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2005.06.06

東チモールと沖縄

東ティモール医療研修者来県 JICAが招く(6月4日琉球新報朝刊28面)

2002年に独立した東ティモールの青年20人が沖縄で保健医療を学ぼうと28日に来県する。
国際協力機構(JICA)の青年招聘事業の一環。北部福祉保健所などで、簡易水道施設や、
保健システムを学ぶ。

沖縄での研修受け入れ先となるNPO法人沖縄平和協力センターの緒方夕佳研究員は
「戦後、ゼロからスタートした沖縄の復興の経験は、保健医療面でも役立つ」と...

ということで受け入れのための資料作成。事前にもらった資料を訳してみる。



WHO Country Cooperation Strategy 2004-2008,Democratic Republic of Timor-Lesteより

Health Profile
東チモールの衛生状態

  • 国全体として保健情報を得るシステムが確立されておらず、
    いくつかの調査結果に基づいたデータしかないのが現状
  • 伝染性の疾患が特に小児に多く、死因の約6割を占める
  • 主に、マラリアや急性呼吸器系感染症や下痢性疾患である
  • 他にも結核やハンセン病、フランベジア、フィラリアなどが流行している
  • 日本脳炎も公衆衛生上の重要な課題である
  • 一方で非伝染性の疾患である心血管系疾患や糖尿病、交通事故なども増加している

主な健康課題

  1. 高い乳児死亡率、出生1000に対して70から95という値。感染症や未熟児、出産時の外傷が原因
  2. 妊婦の死亡も出生100000に対して800と高い値。周産期医療につながらないことが大きな原因だが
    最近は10代妊婦の出産も増加している。MICS-2002によると結婚した女性で避妊を行っているのが
    10%以下、最近12ヶ月以内に出産した女性のうち出産前に受診したのはたった43%に過ぎない。
    専門家は全分娩の24%(高地では約12%)にしか関わっていない
  3. 5才以下の乳幼児死亡率(U5MR)は出生1000に対して125前後という値。
    主な死因は急性呼吸器系感染症、下痢性疾患、マラリア、デング熱などである
  4. 母子ともに栄養失調が認められる。原因は食糧の不足、低い母乳栄養率、そして栄養や健康に
    対する認識不足である。6ヶ月から5歳までの乳幼児の3-4%が極度の栄養失調である。
    約80%の子どもが栄養失調に関連する寄生虫感染症にかかっている。
  5. マラリアがすべての地域の子どもに高い罹患率と死亡率を来たしている。1999年には13万例以上が
    マラリア感染と報告されており、1999年以後その数字は3倍に増加していると言われる。
    熱帯熱マラリア(P.falciparum)と三日熱マラリア(P.vivax)が同じくらい流行しており、
    特に7-8月と12-1月が伝播のピークとなっている。
    また薬剤耐性熱帯熱マラリアの流行もありいっそう問題を困難にしている。
  6. 東チモールはハンセン病がもっとも流行している地域でもある。
    2,3の区域で2001-2002年に行われた調査では人口10万人に対して30-70例が報告された。
    現在登録されている10万人あたり3例という値も世界的な排除目標を上回っている。
    現在国家としての排除戦略が2005を目標として行われている
  7. フィラリア感染症も3つの種類すべて(Brugia timori,Brugia malayi and Wuchereria bancroft)
    が認められている。フィラリアによるリンパ管閉塞の患者もよくみられる。
  8. 結核も公衆衛生上の大きな課題である。成人の約2.5%以上にあたる8000例の患者がいる。
  9. 首都のDiliやBaucau地域では毎週約35件の性感染症患者が報告されている。
    HIV/AIDSを含む性感染症の流行状況は確認が必要である。HIV/AIDSについては最近の調査では
    低い罹患率となっており、8例のHIV感染者が多くはセックスワーカーの中から見つかっている。
    HIV/AIDSに関して15-49才女性の多くは知識がない。
  10. 小児への予防接種システムは1999年の危機の際に崩壊した。2000年3月に再開されたものの
    接種率は未だに低い状態である。EPIワクチン(Expanded Program on Immunization)に関しては
    (EPIワクチンの種類は、ポリオ・BCG(結核)・DPT三種混合(ジフテリア・破傷風・百日咳)・麻疹の6種類)
    1997年にはポリオ59%、BCG78%であったものが、2002年調査ではポリオ16%、BCG37%となり
    すべての種類を接種した児はわずか5%だけであった。政府は2000年と2002年にポリオ撲滅のための
    予防接種デーを設け、2003年には麻疹のためのキャンペーンが組織された。
  11. Aileu,Bobonaro,LosPalos,Viquequeなどの地域ではyaws(フランベジア)が今でも見つかる。
    予防や治療が確立された現在でさえ、いくつかの地域では患者が見つかる状態である。
  12. 多くの人々が安全な水や下水設備にアクセスできない状態である。
    ユニセフが2002年に行った調査では全国民の55%だけが安全な水や下水設備を使用している。
  13. 国の至るところに保健医療施設はあるにもかかわらず、保健医療へのアクセスは大きな問題である。
    国としての検査体制は不十分で結核やマラリアなどの検鏡も各区の大都市でしか行われていない。


これらの問題に対して「沖縄の経験」をどう伝えるか

2000年の援助手法調査研究「沖縄の地域保健医療における開発経験と途上国への適用」

その後行われた小川班での資料をもとに宿題を書こう。

そうそう、この研修生たちのホームステイ先も探しているようです。

沖縄平和協力センターでは青年たちを受け入れるホストファミリーを募集している。
期間は7月1日から3日まで。男性17人、女性3人の受け入れが可能な20家族。
締め切りは15日。問い合わせは同センター。098-866-4635

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