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2005.08.31

やんばる母と子の命を守る5

昨夜も勉強会が行われた。4月から数えて5回目。

県立病院産婦人科休止から早くも5ヶ月が経過した。

問題が何も起きていないわけではなく、情報がないのである。

妊産婦は不安を抱えながら(その不安をどこにぶつけたらよい
かわからないまま)生活している

開業の産科医もオーバーワークになっている。

不安をひとつづつ安心に変えていくためにはどうするべき?



昨夜は3人のスピーカーが発表した。

ひとりは産科休止の影響を受け、中部への通院を余儀なくされ
たお母さん。

  • 妊娠発覚平成16年12月/平成17年1月初診
  • 産婦
    人科外来存続の危機については情報を得ていた
  • 今回血圧が高く
    (妊娠中毒症)のため県立病院に紹介
  • 実家(本土)のそばに通うことも考えたが体調が許さなかった
  • 血圧コントロールで2週間に1回受診だった
  • (だんなさんはその都度休みをとった)
  • 突然出血したので入院→4人部屋はみんなやんばるの人だった
  • みんなの話題は北部病院の産婦人科閉鎖のこと
  • 6月に緊急帝王切開で出産、超未熟児のためNICUケア
  • 母だけ先に退院
  • 7月末にまで毎日中部に通った
  • 次の妊娠は(今のままでは)ためらってしまう
  • せめて検診だけでも北部でできないものか?



次のお母さんは、2年半前に北部から中部に母体搬送され、緊急帝
王切開で出産した経験を報告

  • 妊娠したが、頚管無力症のため途中安静入院
  • 22週入院中だったが夜中に陣痛
  • 中部病院に緊急搬送され帝王切開で700g台の児を出産
  • NICU入院し交換輸血も行った
  • 700g台の子どもが生まれたら親戚は「おめでとう」ではな
    く「お見舞い」袋を渡した
  • 生まれたことを祝福しようと思った→日記に想いを綴った
  • 中部のNICUへの通院は片道2時間半かかった
  • 通院が大変というより面会時間が削られることが苦痛だった
  • 往復5時間かけて運転して2時間しか面会できなかった
  • 1700gくらいになって北部に転院できた  
  • 何か起きたときにすぐに駆けよれるという安心感を得た


妊婦、出産に関してさまざまな不安を抱えていることがわ
かった

  • 産婦人科再開の見通しがつかないことへの不安
  • もちろん母子の健康への不安
  • 通院に関する不安
  • 夫が仕事を休んで通院することも心配(前回の勉強会では夫が
    体調を崩したことが報告されたし)
  • そして、出産後の生活への不安
  • 誰が子どもの世話をするのか

不安をひとつでも「安心」に変えていくべきで、そのためには
情報の共有が必要です(見通しがつくだけでも不安は軽減する)

会(団体)としていろんな機関と情報交換しましょうというこ
とになった。

北部市町村会からのお知らせ

県立北部病院産婦人科の再開・存続を求め、北部地域住民の
安心安全な生活環境を確保する目的で

9月29日午後6時より名護市民会館にて「沖縄
県立北部病院の産婦人科再開・存続を求める北部12市町村総決起大会

を開催します。

みんなで目標達成に向けての役割が確認できるような大会にな
ればいいと願う

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2005.08.29

沖縄 肺がん アスベスト2

夏休み最後の日曜日。外食先で見かけた沖縄タイムスの記事がこれ。
基地従業員に肺疾患多発/アスベスト使用職種 1950-80年代従事/肺がん死亡も複数
数日前に横須賀基地従業員の石綿訴訟で米軍が2億円賠償分担(朝日)
という記事があったので、沖縄の基地についても当然work upされるんだろうなぁと
思っていたら、やはりタイムスが調べていた。

一九五〇―八〇年代の米軍基地で、アスベスト(石綿)が大量に使われ、 取り扱い作業をした基地従業員に関連が疑われる肺疾患が多発していることが、 二十七日までに関係者の証言で分かった。
従業員らは防護服を着けず、紙マスクやタオルだけで石綿粉末などを扱う作業を 約四十年間続けたという。
7月22日にこのooyakeで書いた「沖縄 肺がん アスベスト」記事中には
松崎俊久先生(元琉大教授)が同様の指摘をしている
沖縄はどの病気も本土より低いからこそ長寿なわけでありますが、 ただ本土より突出しているものがあります。それは男の肺がん、女の肺がん、(中略) 肺がんの問題を特に男に限って追求してまいりますと、 ある一定の年齢に固まっていることがわかります。
当時いわゆる建築労働者としてこの工事に関連した世代に非常に肺がんが多い、 もちろん一対一の関係を追求したわけではありませんが。 そうなってまいりますと、これは一応やはりアスベストを疑わざるを得ません。
(「同様の」という意味は疫学的エビデンスが薄いということでもあるんですが)

というわけでエビ(証拠)をもう少し探してみます。
弁護士遠藤直哉のホームページの「アメリカにおけるアスベスト追放の動き」
によれば

アメリカは世界のアスベストのうち約30%を消費する最大の消費国でした。 とくに第2次大戦中には軍艦に大量のアスベストを使用しました。 また、建物の暖房施設が充実し、そこにも多くのアスベストが使用されました。
早めに大量消費し、早めに健康問題(訴訟ね)が顕在化した結果、
結局EPA(環境保護庁)の最終規則はようやく1987年10月に成立し、 これは日本よりはるかに先行し、内容も充実 したもの
であった。しかしこれは1987年の話。しかも異国の基地内でも同様だったかは不明。

中皮腫・じん肺・アスベストセンターによれば

初めて石綿(アスベスト)を吸入してから、平均40年前後の潜伏期(原因から病気が発病するまでの期間)がある事です。

やはり今後も関連疾患がどんどん増加していくと思われる。
発病までの期間が長いという点ではたばこも同じだ。

アスベストと肺がんの関係は(これも同センターQ&Aより)

通常の肺癌と同様の肺癌が、石綿曝露者に多い事が知られています。
肺癌には、扁平上皮癌、小細胞癌、腺癌、大細胞癌の4種類が代表的なものですが、
石綿曝露で特にどの組織型が増加すると言うことはなくて全体的に増加するようです。

ハモンドの疫学データ(出典捜索中)によれば、以下のデータが証明されている。

  • アスベスト暴露(-)喫煙(-)の人が肺がんで死亡する可能性を1とすると
  • アスベスト暴露(+)喫煙(-)では5.2倍
  • アスベスト暴露(-)喫煙(+)では10.8倍
  • アスベスト暴露(+)喫煙(+)では53.2倍
と相乗的に死亡する可能性が高まるという。

別の資料(たばこ病訴訟控訴理由書53P)によれば

ハモンドらが発表したアスベスト作業・喫煙と肺がんの 因果関係に関する論文のデータからは,
アスベスト作業の原因確率(病因割合もしくは寄与危険度割合)は80%,
喫煙の原因確率(病因割合もしくは寄与危険度割合)は90%と推定できる。
原因確率(病因割合もしくは寄与危険割合)については
喫煙をし肺がんに罹患した(肺がんで死亡した)患者が,
喫煙をしなければ肺がんにならなかったであろう蓋然性を推定したのが,
原因確率(病因割合もしくは寄与危険度割合)である。
と説明。

長々と書いたが、ポイントは以下の通り

  • 沖縄の基地従業員は大量のアスベストに暴露された可能性がある
  • 米国では規制が早くから進んだが、沖縄の基地内でも適用されたかは不明
  • 沖縄は特に高齢者(70歳代以降)に、肺がん死亡が多い
  • アスベストは悪性中皮腫だけでなく肺がんによる死亡も増加させる
  • 喫煙している場合にはその可能性が非常に高まる
  • 今後もアスベストやたばこに暴露された人の関連疾患(肺がん等)は増加するだろう


基地関連で、あと資料があるとすれば

  • 基地内作業環境を定期的に巡視していた労働衛生コンサルタント(つまり産業医)の記録
  • それを所轄していた労管(でも、もうないね)
  • 伊佐浜の駐健保(基地従業員の健康管理をしている)
くらいでしょうか。

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2005.08.28

MACはMACでも...(アルコール)

appleでもハンバーグでもなく、アルコール依存関連の話。

MACとは何か?特定非営利活動法人横浜マックのサイトによると

マックは、Maryknoll Alcohol Center の略称です。
マックの生みの親は、メリノール宣教会のジャン・ミニー神父です。 日本でアルコール依存症になった神父は、治療のためにアメリカに帰国し、 アルコール依存症者の自助グループAAでお酒を止めることができました。
そこで神父は、当時アルコール依存症は治らないと考えられていた日本で、 1978年東京三ノ輪にAAプログラムを利用した通所施設『みのわマック』を 開設したのです。
この「みのわマック」を通して多くのアルコール依存症者が回復しました。 その後、あちこちでマックを作る動きが盛んになり、現在では全国に10箇所 《札幌、新潟、山谷(東京)、みのわ(東京)、埼玉、川崎、名古屋、京都、 大阪、広島》にマックがあります。
という一種の中間施設(共同生活場所)らしい。

アルコールをはじめとする各種依存症などから回復するために必要な

  • 安全な『居場所』
  • 回復できる『プログラム』
  • 一緒に歩いていく『仲間』
がいる場所である(これも横浜マックより)

このMACが話題に出たのが、ある結核の会議の席上だった。 結核発病のハイリスク層とされるのは、厚労省によれば

 年齢を問わず、発病しやすい者(ハイリスク層)...(中略)現行では、 健診率は極めて低い水準にある。そこで、これらの特定人口層への 年1回の胸部X線健診の確実な実施を強化すべきである。 また、これらの層は疫学的に定期的に見直すとともに、施策の実施に あたってはいわれのない偏見差別が生じることがないような配慮が必要である。
ハイリスク層の例としては
  • 長期療養施設(高齢・精神障害その他)入院・通所者
  • * 特定まん延地域住民 (例えば、大都市の一部特定地域)
  • * 特定住民層(ホームレス、小規模事業所労働者、日雇い労働者、高まん延国からの入国後3年以内の者など)等
が挙げられている。

これらの人が生活する施設(MACも該当すると思うが)の管理者は、是非 年に一度の定期健康診断を実施すべきである。が、
結核予防法上は、事業者が行うべき施設(社会福祉法第2条第1項、3から6号)

社会福祉施設:生活保護施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、     身体障害者更生施設、身体障害者療護施設、身体障害者福祉ホーム、身体障害者授産施設     知的障害者更生施設、知的障害者授産施設、知的障害者福祉ホーム、知的障害者通勤寮     婦人保護施設
などには該当せず、これも市町村に責任で行うべきとしている。
市町村が区域内における結核の発生状況、定期の健康診断による 結核患者の発見率その他の事情を勘案して、特に定期の健康診断の必要がある と認める者

でも現実的には、施設へ健康診断を行う必要性を保健所が説明して
管理者に理解を求める(費用負担も含めて)ことになるんだろう。
集団発生を防ぐためにも。

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2005.08.25

子育てに関する沖縄のNPO

県内で活動する子育て関連NPOの情報収集の時間。
お子さんをお預かりいたします保育すけっとinナハ

トップページのこの一文が印象的です。どんなときに預かるのか?

  • 仕事がどうしても休めない
  • 子どもの送迎ができない
  • 産休明けのサポーターが欲しい
  • 双子や三つ子の子育ての手が足りない
  • リフレッシュタイムが欲しい
  • 冠婚葬祭で子どもを連れて行けない

もともとは

沖縄県主催、那覇市と(財)女性労働協会の共催による「保育サービス講習会」の修了者が集まり、
地域における子育て支援を目的とした、有償ボランティアグループです。

行政が必要性を感じて?立ち上げ自主グループ化したものらしい。

ということは行政もその活動を十分認識&支援できる場所にいるということ。

この団体のリーダー(糸数未希さん)が中心になっていくつかの団体と一緒に設立したのが

「NPOうまんちゅ子育て支援ネットワーク」

沖縄タイムスにその活動が紹介されていた。
虐待防止に「地域力」/子育て団体集会
テーマは児童虐待防止。

地域や行政機関で虐待問題に関心を持つ参加者が、
子どもに目を向け手助けしてきた「地域力」の変質や
虐待防止のネットワーク整備などをテーマに、
身近にできる対応策を出し合った。

児童虐待防止は予防から措置までいくつかの公的ネットワークが整備中だけど

これらと連携して、NPOが「自らの役割」を認識した活動を行って欲しい。

ただ、どちらかというと虐待の可能性に目を光らせる(あるいは危機介入する)

というよりは、いかにストレスを抱えないで育児に意義を感じるかという
「子育て支援(=結果的に虐待予防につながる)」活動

の方が取り組みやすいんじゃないかなぁと思います。

ただ、このNPOの中にそういう専門機関の人が個人的な立場で参加していたら

話はややこしくなるんですが。こういうパターンも結構あるはず。

虐待に関連するNPOには、他にCAPというのもあったと思うが。

それとやっぱり沖縄子育て情報サイトうぃずのような

安定したNPO活動も参考にするべきだろう。

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2005.08.22

血便あれこれ

「血便覚悟で!」という気合の入れ方があるらしい。
しかし、トイレで便器が赤く染まったのを見て内心穏やかな人は少ないだろう。
やはり自分の体が何らかのサインを発信していると受け取って欲しいものです。

血便という主訴でも、実はいろいろありうる。
大腸.comというサイトでは

便と混ざっていない鮮血がでた場合は痔からの出血の頻度が多いのですが
直腸からの出血 の可能性もあります。
基本的にこの両者を区別することは困難です。

逆に、血便っぽくない黒い便(タール便と呼ぶ)のときには、食道や胃からの
出血である場合も隠れている
(いきいき健康ネット「タール便や血便は体が何らかの変調を来たしているサイン」

とは言え、やはり肛門周囲のトラブルの原因が高いので、症状続くなら
病院を検索(肛門科/沖縄県)して受診を。

よくなったからといって放置するのではなく、自分でできる生活改善にも留意のこと。

  1. 食事
    • 食物繊維を取る
    • 水分は多めに
    • ビタミンを摂取のこと
    • 適度な油脂でスムースな排便
    • 酸味も効果あり
    • ヨーグルトの乳酸菌は優れた整腸作用あり
  2. 同じ姿勢をとらない
  3. トイレでの工夫
  4. 冷やさない、温める
  5. ストレスをためない
あとは出血期間中はやはり辛子系は控えましょう。
「一粒で二度辛い」食品となります。

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出口の見えない少子化

今日は朝から少子化対策について、意見交換があります(那覇は混むからヤだなぁ)

平成17年度国民生活白書
が発表された。そこからのメモ
  • 合計特殊出生率は長期的に低落傾向(1980年の1.75から2004年1.29へ)
  • 90年代の出生率低下には晩婚化・非婚化だけでなく一夫婦あたりの子どもの数が減少していることも大きく寄与
  • 一生結婚しないつもりの人は男女とも6%と少ない
  • 結婚のデメリットとして自由が制限されることに加え、男性では家族扶養の責任が生まれること、女性では人間関係がわずらわしくなることをあげる人が多い
  • 結婚の経済的なメリットは、女性が高学歴化や社会進出により経済的に自立してきたこと、コンビニ・家電・ITの普及などにより独身生活が便利になったことなどにより薄れてきている
  • 子育て世代は、結婚に対して、経済的なメリットよりむしろ精神的な安らぎなど心理的なメリットを期待
  • 夫婦にとっての理想的な子どもの数は2.5人程度で、ここ20年以上大きく変わってはいない
  • 理想の子ども数が実現できない最も大きな理由は、子育てにお金がかかること
  • 子どものいない夫婦は、子育てに対する経済的・精神的負担を強めに見込む傾向
  • 専業主婦は子育てに際して他人の助けを頼まない傾向が特に強い
  • 子どもを育てている夫婦では、子育てに対する負担が重いと感じると、さらにもうひとり持とうとする意欲は低下する傾向
  • 女性にとって、出産・子育てに退職により得られなくなった所得は大きい(大卒女性がパート・アルバイトとして再就職した場合、生涯賃金の逸失率は8割以上)
  • 狭い住宅が多い大都市圏の都府県では出生率が低い
  • 子どもがいる世帯では持ち家率が高く、住宅ローン返済額が世帯収入以上に伸びている状況
  • 人々は充実した余暇を重視するようになっており、子どものいる夫婦においても自由時間が増えている
  • しかし正社員同士の共働き夫婦のように、所得はあっても自由な時間が持てないいわゆる「時間貧乏」の状態にある人も増えている
  • 子育てに時間を要することにより、スポーツ、旅行、映画鑑賞など「時間消費型活動」ができにくくなることが、産み控えの一因になっている可能性
  • 一人目の子どもを育てる費用(22年間計)は、1300万円あまり
  • 二人目の子どもを育てる追加的な費用は、一人目の8割弱、三人目は6割弱にまで逓減
  • 所得の伸び以上に教育関係費は伸びており、特に幼稚園や高校・大学の授業料など、補習教育費が全体を押し上げている
一人育てるのに本当に1300万円で済むのかという問題は別として、こういう風に
子どもを投資の対象的に表現することには違和感を覚えます。

「時間貧乏」の人たちでも、家事育児の負担は妻側に押し寄せているようです。 夫の家事・育児、妻が正社員でも1日1時間半 民間調査(朝日0821)  

妻が正社員かパートかにかかわらず、夫が家事・育児にあてるのは1日1時間半余り――。 保育園に子どもを通わせる共働き夫婦を対象に(中略)調査で、こんな結果がまとまった。 妻が正社員だと、夫が育児などに協力的だとみられがちだが、勤務時間が長いため、 時間を振り分けられないのが実態のようだ。
「夫婦は仕事も家事・育児も平等に行うべきか」を質問したところ、夫の65%が「そう思う」 と答えた。分担意識は比較的高かったが、その実現を難しくしているとみられるのが長時間労働。 夫の労働時間は1日平均11時間半で、正社員の妻より約2時間40分長い。 通勤時間を含めると約13時間20分に及び、夫の57%が「週4日以上」の残業をしていた。


やはり「働き方」を見直す大きな動きがなければ、少子化問題は出口が見えてこない。

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2005.08.21

公ooyakeでなければできない業務

公ooyakeと言ってももちろん個人名ではなく、publicという意味の話
このブログに自分の検索履歴を蓄積しはじめて約20ヶ月。
アクセス数も80000にまで達しました(読者の皆様ありがとう)。
ますます揺れる衛生行政システムは、まだ着地地点が明確でないまま。
その中でよく耳にする「民間でできることは民間で」という言葉。これに関連して

千葉県市川市における民間委託基準表(時事通信社「厚生福祉」0812より)

3つに区分した公共サービスの業務内容と基本方針

公でなければできない業務内容
  • 許認可などの行政処分
  • 法令などに規定される直接業務
  • 市民の生命、財産に直接かかわる業務
  • 即時対応の必要な業務
  • 政策形成・調整に関する業務
  • 職員として臨時職員、非常勤職員なども活用
公で行うことが望ましい業務
  • 採算性の問題を抱える業務
  • 市場が成熟していない業務
  • 内部管理業務
  • 公正・中立な遂行が求められる業務
  • 民間活力の活用(指定管理者・PFI・地方独立行政法人・業務委託
  • 協働(NPO,市民、自治会などとの協働
公共サービスであっても民でもできる業務
  • 収益性のある業務
  • 社会公共の利益実現に地域が主体となる業務
  • 私的サービスである業務
  • 民間が能力を蓄えた業務
  • 公民の役割分担の見直し
  • 廃止
  • 市民に委ねる
  • 民営化

書きながらこれは「公ooyake」ではなく「官oyakusho」のことだなと思った。

で、最近は役所の仕事の一覧表を作って眺めてみて、上のどのカテゴリーに属するか
という作業を機械的に行って、「行革」と称して仕事の棚卸しが行われている。
しかし、特に保健福祉の業界では、ヒトとヒトとの関係の中で細かいニーズに
答えようと仕事を膨張させてきた歴史があるだけに、手のひらを返したように
「行革だから」と机上の論理でサービスを簡単に切ることも難しい。

自らが関わってる仕事の方向性を自ら決めることはもちろん重要。
できればその作業を住民や関係機関とともに進めていくことができれば委託も円滑に進むはず

民間にサービスを委託するにしても、丸投げしてすぐ手を引くのではなく、
当面は、受け皿の整備や質の管理に関わるくらいの心構えは必要。

民間、NPOに渡してみて消滅してしまう事業は

  • もともと地域のニーズがなかった(本当は必要でなかった)
  • 民間の受け皿が成熟する前に、行政が手を引いた(本当は必要だった)
のどっちかということになる。ん?

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2005.08.18

第2のエイズ?

猿由来新型ウイルス、アフリカで発見(ZAKZAK8月16日) このニュースは先月新聞に先に掲載されていて、それに関する電話相談もあった。

アフリカのカメルーン南部で猿をタンパク源として摂っている民族を調べたところ 930名中2名(いずれも男性)から新しいウイルスが発見されたとのこと。

新ウイルスは、成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルスとなっている「HTLV」の一種で、 これまでに確認されていなかった3型、4型という。 いずれも猿から感染したものとみられている。

ちょうどHIVウイルスにも1型、2型があるので、記事を読んでいると、このウイルスが HIVの3型、4型と解釈してしまう恐れがある。
でも実際に見つかったのはHTLVの3,4型ということです。

医学部の学生だった頃にはHIVウイルスはHTLV-3型と習った覚えもあるが、
それは誤りだということをWhat is HTLV-1?で解説しています。

HIVもHTLV-1もウィルス学的には、同じレトロウィルスに分類されます。 また、両者ともリンパ球のT細胞に感染するウィルスであり、血液を介して 感染する可能性があるウィルスです。このため、HIVとHTLV-1を同じ様に 考えてしまう方がかなりあります。しかし、この2つのウィルスは、体内での 増殖速度、生命予後が全く異なります。(中略) 以前に、HIVが“HTLV-3”と呼ばれていた時期があるので、昔の本を読んでいると 非常にまぎらわしい場合があります。注意が必要です

HTLV-1に感染すると将来ATL(成人T細胞白血病)やHAM(HTLV-1関連脊髄症)を 発症する可能性がある。特に長崎、鹿児島、宮崎、沖縄は高浸淫地区である。 鹿児島では先月「日本からHTLVウイルスをなくす会」(HAM根絶)というNPOも立ち上がった
また早くから取り組んできた長崎県の母乳遮断事業は鳥取大学ウイルス学教室のサイトで 詳しく紹介されている。この2県は撲滅優先型。

沖縄県はどちらかというと母乳哺育推進型と思われ、短期授乳(6ヶ月未満)だと 感染の危険は人工哺育と変わらないというデータを基にそれほど遮断を強く勧めていない (少なくとも私が小児科にいる頃はそうだった)と思われる。

最終的には

哺育方法は、これらの事実をふまえた上で母親の選択に任せる。 (国立感染症研究所ホームページ)
というが、

母乳を与えて万が一感染させてしまったときの母親の苦悩や、逆に乳児期に直接母乳を 与えることができないつらさなど、この問題はどっちを選んでも深いジレンマに陥る可能性がある。
ワクチンや治療法などの確立が早く待たれるタイプの疾患だ。

それとHTLV-1と言えば「糞線虫」との密接な関連が有名。
(HTLV-1感染で細胞性免疫に異常を来たし糞線虫を重複感染?)
これもいつか調べが必要(本日はここまで)

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2005.08.17

食中毒で咽頭痛

北里大学オープンキャンパスで食中毒。約200名発症。
このニュースをネタにいろいろ調べようとしてみた。

原因が溶血連鎖球菌ということで、症状も発熱や咽頭痛が多かったからだ。

消化器の症状(吐くとか下痢とか)が見られない食中毒もあるのね。

過去には福岡市や札幌市で報告があるみたいです。

食品からも菌が証明されたという。メカニズムは?

この菌はとびひ(伝染性膿か疹)とか起こすから調理人の手指の汚染か?

潜伏期は?二次感染は?などと調べようと思っていたら

なんと自分が発熱+咽頭痛に見舞われてしまった。昨日の夜は、体中が震えて

熱を産生しているのが自分でわかるくらいだった。9度超。頭痛・筋痛も。

久々の発熱なのでベッドでゴロゴロ過ごす。治療はタイレノールのみ。

もちろん食中毒ではないですよ。

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2005.08.14

昨日のメモ(8月12日)

紙のメモのメリット・デメリット

資料に直接書き込んだり、図でイメージ化を容易にするし。

立花隆はイメージするなら3次元で描きなさいと言った。

しかし、ものぐさ太郎はそのメモをしばしば紛失する。

事後の整理をマメにやらないと次第に記憶からも失せる。

それならば、と直接電子媒体に打ち込むことにトライする。

(案外会議などで見かける電子速記族)

打ち込む音が周囲の耳障りになっていることも気を留めてね。

それよりも論点をまとめて打ち込んでいくことは容易ではなく

さらにそれから自分の考えを発言したり議論するのは至難の技

でも、メモは必ず媒体のなかに記録として残り

必要なときに取り出して参照可能(これは大変お役立ち)

ブログだと、そのメモをウエブサイト上に残すことが可

インターネットにつながる環境であればどこからでも参照可能

それを必要な「他人」に紹介することもできるところが便利ね

ただし他人の目があるのである程度まとめられた文で書くこと

などを考えながら12日の仕事を振り返る


「介護保険制度改正に伴う老人保健事業のゆくえ」につい
ては、65歳以上の検診を除く事業は地域支援事業へ移行して、介
護予防のためのツールとなる。

講義後の質疑応答で出た問題点

  • 介護予防アセスメントからサービス提供までの流れを地域
    全体としてイメージしづらい(これが地域支援事業計画になるんだ
    けど)
  • 介護が必要となる主要疾患に、高血圧の治療を受けながらも脳
    血管疾患を発症する高齢者がいる(医療側へのアプローチも必要)
  • 介護予防は、廃用症候群と脳卒中パターンの2つが車の両輪だ
    が、地域支援事業計画の中味は前者だけ盛り込めばいいのか?(生
    活習慣病予防の視点も必要なので、健康増進計画と一体的な流れで
    策定できるといいが)


夜は夜でたばこ対策中間評価会議

目標の達成具合・新たな指標や調査の検討


  • 男女とも喫煙率は減少している
  • 女性は既に目標値を達成したが印象としては若い喫煙者は多い
  • 他の喫煙率のデータで特に若い世代の喫煙状況を把握する
  • たばこをやめたいと思っている喫煙者も増加中
  • この人の禁煙志向をいかに支援するか(医療機関で事業所で)
  • だから1つ目の柱「たばこ消費量の減少」は「禁煙支援」へ
  • 「受動喫煙の害を防ぐ」項目は健康増進法施行により飛躍的に
    改善している」
  • 現状値はH16年2月の調査結果を用い、目標値はすべての学
    校で敷地内禁煙実施する
    などを盛り込む
  • 飲食店やレストランでどの程度分煙対策に取り組んでいるのか
  • 健康増進法を知っているかを把握する(一般県民にも)
  • たばこが健康に及ぼす害の正しい知識の把握は調査候補
  • 未成年の喫煙ゼロは厳しいと言う状況(これが今後の重点?)
  • 学校での取り組みを調べる(授業で行われているか)
  • 環境整備としては、やはり自動販売機の問題が大きい
  • 不法に設置されていたり児童生徒が利用しやすい場所にも
  • そのような自動販売機を対象にした「調査」を計画しよう
  • 宜野湾市のNPOの活動がモデルになる


街の自動販売機をチェックする項目を考えるのが宿題です

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2005.08.12

禁煙ミシュラン

今日は夜からたばこ会議。健康おきなわの中間評価について。
評価の視点は

  • 目標の達成度(保健指標レベル-行動知識レベル-取り組みレベル)
  • 目標に達しなかったのはなぜ?(課題抽出)
  • 指標の妥当性(入手可能性や網羅性も含めて)
  • 最終目標(5年後)の確認と新たな指標の検討
  • 今後重点的に取り組むべきテーマ(これが取り組みの指標となる)
という順番で議論を進めて報告書を書くところまでがミッション。

この会議では直接取り上げることはないが、禁煙認証制度についての記事。
禁煙促進へお墨付き 自治体、相次ぎ認証制度(産経)

横浜市都筑区は人口の約2割を占める未成年の受動喫煙を防ごうと今年3月、禁煙・分煙を実施する区内のレストランや喫茶店にお墨付きを与える「空気もおいしい飲食店」認証制度をスタートした
岩手県でも4月から同様の制度を開始。店舗の名前や住所に加え、店の写真やメニューも県のホームページで掲載している。「地域の健康づくりに協力していただくことで、売り上げ増など店側にもメリットがあるよう知恵を絞った」(保健衛生課)
東京都千代田区も6月から、飲食店を星の数でランク付けする制度を開始した。営業時間すべてが喫煙禁止の「完全禁煙」店には三つ星、店内に独立した喫煙席があり、たばこの煙が禁煙席に流れ込まない構造の「完全分煙」店は二つ星に区分する。
など、全国的に禁煙ミシュラン的な取り組みが増加している。

しかし飲食店での伸びはイマイチ。

実際、東大大学院医学系研究科の中田ゆり客員研究員らが昨年、全国の中小飲食店約1200店の分煙状況を調べたところ、約8割が何の対応も取らず、その6割は「今後も予定がない」と答えた。いち早く認証制度をスタートさせた北海道や滋賀県でも登録店舗は伸び悩み、中田さんは「規模が小さいお店は、たばこを規制することで顧客離れや売り上げ減などの悪影響を懸念している」と分析する。
昨年紹介したカレーハウスCoCo壱番屋のように全国チェーンで基盤がしっかりしていれば、 まだしも、中小飲食店では売り上げに直結するだけに厳しいのか。

しかし居酒屋でもついに全面禁煙が実施されるなど
(これは小児が居酒屋に日常的に出入りする沖縄には是非必要かも)
分煙・禁煙の流れは着実に進んでいる。

日本人の喫煙率は3割を割り込み、7割の国民が吸わない時代。 ワタミのように禁煙をアピールすることで、たばこの煙をがまんしていたお客さまを呼び込めるのでは

喫煙者は少数派であるという認識を広げることが大切だと強く思う。

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2005.08.09

夏のココロエ3(川遊び編)

夏休みもそろそろ中盤。宿題を気にしつつも、遊びモード全開の子どもたち。
こう暑いと、やんばるの冷たい川の水で涼みたくなる。その時のココロエ。

ここでも数回紹介しているレプトスピラ症について

レプトスピラ症に気をつけよう(沖縄県北部福祉保健所)

平成15年より北部の河川で感染したと思われる症例が出てきています。
特に7月~8月は発生が多くなる時期。
注意事項(予防のポイント)に書いているように

  1. 皮膚に傷がある場合は、水田や川入らないこと。
  2. 素足で長時間水田や川に入らないこと   皮膚がふやけてくると感染することがあります
  3. 特に7月~10月の間は気をつけること
  4. 水田や川に入った後、突然の発熱、頭痛、筋肉痛の症状がでたら、   すぐにお医者さんにみてもらうこと
を覚えていてください。

沖縄県衛生環境研究所微生物室に行くと詳細記事があります。
同室が作成したリーフレットはこちらからダウンロードできます。

関連記事:獣医さんから見たマングース

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2005.08.08

学校での健康教育へ一言

第5回九州地区健康教育研究大会
第11分科会「生活習慣病の予防」指導助言(案)

テーマと背景
生活習慣病の低年齢化については、全国的な課題となっている。 もともと成人病であったものが平成8年に生活習慣病と呼び名を変えた背景には、 小児を含む若年者の発症が多くなったという背景がある。 それから数年経過しているが、全国的に成人男性の肥満が増加して いる現象と呼応するように小児の生活習慣病も増加している。

テーマと発表演題の関係

協議テーマは生活習慣全般の改善だが、発表演題は歯・口の健
康つくりの取り組みとなっている。
小児の生活習慣の改善のためには、継続的で包括的な取り組みが必要なことは言うまでもないので、今回の発表はその入り口の部分として捉えることができよう。すなわち、いかにその活動を地域に定着させるか(そのしくみを作るか)という視点を持って事例を分析して欲しい。

目指す姿

生活習慣病予防のために、具体的に目指すことは「基本的な生
活習慣を身につける(○○をしなさい)」あるいは「体に悪い生活
習慣を身につけない(××だけはするな)」ことである。
そのためには子どもたちの行動レベルの改善が求められるわけだが、MIDORIモデルなどを通じて、行動に影響を与える因子がいくつかあることが知られている。

知識や情報

健康に関する情報がマスコミ等でも多く流されるが、フードフ
ァディズム
という言葉に代表されるように、それは一面的で「これ
さえ食べればやせられる!」といった偏った情報であることが多い。
生徒たちが基本的な知識を獲得できるように繰り返し働きかけ、情
報提供に努めなければならない

技術、スキルなど

生徒たちがいざ健康になろうとして行動を起こしても、その方
法が間違えていたり効果が少ないものである場合は、専門的見地か
らの指導が必要である。学校側は必要なときに専門的指導が受けら
れるような受け皿づくりを行うべきであろう。
また、ライフスキル教育で実践されているように、誘いを断る技術や多くの食品の中から必要なものを選択する目を獲得する教育も必要だ。
これらを獲得することが「これなら自分でもできる」という自己効力感を得ることにつながるであろう。

報酬や「見返り」

いったん起こした行動により、先生にほめられた、親が喜んだ、
成績(指標)が改善したなどの報酬が得られると、その行動は継続
が期待できるという。例えば、食後の歯磨きはそれにより口内爽快
感が得られることを実感できれば、言われなくとも自分で磨くよう
になると言われている。家族や地域による影響を多く受ける部分で
ある。

家庭環境へのアプローチ

生徒の健康行動に家庭の影響する部分は大きい。特に小学校低
学年頃までのように、保健行動のほとんどを家庭に依存している場
合はそれが顕著である。
いわゆる家庭の事情には社会的、経済的な面も含め、学校からは直
接アプローチできない部分があるが、子どもの健康を守るために必
要なことは家庭に伝える(粘り強く)べきであろう。

行動に影響を与える因子を分析してみる

目標とする行動を、これらの各因子に分解して分析してみる。
今回発表されているさまざまな取り組みも、直接的には各因子の改
善を目標として行われていることが多いからだ。
分析の過程を関係者で共有するために、ある程度数値化して現状を示すことが有効である。集団を対象にしたアンケート調査の結果をそれに落としこめば現状が数値化できて、目標(値)も立てやすい。
また、生徒自身が自分の行動について分析をすることにもつながる。
自分で問題点を「実感」できれば、主体的に行動を起こすことも期
待できるのではないか。

対策を体系化する

モデル的に行われている取り組みは、生徒の行動に影響を及ぼ
す因子を改善させる目的で学校を中心に実施されている(多くの場
合は期間限定であるが)。
しかし生活習慣の改善のためには、継続的に包括的に実施されることが必要なので、多くの関係者を巻き込み、それぞれが役割を発揮するという形で行われることが望ましい。
地域保健の分野では、最近、自助(自ら行うこと)、互助(地域住
民や関係機関が行うこと)、公助(行政や公的機関が行うこと)と
いう分け方をすることが多い。学校保健には必ずしもすっきり当て
はまらない部分も多少あるかもしれないが、生徒自身、親やPTA、
地域の関係者、そして学校、教育行政という分類で、対策を整理し
ていくとわかりやすい。

効果を喜ぶ(みんなで)

対策に関わる人たちで、取り組みの効果を評価を行うことも必
要である。事業単体だけを評価するのではなく、その結果得られた
長期的な変化や波及効果も評価する視点が必要である。
入り口は栄養や口などであっても、それによって生徒がエンパワメントされれば、生活習慣全体の改善につながる可能性がある。
その生徒の変化が周囲の関係者にエンパワメントをもたらすという
良いサイクルが回り出せば、学校から始まった健康つくり運動が地
域に根ざしたものへと発展できるであろう。


発表への指導助言は明日です(これは今日の打ち合わせ会
資料)

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2005.08.05

タクシーは非喫煙顧客をドンドン失っている

8月5日はタクシーの日
鉄軌道がない沖縄にとって、タクシーは重要な公共交通機関。

沖縄ではバス停で手をあげないと(あげても)バスは止まらんけど、
タクシーは手をあげなくても止まる
と誰かが言っていたが、沖縄らしいのんびり感が漂っているんじゃない?
でも確かに空タクの後ろを走る時には注意が必要(急停車、急発進、急方向転換などなど)

乗務員も待ち時間に甘い缶コーヒーばっかり飲んで、タバコ吸ってるというイメージ
彼らの健康状態も大変気になるところです(でも健診はしっかり受診してるみたい)。

今や禁煙タクシーも多く見られるようになり、この業界でも受動喫煙対策は進んでいる
と思いきや、まだまだ

しかし、現実は客待ちタクシーの車内で乗務員が悠然とタバコを吸っている風景を見かけることがしばしばだ。乗務員の禁煙を実施する日本交通が業務提携を進めている相手会社の中には、乗務員離れを心配して二の足を踏む会社もある、という。
という指摘もある。
そのネタ元はトラモンドという(辛口)業界情報誌。
6月9日の視点・論点のタイトルが
非喫煙顧客をドンドン失っている

お客さんをお迎えお送りするときには「禁煙タクシーをお願いします」と言う沖縄県看護協会。
利用者の声がタクシーの分煙化を推進する。

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2005.08.04

Streptococcus suis ブタ連鎖球菌

感染症ニュースを最近にぎわせているブタ連鎖球菌感染症。 中国四川省で集中的に発生し8月3日現在、

206名が発症、38名が死亡、18例が重症(WHOホームページより)
と報道されている。
一連の動きについては中国情報局というサイトに詳しく掲載されている。
また「奇病」治療中の患者の写真が掲載されているサイトもある(jp.eastday)
米(コメではない)CNN mobileでは ブタ連鎖球菌の拡大懸念、地方農家が指示無視と 中国 と報道。その中で
世界保健機関(WHO)は中国関連当局に対し、今回の感染による死亡率が非常に高いことから、ブタ連鎖球菌以外の細菌やウイルスが原因である可能性があるとして、詳しい調査を求めている。
とあったのでWHO内を検索してみたところ次のような記事を発見。
昨日77777カウントに達した記念?に訳してみることにしました。

FACT SHEET "streptococcous suis"

Streptococcus suis is a species of bacterium found in many parts of the world where pigs are raised. It is most adapted to domesticated pigs, but is also occasionally found from wild boars, horses, dogs, cats and birds. Human infection was first described in the 1960s and is increasingly recognized. It is unclear, however, whether this reflects a true rise in incidence or whether it is being diagnosed more frequently due to increased awareness by physicians.

ブタ連鎖球菌は世界中ブタを飼っている地域の多くで見られる細菌である。 この細菌は多くはブタの体内に適応しているが、時に野生のイノシシ、馬、犬、猫、鳥などにも見られる。 人への感染が最初に見つかったのは1960年代で、その後増加している。 増加の原因は、この感染症の発生そのものが本当に増えているのか、または医師の認識が高まったことにより診断されるケースが増えているためかは定かではない。

Infection in pigs is usually asymptomatic, but can result in septicaemia (blood poisoning), meningitis, pneumonia and arthritis. Young pigs are most at risk, but the disease can occur in any age group. Predisposing factors are found in pigs reared in "suboptimal" conditions, for example poor housing with inadequate ventilation. This is compounded if pigs are raised under "intensive" conditions that can cause stress and subsequent immune suppression.

ブタで感染が起きたら通常は無症状だが、敗血症、髄膜炎、肺炎や関節炎の原因となることもある。 どの年代のブタでも起こりうるが、特に若いブタではリスクが高い。 この病気に罹りやすくなる要因としては、豚舎の設備がプアだったり換気が十分行われてない場所で飼育されていることが挙げられ、ストレスや免疫不全を引き起こすような飼育環境とがこのことと合わさっている。

Asymptomatic pigs typically carry the bacteria in their tonsils and are probably responsible for the spread of infection between herds. Infected pigs respond to certain antibiotics. Vaccines are available, but their efficacy is not firmly established

この細菌は、症状の出ていないブタの扁桃腺に存在し、豚舎内の群れにも広がっていく。 感染したブタは抗生物質の治療に反応する。 ワクチンもあることはあるがその効果ははっきりあるとは言えない。

Although rarely diagnosed in Europe, there is some evidence that Streptococcus suis is a not uncommon cause of bacterial meningitis in humans residing in some parts of South-east Asia. It usually does not cause outbreaks, but occurs in a sporadic manner. The most important risk factor in acquiring the infection is contact with pigs or uncooked pig products, typically farmers, veterinary personnel, abattoir workers and butchers. Individuals who are immunosuppressed, including those who have had their spleens removed, are also at increased risk.

ヨーロッパでもまれに診断されることがあるが、ブタ連鎖球菌による髄膜炎は東南アジアに住む人よりは発症することはまれであると認識されている。 よって流行の原因になることもなく、発症するとしても散発例である。 最も重要な感染リスクは、ブタや未調理の豚肉との接触で、具体的には農家、獣に触れる人、畜殺場で働く人、および肉屋さんなどが該当する。 脾臓を摘出した人など免疫状態が低下している個人も、ハイリスクに該当する。

Transmission to humans is most likely to occur through wounds on the skin, including minor abrasions. But infection via ingestion or through mucous membranes—such as the conjunctiva—has been suspected in some cases. The incubation period ranges from a few hours up to three days. Classically, infection in humans produces a fever and signs of meningitis (headache, vomiting, neck stiffness, intolerance of light and decreased level of consciousness). Hearing loss, which is generally permanent and affects around 50% of those infected, occurs due to involvement of the auditory nerve. Arthritis and pneumonia are also possible complications.

人への感染経路は、皮膚の傷や小さなかすり傷などを通して発生する。 しかしいくつかのケースでは、消化器系や結膜などの粘膜感染も疑われている。 潜伏期間は2,3時間から3日くらいと幅がある。 よく言われるヒトでの症状は、発熱と髄膜炎症状(頭痛、嘔吐、頚部硬直、光線不耐、意識低下)である。 感染が聴覚神経に及ぶと聴覚障害(通常恒久的で約半数に生じる)が起きる。 また関節炎や肺炎も合併症として起こりうる。

Diagnosis is made by the recovery of bacteria from the cerebrospinal fluid, blood or joint fluid, if arthritis occurs as a result of infection. The bacterium can be grown in culture. Polymerase Chain Reaction (PCR) can also be used to make a diagnosis. If diagnosis is early, prompt treatment with appropriate antibiotics will lead to recovery. Delay in treatment, however, will adversely affect survival.

診断は脳脊髄液や血液中、それに関節炎を起こしている患者では関節液から菌を証明することでなされる。 培養検査でも細菌は証明できる。PCRで診断することも可能。 診断が速やかになされれば適切な抗生物質治療で回復も期待できるが、それが遅れた場合には生存にも悪影響が出る。


Another possible consequence of infection is the occurrence of toxic shock syndrome (TSS). This syndrome is also associated with other streptococcal and staphylococcal infections. This may lead to severe damage of many vital organs, including the liver, kidneys and circulatory system. TSS is only partially responsive to treatment with antibiotics, and intensive supportive care is required. If TSS, occurs the outcome is likely to be worse.

その他に起こりうる症状ではToxic Shock Syndrome(毒素によるショック症状)がある。 この症状は他の連鎖球菌やブドウ球菌感染とも関連があり、肝腎、循環器系に重篤な臓器障害を引き起こす。 これを発症すると抗生物質の治療にもあまり反応せず集中的なケアが必要となる。予後は悪い。

Prevention of the disease in humans depends upon control in pig populations. This presents a difficult challenge to veterinary authorities and the pig industry. In serious outbreak situations, there should be strict controls on animal movements and slaughtering. The second line of defence relies on increasing awareness of the disease within those at highest risk. Awareness should extend to everyone who prepares and cooks pork, including those doing so in their homes. Those with open wounds should wear gloves when handling raw or uncooked pork, and all those who prepare pork should wash their hands and clean their utensils thoroughly after preparation. Adequate cooking is also essential. WHO recommends that pork should be cooked to reach an internal temperature of 70°C, or until the juices are clear rather than pink.

ヒトへの感染予防は、ブタの管理状況に依る。このことは獣医や生産農家にとって大きな課題である。 ひとたび流行が起きれば、動物の移動や畜殺が厳格に制限されるべきである。 次に重要なことは、ハイリスク群のヒトたちに対して、この病気に関する認識を高めてもらうこと。 さらに豚肉を扱ったり調理したりする人(家庭での調理も含む)にもこの認識を広げていくべきだ。 傷(ジクジクした傷)がある人は未調理や生の豚肉を触れる場合は手袋を着用すべきで、すべての調理に関わる人は手洗いと器具の清潔を徹底的に行う必要がある。 調理の際にも注意が必要で、WHOでは豚肉は中心温度が70度まで達するよう、あるいは肉汁がピンク色でなくなるまで加熱すべきと推奨している。
(以上)

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2005.08.02

はしか 風疹 千葉ロッテ

読売新聞サイト(どうも国内感染症系のニュースに関してはここが早い気がする...)より
麻疹と風疹の混合ワクチン、国内初の製造販売承認(2005年7月31日)

ワクチンメーカーの財団法人・阪大微生物病研究会(大阪府)は、同会が開発した麻疹(ましん)、風疹(ふうしん)の 2種混合ワクチン(MRワクチン)が、厚生労働省から製造・販売の承認を受けたと発表した。  MRワクチンの承認は国内で初めて。別々に受けねばならなかった2種類の接種が、 今後は1回で済むことになり、子供と親の負担が大幅に軽減される。
接種費用が公費で負担される「定期接種」の対象疾患で、 毎年約110万人が予防接種を受けている。 厚労省は、MRワクチンを定期接種に組み入れる方針だ。
そして最後の一行「定期接種に組み入れる」ことについては、
平山宗宏先生(日本子ども家庭総合研究所所長)が
「予防接種に関する最近の動き」と題して解説。
麻疹ワクチンと風疹ワクチン
  
  • (現行)いずれも、12月~90月 に1回ずつ   
  • (改正後)第1期(12月~18月)、第2期(入学前6か月*)の2回接種にする。   
  • *就学前年度の10月1日から3月31日まで
麻疹及び風疹の定期予防接種の方法の改正
  • (改正後)第1期、第2期とも、麻疹風疹混合ワクチンを1回ずつ皮下注射(0.5ml)    
  • (MR混合ワクチンは製造申請中)
という方向に進む。(パブリックコメント募集結果についての厚生労働省のコメントはこちら

MRワクチンと聞いて思い出すのが、新3種混合ワクチンとも呼ばれたMMRワクチン
麻疹・風疹・流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の3種類のワクチンが含まれていた。が、
無菌性髄膜炎という副作用を起こし(主におたふくかぜワクチンの成分によるらしい)
国内で訴訟まで引き起こした歴史がある。

その経緯については国会でのやりとりも行われている(質問主意書とその回答を参照)

しかし、厚生労働省が製造・販売の承認を与えたということは安全に接種できるということ。
特に麻疹(はしか)については、関係者(小児科医ら)のかねてからの願いであった
2回接種が法律に基づいて行われることになる(初回は12ヶ月以降であるが...)

沖縄でもそうだが、はしか撲滅に関する小児科医らの活動は全国的に盛んだ。
米国CDCからはしか輸出国のレッテルを貼られ、
2回接種実現に向けて検討を重ねてきた結果が出た形だ。

あとは、国民にいかにこのムード(はしか予防すべし!)を浸透させるかだ。
今年度快進撃が続く我らが千葉ロッテマリーンズ (首位FDHまであと4ゲーム)の本拠地千葉マリンスタジアムのベンチには

はしかワクチン打って、麻疹完封!
という広告が掲げられている(6月の読売交流戦衛星放送でも確認できた)。
仕掛け役は全国の小児科医有志らしいです(詳細は「まこと」のblog参照)。
こういうニュースがもっと報道されるとムード醸成につながると思います。

千葉ロッテも初芝に今季1号が出たことだし、楽天戦もちばっていこう。

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