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2004.09.12

結婚しない理由

次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画の中の必須14項目の目標値が 国に提出されつつある時期。実効性を確保するという理由で数値目標を義務付け られているが、肝心の財源が確保されていないとその実効性も揺らいでしまう。

以前から、この「保育サービスさえ充実すれば子どもは増える」的な考え方が 少子化対策の主役になっている。これをますます強化して2008年には育児保険 制度導入を目指している政党もある(公明党マニフェスト参照)。 子育ての社会化がキーワードらしいが、親の主体性を削ぐような 制度にはなってほしくない。

さて、以前にも書いたが

lifecycle.bmp

女性のライフサイクルの樹である。 育児に関するサービスの充実は、主に結婚した人へのサービスと受けとめられる (もちろんこの充実ぶりに非婚→結婚と枝を移動する人がいる可能性もあるが)。 で、もっとも右側の枝を歩く人たちへの対策が見えてこないと指摘されていた。

そこら辺を考えてか、国も「少子化に関する意識調査研究」報告を行っている。 独身男女をその年齢によって「若年独身(20-32才)」と「継続独身(33-49才)」に 分け、結婚意識、就労意識、社会意識、少子化についての考え方を聞いている。 概要版の報告書によると、「継続独身のまとめ」として

○  【継続独身】は、【若年独身】や【若年無子家族】に比べて、結婚について、「好きな人と一緒にいられる」という精神的な満足を得るものよりは、「社会的な信用」や「経済的な安定」という物質的な満足を得るものと捉える傾向が強い。また、結婚に伴う「ストレス」や「義父母や親戚などとのつきあい」という面を強く意識する傾向がある。 ○  このような中で、『結婚には喜びや希望を感じる』と受け止める者が、男性では8割弱、女性では7割と他のグループに比べて少ないが、実際に結婚している【若年無子家族】では男女とも9割を超えている。 ○  さらに、「親孝行」や「恩返し」という伝統的価値観が低く、「自己の能力」や「生き方」に対する自信も幾分弱く、「自分の健康・病気」、「老後の生活」及び「親の介護」という“自分に直接関わること”に不安を抱く傾向がある。 ○  したがって、【継続独身】については、物質的な満足感を追求し、個人や自分を強く意識する傾向がある中で、精神的な満足感を含め、結婚の意義や大切さを伝える取組を更に推進することが必要である。

一般的に、独身して自立した生活が長くなればなるほど、物質的には安定 してくる。自分の思い通りの生活を自分で組み立てることも可能。だがしかし、 そこに結婚という形でパートナーが入り込んでくると、(もともとは他人なので) お互いに気を遣ったりがまんしながら共同生活が始まる。 義父母や親戚づきあいだって「聞いてないよ~」みたいな出来事が多いので 結構ストレスフルだ。 さらにさらに子育てが始まると親の自由な時間は少なくなり(特に女性が)、 子ども中心の生活という風になる。そこに意義や喜びを見出せるかどうかが カギなんだろう。

忘れてならないのは、健康上の理由や社会的な理由から、結婚や出産を 断念せざるを得ない人たちが存在しているということ。国がこういう風に一気に 国民を誘導するときには、その陰で置き去りにされることが多いから、注意が必要だ。


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