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2007.01.11

性病Gメンの功罪

沖縄では1962年に性病予防法が制定され、それに基づき
1966年くらいから各保健所に性病調査員が配置された(2名)。
彼らは法に基づき感染源追跡調査を行った。
患者から得た情報(というか手がかり)は以下の如し。
(しかも約半数は米軍からの届出であった)

  • 何時、何処で;4日前、××ホテル(2階の部屋)
  • 名前;メリー(源氏名)
  • 身長、体重;150cmくらい、小肥り
  • 特徴;可愛い娘で笑うと奥歯の金歯が見えた。下着は上質なものを着け清潔であった。

たったこれだけの情報を元にGメンは歓楽街に乗り込み
感染源と思われる「彼女」を探しあて、治療を勧告する。
アラバマの追跡ばりのtracingが沖縄でも行われていた。

彼らの苦悩を語る文章を一部紹介する。

  • 性病の感染源のほとんどがバーやホテルに働いている売春容疑者が多い
  • 感染源届出票の中にはほとんど本名がなく人相・特徴だけをたよって調査するので強制的調査と間違えられる
  • 調査する現場に行きその女性を捜すのも容易ではない
  • また昼間はほとんど会えないので夜の調査を実施する場合もあり、お店にはお客さんもいるので個人のプライバシーを守る必要もある
  • 仮に調査して判明してもその女性に検診を受けさせるのに苦労する
  • 時には接触者調査票を渡す段階で女性の代わりに全身イレズミをした男が出て来て脅迫されることもある
  • 基地内で月400人前後の性病患者が出ており、外人とのトラブルもある

このような困難を乗り越え1971年の衛生統計年報によると
2584名を調査し、1898名を検診に導き、487名を治療に結びつけた。
(調査した約2割弱にあたる)

今エイズをはじめ性感染症患者の増加が問題視されている。
現在の対策はもっぱら普及啓発(population approach?)
自主的に検査を受け、HIV感染の段階で発見し医療機関につなげる。
実際沖縄県は人口あたりの受検者数が全国一多くなった頃から
保健所で発見されるHIV感染者も急増しており、キャンペーンの
効果が現れていると言える。

ただ、やはりリスクが明らかに高い集団に対してのアプローチも
必要であろう(本気で感染拡大を防ぐつもりなら)
もちろん、性病Gメンのような人権をほぼ無視した追跡活動を行う
ことは不可能である。しかしAC(公共広告機構)のメッセージ

カレシ、カレシの元カノ、カレシの元カノの元カレ、カレシの元カノの元カレの元カノ...

が大きなインパクトを与えたように、患者感染者を起点にして
さかのぼる視点も大切だと思う。

じゃあどうしたらいいの?(これは宿題)

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