« 結局子どもにインフルエンザワクチンはどの程度接種されているんですか? | Main | 時間的空間的広がり(新型インフルエンザ) »

2008.02.25

「麻しん輸出国」と呼ばれないためには...

2012年を目標とした麻しん排除計画を進めるために

麻しんに対する特定感染症予防指針(PDF)

の中で(特にハードルが高いと言われている)学校との連携に
ついて調べていたら、このニュースにぶつかった。
米国のはしか流行 感染源は日本の野球少年
[ワシントン 21日 ロイター] 米疾病対策センター(CDC)は21日、
国内で少なくとも6人がはしかに感染したことについて、
ペンシルベニア州で行われた「リトルリーグ・ワールドシリーズ」に
遠征した日本の少年野球の選手(12)が感染源だったことを明らかにした。
 CDCの報告書によると、はしかの感染は昨年の8月から9月にかけて
ペンシルベニア州、ミシガン州、テキサス州で報告されていた。
 感染者には、デトロイトからボルティモアへの飛行機内で少年の近くに
座った女性(53)や、デトロイトの空港の税関コーナーで少年に接した
男性(25)などがいるという。

原文のMMWRはこちらで見れます。
世界大会を勝ち進んでワールドシリーズで負けた日本のチームに
麻疹がいることは聞いていましたが、その後+4名に拡がっていた
のは知りませんでした。図を見ると3次感染までリンクが確認されています。
患者像で特徴的なのは
  1. 初発は7月に東京ではしか様患者と接触した12歳少年(D5)
  2. 症例1と同じチームの12歳少年で遠征後に発症(D5)
  3. 53歳女性で少年1が米国内便で移動する際、前列に座っていて感染(D5)
  4. デトロイトの空港で症例1と接触した25歳男性
  5. ペンシルベニアで症例1と接触した40歳男性(接種歴なし)
  6. 症例5が入院前に訪れていたヒューストンの大学生18歳
  7. 症例5が入院前に訪れていたヒューストンの大学生19歳

地名がピンと来ませんが、8月中旬から約1ヶ月の間に、米国内で
ニッポン発のD5麻しんウイルスが拡がったと思われます。
気になるのは症例6と7が、米国で出生して、2度のMMRワクチン接種を
済ませているのにもかかわらず発症しているということ。
全体的な患者年齢が高いのも去年あたりの日本の流行と共通してるね。

で、こういうニュースはWHOのIHR(国際保健規則)によって
各国に報告されるため、また「ニッポンから輸入された麻しん」となる。

そう呼ばれることがいやなら(みんなイヤだと思うけど)対策をみんなで
進めていくしかありません。というわけで件の特定感染症予防指針。
必要な措置の中に、これに関連する記述もありました。

厚生労働省は、国土交通省に協力を求め、旅行会社等に対し、
外国へ渡航する者に、国内の麻しんの発生状況、外国で麻しんを
発症した場合の影響等についての情報提供を行うよう依頼する
ものとする。
また、文部科学省に協力を求め、学校で外国へ修学旅行する際に、
麻しんの疾病としての特性や麻しんの予防接種についての情報提供を
行うよう依頼するものとする。

大切なことは、繰り返さないことですが、そのためには問題を問題として
認識する人を増やすことが必要(大丈夫かなぁ)。
その手段として、外圧も時には有効だと思います。

カナダからの外圧とか。

肝心の学校との関係(特定感染症予防指針)は定期接種および
任意接種のと対策会議のところにありました。

3 厚生労働省は、文部科学省に協力を求め、就学時健診及び学校保健法第六条に規定する健康
診断(以下「学校での定期健康診断」という。)の機会を利用し、定期の予防接種の対象者の
罹患歴及び予防接種歴を確認し、未罹患であり、かつ、麻しんの予防接種を必要回数接種して
いない者に接種勧奨を行うものとする。また、当該接種勧奨後に、定期の予防接種を受けたか
どうかの確認を行い、必要があれば、再度の接種勧奨を行うものとする。

4 国は、右記以外にも、定期の予防接種を受けやすい環境づくりを徹底しなくてはならない。
定期の予防接種の際には、原則、保護者の同伴を求めているが、対策期間中に時限的に追加す
る中学一年生及び高校三年生に相当する年齢の者に対する定期の予防接種(以下「補足的接種
」という。)に限っては、事前に保護者に対し予防接種の効果及び副反応等についての十分な
情報提供を行い、書面で保護者の了承を得ること及び当該書面とは別に予診票に保護者の署名
を得ることを条件に、保護者の同伴を例外的に不要とすることも可能である。また、定期の予
防接種は、原則、診療所等で個別に行うものとするが、国が、応急治療措置、救急搬送措置等
について安全面で遵守すべき事項を別途定め、学校医等と連携をとることにより、中学校及び
高等学校等で定期の予防接種を実施することも可能である。

4 厚生労働省は、文部科学省に協力を求め、学校保健法第八条に規定する健康診断の機会を利
用して、学校の職員の罹患歴及び予防接種歴の確認並びに未罹患であり、かつ、麻しんの予防
接種を必要回数接種していない者に対する予防接種を推奨するものとする。また、医療・福祉
・教育に係る大学及び専修学校の学生に対し麻しんに罹患しやすい者と接する可能性がある実
習があることを説明し、当該学生の罹患歴及び予防接種歴の確認並びに未罹患であり、かつ、
麻しんの予防接種を必要回数接種していない者に対する予防接種を推奨するものとする。


2 厚生労働省は、文部科学省に協力を求め、学校等の管理者に対し、母子保健法第十二条第一
項第二号に規定する健康診査及び学校での定期健康診断の機会を利用して、学校等の入園年次
及び入学年次にある者の罹患歴及び予防接種歴を確認し、未罹患であり、かつ、麻しんの予防
接種を必要回数接種していない場合、麻しんの疾病としての特性や麻しんの予防接種について
の情報提供を行うよう依頼するものとする。(注:これはよくわかりません)

三都道府県における麻しん対策の会議の設置
1 都道府県は、感染症の専門家、医療関係者、保護者、学校関係者等と協働して、麻しん対策
の会議を設置し、関係機関の協力を得ながら、定期的に麻しんの発生動向、定期の予防接種の
接種率及び副反応の発生事例等を把握し、地域における施策の進ちょく状況を評価するものと
する。

|

« 結局子どもにインフルエンザワクチンはどの程度接種されているんですか? | Main | 時間的空間的広がり(新型インフルエンザ) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 結局子どもにインフルエンザワクチンはどの程度接種されているんですか? | Main | 時間的空間的広がり(新型インフルエンザ) »