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2005.03.09

離島の診療所から

夕刊を見ていると、テレビ欄のNHK「きょうの健康」に

危険!複合生活習慣病
という特集が組まれていることを知った。 先日の瀬上講演でもメタボリックシンドローム及びその周辺病態に関して 適切なネーミングがないとの話があったが、「複合生活習慣病」 という呼び方ははじめて聞いた。 的を得ているような、そうでないような...

NHKの「きょうの健康」に12年前に投稿した記事があるので、ここで紹介します。 今読むと、こっぱずかしいところもあるが、20代のころの足跡ということでご勘弁を。


離島の診療所から
(きょうの健康1993年12号愛読者コーナーに掲載)

医師になって3年目に、沖縄県のある離島(人口約500人)の診療所を 1人で任されることになりました。赴任してから1年と4ヶ月が過ぎようと しています。

1日に診る患者さんの数は少ないのですが、お年寄りの慢性疾患から、 観光客の耳や皮膚のトラブルまで、まさに「何でも屋」として働くことが 求められています。

研修病院で、ある程度のトレーニングを受けたとは言うものの、やはり、 経験不足は明らかです。医学書で調べたり本誌を利用するなどして、 患者さんと共に勉強しながら診療をしている感じです。

また、このような小さな島では、診療所に来る患者さんを診るだけでなく、 診療所に来ない人たちに何らかの働きかけをして、地域全体の健康に 対する意識を高めることも重要だと感じています。

これからも、島民の健康維持のために、全力を尽くしていきたいと思います。


「ある離島」というのは、小浜島のこと。3年目というのは、当時は 卒業して臨床研修2年修了後にすぐに離島勤務という体制でした。 (その後沖縄県では、臨床研修を3年に延長して、ある程度経験を 積んでから島に赴任するようになりました)。 「患者さんと共に勉強」というのは生活習慣の改善をどうしたらよいかを 一緒に話し合ったことだと思われます(^ ^;)

離島診療所時代の記録としては、ここのサイドメニューに掲示している 「離島診療所における患者紹介の現状」もご参照下さい。これは座間味診療所時代。 要旨は以下の通り。


座間味診療所における日常診療の守備範囲と病診連携の現状を把握するために、 他の医療機関への紹介患者について調査を行った。 調査期間は筆者が座間味診療所に赴任した平成7年5月から平成8年7月までの 15ヶ月間で、紹介患者数は延106例で全受診患者数に占める割合 (以下、紹介率)は2.04%、 診療科目別紹介患者数では、外科(脳外科を含む)、整形外科、内科、耳鼻科が 上位を占めたほか、産婦人科や泌尿器科でも紹介される率が比較的高かった。

ヘリコプターによる救急搬送患者は全紹介患者の21%にあたり、整形外科と内科
の患者が多くみられた。紹介の目的別分類をみると、
患者の管理を紹介先に依頼する形の紹介(Referal)が82%で、
専門医の意見を求めるための紹介(Consultation)の18%を大きく上回った。
観光目的などで島を訪れた患者が外傷のため受診し、地元へ帰る際に
治療の継続を依頼するための紹介パターンが特徴的と思われた。
紹介状に対する返信率は63.6%と他の報告に比べて低い値を示した。
このような調査結果をもとに、離島に赴任する医師に必要な研修の内容や
診療所と後方病院の連携の重要性について、今後も検討が続けられることが望まれる。



離島・へき地医療を志す医師たちの参考になれば幸甚です。

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