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2005.01.30

妊婦に禁煙を勧めるのは誰?

沖縄タイムス1月29日夕刊の記事より 子育て中の親へ禁煙指導進まず/県まとめ

 県健康増進課が五十二市町村と四十四カ所の医療機関に行った 「妊産婦の健康支援に関するアンケート」によると、母親学級の開催は 市町村が53・8%、医療機関が72%(三十二カ所)。 そのうち禁煙指導の実施は十八市町村、二十二機関とそれぞれ六割程度だった。
ということがわかった。

妊婦自身の喫煙や妊婦が受ける受動喫煙は、胎児の成長に大きく影響する。 そのことは多くの妊婦が認識しているだろう。そして妊娠を機会に禁煙・節煙を 希望する妊婦(あるいはその夫)も多いはず。そう言えばこんな全国調査があった。

わが国における妊産婦の喫煙・飲酒の実態と母子への健康影響に関する疫学的研究 (主任研究者 大井田隆 国立公衆衛生院 公衆衛生学部長)厚生労働科学研究成果データベースで「妊産婦」「喫煙」で検索) 2002年に全国の妊婦16000名余に行った調査。これをみると

  • 妊娠前喫煙率は25.7%、妊娠中喫煙率は9.9%、妊娠を契機に6割が禁煙
  • 禁煙は妊娠の初期で行われたと推測
  • 妊娠中喫煙者も84%が本数を減らしている
  • 97%が節煙・禁煙の意志を持っていた
  • 回答者の約2/3は日常的に受動喫煙を受けており、その8割は夫からのもの
  • 喫煙が胎児に与える影響は9割が知っていると回答> これに対して周囲からの禁煙や禁酒の働きかけの主体については
  • 最も多かったのは「夫」
  • 医師、助産師、看護師などの専門家はきわめて少数(喫煙16%、飲酒3%)
すなわち
禁煙・禁酒に関する医療機関・行政の支援が未だ不十分である実態が明らかになった
沖縄も同じだ。

97%が節煙・禁煙の意志を持っているわけだから、専門家と呼ばれる人たちは

安次嶺院長は「現在たばこを吸っている母親が、妊娠中も喫煙していた可能性は高い。禁煙指導をより強化していく必要がある」と強調した。
という認識をさらに強く持つべきだ。

しかし壁もある。現在禁煙支援の主流はニコチン代替療法。 ニコチン依存から脱却すべく、ニコチンガムやニコチンパッチなどの 禁煙補助剤を利用することが多い。

ところが、これらの禁煙補助剤は「妊婦または妊娠していると思われる人」を 使用禁忌者として挙げているため、これが使えない。まあ、妊婦にとって 安全であるわけはないから、当然と言えば当然だが、これを使えないことで 喫煙する妊婦はさらに高濃度ニコチンを自らの体と胎児に注入することになる。

でなければたばこのパッケージに

「妊婦または妊娠していると思われる人は禁忌」
と表示することを義務付けるとか。 胎児の頃からたばこの害にさらされる子どもたち。その影響が心配です。 関連記事「受動喫煙と子どもの成績」も読んでね。

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