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2005.01.31

次世代計画と乳幼児健診

市町村乳幼児健診を一手に引き受けている県小児保健協会。 健診の効果や必要性をアピールしておかないと、一気に健診も 「金と共に去りぬ」となってしまう? (モデルチェンジの時期ですね)


原稿メモ(沖縄の小児保健)

母子保健の流れ

  • サービス提供の主体は市町村へ(H9)
  • 中央集権(官僚主義)から地方分権へ
  • 地域保健法の成立(H6)
  • 母子保健サービスの市町村移譲
  • それに向けての計画策定(H8)
  • 市町村母子保健計画に基づいたサービス提供の時代へ
  • でも実際は補助金があるから仕事があった

健やか親子21(H12)

  • ヘルスプロモーションの推進
  • 21世紀の母子保健の進むべき方向性
  • 思春期健康教育
  • 快適で安全な妊娠
  • 健やかに育つための環境整備
  • 育児不安への対応
  • (食育も?)
  • 市町村母子保健計画の見直し指示(H13)

深刻な少子化

  • 少子化の何が問題か
  • 社会保障制度の根幹に関わるという認識
  • 妊娠や出産は女性自身が決めるという原則
  • リプロダクティブヘルス&ライツ
  • これまでの対応(エンゼルプラン)
  • 沖縄の現状
  • 総合的な取り組みの必要性
  • 次世代育成支援対策推進法の成立(H15)
  • 10年間時限立法
  • 総合的な取り組み(7省庁にまたがる)
  • 母子保健サービス提供の後ろ盾に
  • 母子保健課長通知が消えた

ここへ来て深刻な財政難

  • いわゆる三位一体改革
  • 補助金行政との決別へ
  • 予算の組立ても地方自治体次第
  • 「まずは補助金削減から」
  • 削られる金、削られる事業
  • 乳幼児健診の存続の必要性を説明してください
  • 何に基づいて仕事しているですか?
  • 次世代行動計画の中に盛り込まれている事業の推進
  • 住民や関係機関とともに推進していこう
  • 補助金はあてにならない

ここまで1月31日午前6時21分

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2005.01.30

妊婦に禁煙を勧めるのは誰?

沖縄タイムス1月29日夕刊の記事より 子育て中の親へ禁煙指導進まず/県まとめ

 県健康増進課が五十二市町村と四十四カ所の医療機関に行った 「妊産婦の健康支援に関するアンケート」によると、母親学級の開催は 市町村が53・8%、医療機関が72%(三十二カ所)。 そのうち禁煙指導の実施は十八市町村、二十二機関とそれぞれ六割程度だった。
ということがわかった。

妊婦自身の喫煙や妊婦が受ける受動喫煙は、胎児の成長に大きく影響する。 そのことは多くの妊婦が認識しているだろう。そして妊娠を機会に禁煙・節煙を 希望する妊婦(あるいはその夫)も多いはず。そう言えばこんな全国調査があった。

わが国における妊産婦の喫煙・飲酒の実態と母子への健康影響に関する疫学的研究 (主任研究者 大井田隆 国立公衆衛生院 公衆衛生学部長)厚生労働科学研究成果データベースで「妊産婦」「喫煙」で検索) 2002年に全国の妊婦16000名余に行った調査。これをみると

  • 妊娠前喫煙率は25.7%、妊娠中喫煙率は9.9%、妊娠を契機に6割が禁煙
  • 禁煙は妊娠の初期で行われたと推測
  • 妊娠中喫煙者も84%が本数を減らしている
  • 97%が節煙・禁煙の意志を持っていた
  • 回答者の約2/3は日常的に受動喫煙を受けており、その8割は夫からのもの
  • 喫煙が胎児に与える影響は9割が知っていると回答> これに対して周囲からの禁煙や禁酒の働きかけの主体については
  • 最も多かったのは「夫」
  • 医師、助産師、看護師などの専門家はきわめて少数(喫煙16%、飲酒3%)
すなわち
禁煙・禁酒に関する医療機関・行政の支援が未だ不十分である実態が明らかになった
沖縄も同じだ。

97%が節煙・禁煙の意志を持っているわけだから、専門家と呼ばれる人たちは

安次嶺院長は「現在たばこを吸っている母親が、妊娠中も喫煙していた可能性は高い。禁煙指導をより強化していく必要がある」と強調した。
という認識をさらに強く持つべきだ。

しかし壁もある。現在禁煙支援の主流はニコチン代替療法。 ニコチン依存から脱却すべく、ニコチンガムやニコチンパッチなどの 禁煙補助剤を利用することが多い。

ところが、これらの禁煙補助剤は「妊婦または妊娠していると思われる人」を 使用禁忌者として挙げているため、これが使えない。まあ、妊婦にとって 安全であるわけはないから、当然と言えば当然だが、これを使えないことで 喫煙する妊婦はさらに高濃度ニコチンを自らの体と胎児に注入することになる。

でなければたばこのパッケージに

「妊婦または妊娠していると思われる人は禁忌」
と表示することを義務付けるとか。 胎児の頃からたばこの害にさらされる子どもたち。その影響が心配です。 関連記事「受動喫煙と子どもの成績」も読んでね。

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2005.01.28

燃え尽きてませんか(自分)?

回覧文書から拾った豆知識シリーズ(2) 昨日の「高令者虐待」についてはその定義に「本人の意志確認が必要」 というのが児童虐待とは違うところですね(追記)。

今日のバーンアウトに関しての出典は、後でアップします。


質問:ここ数週間の気持ちをお聞かせ下さい。

スケール

  1. まったくない
  2. ごくまれにある
  3. まれにある
  4. ときどきある
  5. しばしばある
  6. たいていある
  7. いつもある

項目

  • (1)疲れやすい
  • (2)気が滅入る
  • (3)毎日の生活が楽しい
  • (4)体が疲れはてる
  • (5)精神的にまいってしまう
  • (6)心が満たされている
  • (7)精根がつきはてる
  • (8)ないがしろにされる
  • (9)みじめな気持ちになる
  • (10)力を使いはたしたような気持ちになる
  • (11)期待はずれの気持ちになる
  • (12)自分が嫌になる
  • (13)うんざりした気持ちになる
  • (14)わずらわしい気分になる
  • (15)まわりの人に対して幻滅感やいきどおりを感じる
  • (16)気が弱くなる
  • (17)投げやりの気持ちになる
  • (18)拒否された気分になる
  • (19)楽観的な気分になる
  • (20)意欲に燃える気持ちである
  • (21)不安な気分になる

算定 {A+(32−B)}/21 B=(3)(6)(19)(20)の項目の回答数字の合計 A=Bの項目を除外した回答数字の合計

スコア

  • 2.9以下:精神的に安定し心身ともに健全である
  • 3.0〜3.9:Burn Outの徴候が見られる
  • 4.0〜4.9:Burn Outに陥っている

試しにタクシーの中で試算してみた(車酔いしそうだ) A=65 B=24で計算すると3.48 燃えてはいるが、燃え尽きの徴候も見られているという 30代最後の冬。

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2005.01.27

虐待のパターン(高齢者篇)

回覧文書から見つけた豆知識シリーズ(1)


高齢者の虐待に関する講義ノート(岸恵美子:自治医科大学看護学部講師)より

Aタイプ:介護負担蓄積型
  • 高齢介護者や共働き夫婦などでは、不慣れな負担の多い世話を 継続することに疲れてしまったり、先行きに希望がもてない状況に陥り、 それらの不安や不満、疲労などのストレスを、被介護高齢者に向けてしまうタイプ。
  • 具体的な介護、家事サービスと心理的な支援、介護者の気分転換が重要である。
Bタイプ:力関係逆転型
  • 子どもの頃厳格な親に高圧的に育てられるという親子関係、あ るいは支配的な夫婦関係、嫁姑関係があった場合などでは、高齢者の心身の 衰えや介護をきっかけとして、それまでの力関係が逆転し、虐待行為に至る 例が多い。
  • 介護負担を軽減するとともに、虐待者の長い 間のストレスや心のわだかまりを、解放させるアプローチが必要である。
Cタイプ:支配関係持続型
  • Bタイプとは対照的に、長い間高齢者が弱い立場におかれ、被 支配的な関係が継続していた場合、高齢者の心身の衰えがより支配−被支配 の関係を増強していくタイプである。
  • 可能な限り高齢者 自身の自覚を促すとともに何らかのきっかけをとらえて虐待者の自覚を促 し、持続した力関係を絶つようにする必要がある。
Dタイプ:関係依存密着型
  • 親子、夫婦の間の関係に多く見られるタイプで、高齢者も虐待者もそれ ぞれのアイデンティティが確立していない、いわゆる共依存 の関係が基盤にあり、 介護の負担が生じたことにより、虐待の形をとることが多くなる (普段はとても愛情深いが突然キレる状況)。
  • 第3者の介入やサービスの導入を図ると共に、 家族それぞれの自律、自立を図るアプローチが求められる
Eタイプ:精神的障害型
  • 高齢者か虐待者のどちらかにアルコール依存や精神障害、人格 障害がある場合、虐待の状況はより深刻になる。近年、報道事件が増えてい る財産や生命保険目当てに意図的に介護放棄をしたり、殺人を犯すなどの例 も、これに近い要員と推測される。
  • 専門病院などでの治 療的アプローチとともに、担当スタッフだけでなく、日頃から家族親族やコ ミュニティ・行政を含む支援のネットワークを大きくすることが必要である

関連サイト:日本高齢者虐待防止センター(リンク集が豊富)

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たばこの害と少年スポーツ

通算301本目の記事となります。平均1日と15時間に1本の割合で書いているらしい。 皆さま、今後ともよろしくお願いします(ペコリ)。


さて、昨晩は名護小学校多目的教室をお借りして

たばこの害とスポーツ指導に関する学習会
なるものを行いました。以下が開催要項(抜粋)。
目的
○喫煙防止教育の担い手を養成すること ○少年スポーツ指導者にたばこの害を認識してもらう
実施主体
北部福祉保健所 たばこ対策連絡会議
対象
名護市サッカー協会少年スポーツ指導者、父兄、子どもたち
内容
  1. 喫煙防止教育のデモンストレーション1:紙芝居「たばこなんてけっとばせ
  2. 喫煙防止教育のデモンストレーション2:講演「たばこの害について」
  3. たばこスライド2004の紹介
  4. まとめ(これからの喫煙防止教育のあり方について)
  5. 意見交換

日が落ちてからの開催ということで出足は鈍かったが、最終的には サッカー協会役員や市内小学生サッカーチームの監督や子どもたちなど 10数名が集まってくれた(感謝)。

講師は1の紙芝居が保健所保健師、2の講演がサッカーを教えているK氏 (本職はイラストレータ)。いずれも講師デビュー戦であったが、内容はよく伝わった。 特に普段から練習を見てもらっているコーチ(K氏)から話を聞くとあって 子どもたちの反応は良く、講演の途中もやりとりをしながら進めていた。

名護市サッカー協会は、たばこへの関心が高まり、先日の試合から 会場内に灰皿を設置して喫煙区域を制限したり、監督が周囲に禁煙を宣言したり という動きが見られているらしい。今回の勉強会をきっかけに、さらにその動きが 広がっていくと思われる(指導者講習会で時間を設けるとか)。

喫煙防止教育の対象として少年スポーツを選んだのは、そのコーチや監督が 子どもたちにとって「見本となる身近な大人」で影響力が大きいから。 たばこの害を説明する担い手としても、適していると思われます。

もちろん、サッカー少年が喫煙するとチームの成績にも影響するだろうから こういう動きを広めることで北部の少年サッカーがますますレベルアップして欲しい というねらいもある(今でも強いけど)。

広報の仕方や会場のセッティングなど、今後の課題も見つかったが このような小さな活動を地域で続けることで

「誰にでもできる喫煙防止教育」
というムードが高まっていくと考えている。 実際、K氏には次年度市内の中学校から講師としてのオファーがあるらしい。

意見交換の後、教材CDを希望者に無料配布して、記念すべき第1回目を終了しました。 講師の皆さん、サッカー協会関係者の皆さん、どうもありがとうございました。

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2005.01.25

フォトボイスって何ね?

今年もやって来ましたJICAの島嶼国研修生たち。 フィジーパラオクック諸島などの看護師や保健師たち10名。みんな大柄。

今週末から伊江島に渡って地区踏査を行う日程になっている。 昨年も企んだことだが、せっかく地域住民の生活を見るのだから そのどこに問題点が見え隠れするかを、写真で説明してもらおうと 考えたのが、このフォトボイス手法。昨年は探せなかったが、 web上にPHOTOVOICEを解説したサイトがある。

本来は、Wangらによって提唱された参加型アクションリサーチアプローチ。 沖縄県立看護大学の岡村先生によると

住民が一定のテーマで写真を撮影し、その写真に「ボイス」をつけ、 グループ討議することによって課題を共有化し、解決方法を住民自らが 発見するもの
と定義している。

この場合の「住民」とは、普段なかなか政策決定に関与できない立場の 女性や老人、子どもなどが対象。写真を用いた grassroots approachと言える。 ゴールが3つ示されていて

  • 住民が問題を記録してコミュニティの強化に反映できる
  • 重要項目について写真やグループ討議を通して対話ができる
  • そしてそのことが政策決定者にも届くこと
“What experts think is important may not match what people at the grassroots think is important.”(専門家が重要と考えることと草の根的大衆が重要と考えることはミスマッチがある)
というのが前提になっている。

専門家はしばしばデータやエビデンスを重視して問題点を明らかに するけれど、地域に住んでいる人の要望と離れている場合が多い。 両者がお互いの考えを理解したうえで議論を進めることが必要だ。

この手法の短所は現像代がかかること。写真をデジカメや携帯で 撮って、それにコメントを書き込んで、パワーポイントなどで発表する というのが今後の主流になると思われる。詳細はwebsiteを照会のこと。

伊江島から帰ってくる月曜の午後に保健所で発表会を開きますので そのあとレポートします。

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2005.01.23

カリエスリスクと伊是名島

先週行われた歯科研修会の講師は伊是名村立歯科診療所の中島 先生でした。赴任されて約12年間の実践活動に基づく予防のお話。 カリエスリスクという指標を用いて、児童生徒の特に永久歯を守る 活動を展開されてきました。

島で長く仕事をしているうちに、治療から予防へと考え方がシ フトしてきたとのことで、検診で早期発見し早期治療(削る日々) から健康な歯を育てようというスタンスに変わったそうです。 これは今の健康づくりの流れと似ているなぁと思いながら聴講しました。

カリエスリスクというのは以下の8項目についてアセスメントを行い、 虫歯になりやすさを判定するもの。

  1. 唾液の量
  2. 唾液の質
  3. 細菌の状態(ミュータンス菌)
  4. 同(ラクトバチラス菌)
  5. おやつ、飲食の回数
  6. フッ素の使用回数
  7. DMFT
  8. プラークの状態
それぞれの項目を最も悪い3点〜良い0点で採点(worst 24点)。 これを合計して子どもに直接説明しているとのこと。 データを蓄積していくと
伊是名村では7点を越えると新たな虫歯が増加する
ことがわかったそうです。
すなわち
  • 0−4 とてもなりにくい
  • 5−7 なりにくい
  • 8−10 なりやすい
  • 11−13 とてもなりやすい
  • 14− 非常になりやすい
このことを毎年子どもたちに(またなぁと言われながらも)講義をしています。

小中学生はフッ素入りの歯磨き剤で歯を磨く習慣をつけて、 いや、歯を磨く習慣は保育園から始めているとのことでした。

食後磨かないと口の中が気持ち悪い
という生徒も多く、この習慣が定着していることを伺わせます。

その他、マタニティ教室から始まり乳幼児健診、保育所健診、 小中学校での健診やその後のフォローもすべて中島先生が行っており、 その成果は

12歳児DMFT(一人平均虫歯数)が5.7(H8)→1.3(H16)
という数字になって表れています。 歯の指標が全国ワーストと言われる沖縄県、 その中でも悪いデータが多い北部地域において、 全国水準を上回るこの数字は特筆に値すると思います。

僕の使命は中学卒業まで虫歯にさせないことで、 できれば20歳までその状態を続けて欲しい
とおっしゃっていましたが、その言葉通り、現在中学生で虫歯のない生徒 (カリエスフリー)の割合が6割を超え、村の広報誌にも載りました。 島には高校がないので進学する時には島を出なければなりませんが、 その子たちにきれいで丈夫な歯をプレゼントするという実践活動が聞けた 有意義な時間でした。

伊是名の子どもたちは、きれいで丈夫な歯を持って生活できる ことの大切さを実感し、それを誇りに思っていいと思います。行政 や保健関係者もこの実践活動をきちんと認識しサポートを続けて欲 しいものです。

さらに言えば、治療一辺倒から予防にシフトしようと思っても それができない壁となっている診療報酬制度(予防だけでは点数が 上がらない)についても検討が必要ということですね。

時間と根気が必要との言葉が印象に残りました。 やはり何事もこれなんですね。

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2005.01.21

糖尿病と歯周病

2月2日に行なわれる生活習慣病予防シンポジウム。 ターゲットは糖尿病。そのパネラーとの打ち合わせ会がありました。 パネラーのひとりとして地域の歯科医師にも発言してもらう予定。

糖尿病と歯周病の関係について資料をいただきました。 (朝昼晩14号=歯と歯みがきを科学するデンタルマガジン) どちらも現代を代表する国民病ですよね。歯間ブラシ使ってますか?

歯周病とは、

歯と歯ぐきの間に食べかすがたまって最近が増殖し、炎症起こした状態。 歯ぐきや歯槽骨の組織に侵入して、放置すると歯を失うこわい病気
成人が歯を失う(ハーモー化する)原因は虫歯ではなく、歯周病です。

長期にわたって歯ぐきに炎症があると細菌が歯肉の組織から血管に入り、 全身に運ばれる。歯周病菌を持った血液が肝臓に入るとブドウ糖の代謝を妨げ インスリンの働きを弱めることに。
また歯ぐきの炎症を抑えるため免疫細胞から出るサイトカインという物質も インスリンへの抵抗を高め、結果的に糖尿病を悪化させる。
らしい。

逆に糖尿病があると、口の中が乾き唾液中のブドウ糖濃度が上がって

歯垢がつきやすくなる
また歯ぐきの血管に酸素や栄養が行き渡らず、免疫力が低下。 感染も受けやすくなる。
らしい。

ということで、両者は悪循環に陥りやすい危険な関係にある。 症状が出にくいというところも似ている感じがする。

まあこういう本に載っている理屈よりも、実際に診療している先生方の

歯周病の治療がうまくいかないと思ったら糖尿病だった
口の中を見ただけでベタベタしていて糖尿病ってわかる
などの声のほうが実感こもっていて説得力ありますよね。

ではその対策については、食後の血糖上昇がゆるやかになるような食べ合わせ

酢の物・納豆・味噌汁・ワカメ・とろろ
など、よくかんでゆっくり食べることが基本とし、なるべく唾液の分泌を増やすように
  • できるだけひき肉を使わない
  • 果物は皮付きで食べる
  • 食物繊維の豊富な食品を食べる
ことが推奨されています。

糖尿病は放置病と田仲先生から教えてもらいましたが、やはり 症状がマスクされやすいことがその大きな要因でしょう。

  • 歯周病を合併しても症状が出にくい
  • 感染症を発症しても神経障害で症状が出にくい
  • 結核を合併しても呼吸器症状が出にくいなどなど
身体からのサイン(兆候)が伝わりにくくなる病気としてとらえましょう。

意外に大きい歯科の医療費のことも伝わりにくい気もしますね。

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2005.01.19

鳥インフルエンザによる24人目の死者(越)

Yahoo!ニュースのサイエンストピックス「感染症と衛生(国内)」はノロ一色。 マスコミが必死に情報を取ろうと電話をかけてくるのがわかる気もする。

そんな中、海外からは鳥インフルエンザのニュースも入ってきている。

ベトナムでは24人目の死者が出たとのこと(残り2名も危篤)。
NIKKEI NETの鳥インフルエンザ特集からの記事。 こういう特集があると流れを確認できて助かる

鳥インフルエンザ→新型インフルエンザとなることの脅威は昨年2月に 開戦前夜という記事の中で根路銘博士から学んだ。 その後

日本は世界で6カ国目の感染確認国(12/22)
脅威は確実に近づいている。

【中国】研究者:経済的飼育法で鳥インフルエンザ起きる (Yahoo!ニュース)では、

養鶏などでは、経済的効率を高めるために、 大量のニワトリを狭いスペースで飼育することが、 「先進国の常識」となっている。張・上級研究員の指摘は、 このような経済優先の飼育法そのものが、 感染症の発生する原因になっていると主張するものだ。
でもこういう「人と大量の動物との濃厚接触」が現代の食卓を支えている。 もっとこのことにも意識を払わなければと思った。

1月27日(木)名護市で北部家畜保健衛生所主催の鳥インフルエンザ講演会があります (詳報後日に)。 鳥インフルエンザに関する沖縄県畜産課のwebsiteはこちら


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2005.01.17

日本男児が膨張している!

2月1日からの生活習慣病予防週間に合わせて、2月2日に 名護市労働福祉センターでシンポジウムを開催します。題して

生活習慣病予防シンポジウム2005(名護市健康まつりを同時開催)
詳細は北部福祉保健所ホームページに掲載していますが、

メインの講演会にはこの欄でも取り上げた

「だんご4兄弟」
を提唱している田仲秀明先生 (豊見城中央病院糖尿病・生活習慣病センター長)が行います。題して
「その生活習慣、つけは長寿転落」
本日、その打ち合わせに行ってきました。

彼が登場しているwebsite>も紹介していただきました。(勉強しましょう) all aboutのダイエットガイドの項ではあるが、タイトルは

肥満と動脈硬化の怖い関係 日本男児が膨張している

おりしも、 米国民は太り過ぎ、玄米などに食生活転換を…米厚生省 というニュースが流れたが、やはり食生活の影響が大きそうだ。 田仲先生は、そのコラムの中でも示してるように動脈硬化をきたす要因として

  • ウエストは身長の半分以下にする
  • たばこを吸わないか
  • 運動不足ではありませんか
  • 男性ですか
を挙げている。

わかりやすく、為になるお話が聞けることと思います。 事前に申し込みの上、ご参加くださいませ。

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2005.01.16

体感温度って

日曜日の朝、欠かさず聴いているラジオ番組が RBCのサンデーロコモーション。隠れた人気番組。 その中のなぜなぜなぞなぞの問題がこれ。

図工で使う道具の中で、寒がりなのはどれ?

寒がりと言えば、こう寒いと1年前のこの欄「モーニングサージ」 に書いたように、健康上のトラブルも心配。 暖かい沖縄にいるくせに何を言うかとの指摘を受けそうだが、 体に感じる寒さはなかなか厳しい。しかも室内の防寒対策も 中途半端だったりするので、なお寒い。やっぱり

脱衣所や便所は暖めましょう。

前々から気になっていたのがこの「体感温度」 通勤時に聞くラジオの天気予報でキャスターたちが

1メートルの風が吹くと、1度体感温度が下がる
という式にあてはめて、体感温度を計算していたこと。 同じ質問が森田さんのサイトにもあった。

やっぱり正式な公式(リンケの体感温度など)があるらしい。 寒さを表すときには  

体感温度=t-4√V    ここで、t=気温(℃)、h=相対湿度(%)、V=風速(m/s)

屋敷の中での体感温度測定についてはこちらを参照。 こうなると鈴木晃先生の世界だなぁ。

この項つづく。

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2005.01.15

院生、学内でハブに咬まれる!

連日、ノロウイルスの検査に追われ、さらに 追い討ちをかけるようにマスコミからの取材にも 追われ、てんてこ舞いになっていると思われる沖縄県衛生環境研究所。(本当にご苦労様です) この中にハブ研究所というサイトがあり、ハブ情報が満載。

沖縄県におけるハブ咬症件数は

復帰前の500人台をピークに年々減少しており、2001年以降は100人を切る
という状況のようです。死亡例は1999年を最後に出ていない。 (衛環研ニュース9号.2004年6月より)

昨日の新聞報道に8階にハブ/琉大医学部研究棟院生かまれる騒ぎ 侵入ルート不明(沖縄タイムス) なんと咬まれた場所は琉球大学研究棟の8階の廊下らしい。 ハブに咬まれる場所としては、圧倒的に畑が多いのかなぁと思いがちだが

30-40%が畑、約30%が屋敷内や家屋内、約15%が道路と 人間が日常生活を営んでいるところで発生(前出ニュース)
とのこと。今回も侵入ルート不明なので、潜伏している可能性もあるのか。

同研究所の所報には 沖縄県南部において1976年に逃亡後定着した侵入種サキシマハブの分散範囲 2002年時点の予備的な調査の結果 というものもあるが、糸満からは遠すぎるよね。

ハブに関しての情報は他にもいろいろあるが、 レスキューネットには対策が掲載。

ハブ毒の血清治療に尽力した医師沢井芳男を描いた 小林照幸の完本毒蛇は、読みごたえがある。

ハブに関する俳句まであった

人の目を集めて飯匙倩(ハブ)の舌燃ゆる  翁長求

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2005.01.13

超過死亡という視点

感染症法で報告義務がない(5類の定点観測)という理由からか 今回のノロウイルス騒動に関して、健康局結核感染症課の動きは鈍い。 国から流れてくる文書にしても、老健局だったり社会援護局だったり (厚生労働省組織図参照)、事例が発生した施設を 監督する部署から、それぞれバラバラに来ている感じだ。

だから一つの病院に対して介護療養ベッドの患者分だけの発生状況を 報告しなさいなどという奇妙な調査依頼文書が届いたりするんだろう。 今シーズンの一連の動きがおさまったら、きっとノロへの認識を改めて 全数把握する疾患に「格上げ」するなどの動きが予想される。すなわち

法や制度は後追い。事件は現場で起こっている
という認識を持たなければ。

マスコミが非常に(過剰に?)興味を示している今回の流行による 「重症例」については

「○○で高齢者が死亡!」
と報道されても実際に直接死因として書かれるのは 肺炎だったり、吐物窒息だったり、多臓器不全だったりするでしょう。

特に高齢者について、

超過死亡Excess Death
という視点を持って データを整理する必要がありますね。

超過死亡については(文献なかなか探せませんが)、 国立保健医療科学院の箕輪先生がいろいろ発表されていた気がする。 同院の雑誌「公衆衛生研究1999年48号(4)291ページ~」に インフルエンザの超過死亡 が載っていますので、勉強しましょう^ ^;

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2005.01.11

アウトブレイクへの対応(レクチャーメモ)

岡山大学大学院医歯学総合研究科 津田敏秀先生の講義

アウトブレイクの基本的対応

  1. 感染症など集団発生の存在の確定
  2. 症例の定義と調査
  3. 疫学的記述(時・場所・人)
  4. アウトブレイクを起こした原因仮説設定
  5. より系統的な研究による仮説の検証
  6. 対応と予防の実施
  7. 報告書の作成

調査チームの設置。では構成メンバーは?

  • 疫学者
  • 病原体学者
  • 中毒学者
  • 環境衛生担当者
  • 行政官
  • 広報担当者(→F市では記者会見を4時間行った)
  • コーディネータ

アウトブレイクが存在しているのか
予想されうる以上の症例が特定の地域・グループ・機関に発生。 2例起こればアウトブレイクという人もいるし、症例によっては1 例出ただけで発生(ボツリヌス菌など)
症例の定義と調査
カウントする患者の定義を行う。医療機関や病因物質に関する 情報を収集する。堺市以前のO-157報告書の多くに定義が記載され ず
疫学的記述
time/place/personについて分析。エピデミックカーブを描く。 ポイントソース型?持続共通感染源型?二次感染?など
原因仮説の設定
どのグループが症状を呈しているか。どのような疾患を考える か。病因物質の源は?伝播様式は?
仮説の検証
症例対照研究と(後ろ向き)コホート研究

感染症など集団発生時の情報管理

  • 適切な情報を必要とするグループに対して、早く、正確に、 継続して!
  • 窓口はひとつ!!
  • 正確さ・速さより、情報の整合性を
  • あなたからのメッセージを伝える機会として利用する

これらのエッセンスをソフトとして提供している(CDCが開発) →Epiinfoは実地疫学向けの疫学統計ソフト。 日本語バー ジョンも公開されている。

質疑応答 疫学の点からこれは明らかにおかしいという現状でも、司法界には 通用しないことが多い(企業側が有利?)が。
→堺市O-157の件は...
→行政は必要な証拠を揃えることが必要(結果を恐れない)。

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2005.01.10

ノロはノロでも

昨日記事をエントリーして後から、インターネット上では全国 各地から次々と感染性胃腸炎の集団発生を伝えるニュースが続出。 まるで「伝染病」のような勢い。

一部の患者の便から、ノロウイルスが出たとも報じられ、今朝 のワイドショーでは早速報道合戦が始まっている。

「ノロはノロでも」とタイトルをつけたのは、 集団感染の成り立ちが

  • 汚染食品の暴露による食中毒なのか
  • 患者便や吐物からの2次感染なのか
という2パターンあるから。どちらに重点を置いて対策を練るべきか。

これは潜伏期間や喫食調査、流行曲線などを描けば明らかに なるんだろうけど、恐らくほとんどの症例は施設内感染 ではないかと推察されます。
患者の体液を取り扱う施設職員等への教育を、徹底する必要が あります。
あと感染症対策委員会の設置は病院へは徹底されている けれど、老人福祉施設ではどうなんでしょう?

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2005.01.09

ノロなの?ロタなの?(感染性胃腸炎)

年末から最近にかけて、感染性胃腸炎に関するニュースが多い。 当サイトのニュースソースとして、大変お世話になっている

ICD日記:飛耳長目
でも連日のように記事が紹介されています。 北部福祉保健所管内でも問い合わせが増えつつあるので要注意の状況。

感染性胃腸炎の主役といえば、ロタウイルスとノロウイルス。 現在広島で問題になっている特養施設での集団感染事例の原因も どちらかとされています(yomiuri on line 2005/01/08)。 この件に関しては感染研実地疫学専門チームも出動しそうな感じだ。

この冬(2004-2005)の発生に関しても、感染症サーベイランスによれば ノロが63件、ロタが3件(IDWR2004年50週16ページ) これを見ると集団感染なら、ノロなのかなという気もするが。

これもいつもお世話になっている横浜市衛研のノロのページでは 感染経路に関する(海外の)情報が掲載されている。

  • 大型リゾートホテルの飲用水の水源タンクに下水が流れ込んだ(448)
  • プールを介して(53)
  • 無症状の調理人が子どものオムツを扱った後に調理し、その料理を食べた大学生が発症(125)
  • イタリアの保養所に公共水道から水を引き込むパイプに破損(344)
  • ホテルのレストランで一人の患者の吐物から飛沫感染
( )内の数字は感染者の数。その多さが感染力の強さを物語っている。
血液型がO型の人たちがノーウォークウイルスに感染しやすいとする研究(参考文献14)があります。
とのこと。

一方、ロタウイルスは白色便を呈する乳児嘔吐下痢症と称せられるように 子どもの病気というイメージが強いが、それより上の年齢での報告も当然ある。 (佐賀県衛研

今後、地域での流行状況を把握する必要がある。 現在のところ、感染性胃腸炎は感染症法の第5類で定点医療機関(小児科) からの報告が主。ノロは食中毒からの報告も把握できるが。 定点以外の医療機関や学校などからの情報も把握せねばなりませんね。

この流行が終わる頃に、インフルエンザが流行るんだろうなぁという予測。

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2005.01.06

ダイエット 1年続けば 勝ち組に

この時期は「今年こそは○○するぞ」という意欲を持つ人が多い。 英会話のジオスに行ったら「この業界も1月が一番忙しいんですよ」だって。 ○○に入る文字で、多いのがダイエットかもしれない。そこでこのニュース。

同じダイエット、1年続けば効果あり=米調査(ロイター) 「まあ、1年続けないと水の泡」と読めないこともないが、

太り気味または肥満の成人40人ずつのグループを4つ作り、 低炭水化物摂取や菜食など、それぞれ違った4つのダイエットを 実施してもらった。
ただ効果がみられたのは、1つの方法を1年近く継続した人に限られた
そして
調査では4人のうち3人が、1年以内にダイエットを中断してしまったという。
ということらしい。 恐らく中味よりも1年継続することからの様々な効果の方が重要なのだろう。

一方で、週間保健衛生ニュースでは糖尿病予防対策に関する報告書が 掲載されている(国保中央会より) 糖尿病については以下のように解説。

  • 糖尿病は亡国病になる恐れ
  • 患者数は予備軍を入れて1,620万人(人口の1割強)
  • 医療費は約2兆円=診断治療費1.2兆+透析医療費0.8兆円
  • 細い血管の障害だけでなく心血管系の動脈硬化に影響
  • 健康にとっての諸悪の根源は糖尿病
  • 特に全患者の95%を占めるⅡ型

それを克服する生活習慣改善の努力をステップごとに紹介している

無関心期
・・・
関心期
糖尿病を自分のこととして考える
○体験談を聞く ○これまでの生活の振り返り ○自分の将来の生活を描く
生活振り返り期
自分の生活の問題点について自覚する
○食事や運動の記録をとる ○お互い評価し合う
目標設定期
自ら考え、自分の目標を設定する
○検査値の変化を見ながら体の状態を理解する ○自分の目標を設定する
実践期
自分自身の状況に合わせて予防に向けた取り組みを実践する
○健康カレンダーなどに記入する
継続期
自己管理のコツ、面白さを理解する
○教室の参加者同士で刺激しあう ○家族や知り合いが支える
他への拡大・普及期
家族や隣人と情報を共有する、地域の健康づくりに積極的に参加する
これに、グループとして活動しているプロセスを加味していく。

「1年続ければ勝ち組」といっても、対象(対象集団)がどのステージにあるか アセスメントを行い、適切な指導をするのが専門職の役割。 今回モデルとなった事例で継続するメンバーが多かったところ(勝ち組)は

○サポート役に徹する保健師の指導方法 ○住民の声を聞いて教室を運営 ○参加者同士のつながりや交流を高める努力をした
という共通項があったとのこと。 専門職自らが「出番」を作るのではなく、「触媒」となることが有用 ということか。

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2005.01.05

受動喫煙と子どもの成績

受動喫煙の害に関する報告がなされたというニュース。 受動喫煙で成績低下 読解や算数、米の研究(FLASH kyodo 24)

受動喫煙の機会が多いと、子供の読解や算数の成績が悪いとの研究を、 米シンシナティ子供病院(オハイオ州)のチームがまとめ、米公衆衛生専門誌に 発表した。 今回の研究で、子供がさらされるニコチンが低濃度でも危険なことも示され、 たばこを吸う親に禁煙圧力が強まりそうだ。
対象は6-16歳の4400人あまり。

受動喫煙が子どもに与える影響については胎児の時代にさかのぼる。 妊婦の喫煙が胎児の成長発達に悪影響を及ぼすことは知られているが、 妊婦が吸わなくても夫がそばで吸う場合も胎児に影響する。

最後のADHD(注意欠陥多動性障害)との関係は 今後さらに研究されていくのだろう。 ただしこれは因果関係ではなく、あくまでも 「両者が無関係ではない」というレベルの話ですから。

とは言っても前出、多摩立川保健所の調査では出生後幼児期にも その影響がある可能性を示唆。

保護者の方が喫煙している3歳の子ども。 ずっと同じ部屋にはいないもののおうちにいるときに、 換気扇の下で吸っているお子さんからもコチニンが 少量検出されました。
こうして徐々にすべてのライフステージにおける受動喫煙の害が明かされていく。

ちなみに、日本たばこ産業(JT)の見解は、

環境中たばこ煙は周囲の迷惑にはなる(だから分煙は必要)が、 疾病の原因ということは認めていない
。でも、 健康増進法が制定された今となってはその理屈は通用しない。

子どもと受動喫煙のデータをいろいろ紹介したが、大切なことは 大阪府立母子医療センター「母と子のにわ」にも書かれているように

子どもは大人が喫煙する姿を見て育つと、自分も喫煙の習慣を身につけてしまう可能性が高くなります
だと思います。 たばこの害は、次世代に受け継がないようにしましょうね。

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2005.01.04

BCGはいつからうつべき?

結核予防法改正に伴い、BCG予防接種の 対象と方法が変わる。 対象は従来の「4歳に達するまで」から 「生後6ヶ月に達するまで、これにより難い 場合は1歳に達するまで」へと変わる。 方法は、従来ツベルクリン反応を先立って 行っていたものを廃止。 よって来年4月に6ヶ月を越えるお子さんは 今年度中に従来の方法により接種を行わないと 対象から外れてしまう。 ただし離島など地理的障壁があれば1歳までが対象。 移行措置は設けない

ではいつの時点から接種可能か? これが議論を呼んでいる。 厚生労働省は予防法Q&Aなどで

生後すぐの新生児期から可能
と明言しているが、日本小児科学会や全国保健所長会が これに反論。 結核研究所のトップページにある保健所長会から新着情報 (結核予防法第13条に基づく「保健所長からの指示」に関する参考資料) によると
新生時期に安全で効果的なBCG接種を実施 するのは困難と言わざるを得ない
との結論を出して、保健所長の指示や保健所主催の研修等で 活用するようにと表明している。

法律ができる前にすべき議論が今ごろ 沸騰しているという感じもするが、兎に角 現場や住民が混乱しないよう調整すべきだ。 県庁と保健所でもすり合わせしないといけませんね。 (この分だとdouble standardになりかねない)

これらの情報は結核予防会結核研究所 をご参照下さい。

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2005.01.03

個室vs大部屋

年末からの大掃除が一段落ついて、ようやく書斎らしい部屋に変身。 結婚してから個室が与えられるようになったのははじめてのこと。これで いろいろお仕事できるかと思いきや、やはり家族が起きている時間には 無理。空間を分けるのではなく、時間を分けなければやっていけないよね。

さて、個室ゲット記念日に大部屋の話を調べた。前々から日本の官僚 組織(行政組織)の特徴に大部屋主義があるという話は習った気がする。 すなわち、職務というかミッションが、個人ではなく課(あるいは係)という ひとつのシマに与えられるため、みんなでその目標に向かって仕事を 進めるというやり方。

新藤宗幸は「行政指導(岩波新書)」の中で、

中央官庁において個室を与えられているのは、大臣からせいぜい審議官までである。 実務の第一線を担う課長職以下は、個室を持たずに大部屋で執務している。 このような執務形態は少なくとも、欧米先進国の行政組織にはみられない。 所掌事務規定についても、局長、課長という職位ごとに責任と権威を 明記するのではなく、局。、課という組織単位ごとに「○○に関すること」 という規定方式になっている。
だから仕事の進め方も
「100点でなくても80点でよい」「当面の効果上げられれば良い」
という不完全主義的な行為規範があると斬っている。

確かにアメリカ映画にでてくるオフィスは、個人個人がそれぞれ壁に 向かって斜めに座り、隣の人との間にはついたてがあるような職場が多い。 オフィスではその日の自分の目標に向かってひたすら仕事をする。 途中、電話とか隣の人のおしゃべりに邪魔されることもなく、常にマイペース。 人の目など気にせず、仕事の評価は個人の成果となってはっきりあらわれる。 ボスの部屋は透明のアクリルガラスで時々ブラインドが降ろされている。

では日本の大部屋主義ではどうか。さっき書いたように仕事の目標は 「課として○○くらい」を行えばよいし、それはみんなで進めることなので はっきりと役割を分担しているわけでもない(ことが多い)。ただしただし、 大部屋で周囲の目は光っているので、何となくそこへ座り仕事をしている ようなポーズをしている人がいるかもしれない。だから堂々とサボることは できないが、逆に忙しいときには「ゆいまーる精神」で手伝うことも可能。 そして仕事の評価も個人が対象ではなく、組織重視。

個人的には、「研究者のように個室が欲しいなぁ」と思うこともあるが、 仕事進める上では、やはりいつも席について、大部屋に多少なりとも 緊張感を与えることも大事かなと思う。いろいろ質問もされるのでね。

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2005.01.01

ネタは何にしましょうか?

新年あけましておめでとうございます。今年も公私ともよろしくお願いします。 「ついに明けたか」という感じの2005年酉年。 今年は3ヶ日明けると、すぐ目の前に仕事が迫ってくるため、 そう感じているかもしれないが、1月2月3月ってすぐ過ぎそうでね^ ^;


2004年は8月に米軍関連ヘリ墜落、そして後半は大きな地震と津波が発生し それぞれ住民の健康被害が発生した(宜野湾市の方は精神的打撃が報じられている)。 保健所の健康危機管理における役割については、保健所は親ガメの項で書いたように、

Risk assessment (起こりそうな事象を事前に検討し対応しておくこと=親ガメ) Risk management (危機事案の最中に最もよい効果を求めて最善の対応を行う=子ガメ) その親ガメの役割をできるのは保健所、保健担当部局でしょうとのこと。 保健所は子ガメになろうと無理をしていたところもあるかも...
というスタンスで良いと考える。

しかし基地災害や自然災害のように、発生の仕方がsudden onset(突発的)、 しかも発生予防のための活動が保健所通常業務とかけ離れている (しかも発生を予防するということが非常に困難な類の健康危機の)場合は、 アセスメントの立てようがない。

保健所と健康危機管理の項では、日常的な保健所の取り組み例として

顔の見えるネットワークの構築(定例連絡会議の開催)
をあげたが、会議のたびに土木事務所や防災関係者が「私の役割は何?」 という顔をして座っているのを見るのは忍びない。警察でさえそうかも。

保健所の健康危機管理担当者はこういうことを悩み、次の会議の議題(ネタ) 何にしようかということも悩んでいるかもしれない(そうでもない?)。 何でも保健所が面倒を見ようとするから、マニュアルを書くのもひと苦労だ。

ではネタは何にしましょうか?

保健所ができることをもう一回検証してみましょう。

  • リスクアセスメントができるのは日常業務で関わっている範囲
  • すなわち、感染症や食中毒、環境汚染、医療事故、院内感染等
  • これらの領域は「子ガメ」として初動から速やかに関わるべき
  • 自然災害や基地被害、犯罪など「日常管轄外」の発生予防には関われない
  • これらの危機は発生後の健康被害拡大防止に関与すべき(津波→疫病も心配)
  • そうすると必要なのは、地域の医療情報とりまとめ(重症ベッド、医薬品等)
  • それと、危機に対して被害を受けやすい人たちの把握(災害弱者対策)
最後の2つだけにポイントを絞って「保健所にできることはこれこれです」と アピールするのが先かもしれないね。あ、忘れてた。災害医療救護班も あったんだ(わたしは子ガメ)。

とにかくまずは自分の素性を明かしてから、話を進めましょう。 役に立つ情報(地域の重症度別ベッド数とか関係機関電話帳とか)があれば 喜ばれるかもしれないね。


災害被害に遭われて、寒い苦しい新年を迎えられている方々に 心からお見舞い申し上げます。


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