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2005.04.11

マールブルグ病メモ

アフリカのアンゴラでマールブルグ病が流行しているというニュース。 アンゴラで致死率9割の感染症、半年間で死者180人(asahi.com)

WHOは「何種類かの出血熱のうち、マールブルグは最も致死率が高く、エボラよりも深刻だ」との見方を示し、緊急対策として国際社会に350万ドル(約3億6000万円)の支援を求めた。
 
症状は下痢や発熱、腹痛などから始まり、やがて激しい吐き気にみまわれて吐血する。血液や汗、涙など患者の体液への接触で感染するという。有効な治療法はみつかっておらず、死者には医師や看護師ら医療関係者18人も含まれている。
海外渡航者のための感染症情報(厚生労働省)」にも同様の報道。 聞き慣れない感染症だが、1類感染症にしっかり分類されている。 その資料を集めておく。

感染症の3要素に従って整理。

感染源
  • マールブルグウイルス。糸状の形態をしているためフィロウイルス科に属する。 エボラ出血熱の原因となるエボラウイルスも仲間。
  • マールブルグウイルスの標的細胞は,おもにマクロファージ,肝臓のクッパー細胞,肝細胞,血管内皮などで特に感染マクロファージから大量 のTNFhαが産生され血管透過性を昂進させると考えられている
感染経路
  • ヒトからヒトへの感染経路は,感染者の血液,体液,分泌物,血便,臓器,精液等との接触による.
  • 針を滅菌しないで注射器を共用することや、患者や遺体との接触で感染が拡大した例も
  • 手袋等の防護策で感染は防げるとされ、医療の場での空気感染による拡大はないとされる。
宿主
  • エボラ出血熱同様に自然界の宿主は不明であり、どのような経路で最初のヒトへ病原体が伝播するかについても謎のままである。
  • サルという印象もあるが、マールブルグ病の発生にサルが関与したのは1967 年の事例のみで、以後のアフリカでの発生ではサルとの接触は全く知られていない。
感染してから発病まで
  • 潜伏期間は3~10日(2~20日程度?)である。
  • 患者と接触のあったものは、一定期間の監視が必要である。たとえば
    患者と同居、介護、看護にあたった人、握手したり、患者を抱擁した人、患者検体を取り扱った人、等については患者の診断が確定した時点で監視下に置く。症状がないかぎり入院の必要はない。検温は1 日2 回実施する。38.3 ℃以上の発熱、その他いかなる症状も詳細に記録し、最終接触後3 週間は監視する。(国立感染症研究所ホームページより)
  • まず突発性の発熱,筋肉痛が初期症状として現れる.病状の進行にともなって,下痢,重度の悪寒,呼吸不全,出血,腎機能不全,ショック症状等が認められる.
  • 特異的な治療方法はなく、対症療法のみ。予後は悪い。
  • 今回のアウトブレイクでも致死率9割超。その1割は医療従事者だ。
  • また血清学的診断のためには、レベル4に分類される病原体でBL4実験施設での取り扱いが必要である.世界で稼働中のBL4施設は数カ所あるが,ウイルス性出血熱の血清診断,ウイルス分離などは,アメリカのCDCが行っている.
とのこと。

参考にした資料はエボラ出血熱とマールブルグ病(森川茂:国立感染症研究所ウイルス第一部外来性ウイルス室 室長)など

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