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2007.05.06

遺伝子再集合

連休前の新聞報道で「?」と思ったこのニュース
鳥インフルの新ワクチン開発 サルでは効果確認(産経新聞)

ウイルスの遺伝子が自然に組み換わる「遺伝子再集合」
という方法で鳥インフルエンザのワクチンを作り、
カニクイザルの実験で効果を確かめたという研究結果を
北海道大と滋賀医大が30日までにまとめた。
医薬品メーカーなどと協力、ヒトで安全性を確かめる試験を進める。
(中略)遺伝子再集合で既に、HとNの組み合わせで135種類ある
ウイルスの大半を作っており、新たな種類が流行しても短期間で
ワクチン開発に取り組むことができるという。

何だろ大集合ってと斜めに読んでいたけど、連休中に班員に
勧められて読んだ本の中に解説がしてありました。
インフルエンザウイルスは自らの抗原性を変化させている
  1. シフト=抗原不連続変異
  2. ドリフト=抗原連続性変異

2番は遺伝子が突然変異を起こし、アミノ酸配列を変える。
季節性の流行を起こすA型インフルエンザウイルスが毎年微妙に
変化する(だから毎年ワクチン株を変える必要がある)ことにつながる。
これに対して1番(シフト)は、ウイルスが遺伝子再集合という仕組み
(宿主に2種類のインフルエンザウイルスが同時に感染した際、
増殖する過程で遺伝子の一部で組み換えが起き、新しいウイルスが
できること。)を利用することにより、従来流行していたHA亜型と
NA亜型とは異なる亜型を獲得する事象を指す。

例えば同一宿主にH1N1亜型とH9N9亜型のウイルスが感染した場合
H1N1,H1N9,H9H1,H9N9
という4種類の抗原性の異なるウイルスが酸性されるが、
H1N9,H9H1は親ウイルスとは抗原性が異なる新型ウイルスである。
簡単に言えばこれがシフトの機序ということになる
という旨の説明がされている(山本太郎著「新型インフルエンザ」P28より)

これまではこの再集合が起こるのが「ブタ」という説が有力だったが、

レセプター認識を規定するHAの2個のアミノ酸(226番目と228番目)が
トリ型(Gln226, Gly228)からヒト型(Leu226, Ser228)に変異すれば,
トリインフルエンザウイルスはヒトに容易に感染するようになり,
ヒトからヒトに伝播するために世界的大流行(パンデミー)を
引き起こす可能性が危惧されている.
とのレポートもある

同書にはそれ以外にもインフルエンザの流行を規定するものとして
基本再生産数(R0)を示し、
R0=β×κ×D

  • β=接触1回あたりの感染率
  • κ=ある時間当たり一人のヒトが集団内で平均何人と接触をするか
  • D=感染症ごとにおよそ決まっている感染期間

という掛け算で値が得られるらしい。
  • βは感染源により異なるが、マスク着用とか手洗い励行で低下させることが可能
  • κは社会のあり方と関わるが、患者隔離などの施策により低下させることが可能
  • Dは感染症ごとにほぼ決まった値だが、タミフル服用などでその期間を短縮させることが可能

最終的にこのR0が1より大きければ感染は拡大し、1より小さければ流行は終息する。

なるほど。

さあ、ガイドラインの整理を進めよう

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