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2006.06.12

期限切れワクチン接種問題

週末、地方紙が報道したニュース。


乳幼児を対象に多良間村が五月三十日に実施した破傷風などの予防接種で、
有効期限を一カ月経過したワクチンが使われていたことが九日分かった。
納品した医薬品卸業、琉薬(本社・浦添市)が誤って出荷し、
村側も気付かなかった。
琉薬の神谷朝雄専務らが九日夜、村を訪れ保護者らに謝罪した。
村によると、副作用や体調不良の訴えはないという。

村によると、生後七カ月から六歳の二十人に使われたが、
うち二人分が期限を過ぎていた。どの子に接種されたかは不明という。
琉薬によると、出荷の際に有効期限を伝票に記す作業を怠ったのが原因。
五日にミスが判明した。


小さなエラーや見逃しが重なると大きなエラーにつながる。
人間だから小さなエラーをすることもある。だからシステムでそれを
カバーするというのが、安全学の考え方。
安全の基本として(セーフティプロモーションの記事でも書いたが)
  • ニアミスデータを蓄積するしくみを作る
  • その際には個人のエラーをシステムのエラーに転換して対策を講ずる
  • だからしくみを考える人たちがそのデータから改善策を検討する
  • なぜなら最も注意深い人のためのシステムは、そうでない多くの人には無意味
  • フールプルーフ(人間は過ちを犯しやすい存在という認識でシステムを設計する)
  • フェイルセーフ(誰かが過ちを犯したとしてもそれを二重、三重にカバーするしくみ)

予防接種に関しては、厚労省が出している
予防接種間違い防止の手引き
に細かく書かれているので、みんなで目を通すようにしよう。
この報道に関連する事例集もちゃんとあって
(5)有効期限切れワクチンや注射器での接種
  1. 間違いの事例
    • 例) 使用したワクチンが、有効期間を過ぎていたことが接種終了後に判明した。
    • 例) 注射筒や針が使用期限を過ぎていたことが終了後確認された。

  2. 事故を防ぐための工夫策
     保管上や使用上の注意点を示します。
    1. ワクチン毎にLot番号順にまとめ、有効期限が記載されている側が見やすいように配置しておく。
    2. ワクチン受け払い簿にワクチン受け入れ時に有効期限を明示し、定期的にチェックする。期限切れワクチンは早急に処分しておく。
    3. ワクチンを受け取る時、使用ワクチンの種類とともに有効期限を確認する。
    4. ワクチン開封の際にも、有効期限を再確認する。
    5. 使用する注射器や針の開封時に、使用期限を確認する。
    6. 定期的に保管温度など管理状態およびワクチンの有効期限などを確認する。

  3. 事後の対応策
    • 有効期限切れのワクチンなどを接種した場合は、速やかに実施主体である自治体に連絡し、その後の対応を協議してください。

では、「対応を協議」する具体的な内容は、やはり誤って接種された
(かもしれない)保護者に対する事情の説明と、不安の解消だろう。
不安については、期限切れワクチンを接種したことによる
効果と副作用

とに整理できる(と思う)。
この手の情報は、予防接種薬剤に関するインタビューシートなどには
当然記載されていない(参照:DPTワクチンのインタビューシートPDF
ただ、メーカーのデータとして虐待試験のような研究結果がもらえる
こともあるので、薬品会社を通じて問い合わせてみるのもよいかも。
(期限を過ぎたワクチン接種による効果に関して)

副作用に関する情報はさらに少ないだろうし、
接種されたこと自体に関するショックもあるかもしれないから、
それに対しては、丁寧にフォローしていくことが必要でしょう。

その後のニュース(6月12日新報夕刊
県、琉薬を行政指導
薬務衛生課が文書による行政指導を行ったようです。

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