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2004.09.05

Dr.コトーを探せ!

厚生労働省が情報センターを新設するというこの記事。 厚生労働省が、求む!「Dr.コトー」(日刊スポーツ)琉球新報9月3日夕刊2面にも掲載されていた。

厚生労働省が2005年度予算の概算要求に2100万円を盛り込み、へき地離島での勤務経験のあるベテラン医師を社団法人地域医療振興協会内に配置して、へき地勤務希望者からの相談を受けながら希望に合うような赴任先を決めるコーディネートをするらしい。情報センター的役割のようだ。あるいはへき地診療所のマッチング屋か(こないだは保健所医師でもこういうのを考えていた)。

Dr.コトー診療所では離島医師が孤軍奮闘する姿が感動的に描かれていた。実際にあのドラマを見て、離島勤務を志す若い医師が増えてくれたとしたら功績は大きいと思う。離島住民と共に暮らす中での診療は、まさに病気を治療するというより人間を治療する仕事であり、家族や地域の状況を視野に入れた医療活動である。これは大学病院勤務医には得がたい経験だ。私も計4年間離島で一人で働いたが、今の仕事の礎となっている。

しかし、現状は甘くない。いかに継続的にコトー先生を確保するかという課題が解決されていない。沖縄県では古くは医介輔の先生方が離島へき地で従事されていた時代があり、その後外国人医師、そして国費や自治医大へと引き継がれてきた。赴任医師のモチベーションを保つためには、待遇はもちろん、施設整備や研修の確保など整備すべき課題が多いはずだが、これらが赴任医師の「犠牲的精神」によりまかなわれてきたことは否めない。

もう一つの問題は、へき地を支援する病院や医師全体の意識。例えば離島医師が研修や休暇で島を空ける際に、ピンチヒッターとして島で仕事をするドクタープール制を敷いているが、県立病院内に「定数」として確保されている彼らを見る同僚の視線は暖かくなく、「代診屋」と陰口を叩かれることもあると聞く。多くの県立病院医師にとって、離島医療は他人事なのかもしれない。

離島に医療に貢献しようという志を持って島に赴任したが、長続きせず数年で島を去らざるを得ないという経験をわれわれは何度も何度も繰り返してきている。コトー先生が快適に仕事や生活を続けることができる「しくみ」こそが重要なのだ。

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Comments

はじめまして。
最近、沖縄の離島へ2週間応援で診療に行きました。自分で思っていた以上に沖縄の離島の医師不足は深刻だと感じました。TBさせていただきましたが、自分の書いたDrコトーはスーパーマン医師という意味ですが、へき地離島医療を担う医師がもっと増えていけばと思います。

Posted by: 万年研修医 | 2005.03.22 at 11:32 PM

TB&コメントありがとうございます。

「DR.コトーは必要か」も興味深く読ませていただきました。離島医療にも関心を持って下さり感謝です。今後とも関連記事を期待しています。

私自身は離島での仕事が今の公衆衛生に進むきっかけになりましたが、もう1つ離島医師安定供給という仕事もいつかはやらねばと思っています。

特に後者は、医師同士の調整役がメインなので、一筋縄では行かないだろうと思っています。

今後ともよろしくお願いします。

Posted by: titokazu | 2005.03.23 at 12:53 AM

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今日は、研修センターの指導医の先生とDrコトーのような医師は必要なのかについて話し合いました。 Drコトー診療所、以前テレビドラマ化もされたので知っている人も... [Read More]

Tracked on 2005.03.22 at 11:17 PM

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