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2006.07.17

歩く肺炎 マイコプラズマ

マイコプラズマ感染症が増加しています(沖縄県衛生環境研究所)。
わが家も最近毎週のように病院にお世話になっています。どんな病気?

感染源(病原体)

  • 肺炎マイコプラズマ
  • 自己増殖可能な最小の微生物で、生物学的には細菌に分類される
  • 他の細菌と異なり細胞壁を持たないので、ペニシリン、セフェムなどの細胞壁合成阻害の抗菌薬には感受性がない
  • 「カビ(真菌)の」を意味するマイコと「形作られたもの」という意味のプラズマに由来

感染経路

  • 感染患者からの飛沫感染と接触感染によるが、濃厚な接触で感染
  • 寮生の学校や寄宿舎、サマースクールといった比較的若い人の集団で感染する
  • 症状の軽快後も患者の気道からマイコプラズマが出て、家族の感染を起こしてしまうこともある

宿主の特徴

  • 1歳の誕生日までに40%が感染を受け5歳までに65%が感染を受けている
  • 年長児のほうが重症になりやすい(乳児は軽症が多い)
  • 予防接種ワクチンはありません
  • 再感染を受けることもある(罹患しても終生の免疫を獲得するのではない)

臨床像

  • 潜伏期は6-32日と比較的長いため施設での流行の場合数ヶ月続くことも
  • 発熱や頭痛に引き続き、咳は最初は乾性、経過がたつにつれ湿性に長く続く
  • 肺炎の中では症状が軽く入院を必要としない場合もあるので
    歩く肺炎walking pneumonia
    とも呼ばれる
  • 聴診上ラ音が聞こえなくても胸部X線で陰影が出ることもあり、胸写が欠かせない
  • 25%に消化器症状がみられ、中耳炎などの合併もある

検査所見

  • 白血球は正常または増加、赤沈亢進、CRPは軽度上昇、肝機能一過性上昇もある
  • 血清抗体の異常高値(間接血球凝集反応(IHA)抗体価320~640倍以上、または補体結合反応(CF)抗体価64 倍以上)
  • 2度採血を要する(ペア抗体)ことが多く、病初期には診断できない。症状の重い急性期に診断がつかない欠点がある

治療

  • ペニシリン系やセフェム系などのβ‐ ラクタム剤は効果がなく、マクロライド系やテトラサイクリン系、ニューキノロン系薬剤が用いられる
  • 例えば内服の抗生剤(エリスロシン、リカマイシン、クラリス、ジスロマックなど)だけで治ることがあります。少しひどい場合は、外来で点滴(ダラシン 、ミノマイシンなど)をすることもあります。
  • クラリス(レボフロキサシン)は気管支喘息に用いられるテオドールの血中濃度を上げることがあるので注意が必要
  • クラリスは苦くて飲みにくい薬の代表格であったが、最近ストロベリー味に改良?された

予防のポイント

  • 人ごみは避けましょう
  • 鼻をほじくるんだったら、手を洗ってからにしましょう。病原体を鼻の奥に押し込んでしまいます
  • 鼻をほじくるよりは鼻をかんだ方がよい(鼻をかんだ後にも手を洗いましょう)
  • マイコプラズマ肺炎の患者と同じ部屋で眠るのは控えましょう
  • 他の人に向って咳をするのはやめましょう

参考にしたサイト

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