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2007.03.05

人材育成@fiji

報告すべき事項の一つ。これからちゃんとまとめます。


フィジー地域保健看護師現任教育プロジェクト2006年9月3日~16日

はじめに

フィジー国は南太平洋の国の中では最も人口が多く
日本の四国くらいの面積に約84万人が生活しています。
主要な産業は観光・製糖・衣料などで、日本からも多くの
観光客が訪れています。

歴史的には19世紀にイギリスの植民地となり、その時に
インド系住民が移入しました。現在は、
フィジー系が5割強、インド系が4割
という状況です。

平均寿命は女性で72.1歳、男性で67.0歳(2005年)です。
健康課題としては、チフスやデング熱、フィラリアなどの感染症と
近年問題になっているのが糖尿病などの生活習慣病、そして
自殺も増加しているということです。

そして地域における保健医療サービスを担っているのが
地域保健看護師たちです。

地域保健看護師の活動の実際

フィジーにおける地域保健看護師の活動は、
ヘルスセンターや看護ステーションを拠点に行われています。
ヘルスセンターは人口約5000人に1か所設置され、
複数の地域保健看護師が勤務したり、医師の配置もあるため
日常の外来診療や保健指導、訪問などが行われています。
看護ステーションは地域に設置され、約2000人の人口を
カバーします。

そこでは多くは看護師が一人で配置され保健活動を行いますが、
場合によっては救急医療に対応せざるを得ない場面もあります。
現任教育を実施することで、これらの活動の質を維持向上させることが
プロジェクトのねらいです。

プロジェクトの概要(沖縄との関係)

このプロジェクトは2005年から3年間の予定で行われています。
その概要は地域保健看護師の行う地域保健活動の質の改善を目標に、
いくつかの小目標を設定しています。
  1. 「地域保健看護師の役割と機能が再定義される」
  2. 「地域保健看護師の指導者の現任教育についての知識を強化」
  3. 各地区で地域保健看護師を対象とした現任教育が機能」
  4. 「現任教育のプロジェクトモデルが他地方及び他国に紹介」
などです。
このプロジェクトを始めるにあたり参考になったのが
沖縄で行われていた教育システムです。
戦後、保健医療人材が不足していた時代に
地域に駐在して活動を行っていた公衆衛生看護婦(公看)の制度は
平成9年まで続きました。
彼女達の活動を支えたのが、毎月保健所で行われるミーティングでした。
そこでは地域での活動報告や相談、研修などが行われ、
公看たちの現任教育が行われました。
現在でも保健所において保健師のための現任教育が行われていますが、
その対象となるのは卒後3年以内の若い市町村保健師です。

年間計画を立てるための研修会を実施

今回関わった活動は、現任教育の年間プログラムを計画する
指導者たちを対象とした研修会でした。
現任教育の計画を立てるためにはいくつかの情報が必要です。
  • 例えば、実際に教育を受ける地域保健看護師がどのような研修を希望しているか、
  • 地域での保健活動を通して見える住民の健康課題は何か、
  • 統計データから見える地域の健康課題は何か、
  • 国としての優先課題は何かなどです。

これらの情報を集めて研修会を開きました。

現在実際に行われている現任教育は主に集合の研修で、
各地区(sub-divison)に所属する地域保健看護師たちが一同に介して、
講義や研修報告、グループワーク、ロールプレイなどの形式で
行われています。それぞれの地区で開催頻度は違いますが、
少ない地区では隔月、多い地区では月2回程度開かれています。

教育テーマについても、新しい健康課題に関する知識の獲得や
情報処理、カウンセリング、救急処置など幅広いテーマが
選択されています。これらのテーマと手法をどのように組み合わせて
年間計画を実施するかという研修会を開催しました。

研修会では実際にワークシートを使って、テーマと手法の選択、
そして各プログラムごとに背景や実施方法、評価指標などを決めて
各地区に持ち帰って計画を策定できるようになることを目的として
行いました。3日間のワークショップで現任教育のニーズと手法について
十分議論を重ねモデルとなる活動計画のシートを作成するに至りました。



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プロジェクトの課題


今後はワークショップのフォローを行い、来年度も現任教育が
実施できるかどうかを確認する必要があります。
このようなプロセスを繰り返し、フィジーの指導者達が
今後も継続的に現任教育を実施するためのシステムが
定着できるかが課題です。
そのためには、現在は十分とは言えない保健統計情報収集システムの
精度を高めるとともに現任教育の成功事例を蓄積していくことが必要です。

今回は具体的な例として、地域保健看護師が
コミュニティプロファイリングという手法を活用して
水道ポンプを建設費用を獲得した例を紹介してもらいました。
これによって、それまで河川の水などを飲んでいた地区の住民の
健康状態の改善が期待されます。

まとめ

人材を育てていくためには、現任教育を継続的に実施
するためのシステムを確立し、それに必要な予算や
情報システムを整備することが必要です。そして
その教育に関わる指導者たちの質を確保するためには、
今回のようなワークショップを開催したり、何らかの
インセンティブを与えることも検討した方がいいでしょう。
教育内容を魅力あるプログラムにするためには、
地域保健看護師のニーズを把握するなど、
PDCAサイクルを意識した計画を行い、
集合、小グループ、個別などテーマや対象によって
手法を使い分けることも必要です。

その結果、国民への保健サービスの質も確保され、
優秀な人材が育成されて地域に定着することが期待されます。


いくら人材を育てる機関やシステムを作り上げても
長期的な視野でそこに人材が定着するかどうかがカギ。
これはフィジーでもやんばるでもおんなじだと思った次第です。

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