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2005.08.18

第2のエイズ?

猿由来新型ウイルス、アフリカで発見(ZAKZAK8月16日) このニュースは先月新聞に先に掲載されていて、それに関する電話相談もあった。

アフリカのカメルーン南部で猿をタンパク源として摂っている民族を調べたところ 930名中2名(いずれも男性)から新しいウイルスが発見されたとのこと。

新ウイルスは、成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルスとなっている「HTLV」の一種で、 これまでに確認されていなかった3型、4型という。 いずれも猿から感染したものとみられている。

ちょうどHIVウイルスにも1型、2型があるので、記事を読んでいると、このウイルスが HIVの3型、4型と解釈してしまう恐れがある。
でも実際に見つかったのはHTLVの3,4型ということです。

医学部の学生だった頃にはHIVウイルスはHTLV-3型と習った覚えもあるが、
それは誤りだということをWhat is HTLV-1?で解説しています。

HIVもHTLV-1もウィルス学的には、同じレトロウィルスに分類されます。 また、両者ともリンパ球のT細胞に感染するウィルスであり、血液を介して 感染する可能性があるウィルスです。このため、HIVとHTLV-1を同じ様に 考えてしまう方がかなりあります。しかし、この2つのウィルスは、体内での 増殖速度、生命予後が全く異なります。(中略) 以前に、HIVが“HTLV-3”と呼ばれていた時期があるので、昔の本を読んでいると 非常にまぎらわしい場合があります。注意が必要です

HTLV-1に感染すると将来ATL(成人T細胞白血病)やHAM(HTLV-1関連脊髄症)を 発症する可能性がある。特に長崎、鹿児島、宮崎、沖縄は高浸淫地区である。 鹿児島では先月「日本からHTLVウイルスをなくす会」(HAM根絶)というNPOも立ち上がった
また早くから取り組んできた長崎県の母乳遮断事業は鳥取大学ウイルス学教室のサイトで 詳しく紹介されている。この2県は撲滅優先型。

沖縄県はどちらかというと母乳哺育推進型と思われ、短期授乳(6ヶ月未満)だと 感染の危険は人工哺育と変わらないというデータを基にそれほど遮断を強く勧めていない (少なくとも私が小児科にいる頃はそうだった)と思われる。

最終的には

哺育方法は、これらの事実をふまえた上で母親の選択に任せる。 (国立感染症研究所ホームページ)
というが、

母乳を与えて万が一感染させてしまったときの母親の苦悩や、逆に乳児期に直接母乳を 与えることができないつらさなど、この問題はどっちを選んでも深いジレンマに陥る可能性がある。
ワクチンや治療法などの確立が早く待たれるタイプの疾患だ。

それとHTLV-1と言えば「糞線虫」との密接な関連が有名。
(HTLV-1感染で細胞性免疫に異常を来たし糞線虫を重複感染?)
これもいつか調べが必要(本日はここまで)

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