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2005.09.23

予防接種に関する国の姿勢

来年度よりはしか、風疹(三日はしか)の予防接種の実施方法が変 更になります。

平成18年4月1日の時点で
年齢(月齢)が12〜24月の方のうち

  1. はしかも風疹もかかっていないし予防接種も受けていない
  2. どちらか一つにかかった
  3. どちらか一つの予防接種を受けた
  4. どちらにもかかった、あるいは予防接種を受けた
と分類した場合
  1. MR混合ワクチンの接種(第1期)
  2. 法に基づく接種はできない
  3. 法に基づく接種はできない
  4. 法に基づく接種はできない(接種の必要なし)
となりま す。このうち2,3に関しては、感受性のある方(かかっていない 方)の疾患のワクチンを受けることを本人が希望すれば、費用を市 町村で負担しても良い。ただし、法に基づかない接種なので万が一 健康被害があったときの補償は法に基づかない処理(医薬品の副作 用としての補償、あるいは市長会が加入している保険で)としてい ます。責任が市町村へ押し付けられた形。
次。

平成18年4月1日の時点で
年齢(月齢)が25ヶ月以降就学1年前に達しない方のうち

  1. はしかも風疹もかかっていないし予防接種も受けていない
  2. どちらか一つにかかった
  3. どちらか一つの予防接種を受けた
  4. どちらにもかかった、あるいは予防接種を受けた
と分類した場合 すべて法に基づく接種はできません。まだ万が一地域で麻疹が流行 し、いち早く予防接種を打ちたい感受性者たちについても「法に基 づいた接種はできません」と国は言います。やるなら市町村で体制 を整えて下さいとのこと。
さらに

平成18年4月1日の時点で
年齢(月齢)が5〜7歳で就学前の1年間に該当するの方のうち

  1. はしかも風疹もかかっていないし予防接種も受けていない
  2. どちらか一つにかかった
  3. どちらか一つの予防接種を受けた
  4. どちらにもかかった、あるいは予防接種を受けた
と分類した場合も、1以外は法に基づいた接種はできないということになります。
せっかくMRの2度打ちを導入したのに、その恩恵に預かるのは 平成22年以降ということになり、ここでもまた予防接種はざまの世 代が作られてしまいます。


現在この国の方針に地方自治体や専門機関は反発を強めていろ
いろ交渉が続いてはいます。
すでに法改正は済んでいます。

流れてくる資料を見ていると、国の姿勢が浮かび上がってきます。すなわち

国は予防接種に関する訴訟(副反応など)で厳しい判決を言い渡されている。だから予防接種は国が接種を義務づけるというのではなく、住民が主体的な意志で接種を希望し、それを実施主体である市町村がサポートするとする方が望ましい

という後向きな考え。
先日共同通信で報道された結核予防法を感染症法として一本化というニュースでも(報道では触れられていないが)
ハンセン病訴訟の影響は大きく、疾患名が残った単独の法律が存在することが、偏見や差別につながった(らい予防法やエイズ予防法)ので、結核も単独法ではなく感染症法に併合させるべき
との国の姿勢が反映していると思われる。

でもそれなら昨年の結核予防法改正とそれに関連する一連の混乱は何だったのかしらと思わざるを得ない。それに疾患名を残すのが、即差別偏見につながるのではなく、問題は法律の中味ではなかったの?。らい予防法は法のもとで強制隔離、家族との別離、断種などが行われたし、エイズ予防法は「感染者はこれを他人に感染させる恐れのある行為を行ってはならない」と規定した。

いずれにしても訴訟の影響を強く受けているということに関しては共通しているのかもしれない。
立場上やむを得ないところなんだろうか?

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