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2004.09.30

健康じんぶなぁ

先週の土曜日、台風が近づきつつあるなか、本部町の崎本部(さきもとぶ)公民館で
食と健康について考えるイベント「崎本部で楽しく健康じんぶなぁ」を行いました。
悪天候のなか、小学生や婦人会、老人会など約120名が参加。午前中から昼食まで
という短い時間でしたが、楽しく、そしておいしく食について考えることができました。

琉球新報でその様子が(web上で)紹介されています。
伝統食で健康づくり 児童、区民ら60人学ぶ 本部町

小学校1年生から高齢者までを前にした講演は生まれて始めてでしたが、

kamee.JPG
こういうスライドを駆使してメッセージを伝えました。
児童たちには、後半の歯科の講義も強く印象に残ったようでした。
そして何よりも、課員+α がまとまって良い仕事をしたので、
このイベント全体が盛り上がりました。

小学校が食の研究指定校を受けて、保健所に相談に来たのが
このイベントのきっかけ。保健所は昨年来、食に関する地域ネット
ワークづくりを模索中でもあったので、そのモデルケースとして
地域を巻き込んだ形でのイベントを提案しました。

スケジュールの都合で、農業系関係者や食生活改善推進員などの
資源をフルに活用できませんでしたが、町役場、公民館、婦人会、
老人会の協力のもと、準備を進め無事開催することができました(深謝)。

この様子は、QAB(琉球朝日放送)でも10月8日(金)18:30~放送される予定のほか、
崎本部小で10月29日(金)に行われる研究発表会の中でも紹介されるそうです。



さて、来週締め切りの原稿に「学校における健康教育に期待すること」と
いうのがある。対象は養護教諭。今回の経験はその中にも生かせると思う。
ざっと書くと、
あるテーマについて、学校内だけの取り組みに終わらせることなく、
児童生徒の健康を守り続けるという視点で地域の関係者を巻き込んだ。
関係者との調整役は、学校側の窓口を一本化して対応し、
話し合われた内容はその都度学校内で共有した。
また、資料や教材作成は地域の関係機関を活用し
積極的に意見交換も行った。
その結果、事業の目的や評価の指標などを
体系的に整理することにもつながった。

このような取り組みが進められたことを、単に「担当教諭が優秀だったからよ」とか
「研究指定校だったからさぁ」とかという理由だけに終わらせたくない。
学校における健康教育という日常的業務の中にも、ある程度適用可能だと思う。

保健師と同じように、養護教諭も直接的業務以外に学校内での企画調整的
機能というのが求められているのかもしれないと思った。

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2004.09.28

マヨネーズと鳥インフルエンザ

久々に鳥インフルエンザ感染症の話題。 ここ数日、タイで発生している症例で人-人感染が疑われている。 現在のところ

タイで鳥インフルエンザに似た症状を訴え、今月死亡した少女(11)と、類似の症状で死亡した母親(26)について、同国保健省当局者は27日「現時点で人から人への感染の可能性を示す証拠はない」と語った。
とされているが、その一方で新たな患者発生もあるようで、引き続き見守りが必要。
一方、保健省は同日、母親とともに少女を見舞い、その後入院した母親の姉(36)の鳥インフルエンザ感染を確認した。姉は鳥インフルエンザに感染した鶏と接触していたという。

人-人感染が確認されれば新型インフルエンザ流行の懸念が現実のものとなる...

ウイルスが突然変異して人間へ感染するようになると、ほとんどの人は抗体を持たないため、新種のインフルエンザとして大流行する恐れがある。(東奥日報)

そんななか、マヨネーズでトリインフルエンザ感染の心配なし、キューピーが報告(日経MedWave)というニュース。 「感染した卵黄を使ってマヨネーズが作られたら」と心配する声に対して

マヨネーズ製造時には、食品衛生法上の卵黄食品の殺菌に必要な61度、3.5分間以上(または同等以上の効力を持つ方法)で加熱殺菌が実施されているH5型、H7型は55度に到達した時点、H9型も55度2分間の加熱で不活化する。仮に原料の卵黄がトリインフルエンザウイルスに汚染していたとしても、この操作で感染性はなくなってしまう。  では、加熱後の製品にウイルスが混入した場合はどうか。キューピーの研究によれば、マヨネーズ内にトリインフルエンザウイルスが混入しても、H5型ウイルスは30分以内、H7型とH9型ウイルスは10分以内に不活化し、感染性を失ってしまうという。
という報告をしている。この件の心配はなさそうだ。

そもそもマヨネーズ自体が腐らないのはなぜかわからなかったことに気づく...QPのQ&Aへ

追記(2006年8月7日)
この記事を書いて約2年近くたとうとしていますが、関連ニュースが
報じられました。

キユーピー、マヨネーズで鳥インフルエンザウイルス撃退、国際学会で報告


BCNランキングニュース
キユーピー(鈴木豊代表取締役社長)は、鳥インフルエンザウイルスがマヨネーズの中で30分以内に感染性を失うといった研究成果を、8月14日にカナダのカルガリーで行われる国際学会(International Association for Food Protection)で報告する。

同社のマヨネーズに鳥インフルエンザウイルスを加えたところ、H5型ウイルスは30分以内に、H7型とH9型ウイルスは10分以内に、感染性を失うことがわかったという。その理由として、鳥インフルエンザウイルスは酸性になると不活化するため、マヨネーズに含まれる食酢の作用で感染性を失ったこと、さらに、乳化された植物油により、鳥インフルエンザウイルスの殻が壊されたことを挙げている。

研究を継続しているうちに、実際の感染は拡大しつづけたので
研究内容もバージョンアップしてきたという話。

具体的にどういう対処(マイマヨ持つとか?!)についてはもうちょっと
積み重ねてからになるでしょうね。

でも流行地域へ旅行される方はくれぐれもご注意下さい。

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2004.09.25

広がる分煙!とんかつ太郎北谷店編

「まったくあんたの家は休みのたんびに外食しまくっているのか」 との声が聞こえてきそうだが... さて、こないだの秋分の日には「とんかつ太郎北谷店」へ行ってきた。

すると入り口に禁煙マーク。よく見ると「全席禁煙」の文字が!

taro.jpg

アンケートによる多数のご意見により
と書いてある。

実際店内に入ると、各席には表示はされておらず、待合席には 灰皿と見まがうゴミ入れがあったりして、「徹底的」という感じでは なかったが、それでも空気もうまい店の仲間入りを果たした。

施設の分煙状況に関する実態調査報告書によると最も分煙が 進んでいないのが、ホテルやレストラン。その理由として

○喫煙する客への配慮 ○分煙のための費用やスペースがない ○禁煙テーブルを設けても煙が流れてくる ○全席禁煙が客の理解を得られるか心配
などが挙げられていたが、今回の「とんかつ太郎方式」では上記 懸案をクリアすることが可能なやり方ですね。

思わず、アンケートでほめてしまった。「是非続けて下さい」と。 この店だけがそうなのか、県内各店そうなのか(名護店も見に行こう)、 あるいはグループ店舗にまで広がっていくのか(一気に加速?)。 また、外食産業巡りの日が続く...

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2004.09.24

市町村別肥満者の割合

土曜日に崎本部公民館で住民と食について考えるプチイベント開催予定。 ターゲットは小学生。そしてその家族や地域のおとなたち。 今回は台風が来る前に終われそうだ。そこで使うスライドづくり中。肥満関連。 やんばるの市町村別肥満者の割合というデータがあった。

bmigraph.JPG
出典は衛生環境研究所。老人保健事業に基づく基本健診の結果を収集分析して
ここ3年くらいはきちんと公表している。

対象者は全県で60000万人あまりいるが、その中味は偏りが著しく、 中高年女性が多く、若年層が極端に少ない構成になっている。それを了解した 上で、このデータを見る。

まず、国頭3村を除いて県全体の肥満者の割合を上回る市町村が多い。 特に離島は突出気味。おなじやんばるでも傾向は3つほどに分かれそうだ。 13年に比べて14年が増えている気もするが、これはもうちょっと調べて みないといけない。少なくとも健診機関による判定基準の差がないように BMIで出しているはずである。昨年あたりから腹囲(男85、女90)の内臓肥満 のチェックをしているところもある。

本部町は男性は県並みであるが、女性はやや肥満者(赤い部分)が多いようだ。 県並みといっても安心できないのが今のおきなわの実状ですね。

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2004.09.23

食卓デンサー節

代表的教訓歌のデンサー節って「伝承節」だと思ってたけど、違うみたいね。 大工哲弘先生によると

 「でんさー」とは「伝指(でんし)」の転訛(てんか)で、「であるそうだ」「であるさ」が変化したものという。
(出典:琉球新報コラム南風

で、食卓における伝承ことばをある小学校のPTAインタビューより抜き出してみる。 まずはしつけ

  • おしゃべりしながら食べない
  • ご飯を食べるときはテレビを見ない
  • ご飯→味噌汁→おかずの三角食べをした方がいい
  • 肘をつけない
  • 残さないでよくかんで食べなさい

次に栄養・効能

  • 牛乳飲むと背が高くなるよ
  • 肉より魚を多めにとりなさい
  • 肉食べてるか?
  • ニラは目にいいよ
  • シブイは肩こりにいいよ
  • 赤い色のものは心臓にいいものが多い
  • 豆類は血の流れをよくする
  • 米はエネルギーのもとだから1日1回は食べる

そしてじんぶん系(人文ではない)

  • 食後はお茶を飲むように
  • 野菜は虫食っている方が上等
  • 大根葉は医者要らず
  • 食事は家族で楽しく食べる
  • ものを大切にしないと貧乏人になるよ
  • 朝ごはんはその日の活力源だからしっかり食べるように
  • 乾燥梅干とコーラは合わない

これらの格言名言迷言のなかには「?」というものもないわけではない。 でも親が子どものころに言われた言葉を、今また自分の子どもに伝えている。 無意識のうちに伝承されている言葉たち。テレビ番組で一時的に踊らされる ブームものよりも確実に言い伝えられるかもしれない。というわけでいつか これをもとに食卓デンサー節でも作ろうかなと。

もちろん食卓はいいことばかりではない。食卓が説教の場になったり、 会話がないという場合もあり、それはいやな思い出として刻み込まれる。

  • しかるとか注意とか気持ちがマイナスになる話題は避ける
  • (親の都合で)急いで食べなさい!ばかり言っていた
などの注意も必要。

最近の調査では「家族で夕食半分以下 小5・中2調査(琉球新報9/17)というのもあった。

夕食についても家族全員で食べると回答したのは小学生で48%、中学38・6%と半数以下にとどまり、60%を超える全国平均(2000年調査)と比べると県内の「わびしい食卓風景」が浮き彫りとなった。
家族が揃わない要因でいつも子どもたちの塾通いが問題にされるが、 本当はお父さんが早く帰ってこないのも隠れた要因ではないだろうか(であるさぁ)。
30代 家族と食べよう 夕ご飯
といったところか。 今日も自省 (TT)

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2004.09.22

あと8キロやせたい!

結婚5年、夫は変わった… 花王が調査 妻67%「彼は太った」(西日本新聞) 調査名は「夫の健康に関する意識調査」で花王株式会社が今年6月に実施。 調査方法はインターネットアンケート(モニターから抽出)。 有効回収サンプルは900で30-50代の夫各100人についての調査。

調査結果の概要は記事にもあるように

-夫の73%が「自分は現在太っている」と感じ、妻の74%も「夫は現在太っている」と感じている。 -妻の67%が「夫は結婚後太った」と回答。同時に、夫の45%が「妻は結婚後太った」とも感じている。夫婦互いに、「太った」ことを結婚後パートナーの最も変わった部分として挙げた。
そうそう。
-夫が太り始めた平均は結婚5年目から。夫は平均4.6年で自分自身の、妻は平均5.3年で夫の太りはじめを意識。 -夫の肥満を意識する場面・・・「体重計に乗って自覚する」夫(74%)、「夫の風呂上りの姿に気付く」妻(66%)が、いずれもトップ。
風呂上りにウロウロする夫^ ^/
-夫の88%、妻の85%が、夫の運動不足を実感。原因は夫婦ともに「時間がない」がトップ。 -「そもそも(夫に)運動する気がない」と考える妻28%。夫の10%の3倍近くに達する。
などなど。 データトピックスとして挙げられていたのがこれ。
-太っている夫の9割が「痩せたい」。理由は「健康が心配」。平均あと8kgは痩せたい! 
ヘルシア等のトクホ(特定保健用食品)に絡めて体脂肪や肥満にターゲットを当てた調査を行っているのだろう。

あと8キロといえば、県民健康意識調査の結果(30代の特徴について)より

この時期の男性のBMIは全年代で最高であり(中略)20歳の頃からの体重増加は8.6キロに達する。
と同様の結果だ。20代からの生活習慣の積み重ねがこの時期には体重増加という形で現れてくる。 運動する時間がないのではなく、その時間を作ろうとしないというのが正確な表現なんだろう。自省の日々。

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2004.09.20

10の小さな瞳

久々に乳児健診に参加した。連休中の開催だったせいか、付き添うきょうだい
たちも多かった。会場を走り回って尻を叩かれているヤマングーもいた。

ある10ヶ月児を診察しようと目線を赤ちゃんに合わせたとき、きょうだいたちが
覗き込んできた。この子は5番目で、上に兄2名姉2名(一番上が9歳くらい
だった)。気がつくと、10の小さな瞳に取り囲まれていた。

はじめは心配そうに弟が診察されるのを見ていたが、やがて(自分たちが
何もされないとわかると)好奇の目に変わり、「これ(聴診器)本当に聞こえる
ばー?」とか「あい、おっぱいさわりよった」などひそひそ話も始まっていた。
「お母さんの手伝いしてるか?」と聞くと「びみょー」との返事(意味わからん)。
母親はニコニコしている。

小児科医の友人から聞いた話を思い出した。少子化が進んだ結果、一人の
子どもの発熱に、両親2名と祖父母4名の計6名の大人が付き添って来た。
診察しようと「お口を開けて」というと「あ~ん」とこの子以外の大人全員が
口を開けたらしい。今回とは対照的な6つの大きな口の話。

どちらの環境でも子どもはすくすく育つと思う。そして親の遺伝子を次代に
受け継いでいく。ただ、きょうだいが多いと子育てで難儀をする反面、その
バリエーションが増える楽しみもあるのかなと、5きょうだいの母親(まだ
30半ば)を見て思った。

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2004.09.19

ぶがりなおし

たった2時間半だけだったが、運動会のための環境整備に参加して草刈り大会。
途中から太陽も顔を出して応援し、汗をびっしょりかいて草刈った...。

終わってビールでも飲んだら美味いだろうなぁと思いながら、いやいや昼間っから
酒を飲むのが依存症のはじまりと言われてることを思い出して「断念」。でもね、
作業中に終わった後の報償(ビール)を頭に浮かべることはよくある話。

八重山小浜にいる頃はぶがりなおしと呼んでいた。いわゆる
「打ち上げ」または「お疲れさん会」。たしかはいむるぶしホテルのカラオケ
ルームの名前もそうだった。安謝あたりの居酒屋にも同じ名前があった。
みんなで共同作業(島では頻回にこういうのがあった)が終わった後に宴をもうけて
その日の労をねぎらったり、反省感想意見などを肴に酒を飲んで盛り上がる。
いっしょに汗を流した仲間だからこその盛り上がりがあって、連帯感も生まれる。

考えてみれば、仕事帰りに居酒屋で一杯というのもその種の反省会なのか。
コンビニの前で車座になってビールを飲むのもそう。
日曜日に朝から草野球をして反省と称して飲むのもそう。
ジョギングをして、汗を流した後に注入するビールもそうかもしれない。

結局、飲む口実になっている(飲酒が目的になっている!)。
しかも一人で飲んだりもする(これは定義に反している)。
日常化してしまうと盛り上がりにも欠けるのにね(上司のアルハラ)。

会議の後に飲み屋に場所を移して、引き続き議論することがある。どういうわけか
会議でシーンとしていた人がそこでは「本音」をしゃべったりすることも多い。
だからその手の「ぶがりなおし」にはなるべく参加するようにしている^ ^;

よくたばこを吸っている人が「ニコチンの力を借りてしか仕事できない」と揶揄されるが、
「酒の力を借りてしか本音が言えない」人というのも結構いる。それはそれで悪くない
と思ったりもするのだが、やはり恒常的にアルコールが入ることは避けなくては...。
ぶがりなおしも、たまにしかやらないから盛り上がるんだと思う。

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2004.09.17

運動会と灰皿

今度の土曜日は小学校の運動会のための環境整備で、参集指令が出た。
各地で運動会シーズンを迎えている。そういえば...

先日のたばこ対策連絡会議で、ある養護教諭が発言した。
「運動会当日、灰皿を置くか置かないかでもめているんですけど...」
もちろんその学校はまだ「敷地内全面禁煙」を実施していない。
例年は灰皿を設置している。

その理由は
○吸殻を分散させない
○吸う人を分散させない
だそうだ。

今年も例年通り灰皿を置く予定だったが、何人かの教師から分煙を勧める
べきではないかと提案があったという。でもそこで簡単に話が進まないのは
地域から学校に来る喫煙者に気を遣っているからだ。

今後、学校内の禁煙・分煙が進んでいく場合、PTAや地域の人が多く訪れる
運動会のようなイベントはその「試金石」となる。
北海道のはらしょう先生のblogにもそのことが指摘されている。

受動喫煙の害や喫煙マナーを守ることが浸透しているので、分煙を徹底する
という意思を表示すれば、喫煙者が気を遣ってくれるはずだ。今はそういう時代。
その時間だけ我慢してもらえばいい。

例えば東京都の日野第一小学校は学年だよりでお知らせしている。

☆ 本年4月より、学校敷地内禁煙が実施されています。たばこを吸われる方は、携帯灰皿を持参の上、学校敷地外(門の外)でお吸い下さい。学校では吸い殻入れ等の準備はいたしません。また、敷地外周辺に吸い殻等のゴミをお捨てにならないようご協力をお願い致します。

あとは当日の会場でそのことを表示すればいい。でもこういうことができるのも
学校として「敷地内全面禁煙」という方針を決定してこその話。それが先だ。

運動会に灰皿は必要ない。

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2004.09.15

しゃべり場inやんばる

彼らは頑張っている。もともとはピアカウンセリングの講座を受けた学生が 中心となって立ち上げた「はぴこむ」というグループ。活動の場は北部。だから URLはhttp://hapicom-north-ryukyu.com

このグループというか、活動をはじめようとしたきっかけが(中略) 保健所の「ピアカウンセラー養成講座」が全ての始まりだったんですね。 養成講座終了後は、主に性教育というか、正しい性の知識を若者達に 広めて、サポートしていく事が中心的な活動でした。(中略) した。そして、「確かに、今の若者達に正しい性の知識を広める事も 立派なサポートではあるけど、まずは若者達が安心して集える場所、 『この人たちならば何を聞いても大丈夫』と思える若者の支援者達が いるという環境が必要だ!」ということでカウンセリングを中心とした 活動を展開していこうという事になりました。  これから「はぴこむ」が目指すのは、沖縄の名護を中心に活動を 展開していき、若者が若者をサポートしていけるネットワークと場所 (街の保健室的なものか)をつくることです。

中学生や高校生を相手にしゃべり場を不?定期に開催している。 その様子もサイトに掲載されている。彼らを支えようとする大人も実はいる。 YASA「若者も大人も共に性を考え行動する研究会」というグループ。 看護学校の先生方をはじめ、若者たちに とっての良き相談相手をめざす。もちろん研修に行かせる余裕があれば 家族計画協会などの研修への派遣が可能になる。

本日YASAの会合で、おとなのしゃべり場も敢行。テーマは

「性とセクシャリティとは別物か」
だった。 結論は出なかったが、話せてよかったと思った。

こうやって(しゃべり場を継続させて)中高校生を「言語による コミュニケーション」でつないでいっている。よい仕事だと思う。

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2004.09.14

レストランフリッパー

名護21世紀の森あたりで、国道58号線から海沿いに入り、
あの琉球セメント屋部工場の煙突の前を通り、本部へと向う449号線。
その道沿い左手にあるレストランフリッパー(名護市宇茂佐)
いるかのマークが目印だ。
やんばるでは有名なその老舗ドライブインにはじめて入った。

受付待合いに「全館禁煙につきご協力願います」の表示。
ここにも「空気のおいしいレストラン」があったと嬉しくなる。
保健所のポスターを貼ってもらおうかしら
bouenzu.jpg
途中若者と思われる集団が大挙押し寄せるも喫煙する者なし。
小さな子ども連れでも安心して行ける店だ。

料理はボリューム多めでアメリカンフードの典型という感じ。
でももずくや中味汁もあったので、琉米マンチャー風。
おいしくいただきました^ ^。特にチキンがうまかった。

また行きたい店のひとつです。

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2004.09.12

医療救護班の仕事

明日は所内健康危機管理連絡対策会議(いつの間にか定例化している)。 この4月にメンバーが変わって、初の災害対策マニュアルのチェックがある。 前半は災害発生時を想定しての各班のプレゼンテーション。 後半は抜き打ち的に「医療救護班出動チェック」があるらしい。

医療救護班長として、抜き打ちに対して準備を怠るわけには行かない。 メンバーは、医師(班長)1、保健師4、運転手1の計6名体制。 班長以外はすべて地元(やんばる)在住職員で固めている。班長もここに住めといわんばかりだ^ ^;。 そんなことは気にせず、シナリオを考えてみよう(茨城のマニュアルも参考に)。


医療救護班の編成 ・災害対策基本法第23条により、沖縄県災害対策本部が設置された場合に保健所医療救護班が編成される。 ・では県の災害対策本部が設置されるのはどんな場合?(宿題)

医療救護班の派遣 ・知事(保健所長)は状況に応じて必要な医療救護班を現地に派遣する。 ・医療救護班は被災者の収容所、その他適当な地点に臨時救護所を設ける。 ・・・救護法適用の市町村の区域内の病院または診療所 ・・・上記の区域に隣接する市町村区域内の病院または診療所 ・・・必要に応じて巡回診療も行う

医療救護班の役割 ・医師は班の責任者であり、被災地における医療救護活動を行う ・保健師(3名)は被災地における医療救護活動と介助を行う ・保健師(1名)は他医療救護班との連絡や本部への報告等を行う ・運転手は班員の移送や被災者の搬送、物資の輸送等を行う

医療救護活動とは ・被災者を安全な場所へ移動する(救護所の設置) ・負傷者に対する応急措置 ・負傷者のふり分け(トリアージ) ・・・重傷者は後方医療施設へ連絡 ・・・転送の要否と順位の決定 ・死亡者に対しては死亡の確認と検案も ・その他必要な処置

準備するもの ・車(緊急車両) ・シート&毛布&枕(現場患者寝かせるところ用) ・担架と救急セット(酸素つき=九州沖縄サミットで配布されたやつ) ・・・救急セットの中身を確認すること ・患者カルテ(記録シート)&バインダー ・ゴミ袋 ・水?(処置用&飲用) ・携帯(カメラつき)→プリペイド ・着替え ・服装は以下の図を参照に(赤十字のHPより) d-uni.gif ・個人的にはライトが頭にあると、非常に見やすいのだが。 ・あとは救護所があることを案内する紙


続きは明日朝の事前(また直前だよなぁ)ミーティングで詰めましょう。

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結婚しない理由

次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画の中の必須14項目の目標値が 国に提出されつつある時期。実効性を確保するという理由で数値目標を義務付け られているが、肝心の財源が確保されていないとその実効性も揺らいでしまう。

以前から、この「保育サービスさえ充実すれば子どもは増える」的な考え方が 少子化対策の主役になっている。これをますます強化して2008年には育児保険 制度導入を目指している政党もある(公明党マニフェスト参照)。 子育ての社会化がキーワードらしいが、親の主体性を削ぐような 制度にはなってほしくない。

さて、以前にも書いたが

lifecycle.bmp

女性のライフサイクルの樹である。 育児に関するサービスの充実は、主に結婚した人へのサービスと受けとめられる (もちろんこの充実ぶりに非婚→結婚と枝を移動する人がいる可能性もあるが)。 で、もっとも右側の枝を歩く人たちへの対策が見えてこないと指摘されていた。

そこら辺を考えてか、国も「少子化に関する意識調査研究」報告を行っている。 独身男女をその年齢によって「若年独身(20-32才)」と「継続独身(33-49才)」に 分け、結婚意識、就労意識、社会意識、少子化についての考え方を聞いている。 概要版の報告書によると、「継続独身のまとめ」として

○  【継続独身】は、【若年独身】や【若年無子家族】に比べて、結婚について、「好きな人と一緒にいられる」という精神的な満足を得るものよりは、「社会的な信用」や「経済的な安定」という物質的な満足を得るものと捉える傾向が強い。また、結婚に伴う「ストレス」や「義父母や親戚などとのつきあい」という面を強く意識する傾向がある。 ○  このような中で、『結婚には喜びや希望を感じる』と受け止める者が、男性では8割弱、女性では7割と他のグループに比べて少ないが、実際に結婚している【若年無子家族】では男女とも9割を超えている。 ○  さらに、「親孝行」や「恩返し」という伝統的価値観が低く、「自己の能力」や「生き方」に対する自信も幾分弱く、「自分の健康・病気」、「老後の生活」及び「親の介護」という“自分に直接関わること”に不安を抱く傾向がある。 ○  したがって、【継続独身】については、物質的な満足感を追求し、個人や自分を強く意識する傾向がある中で、精神的な満足感を含め、結婚の意義や大切さを伝える取組を更に推進することが必要である。

一般的に、独身して自立した生活が長くなればなるほど、物質的には安定 してくる。自分の思い通りの生活を自分で組み立てることも可能。だがしかし、 そこに結婚という形でパートナーが入り込んでくると、(もともとは他人なので) お互いに気を遣ったりがまんしながら共同生活が始まる。 義父母や親戚づきあいだって「聞いてないよ~」みたいな出来事が多いので 結構ストレスフルだ。 さらにさらに子育てが始まると親の自由な時間は少なくなり(特に女性が)、 子ども中心の生活という風になる。そこに意義や喜びを見出せるかどうかが カギなんだろう。

忘れてならないのは、健康上の理由や社会的な理由から、結婚や出産を 断念せざるを得ない人たちが存在しているということ。国がこういう風に一気に 国民を誘導するときには、その陰で置き去りにされることが多いから、注意が必要だ。


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2004.09.11

BCG谷間世代

結核サーベイランス委員会で森亨先生の結核予防法改正の講義があった。 注目は来年4月から実施される「BCG直接接種」の移行措置の有無。 パブリックコメントを募集(リストの中に見当たらない!)していたこともあって 多少は期待していたのだが...結果は「移行措置ありません」とのコメント。 (正式には9月下旬に発表されるらしいが)

ということは、来年4月1日からはBCGを生後6ヶ月(困難な場合は1年)以内に 直接接種する方法が始まることになる。すなわち、その時点で1歳を超えていて、 BCG未接種の者は、原則として一生BCGが受けられないということになる。原則と 書いたのはこれらの子どもが結核患者と接触して定期外健診の対象になったら ツ反→陰性ならBCG接種という可能性があるということ。あとは任意で打つしかない。

すなわちすなわち、現行法(4歳まで接種可能)という枠内でこの半年のうちに BCGを接種するのが最後のチャンスということになる?!

平成13年4月1日から平成16年3月31日までに生まれたお子さんで、BCG接種がまだの方は、平成17年3月31日までに市町村にお問い合わせのうえ、BCGを接種して下さい
というアナウンスを流す必要がある。

しかししかし、当保健所管内をはじめとして、もともとBCG接種は集団方式で 年に1回~2回とチャンスが少ない市町村が多いはずだ。今年度済んでいて、次は 来年しか機会がないという市町村では、臨時に接種日程を組んでもらって漏れなく 受けさせるように広報してもらわないといけない。そうでないと、BCGの谷間世代が ずっと残ってしまうから。

国が予防接種の制度を「改正」したために、いわゆる「谷間世代」ができてしまう という苦い経験(苦くないのかなぁ)を風疹でしているはずなのに、今後はBCGで 同じことを繰り返そうとしている。まあ、風疹ほどの危機は訪れないにしても、事実 として不平等さが残ってしまう。それとも気にならないほど少ないだろうということか。

グジュグジュ言ってないで、とにかく対策を練らなくてはいけない。

関連情報 ・結核予防会ホームページ http://www.jata.or.jp/ ・結核予防法の一部を改正する法律案(厚生労働省)

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2004.09.09

アルテ(ALTE)とは

昨日の新聞を読んでいると耳慣れない言葉を発見。もとの記事はこれ。 県が医療ミス認め和解/うつぶせ寝で脳性まひ、死亡(沖縄タイムスHPより)

産後一カ月目に母親が同病院を授乳に訪れた際、男児は新生児集中治療室の保育器にうつぶせに寝かされた。看護師が約十五分ほど保育器を離れた後、戻ると、男児は呼吸が止まる乳幼児突発性危急事態に陥っていた。男児は蘇生措置で息を吹き返したものの、脳にまひが残って植物状態となった...
この中の「乳幼児突発性危急事態」について調べてみた。

乳幼児突発性危急事態apparent life threatening event(ALTE:アルテ)とは

「それまでの健康状態および既往歴からその発症が予想できず、しかも児が死亡するのではないかと観察者に思わしめるような無呼吸,チアノーゼ、顔面蒼白、筋緊張低下、呼吸窮迫などのエピソードで、その回復に強い刺激や蘇生処置を要したもののうちで原因が不詳のもの」
従来はニアミスSIDS(乳幼児突然死症候群)と考えられていたが、
疫学的な背景がSIDSに一致していないこと、およびSIDSの症例はALTEの既往がないものがほとんどであること、などが判明しています。そのため、従来の用語はSIDSの軽症型や早く発見されたために蘇生できた症例と混同される懸念があり、SIDSという用語を加えない新しい用語が提唱されています。
(以上SIDS2000より)

SIDSとは違うということではあるが、うつぶせ寝は関係あるのだろうか。 eMedicineというサイトで調べてみたが、ケアワーカーがチェックすべき項目とし ・Was vomitus or fluid found on the infant or bedclothes? ・Was there was any coughing or choking associated with the event? ・Was there any associated color change and, if so, what was the infant's color? ・Was the infant breathing and was his heart beating? ・Was the infant making respiratory efforts? ・Did the infant move during the event and, if so, what were the movements like? ・How long did the event last? Was stimulation required to terminate the event and, if so, what type? ・Were mechanical factors, eg, pinned in the crib, involved? position(体位)についての記述は探せなかったが。(あとでもう少し調べて、訳します)

しかし類似の判例では、やはりうつぶせ寝→窒息という原因がはっきりしている場合には看護士が有罪というのもある。 ちなみにこの判例では「乳幼児突発性危急事態ではない」と判断されている。

アルテを心配する保護者に対する在宅呼吸監視装置と称するハイテクベビーモニターの使用は かえって子どもを一人放置することにつながりかねないと日本小児科医会は釘をさしている。 異常が発生した時の蘇生法などの対応法を考慮しないこのような機具の販売は,

医学的観点から認め難いのみならず利用者の危険を顧みない非倫理的な行為と判断される. さらに多くの場合,ある一定期間の使用後に第三者に装置が渡ってしまう可能性がある. このような危険性を孕んだ販売方式では,無呼吸モニターの適切な説明と指導がないままに, 乳幼児に対し野放しで使用されることとなり,極めて危険な事態が発生することが懸念される.

知らないところでいろんな動きがあるんだなぁと無知を反省する朝。

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2004.09.08

喫煙先生、受難!

学校内敷地禁煙の波は和歌山県ではじまったと言われ、今や全国に広がっている。 休み時間になると喫煙教師(映画の題名みたいね)は車で敷地外へ出かけ、一服して また戻ってきたというエピソードもある。学校の禁煙HPでは全国の情報を発信している。

もちろん、沖縄県も「子どもの前でタバコを吸うモデルにならない」との理由で学校の 敷地内禁煙を広げるつもりであることはすでに書いた。しかし、一方で喫煙する教師が いることも事実である。[取材帳から]喫煙先生、受難 /大分(毎日Yahoo)という記事を見つけた。

たばこをやめるに越したことはないし、さらに受動喫煙で「勝手に他人の命を縮めるな」とも思う。しかし、教職員が学校で吸えないのはかえってイライラが募り、仕事に悪影響が出るのでは。それでなくともストレスがたまりやすい学校現場なのだから。針の先ほどのすき間があってもいい。
とは記者の弁で、難を受けた先生の話はなかなか上がってこない(そういう声を上げられない体質の職場かもしれない)。

現実には職場には喫煙者と非喫煙者が混在するというのが前提である。それは学校でも同じ。 だから敷地内全面禁煙を進めるときには、同時に禁煙支援(例えば学校医を介しての禁煙外来への 紹介とか、教師のための禁煙プログラム提供とか、教師禁煙日記の公開とか)をセットで行う体制を整えなければ 喫煙教師の理解は得られないと思うんだけど...

やっぱり甘いのかなぁ。

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2004.09.06

「だって店が開いてるんだのに...」

のにジュースの話ではない^ ^ ;

夜遅くから子どもを連れてスーパーに買い物に行ったりファミレスに夜食食べに 行く親の言い分である。 それは違います! そういう「お客さま」がいるから店を開けているんです。店は説教してくれないのに。ノニノニ... 北部近辺でも中南部にならって郊外型深夜営業のスーパーが増えている。

3歳児の健診報告書の話題が出たついでに関連するデータを見てきた。『子どもの就寝時間』

夜11時を過ぎて就寝する子どもの割合は20.9%(H13 n=13280)
同類の全国データを詳しく知らないけれど、以前の新聞NIEでは10%前後と報じていた。約2倍。 地区(保健所)別に見ると
北部17.9 中部20.3 中央23.1 南部17.1 宮古28.6 八重山26.5 
離島が特に突出しているのはH15でも同様だった。

北部地区はH15では2ポイントほど増えて、全県平均に迫る勢いだ。 近年増加する店の数との関係を見たら何か出そうな感じだ。 いずれにせよ、こんな小さいうちから大人の作り上げる環境に染められて育つ子どもたぢ。

夜遅くまで起きて悪いわけ?夜型社会は沖縄の文化なんでしょ!と開き直る人もいるかもしれない 寝るのが遅いと、必然的に起きるのも遅くなる。(朝8時以降に起きる割合は31.3%) そうすると朝ごはん食べない習慣が身につく。 その前に夜遅くから食事をする習慣も心配。 一番心配なのは、夜遅くから外出することに何の抵抗も感じないまま育つこと。 中学生や高校生が夜の事件や事故に巻き込まれていることを知らない大人はいないはずだ。

皆さんのところはどうですか?朝の子どもがいきいきしていますか?

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2004.09.05

Dr.コトーを探せ!

厚生労働省が情報センターを新設するというこの記事。 厚生労働省が、求む!「Dr.コトー」(日刊スポーツ)琉球新報9月3日夕刊2面にも掲載されていた。

厚生労働省が2005年度予算の概算要求に2100万円を盛り込み、へき地離島での勤務経験のあるベテラン医師を社団法人地域医療振興協会内に配置して、へき地勤務希望者からの相談を受けながら希望に合うような赴任先を決めるコーディネートをするらしい。情報センター的役割のようだ。あるいはへき地診療所のマッチング屋か(こないだは保健所医師でもこういうのを考えていた)。

Dr.コトー診療所では離島医師が孤軍奮闘する姿が感動的に描かれていた。実際にあのドラマを見て、離島勤務を志す若い医師が増えてくれたとしたら功績は大きいと思う。離島住民と共に暮らす中での診療は、まさに病気を治療するというより人間を治療する仕事であり、家族や地域の状況を視野に入れた医療活動である。これは大学病院勤務医には得がたい経験だ。私も計4年間離島で一人で働いたが、今の仕事の礎となっている。

しかし、現状は甘くない。いかに継続的にコトー先生を確保するかという課題が解決されていない。沖縄県では古くは医介輔の先生方が離島へき地で従事されていた時代があり、その後外国人医師、そして国費や自治医大へと引き継がれてきた。赴任医師のモチベーションを保つためには、待遇はもちろん、施設整備や研修の確保など整備すべき課題が多いはずだが、これらが赴任医師の「犠牲的精神」によりまかなわれてきたことは否めない。

もう一つの問題は、へき地を支援する病院や医師全体の意識。例えば離島医師が研修や休暇で島を空ける際に、ピンチヒッターとして島で仕事をするドクタープール制を敷いているが、県立病院内に「定数」として確保されている彼らを見る同僚の視線は暖かくなく、「代診屋」と陰口を叩かれることもあると聞く。多くの県立病院医師にとって、離島医療は他人事なのかもしれない。

離島に医療に貢献しようという志を持って島に赴任したが、長続きせず数年で島を去らざるを得ないという経験をわれわれは何度も何度も繰り返してきている。コトー先生が快適に仕事や生活を続けることができる「しくみ」こそが重要なのだ。

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2004.09.04

モラル・ハザード

梶井厚志「戦略的思考の技術~ゲーム理論を実践する」(中公新書)より
モラルハザードという言葉はよくモラル(道徳)のハザード(危機的状況)と解されることが多い。 しかし、この本によると、もともと保険業界用語であるこの言葉について、

モラルハザードとは相手の好みや性質がわかっていても、相手の行動が観察できないために生じる問題である
としている。

例として

  • 支払いが大きい自動車保険に加入した人は、そうでない場合よりも運転に注意を払わないかもしれない
  • 自動車の盗難保険に入った人は、そうでない場合よりも車の駐車場所に気を使わないかもしれない
したがって保険会社としては、被保険者が不注意になるだろうということを考慮に入れて 保険料を高くせざるを得なくなり、最悪の場合には保険制度自体が成り立たなくなるという 危機的状況になるであろう。保険そのものがリスク回避というインセンティブを低くしている。

この場合、問題が不注意運転や反道徳行為を行う人(加入者)の道徳や倫理にあるのではなく、 加入者の行動が観察できない(例えば、わざとぶつけたのかどうかがわからない)ために、双方の利益が 実現しなくなるようなインセンティブ契約を結んだ点にあるということである。

その他のモラルハザードの代表例としては、

  • 顧客から製品に対してクレームがついたので、担当の部下を謝りに行かせたいが、先方でどのように謝るかが観測できないので、無理して時間を作って自分で謝りに行くという非効率的な行動をとる
  • せっかくパートの人を雇っても、指示したとおりの仕事を本当にこなしているかどうかがわからないため、結局自分ですべてチェックするはめになる。
  • 食にこだわるあまり野菜は有機農法のものしか使いたくない人にとって、買ってきた野菜が本当に有機農法で作られたかどうかを観測するのが難しいため、無理をして自分で野菜を作り始めたりする。
  • 恋人の素行が気になるため、出張先でもケータイにしつこく電話を入れて、時間と電話回線の無駄使いをしたりする。

「モラル・ハザード問題の解決のためには、何らかのインセンティブ契約を考え、観測可能でない行動をとるインセンティブを相手に与えることが有効」とするが、そもそもインセンティブを与える対象は観測可能であることが条件なので、観測可能でない行動をとった結果、観測できるようになるものを対象とするというところがこの問題の難しいところだ。う~ん、何だか書いてる方が混乱してきたぞ...

例えば、健康づくり教室などで「がんばって健康づくり活動を行ったら、表彰する」というよりは「がんばって3キロやせたら、表彰する」というインセンティブ契約の方がモラル・ハザード解決に近い。こういう「見える成果」に対してインセンティブが与えられなければ相手のやる気も期待できないということか。

組織における人事評価についても

人事部のブラックボックスの中で行われた給与査定が通知されるだけであったり、あいつは仕事ができるという社長のツルの一声で昇給が決まるようだと、モラルハザードを解消するインセンティブにはならない

これに関連して、沖縄県庁における新たな人事評価制度試験導入のニュースを思い出した。

本間勝人事課長は「現行の人事評価は職員の理解、納得が不十分なままで機能していない。試行で精度を高め、06年度から本格実施したい」と述べた。  同制度は業務目標の達成度をはかる業績評価と、判断力や企画・計画力など7項目からなる能力評価がある。自己申告による評価を基に評価者の上司と面談を重ね、来年1月中旬をめどに、それぞれの目標の設定や進行状況、達成度などを評価シートにまとめ、人事課と本人に内容を伝える。
「見える成果」に対してインセンティブを与え、そのしくみをガラス張りにするという点では、 この試みはモラルハザードの解消につながる可能性がある。一歩前進。

モラル・ハザードについては青山学院大学国際政治経済学部の瀬尾助教授がわかりやすく解説しているので参照されたい。


もうすぐ30000番。

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2004.09.03

MDRPって何?

早朝テレビで白衣を着た人が頭を下げているから何だろうと横目で見ていたら このニュースだった。京大病院:11人が院内感染、うち2人死亡(毎日)

京都大医学部付属病院(京都市左京区)は2日、入院患者2人が、さまざまな抗生物質が効かない「多剤耐性緑膿(のう)菌(MDRP)」に感染して死亡したと発表した。病院が調べた結果、死亡した2人を含む患者計11人の血液などから同じ型のMDRPを検出。同病院は院内感染の可能性が高いとみて感染経路を調べている。
「天下の京大病院」での発生に不安を訴える市民の声も掲載されている(京都新聞)

感染症というのは3つの要素からなる。すなわち、感染源、感染ルート、感受性のある宿主だ。 このMDRP感染症については、 感染源としては、多剤耐性緑膿菌 感染ルートは、詳細不明としながらも ・経食道エコー端子剥離を介した感染(阪大例)=阪大病院の院内感染で調査委が最終報告(読売) ・内視鏡による感染の可能性(京大例)=京大病院で院内感染か 2人死亡、11人から耐性菌検出(朝日) ・トイレの可能性(京大例)=院内感染で2人死亡 京大病院(産経)などが考えられている。 宿主の感受性については、 ・入院中の日和見感染を起こす、または免疫力が落ちた患者、ICUでの院内感染の原因

Most infections caused by P. aeruginosa occur in hospitalized patients who are debilitated or immunocompromised. P. aeruginosa is the second most common cause of infections in ICUs and a frequent cause of ventilator-associated pneumonias. In addition to hospital-acquired infections, HIV-infected patients are at risk for community-acquired P. aeruginosa infections and often exhibit signs of advanced HIV infection when they become infected.
(Merck manual,psedomonas infectionより)

今のところ症例数は多くないが、死亡例も出ているので、対岸の火事とせずに管内医療機関へも
注意を喚起していかなくては。

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2004.09.01

3歳児健診保護者の喫煙率

北部地域の学校の先生方とたばこ対策について話し合う。そのための資料作成。 先生方の興味のひとつに「この地域が県全体に比べて未成年の喫煙が高いのかどうか」がある。 健康おきなわ2010では児童生徒の喫煙率について

喫煙経験率はさらに高く、小学校5年生が約12%で、学年があがるとともに上昇して中学3年生には約24%と倍に達し、高校1年生には26-34%で地域差もほとんどない(図2)
としている。

各保健所ごとに行われてるこの手の調査は対象や方法や年度が一致していないこともあって評価が容易ではないが、一定の傾向は示していると思う。むしろ、全県的に教育サイドが行動調査を行っているものを探した方がいいかもしれない(なかなか地域ごとに分けて集計してくれないが)。

そこで、資料を探してきたのが乳幼児健診報告書(社団法人沖縄県小児保健協会) のなかの問診表集計部分。 3歳児を持つ親の喫煙を問診で聞いている。市町村ごとにも毎年集計されて報告書に載る。 受診率が7割~8割程度という制約はあるが、毎年モニタリングできる数字として活用したい。 3歳児健診保護者の喫煙率(%)の推移
graph-3.JPG
(追記9月2日:本文内にテーブルを挿入することに失敗したためグラフを載せました)
(追記9月5日:サンプル数についてはH13報告書では県全体の受診13,280、北部地区974です)
15年度分データは未確定ではあるが、この数字を見ると男女とも県よりも高いことが伺える。 この若い(20-30代が多い)親たちのたばこを吸う姿を見て、子どもたちは(たばこ道へと) 導かれるのだろうか。

たばこ対策で先生方と話し合いたいことの一つに、

ゴールをどこにおくか(それをどうやって調べるか)
がある。対策の評価指標とその入手手段だ。いろいろあるだろうけど..
・たばこは絶対吸わないと感想に書いた子どもの数(その場限り?) ・親のたばこをやめさせた子どもの数(これは的外れだけど、いいかもしれない) ・たばこで指導される児童生徒の数(見つからなければいいの?) ・たばこの健康被害に関する知識(知識だけでは喫煙を防げない) ・卒業する時点での未経験率(どうやって調べる?) ・じゃあ、20歳の時点で吸っていない子どもの割合(追跡不能ね)

追跡も難しいが対象集団(教育を受けなかった群)との比較もまたまた難しい。 でもこれを決めておかないと「趣味なの?」とかイヤミを言われたりするから悔しいし。

となると、たとえ横断的であっても今回示したような地域の喫煙行動に関するデータが、 「定期的に」入手できるしくみが必要なのかもしれない。(この件、妙案募集中)

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