に
離れてあり、段差のある玄関を出て行かなければならず、膝の痛い
彼女にとっては不便だった。だから部屋の中に簡易用のトイレを置
いて夜中は対応しているという話も聞いたことがあった。

おばぁは来客を喜んで応対してくれた。次々と冷蔵庫の中からジュ
ース、コーラー、おかしなどを出して「あれカメー、うりもカメ
ー」と言って、用事を済ませて帰ろうとする私たちを引き留めた。
その姿を見て、普段から地域のデイサービスや病院通いが多いのは
寂しいのをまぎらわすためかもしれないと思った。

息子は好奇心にまかせて、その狭い、ちょっと暗い部屋の中を歩き
回っていたが、そのうち「このおうち、臭い。馬のうんちのにおい
がする」と言い出した。それほど臭いというわけではなかったが、
やはりアンモニアの鼻をつく感じは漂っていた。ただしそれは、私
にとっては特に新鮮なものではなく、お年寄りが住んでいる家では
よくある独特の香りだった。

息子はしばらく探検していたが、やはりその臭いが気になったらし
くおばあちゃんの顔をのぞきこむようにして尋ねた。「ねえ、おば
ぁ、馬飼ってるの?」おばあちゃんは自分の話に無中で聞き取れな
かったらしく、何も答えなかった。

現代に生きる子どもたちは、無菌無臭の環境の中で育ち、さらに家
族や地域のお年寄りと接する機会も少なくなっている。いや、私た
ち「大人」の都合でお年寄りを遠ざけているのかもしれない。でも
次代を担う主人公は彼らであって、その時代には今よりも確実に高
齢者が増えているだろう。もうすぐ90を迎える老婆が自力で生活を
するということをリアリティを持って感じることができないまま、
彼らが育っていくことに若干の不安を感じた。

今度は用事がなくても、おばあちゃんの家に遊びに行こうと妻と話
をした。

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