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2008.08.30

「パンデミック」を広めよう!

新型インフルエンザが流行したら(厚労省想定)に関するニュース
2008年7月30日読売

厚生労働省は29日、新型インフルエンザが国内で大流行した場合に
想定される社会への影響をまとめ、初公表した。経済活動を支える
企業の従業員の欠勤率が40%に達すると、医薬品・病床数の不足や
停電、銀行の現金自動預け払い機(ATM)が一時停止するなど
様々な分野に支障がでる可能性を示した。

1ヶ月前のニュースをなんで引っ張り出してきたかというと
周囲の忙しい勤労者や飲み屋で会う一般社会人たちと
話をしても、まだ新型インフルエンザに関する認識が高くない
と実感するから。

厚労省がいろいろな備えのたびに予算を確保するニュースが
連日伝わって、徐々に国民への浸透も期待できるが、危機感
を共有するには至ってない。どんな例をイメージすれば、「おぉ!」
っと訴えることができるんだろう。


Pandemic







こういう標語を作っても

パンデミックって何?

と聞かれてしまう現状。みんなで地道に伝えていきましょう。
という意味での「パンデミック」を広げようというタイトルでした。

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2008.08.28

予防内服とスタンバイ治療(SBET)

かかったかな?と思ったら

という市販風邪薬のコマーシャルがあったが、自宅療養中に
自分で判断して、薬を飲むことをスタンバイ治療というらしい。
主にはマラリアの海外渡航者向けへの指導に掲載(WHO

検索すると日本でもやはりマラリアに関するレクチャーが中心。
海外渡航前に知っておきたいマラリアの知識Up to date(アボット感染症アワー)より抜粋します。
講師は木村幹男先生。

  • 予防内服ではなく、マラリアにかかったらしい時に渡航者自身の判断でマラリアとしての治療を行なう方法があり、スタンバイ治療と言います。
  • 対象となるのは、マラリア流行地に入って7日以上経って38℃以上に発熱した場合です。
  • 次に、発熱が始まってから24時間以内に医療機関を受診できない場合です。
  • マラリアにかかるリスクが高いときには予防内服が勧められ、スタンバイ治療はマラリアのリスクが低いときに勧められるのが普通です。
  • スタンバイ治療は、特殊の状況で行う医療行為であり、我が国では法的な扱いが確立されていない

予防内服かスタンバイ治療の使い分けについては
同じく木村先生の別の抄録から(これもマラリアに関するもの)

  • 予防内服の長所
    • 罹患を抑える(仮に失敗しても、その後に治療がある)
    • 毎日あるいは週1回の服用で間違えにくい

  • 予防内服の短所
    • 副作用のリスクがベネフィットを上回る可能性がある
    • にせの安心感を持ちやすい

  • (予防内服なしの)スタンバイ治療の長所
    • ベネフィットがリスクを上回る
    • 自己責任による早期治療の必要性を強調する

  • (予防内服なしの)スタンバイ治療の短所
    • 罹患は抑えない(仮に失敗すると後の治療が限られる)
    • 服薬方法が複雑で間違いを起こしやすい

マラリアの場合は、
例えスタンバイ治療を選択しても可及的速やかに医療機関を受診する
ことが勧められているが、
医療機関で感染が拡がるような(ヒトヒト感染する)疾患の場合は、
症状が悪化しない限りそのまま家でじっとしているのがいいだろう。

熱が出ても、自宅で薬を飲みながら療養する(home quarantine)

通常のインフルエンザからこういう行動が浸透するといいんだけどね。

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2008.08.22

最強ウイルス

最強ウイルス
なかなか更新が滞っておりますが
残暑お見舞い申し上げます

最近かばんに忍ばせているのがこの本
1月に放送して反響の大きかったNHKの番組の
内容が細かくレポートされています。

特に海外の状況が把握できる貴重な情報源としてお勧めです

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2008.08.13

愛の卒煙パッチ

石垣市がニコチンパッチを無料配布するというニュース(琉球新報)

これまで保健所や医師会によって愛のニコチンパッチ無料配布等は行われてきたが

市町村事業としては全国初の取り組み
らしい。

ニコチン依存に陥っている人がプチ底つき体験

=依存者は「底付(そこつ)き体験」をすることによって断薬を決意します。底付き体験とは、社会の底辺にまで身をおとすということではなく、自分の本来あるべき姿(同級生の現状で代表される)と現在の自分の姿を比較して、このままではどうしようもないと自覚することをいいます。(gooヘルスケアより
から禁煙を実行するのが一般的。

そのようなプロセスを経て禁煙することで健康に関する意識全体が高まることが
期待される。だから企業の健康づくりでもたばこ問題に取り組むところが多い。
成人はこういう波及効果も狙える。

未成年でももちろん同じことが言えるが、

子どもが成長していく過程でニコチンに依存せざるを得なかった背景
を理解し、フォローすることも必要だと思う(おうちで居場所がないとか...)
そうじゃないと依存対象のすり替えが起こりうるから。
そういう視点を期待したいです。

個人的には愛の卒煙パッチを無料配布すべき相手は

たばこをやめられずに胎児を虐待している喫煙妊婦
だと思います。

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2008.08.09

引きがねをひいたら、パーン!デミック

どうせ感染はすぐ拡がってしまうのであれば、
その早めに引きがねをひいた方がいいという
意見も根強い。

新型インフルエンザの医療体制の話
引きがねをひいて、パンデミック対応に切り替えるとは
どういうことなのか。

フェーズ
これまで6Bと呼んでいた状況になる。
新しい段階分類(PDF)では 第2段階(国内発生早期)から第3段階(国内感染拡大期)に切り替わることになる
入院勧告の中止
切り替わる前までは感染症法に基づく入院勧告の措置がとられる。
すなわち、患者(擬似症含む)は指定された病床に入院し治療を受ける。
保健所では10日おきに専門家からなる感染症審査協議会を開き、
入院継続の必要性について協議する。軽症であっても入院勧告。
これがパンデミック対応になると、入院勧告は中止され
一連の手続きも不要になる。
軽症患者は自宅で療養し、入院するのは重症患者だけとなります
(入院先は原則として全ての医療機関となります)
外来
封じ込めを目的とした発熱外来は閉鎖される(はず)
ここがまだはっきり見えていないところですが、
次の1から3のいずれかの外来体制となります
  1. 一部を除いた全ての診療機関が外来対応
  2. あらかじめ指定された医療機関が外来対応
  3. 封じ込め期の発熱外来を継続運営する
タミフル
都道府県が備蓄しているタミフルが放出されます。
追跡調査
症例を追跡調査を行い健康観察をしたりすることをやめます
接触者に対するタミフル予防投与も終了するでしょう
(封じ込め効果が期待できないため)
検査診断
新型かどうかの診断も検査診断ではなく
医師の臨床診断が中心になります
すなわち患者の数が一気に増加します
  1. 引きがねはいつひくべきなのか。
  2. 引きがねをひくのは誰か。
  3. 引きがねは全国一斉にひかれるのか。

体制を整えていくうえで、この引きがね3点セット
早く決めて欲しい事項です。

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2008.08.07

代理ミュンヒハウゼン症候群

医療の手を借りた新手の児童虐待と言われているのがこれ。らしい
よく知らない項なので、今日は引用ばっかりです。


メルクマニュアル家庭版によると

その多くは親が自分の代わりに自分の子供を患者に仕立て上げる
という奇妙な障害です。親は子供の病歴を偽り、薬物を使って
子供の健康を故意に害したり、検査用の尿の中に血液や細菌を
入れたりして病気をでっち上げようとします。

いつもお世話になりっぱなしのwikipediaさんによれば

ミュンヒハウゼン症候群と同じく自分に周囲の関心を引き寄せるために
ケガや病気を捏造する症例だが、その傷付ける対象が自分自身ではなく
「身近にいる代理の人間」であるケースを指すという。

この症例は子どもを持つ母親に多く見られ、その傷付ける対象の多くは
自分の子ども。子どもに対する親心の操作であったり、懸命または
健気な子育てを演じて他人に見せるによって同情をひいたりする。

その中に引用されている週刊朝日の記事によれば

母親が自分の吐瀉物を子供が吐いたと訴えたり、子供を虐待して
「けいれんを起こした」とあちこちの病院に駆け込むなど、
症状はさまざまだが、母親によるものがほとんどで、被害の大半は乳幼児だ。
入院中は片時も子供のそばから離れず、献身的に看病するという。
母親に医療の知識があることも少なくない。

ナースはリスクガ高いということも聞いたことがある。

 こういった症例は80年代からちらほら出始め、90年代後半からは 年間数例が報告されるようになった。手口が巧妙で、病院を転々とする ことも多いので、非常に見つけにくい。検査や治療という形での 虐待を受ける子どもは、水面下に数多くいると疑われている。

知らないで、そのまま親(虐待者)の言葉を鵜呑みにすると
不必要な、侵襲性の高い検査が医師の手によって行われる
可能性もある。取り込まれる主治医。

かわいそうな自分、献身的な姿を他人にアピールすることで
周囲の関心をひこうとする気持ち。これはわからなくもない。
でもそのために子どもを傷つけても平気という感覚は許されない。

周りの誰か「これって変」と思ったら、関係者とのネットワーク
の力で子どもたちの命を守ろう。

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2008.08.03

麻しんに勝つインターハイ

熱戦続くインターハイ(全国高校総体)。今年は埼玉開催。

高校時代に運動系部活に燃えた経験のある人にとって
インターハイはあこがれの全国大会(実際成績の上でも
あこがれのままであった)。

毎年各都道府県が主管を持ち回り開催するパターンで
今年は埼玉。来年は奈良、そしてさ来年は沖縄開催が
決まっているらしい(全国高等学校体育連盟HP

すでに連日埼玉県内で各種競技が繰り広げられているが、
埼玉県「彩夏到来 08 埼玉総体」公式ホームページ
実行委員会が麻しん対策に力を入れているという
ニュースが報道されていた(医療介護CBニュース

実行委では「一人でも感染者がいると、抗体を持っていない 生徒たちみんなに広がる危険性がある」と警戒を強めている。
同大会では陸上競技、体操、水泳、バスケットボールなど 29種類の競技が行われる。8月20日までに選手・監督 合わせて約3万3000人、競技役員・補助員約2万8000人、 応援者は延べ約60万人が会場に集まるため、集団感染の 危険性も高くなる。
実行委員会が各都道府県の高体連に
  1. 大会期間中、毎朝の検温
  2. 発熱時の早期受診
  3. 罹患または予防接種の実施状況の確認
等厳重な健康管理を依頼したとある

インターハイが、感受性者(麻しんを発症する可能性がある者)
の祭典となってしまっては、文字通り「後の祭り」となってしまう
ので、特に3番目の事前対策が大事と思われます。

このような取り組みはぜひ麻しんに勝つのインターハイ」にする
ための運営心得として(麻しん排除に向けた取り組みとも絡めて)、
次の開催県に申し送ってほしいものです。がんばれぇ

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2008.08.02

インターフェロン治療費助成期間延長へ

国内最大の医原病であるC型肝炎

今年の4月からインターフェロン治療費助成事業が始まっている。

先日は毎日新聞で申請状況が想定の12%に留まっていることが
報道された。
肝炎治療助成:申請、想定の12%のみ 周知不足や自己負担響く

助成の対象となる医療は、保険適用が認められているもので、
助成期間は原則として1人の患者につき1年間ということだったが
ウイルス型がⅠbタイプでウイルス量が高い群に対する併用治療は

  • 投与開始12週後にHCV RNA量が前値の1/100以下に低下するが
    HCV RNAが陽性(Real time PCR)で、36週までに陰性化した例では、
    プラス24週(トータル72週間)の投与期間延長が望ましい。 (C型慢性肝炎治療ガイドライン2008
  • 4週目までに陰性化すれば80%以上の方が治癒しますが、
    13~24週で陰性化した人では、最終的な治癒率はおよそ30~40%に
    とどまります。こうした方にさらに24週、合計72週まで投与を続けると、
    治癒率が20~30%高くなることが分かってきました。
    (泉並木武蔵野赤十字病院消化器科部長=大阪読売新聞市民公開講座採録集より)
というエビデンスを受けて患者さんや主治医からも
助成期間延長を願う声が挙げられていた。それを受けてか

インターフェロン医療費助成、1年半に延長へ 厚労省(asahi.com)
正しくは「厚労省」というより「厚労相」なのかもしれないが、また
一歩踏み込んだ決断をした。

薬害肝炎問題を受けて肝炎対策を検討している厚生労働省は1日、
今春から実施しているインターフェロン治療への医療費助成の対象期間を、
現在の1年から1年半に延長する方針を固めた。
舛添厚労相が同日、薬害肝炎訴訟の原告・弁護団との定期協議で明らかにした。
助成制度は、所得に応じて自己負担上限額を月1万~5万円に抑えるもの。
舛添氏は「48週(1年)から延ばすことで効果が出ている研究結果もある。
72週(1年半)の助成を実現し、できれば来年4月からやりたい」と語った。

予算化に向けて財務省と調整するというが、この助成制度は国:地方
1:1でお金を出し合ってるので、各自治体も同じ調整が必要になる。

また、重症の肝臓病、がん患者を障害認定できるか検討するという
ことも報じられている。

現在肝炎対策は、昨年与党プロジェクトチームから出された
「新しい肝炎総合対策の推進について」に沿って行われているが、
到底7年で片付きそうな問題ではない(と思う)

患者さんの生活実態がレポートされた毎日新聞の記事
「「家を売るしか…」 治療ためらう患者も」
にもあるように
早く法律作って対策進めた方がいい。

国の肝炎対策の責務をうたった法律は、与野党が出した法案の
一本化協議が決裂し、国会で審議すらされなかった。小林さんは
「肝炎患者の大半は不適切な医療行為で感染させられた被害者。
国は肝炎訴訟の和解で『医療提供体制を整備する』とした約束を守り、
確かな恒久対策を作ってほしい」と訴える。

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2008.08.01

「そうか、もう君はいないのか」

そうか、もう君はいないのか」(城山三郎 新潮社
先日ある事情からボランティアで講師の代役を行うことになった。
テーマは「ボランティア」。相手はナースの卵たち。
そんなとき、空港の本屋で見つけたのがこの本。
タイトル見て読んでみたくなった。

内容は帯にあるように

50億の中でただ一人「おい」と呼べる妻へ 愛惜の回想記

作家城山三郎の仕事部屋に遺された原稿の中から
亡き妻に関するエピソードを集めて本にしたものである。
特に癌におかされてから最期の別れに至るまでの話は
パートナーを失う夫としての心情が記されている(涙)

そして、あとがきのように書かれている次女の手記
「父が遺してくれたもの」-最後の「黄金の日日」は

母が逝ってから、父は半身を削がれたまま生きていた(次女・紀子)

親を失う家族の視点で「死」が描かれている(涙)

ひとつひとつの命にはそれを取り巻く家族やパートナー、
仲間たちが絡み合い、支えあって存在している。
だからひとりひとりの「死」は重いのである。
こんな当たり前のことに気づかされてちょっと内心打撲
(うちあたい)もしたが、よい本だった。

新型インフルエンザで死者が何千人とか計算する
ことも必要だが、一つ一つの命の重さは忘れません。
小浜島時代に在宅で看取ったおばあちゃんのことを
想いだしたよ(この話はいつか書きます)。

学生にはホスピスボランティアの紹介をしました。

それと新型インフルエンザとボランティアのスライド


Volunteer


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