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2005.09.29

やんばる母と子の命を守る 6

6回目の報告
北部福祉保健所の健康増進室を借りて6回目の報告会(約20名参加)
(ちょっと話の順番を変えています)

  1. ビデオをみんなで鑑賞   
    • 先日NHK「おはよう日本(九州沖縄編)で放映された伊江村の妊産婦に関する報告   
    • 県(病院管理部局)は自治体病院協議会や各大学医学部にアプローチ中   
    • しかし目処は立っていない   
    • 明後日、住民決起集会で決議(産婦人科医師確保)   
    • 「市町村会や北部地区として何ができるか」も必要な視点
  2. 産婦人科医師からのレポート   
    • 基本姿勢は「リスクを抱えない」
    • 早めに診断して早めに紹介する   
    • 県立中部病院への紹介症例(平成17年3月~9月)   
    • 合計59例(うち同乗搬送は13例)   
    • 産科症例でもっとも多いのは切迫早産   
    • 次いで子宮外妊娠、高血圧合併妊娠、前期破水、妊娠中毒症、頚管無力症など
    •    症例によっては5ヶ月以上も通院することもある   
    • 未受診や受診回数頻少もいれば妊娠分娩管理希望で紹介という例もいる   
    • 紹介患者は昨年までだったらすべて北部病院で対応できていた症例   
    • それよりも患者数が増えていることのほうがきつい   
    • 以外に多い婦人科系疾患   
    • 子宮がん検診の2次検診が施設で行われることになり紹介患者が増えた
    • 対応可能な医療機関は北部で3ヶ所のみ   
    • 検診センターや人間ドッグで婦人科検診(細胞疹)ができる人材がいればいいのだが   
    • 少しでも開業医の負担が減るような方法を考えましょう
  3. 当事者からの報告は夫の立場で       
    • 名護市在住   
    • 高血圧合併妊娠で約5ヶ月間中部病院の外来に通院
    •    前回妊娠も高血圧合併だった(北部病院で出産した)   
    • 夫も仕事(農業)休んで、片道約1時間ちょっとを運転
    • 上の子は保育園や親戚に預けて通院   
    • 妻にとっても通院の負担はあった(血圧の上昇など)   
    • 満床のため早めに入院して出産に備えることもできなかった   
    • 出産前日も定期受診していったん名護に帰るが夜から少量出血のため再受診
    •   血圧も160くらいまであがっていた   
    • そのまま入院、無事出産した
    • 病院で会う人は北部の人が多かった   
    • 北部に大きな病院があるのに婦人科がないのは不安である恥ずかしい
    •    個人病院だけでは対応に限界がある   
    • もう1度再開して欲しい
  4. 意見交換   
    • 現在妊娠中の方から「通院にかかる経済的負担が大きい」との意見も
    • 高速代+ガソリン代+病院駐車場代など
    •    その前に仕事を休まなければならないこと   
    • 児童福祉面など現在活用できる制度ももっと周知すべきだろう
    • 一時保育やファミリーサポートセンター事業など
    • 開業産院にパンフレットを置くようにしよう   
    • 当事者の声を聴き、どのようなニーズがあるのかまとめることが必要
    • それに対してどのような対策が考えられるのか
    • 例:高速の領収書を見せたら料金を補助するなど   
    • 医師募集広告にしても北部でホームページを持っている人も協力できるのではないか
    •    県だけに任せておいても見通しがつかない(県議会で答弁)     
    • 名護市の市民の広場で緊急特集を3回連続で組む(10月号から)

終了後の懇話にて
(そろそろ具体的な行動にうつす時期かもしれないね)

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2005.09.28

速報!やんばる弁当甲子園

初代王者は辺土名高校に輝きました。
報道関係者も4社来て、表彰式終了後はまるで記者会見のように
インタビューも受けていました。→QABでも放映

北部の若い世代が食に少しでも関心を持ってくれればいいんだけど(後日詳報書きます)。
先日、日本心臓病学会で生活習慣病予防の「理想の弁当」が医師に配られたようです。

発芽玄米を2割入れたごはん、ゴボウやレンコンなどの根菜、野菜に魚、鳥肉。  生活習慣病予防に良い食事を体験してもらうため、日本心臓病学会は 大阪市で開く学術集会に参加する医師らにおいしくて体に良い“理想の弁当”を提供する。
普段の診療で具体的に栄養指導が行えていないことへの教育目的もあるらしい。 でも
重視されたのは、ビタミンやミネラル、食物繊維。 19日の昼食は、ごはんのほか、ブロッコリーやもずくの天ぷら、魚フライ、 ピーマンとレンコンのいため物、キュウリの梅肉あえなど。オリーブオイルやゴマなども使う。

こんな豪勢な幕の内みたいな弁当、毎日は作れませんから。
弁当のイメージが違うかもしれない。
やんばる弁当甲子園の8つの審査基準のうち、
地元の食材が活用されている/手軽に作れる(30分以内だと5点)/自分でも作ってみたいと思う
という項目が入っているのは「毎日作って欲しい」という意図からです。
弁当ですから。
ところであなたは「弁当詰めたことありますか?」

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2005.09.26

マニュアルは活用されるのかしら?

今日(26日)は講演ダブルヘッダーの日。資料づくりが大変です。
16年度からコツコツ続けてきた健やか親子おきなわ2010関連事業
若年妊産婦支援マニュアル活用について
主なユーザーは市町村保健師だが、今日の対象は保健所保健師

総論部分のアウトライン

若年妊産婦支援マニュアルは活用されるのかしら?

マニュアル完成までの道のり
入り口から混乱
  • 虐待防止事業のはずなのに…
  • 保健師だけの手引き書なの?
  • 若年妊娠ってみんな悪いわけ?
言葉の定義もあいまい
  • 養育力って何?
  • 支援対象は家族も含むの?
  • 共通言語じゃなかった
途中もいろいろあったが
  • 調査結果どう生かす?
  • 成果物のイメージがまとまらない
  • 年度もまたぎそう
でも最後は一気に
  • 有用なマニュアルを
  • 内容を膨らますのもuser次第
まわり道 あとから見れば 一本道(嶋村清志)
課題1 話し合い不足
  • 若年妊産婦の支援方法について、自治体の中で統一した基準が話し合われていない
  • 優先的な問題かどうかもはっきりしない
  • 個人の経験と技量の範囲で支援
  • 抱え込み 他につなげず 置いておき
  • 問題が複雑になると、慌ててケース検討会議
  • 対応も後手後手に
課題2 地域による「差」
  • 若年妊産婦の多い地域少ない地域
  • エイサー仮説?
  • 地域の資源にも差がある
  • 産科との連携とか
  • もちろん保健スタッフにも
  • アセスメント・マネージメントの流れの中で地域に適合するフローチャートを描く必要性
  • じゃあ自分たちで書き込んでもらおう
課題3 正解がない?
  • 養育力に問題がある母親への正しい支援方法
  • 唯一解があるわけではない・エビデンスも?
  •  (マニュアル通りとはいかない世界)
  • いっしょに解決策を考えることが必要
  • ケースメソッド風な展開が向いている?
  • テキスト部分は「ポイント」「事例」程度
  • ブランク部分に自分たちの「方針」を
課題おまけ 紙媒体の限界に挑戦?
  • 製本した途端、棚に飾られるマニュアル
  • 資料として見る程度
  • かと言って、CDで送ってもねぇ
  • 思い出のアルバム的な計画書
  • 最近は推進を意識した内容が多くなった
  • 記述内容が賞味期限を過ぎたマニュアルも多い
  • 情報の更新が最大の難点
  • 頭の中も上書きしないと
  • 履歴も残しておきたい(これはooyakeのコンセプトと同じ)
本マニュアルの特徴
  • バインダー方式のため追加差し込みが可能
  • 情報の更新、履歴の蓄積が可能
  • コピーも簡単?(でも出典は書いてね)
  • 10場面で構成若年妊娠A子の物語参照
  • 妊娠から出産、育児という流れ
  • 追加場面設定もどうぞ
  • 書き込み方式
  • 地域特性に応じたマニュアルに
  • 完成させるのはユーザー自身
  • 活用状況についてモニター調査も予定している

県内市町村には配布予定とのこと。もし手元にある方はご感想をどうぞ。
手元にない方はご用命を(残りあるかなぁ?)。

本日のもう1つの講演「障害児と食育」については感想も含めて後日アップします。

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2005.09.23

予防接種に関する国の姿勢

来年度よりはしか、風疹(三日はしか)の予防接種の実施方法が変 更になります。

平成18年4月1日の時点で
年齢(月齢)が12〜24月の方のうち

  1. はしかも風疹もかかっていないし予防接種も受けていない
  2. どちらか一つにかかった
  3. どちらか一つの予防接種を受けた
  4. どちらにもかかった、あるいは予防接種を受けた
と分類した場合
  1. MR混合ワクチンの接種(第1期)
  2. 法に基づく接種はできない
  3. 法に基づく接種はできない
  4. 法に基づく接種はできない(接種の必要なし)
となりま す。このうち2,3に関しては、感受性のある方(かかっていない 方)の疾患のワクチンを受けることを本人が希望すれば、費用を市 町村で負担しても良い。ただし、法に基づかない接種なので万が一 健康被害があったときの補償は法に基づかない処理(医薬品の副作 用としての補償、あるいは市長会が加入している保険で)としてい ます。責任が市町村へ押し付けられた形。
次。

平成18年4月1日の時点で
年齢(月齢)が25ヶ月以降就学1年前に達しない方のうち

  1. はしかも風疹もかかっていないし予防接種も受けていない
  2. どちらか一つにかかった
  3. どちらか一つの予防接種を受けた
  4. どちらにもかかった、あるいは予防接種を受けた
と分類した場合 すべて法に基づく接種はできません。まだ万が一地域で麻疹が流行 し、いち早く予防接種を打ちたい感受性者たちについても「法に基 づいた接種はできません」と国は言います。やるなら市町村で体制 を整えて下さいとのこと。
さらに

平成18年4月1日の時点で
年齢(月齢)が5〜7歳で就学前の1年間に該当するの方のうち

  1. はしかも風疹もかかっていないし予防接種も受けていない
  2. どちらか一つにかかった
  3. どちらか一つの予防接種を受けた
  4. どちらにもかかった、あるいは予防接種を受けた
と分類した場合も、1以外は法に基づいた接種はできないということになります。
せっかくMRの2度打ちを導入したのに、その恩恵に預かるのは 平成22年以降ということになり、ここでもまた予防接種はざまの世 代が作られてしまいます。


現在この国の方針に地方自治体や専門機関は反発を強めていろ
いろ交渉が続いてはいます。
すでに法改正は済んでいます。

流れてくる資料を見ていると、国の姿勢が浮かび上がってきます。すなわち

国は予防接種に関する訴訟(副反応など)で厳しい判決を言い渡されている。だから予防接種は国が接種を義務づけるというのではなく、住民が主体的な意志で接種を希望し、それを実施主体である市町村がサポートするとする方が望ましい

という後向きな考え。
先日共同通信で報道された結核予防法を感染症法として一本化というニュースでも(報道では触れられていないが)
ハンセン病訴訟の影響は大きく、疾患名が残った単独の法律が存在することが、偏見や差別につながった(らい予防法やエイズ予防法)ので、結核も単独法ではなく感染症法に併合させるべき
との国の姿勢が反映していると思われる。

でもそれなら昨年の結核予防法改正とそれに関連する一連の混乱は何だったのかしらと思わざるを得ない。それに疾患名を残すのが、即差別偏見につながるのではなく、問題は法律の中味ではなかったの?。らい予防法は法のもとで強制隔離、家族との別離、断種などが行われたし、エイズ予防法は「感染者はこれを他人に感染させる恐れのある行為を行ってはならない」と規定した。

いずれにしても訴訟の影響を強く受けているということに関しては共通しているのかもしれない。
立場上やむを得ないところなんだろうか?

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2005.09.19

沖縄の公衆衛生について(原稿メモ)

1.はじめに

観光客が年間500万人を超え、琉球料理店などの沖縄関連店舗の「本土」進出が盛んになった現在でも、沖縄に対して抱くイメージはステレオタイプであることが多い。すなわち、「ヘルシーな食生活と少ないストレスで皆が健康長寿」などである。さすがに最近は英語ペラペラ?と言われることは少なくなったが。

その理由としては、1972年に本土復帰するまでは米国占領下に置かれ(その影響は今でも強く残っているが)、本土にとっては「遠い存在」であったことと、独自の文化と制度のもとに歩んできた沖縄の特殊性がある。

沖縄の衛生行政は、第2次世界大戦直後、極端な保健医療人材不足という状況からリスタートした。人材を有効に活用し、感染症対策では官民が一体化した島ぐるみの取り組みを展開して種々の問題を解決してきた。しかし現在は、中高年層の生活習慣病の合併症による早世、障害を抱えた長寿者の増加、脂肪分が多い食事で若年者の肥満者の増加、そして自殺者も多いなどの新たな問題を抱えている。

本稿では沖縄における衛生行政の一端を紹介するとともに、今後の課題について報告する。

(以下は項目のみ)

2.衛生行政の変遷

  • 占領下の体制について
  • 公看(公衆衛生看護婦)の存在
  • 特徴的な疾患
  • 官民一体となった公衆衛生活動


3.沖縄の現状

  • 長寿の邦の将来
  • めーなちそーがち
  • 夜型社会、車社会への挑戦


4.今後どう取り組むか

  • 自治体の足腰は強くないが...
  • 保健政策の展開
  • 再び「官民一体」を

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2005.09.17

一杯のソーキそば

沖縄にいれば、子どもからお年寄りまでみんな大好きソーキそば。
いつも通勤途中によるサービスエリアの食堂で撮ったこの写真
1ksuba

「え~っ!ソーキそばって1060カロリーもするの~?」という観光客の叫び。
(ちなみにとなりの天ざるの方がカロリーは低かった)
やっぱりこの脂ギトギトの麺にこってりスープではカロリー高いでしょう。
でも数字で示されると、やはり説得力を伴いますね。

この一杯のソーキそばを食べた後に、てくてく歩くとか汗水流して働くとか
カロリーを消費する生活なら問題なかったんだろうけど、そうもいかない車社会。
昼ソーキそばを食べた日は夜の食事でカロリーとバランスを補正しましょう。

最近発表された食事バランスガイド
厚生労働省と農林水産省のコラボレーションであることが強調されている。
副題は

あなたの食事は大丈夫?

現在各地で説明会が開かれている(開催地一覧財団法人食品産業センターHPに掲載)
「何を」「どれだけ」食べたら良いかを一般の生活者にわかりやすく、 イラストで示したものについては、世界的には「フードガイド」と呼ばれることが多い。
今回は、回転(運動)することにより初めてバランスが確保される"コマ"の型を 採用したことも踏まえて、名称に「バランス」という言葉を入れた。

とあるが、わかりにくいのがこの中に出てくるSV(サービング)という概念
1単位(=80キロカロリー)ともちょっと違うみたいです。
SVというのはサービングの略であり、各料理について1回当たりの標準的な量を 大まかに示すものである。なお、表記に当っては、使用する場面に応じて、 「1つ」あるいは「1SV」のみでも良いこととする。

「大まか」の内容は

  • 主食なら、炭水化物がおおよそ40g=市販おにぎり1個
  • 副菜なら、野菜等に関して、主材料の重量がおおよそ70g=野菜小鉢1個分
  • 主菜なら、肉、魚、卵、大豆等の主材料に由来するたんぱく質がおおよそ6g(=例えなし)
  • 牛乳乳製品なら、カルシウムがおおよそ100mg=牛乳コップ半分
  • 果物なら重量がおおよそ100g=みかん1個
だそうです...ソーキそばは何SVなんだろう?

とにかく成人の1日のカロリー所要量の約半分をこの一杯のソーキそばで稼いでいる
ということを知るべきなんだろう。
こういう表示をしてくれる店を大事にしましょう。

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2005.09.15

性教育に関する新たな知見

今週行われた教育委員会主催による性教育研修会。 そこで頂いた資料より引用。
出典は「カフェテリア方式による新しい時代の性教育」(保健の授業)
著者の一人は性教育学者の松浦賢長先生


2002年度にわが国で性行動・性意識調査が行われ、性教育学にいくつもの
革新的な見方をもたらした。(中略)性交開始年齢(の分散)は親からの遺伝を受け
同時に親の育て方によって影響を受けることがわかっている。
性交相手数(の分散)が親の育て方には全く影響を受けないのをは対照的である。
性交開始年齢はそれゆえに家庭での性教育がある程度ものをいう。しかし、
それは「制覇恥ずかしいものだという先入観こそいけない。親子の間で性について
フランクに語るべきだ」ということを意味しない。

性行動・性意識調査の結果、性交開始年齢に影響を与える(上昇させる側)事柄は
まず「(中学生のころまで)親が性に厳しいこと」であった。そしてあと2つあり、
「(中学生のころまで)親と一般的なことをよく話すこと」「(中学生のころまで)
親と性について話さないこと」だった。ただしこの場合の性について話すと言う範囲は
人を好きになること、性交渉(セックス)、避妊、性感染症である。(中略)
一般的なことについても、性についても親とよく話す者の性交開始年齢は
他の組み合わせよりも極端に低く、16歳代と突出していた。(中略)

ここから導き出したことは、何でも話せるように見えて実は性についての話題は
避けているということが、家庭の性教育の要であるということだ。
つまり、性の慎重さは、明示的な言葉により形成されるというよりも、
それ以外の「不自然に」仕組まれた経路で伝わるということである。
テレビのラブ・シーンに凍りついた茶の間の空気のあの不自然さが性を特別視させ
その敷居を高めていることになる。

すなわち、親が性に厳しい態度を示し、何でも話せるように見えて
実は性についての話題を避けている家庭で育つ子どもは、性を思いのままには
扱えないもの、特別なものとしてとらえる。性を単純なものでなく、一筋縄ではいかない
ものとしてとらえる。性の敷居が育まれる。性に思い入れを持つのである。
性の敷居が低くなると、思い入れなくして性交にいたる子どもたちが増える。
性を特別視していない子どもたち、性を大切にしていない子どもたちである。(中略)

上記のエビデンスから、今後は家庭、地域、学校における性の敷居を高める
メッセージ環境の構築が求められている。(以下略)


これが新しい知見ということである。
家庭においては「性の敷居を高めるメッセージを非言語的手段で
子どもたちに伝える」ということは、何となく日本人に合ったやり方という気もする。
(無理をしてある日突然、性をフランクに話すことは両者にとって苦痛だし、
これだと多くの親に受け入れてもらえることが期待できる)

ただし、これが学校でも同じかというと、少し違うと思う。教育の現場である限り
教える側は、「何を教えるのか」「その結果子どもたちがどう成長すべきか」という
意志表示をすべきだし、家庭や地域といっしょに目標を共有する必要があるだろう。
そうでないと、みんな性の情報洪水に流されてしまう。

もちろん松浦教授らが提唱している小集団でのカフェテリア方式も教育手段として
すぐれた手法の一つであるということに異論はないです。

さて先日の研修会グループワークで、現場の先生たちのジレンマを知ることができた。

  • 学校内に仲間がいない(養護教諭だけが動いている)
  • 仲間にしようと説明しようにも資料がない(現状が把握されていない)
  • 学校の外の専門家とも連携がとれていない(活用できていない)
  • 発達段階に応じた教材がない(系統化されたものが少ない)
  • 時間がなかなかとれない
  • 毎年特設授業を1回やってはいるが、その効果は?
  • 同じ地域の小中高校での連携があればいいのに
  • 家庭と学校の役割分担がはっきりしない(情報交換できていない)
  • 前任から引き継いだが何から手をつければいいのかわからない
などなど

でも答え(やるべきこと)はその悩みの中に見え隠れしている

  • まず簡単な実態調査
  • その資料を見せて仲間を増やす
  • 校内で無視できない状況を作り出す
  • 学校保健委員会などで地域や家庭とも問題を共有する
  • 教育プログラムを考えて、皆に示す
  • 関係者で役割を分担する
  • プラグラムを評価をするための指標も揃えておく

教育プログラムが最大の関心事だろうが、基本的には
何を/どのように/誰が伝えるか(「性教育:何をいかに伝えるか」参照)
という整理の仕方でマトリックス表を作ってみてもいいのではないか。
もちろん「何を」に「性の敷居の高さ」、「どのように」に「家庭での厳しさを通して」
という項目を追加しても良い。

何でもそうだが、問題が起こってからの後追い関係者会議ほど空しいものはない。
これも「目標を持って、戦略的に」がキーワードでしょうか。

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2005.09.13

オックスフォードの記録

オックスフォードでの研修記録
まずはメモから
その日に何があったかを中心にメモしたものです。(講義記録ではありません)
右クリックして「対象をファイルに保存」してから見て下さい。




次は講義記録+ミーティング記録です(日付とタイトルで内容を推測してください)。

同じように右クリックして「対象をファイルに保存」して読んで下さい。

印象的だったのは、専門性を確立すべく業務を分担する看護職、専門分化したはざまから対象が漏れないようにしているリエゾンナース。それぞれの守備範囲が明確だからこそ責任を持って仕事にのぞめるということ。また、多様性を認めて「個」を大切にする姿勢も勉強になった。


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2005.09.03

医療改革に関する政権公約

今日(9月3日)の朝日新聞より

医療改革論戦低調


今回の衆議院選挙での医療制度改革に関するマニフェストを挙
げ、「医療費抑制の具体策に踏み込んだところはない」とバッサリ

高齢化で膨張する医療費は抑制できるのか。

患者の負担増は避けられないのか。論戦は一向に深まらない。
と書いている。

以下がマニフェスト。( )内は記事中コメント。
自民党
医療制度改革を断行。新たな高齢者医療
制度の創設などについて、年内に改革案をまとめ、次期通常国会に
法案を提出

(03年3月に閣議決定した医療制度改革の基本方針をなぞった
もので新しい内容ではない。既定路線)

公明党

「治療中心」から「予防重視」に転換。新たな高齢者の医療制
度創設、保険者の再編統合、診療報酬体系の見直し

民主党

透明で、独立性の高い、新たな高齢者医療制度の創設を含む医
療制度改革、カルテ開示を義務付ける法案を次期通常国会に提出。

(抑制策や負担増については触れていない)

共産党

高齢者の保険料や窓口負担の引き上げなど医療負担増に反対。
医療の安全が確保できるよう診療報酬を確保する

(直接の財源に触れていない)

社民党

サラリーマンの自己負担を3割から2割に戻す。新たな負担増
を求めるような高齢者医療制度の改悪に反対。

(直接の財源に触れていない)

国民新党

年金・福祉政策と確立し、すべての国民を幸せにする真の改革
を行う

新党日本

小児医療の完全窓口無料化の実現を進める

これに対する厚生省幹部の一言が

「本当は医療も、国民が選択する問題だ。」
「でもそれが出てこない。そこまで政党が成熟していないというこ
とでしょうか」

医療費をどのように抑制するのかが経済界からの宿題をつきつ
けられているのに、具体案を議論できないというのは残念賞。

何もしないと総額を最初から決めて、その範囲で医療サービス
を行うというイギリス式になったりして。

そうすると治療のためのwaiting listもできてしまう(保育園
への待機じゃなく、治療の順番待ちだそうだ)

そのイギリスへ保健医療制度のための研修へ行ってきます。

帰国するのは選挙の結果が出た次の日。

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2005.09.01

性教育:何をどのように伝えるか

今日から9月。幸運なことに海外研修(大同生命)への参加を 許されしばらく職場を離れて修行してきます。 よってブログooyakeの更新も滞りがちになることをご了承下さい。

そこから戻ってすぐにしないといけない仕事がこの講師。

「性(エイズ)教育:何をどのように伝えるか?」
  • 日 時:9月14日午後2時
  • 場 所:北部合同庁舎
  • テーマ:「性教育:何をどのように伝えるか?」
  • 対 象:国頭教育事務所管内の養護教諭など
  • 形 式:講話+ディスカッション

流れとしてはこんな感じ

  1. 性教育を取り巻く現状
    • 中央教育審議会の方針   「高校生以下のセックス認めません」日刊スポーツ7月14日
    • 七生養護学校問題(都教委による教材の「押収」)
      性教育バッシング論争に発展している
  2. しかし現実に問題は起こっている
    • アダルトビデオが僕の教科書?
      某強豪大学野球部集団暴行事件
    • 10代の人工妊娠中絶か、10代の母親か
    • 子どもたちは洪水のような情報の中で生きている
  3. だから正確な情報を繰り返し伝えることが必要です
  4. では教育によって子どもたちがどうなることを目指すのか
    • 「自己を肯定的にとらえられるようになる」ことが解の一つ
    • (エリクソンの)発達課題という視点から
    • (共依存などの)人間関係という視点から(小林幸子「やんちゃ酒」)
  5. では何を伝えるべきか
    保健医療の専門家として伝えられること
    • 成長と性徴(個人差があるのが当たり前)
    • 性(セクシュアリティ)に関するとらえ方の男女差
    • セックスしたらどうなるのか
      • 妊娠する
      • 性感染症にかかる
    • それを予防するためにはどうしたらよいか
      • No sex , Safer sex
      • 自分の問題として考えられる感覚も必要
    その他に子どもに伝えるべきこと
    • 価値観、道徳観
    • 自分を大切にする心
    • 自尊感情
    • コミュニケーションスキル
    • 偏見や差別の解消など
  6. いかに伝えるか
    • 日常の授業や学校生活を通じて
    • 一斉集団レクチャ-方式(単発にならないことが大切)
    • 双方向的グループワーク
    • ピアアプローチ活用(カウンセリング)
    • 個別にフォローする必要もある
    • 自分たちでディスカッションさせるという方法もある
  7. じゃあどうすればよいの?
    • 学校の中でできることと学校の外の連携してできることを整理する
    • 検討する場を設ける
    • 共通の方向性や目標を確認することが大切ですよね
  8. 最後に命について考えるとは?

親子がつながっているという実感を得る。
家に帰って親子とも子どもの頃の写真を見比べてみよう

スライド96枚。 活発なディスカッションになることを期待します。

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