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2008.10.31

児童虐待vs県型保健所(第1報)

明日から11月。児童虐待防止推進月間のようです。
厚労省のホームページにポスターも掲載されています。

これに関連して全国保健所長会の危機管理研究グループの1つとして
虐待に関するシンポジウムを開催することになりました。

11月14日(金)場所は大阪(詳細は後日ここに書き直します(汗))

その中で「児童虐待における県型保健所の役割」みたいな的な
お話をさせていただくことになりました。畑違いもはなはだしいと
お叱りを受けるかもしれませんが、3年前の保健所勤務時代から
関わっている班なので、調査研究の成果を発表するということで
大目に見てください。

肝心の内容はこれから詰めていきますが、基本的な考え方を
確認する程度になると思います。

児童虐待の発生する要因としては大雑把にいえば

  1. 養育者側の要因
  2. 家庭の要因
  3. 社会経済的な要因
  4. 子ども側の要因

があるといわれています。

一方で県型保健所の持つ機能としては大雑把にいえば

  1. 健康危機管理機能
  2. 関係機関との連絡調整(市町村支援含む)
  3. 直接的なサービス提供
となります(よね)

この4×3の組み合わせで、業務を点検し、

  1. できる業務
  2. やるべきだけどできていない業務
という視点で整理する予定。
意味わからんね^^;

第2報も後日ooyakeに書きます。

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2008.10.29

沖縄旅行中にはしかを発症したら...

これ、よさんか
とつぶやきたくなるくらい予算ネタに追われる毎日。

そんななか、ここ数日でよく寄せられるのが
沖縄を修学旅行中にはしかを発症したらどうなるの?
という質問。

去年のカナダ修学旅行中にはしかを発症した女子高生集団は
現地で航空機に乗ることを拒否され、ホテルで健康観察された。
沖縄もそれと同じような対応になるんでしょうか?という質問。

これに関しては近く改定される麻しん発生時対応ガイドライン
でも言及しています(はしか0プロジェクトのホームページに載るかも)

基本的には発症して診断された生徒は、他の集団とは別に
隔離されます。病状にもよりますが、入院になったり、宿を
確保して(しかし他の人とは接触しないこと)、経過を観察
する方法がとられます。

残りの集団は、まず、誰が麻しんに感受性があるかを
チェックします。すなわち、未接種未り患の生徒が同じ
学校に何名くらいいるかリストを作成します。ぜひ、
普段から感受性者リストの把握に努めてください。

発生後は、次の麻しん患者発生がないかを確認しながら
(たとえば毎日1回検温して)発熱がないかをチェックしつつ
旅程をこなす。熱が38度とか37.5℃とかあがった時点で
早めに医療期間を受診して、必要なら麻しんPCRを提出。
その対応は宿泊先を管轄する保健所と連絡を取り合います。

さて、発症した生徒さんは、解熱して3日が過ぎるまでは
他の人に感染させる恐れがあるために、飛行機に乗る
ことは基本的にできません。これは航空会社の方針です
日本航空よくある質問をご覧ください)

通常修学旅行のスケジュールは2泊とか3泊になるので
発症した生徒はみんなといっしょに帰ることはできません。
かと言って一人見知らぬ土地で過ごすわけにもいかない
ため、親御さんを呼んで世話してもらうか、学校の先生が
延泊して面倒見るというパターン。どちらも結構大変。

以上のような通常対応となります。

海外でも同じような扱いとなる可能性もあるので
日本渡航医学会の

日本国内での麻疹流行にともなう海外渡航者への注意点 なども参考にどうぞ。

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2008.10.19

ノブレス・オブリージュ

あっという間に1週間が過ぎていく。時間ばかりが過ぎて
なかなか話が進まない(積まれていく)という感覚は
結構ストレスになる。

先々週聞いた新型インフルエンザの講演会で

新型インフルエンザ疲労症候群
(Pandemic Fatigue Syndrome)
という概念があると紹介していた。
新型インフルエンザの迫りくる脅威の中で、日々
緊張状態で対策に追われ、疲れ果ててしまうことらしい。

(まだそういう域に達するほど取り組んでいないから
大丈夫と思うけれど、ラジオCMで新型インプレッサ
と聞くたび、ドキドキするのはその予兆なのかも(汗)

新型インフルエンザの診療にあたる医療従事者に
ノブレス・オブリージュの精神を発揮してほしいという声
がある。ノブレス・オブリージュとは「貴族の義務」あるいは
「高貴な義務」と訳され、多くを与えられた者は多くを
求められるという精神のこと。英語だとnoble obligation

新型インフルエンザの医療体制を考えていく上での前提は
医師が診察を断らないということ。信じられないくらいの数の
発熱患者が外来に押し掛けてきたとしても、自らの身を感染
から守りながら、診療を行っていくことが前提となっている。

医師とて人間。周囲のスタッフも同様。感染への不安が
大きい中で、2か月間続くパンデミックを乗り越えるためには
継続可能な診療体制をつくるためにはどうしたらよいのか。

「この地域の医療をみんなで守る」という共通の目標を
関係者で共有して、協議を行うことは必要であるが、その
話を行う際に最初から「高貴な義務」を期待する(あるいは
押しつける)のもどうなんだろうと思う。

じゃあどんなインセンティブや仕掛けが必要なのか。
継続可能な診療体制、すなわち

地域医療のBCP
について
話し合う場で知恵を出し合うしかない。
参考になるのは「地域のパンデミックプラニング」(仙台医療センターウイルスセンター)

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2008.10.11

首相よりも先に新型インフルエンザのワクチンを接種される人々(カテゴリーⅠ)

社員だけではなく家族にも接種対象を広げてほしい
新型インフルエンザに効果がある可能性があるプレパンデミックワクチンの 事前接種が始まる。厚生労働省は政府案を示して、パブリックコメントを 募集している(9月29日から10月28日まで) 厚生労働省意見募集中案件 「新型インフルエンザのワクチン接種の進め方について(第一次案)」

先月のニュース報道があったように募集内容はワクチン事前接種の
優先順位を示した案に対する意見。
上記毎日記事から引用するが優先接種の対象職種について

試案では、接種対象の業種を優先度の順に
▽カテゴリー1(即時に第一線で対応)
▽カテゴリー2(国民の生命・健康・安全・安心に関係)
▽カテゴリー3(国民の最低限の生活維持に関係)--と分類。
さらにカテゴリー2は3段階に分けた。

と分けている。対象者ではなく対象職種という考え方で整理。

カテゴリー1には

  • 病院、一般診療所職員
  • 保健所職員
  • 救急隊員、消防職員
  • 在外公館職員
  • 税関・入国管理局・検疫所職員
  • 警察職員
  • 宿泊施設従事者
  • 自衛隊員
  • 海上保安庁職員
  • 航空運送事業者(国際線)
  • 空港管理者・機能維持者
  • 水運業(外航海運)
  • 外航海運代理店業
  • 水先業が含まれる。数は100万人から200万人。

    カテゴリー2「新型インフルエンザ対策の意思決定に携わる者」に
    国家機関、都道府県、市町村の首長が順位としてはその次。
    よってカテゴリー1の人たちは、首相より先にワクチン接種される。
    その時期は、新型インフルエンザの発生前になる可能性もある。

    冒頭に書いた「職種ではなく同居家族にまで」というお願いは
    日本経団連と厚労省との意見交換のニュースにあった。
    参考までにそのやりとりを紹介すると

    Q社員だけにプレパンデミックワクチンを接種しても家族が倒れると社員は出社できないので、同居家族まで接種範囲に含めてほしい
    Aまだ第1次案であり国民的議論を経た上で決定するものだが、カテゴリー1~3で約1500万人程度になる見込みであり、同居家族も含めると5000万人超になってしまう。いずれにせよ、接種対象者の拡大は、プレパンデミックワクチンの有効性・安全性が確認されることが前提となる

    わが国が世界に先駆けて、プレパンデミックワクチンの発生前
    接種に踏み切ったのは、それだけ危機感を強く持っていることを
    示していると思う。

    机上訓練とか計画作りとか、タミフルPPE等の備蓄といった備えを
    進めることとは違い、具体的な接種を始めるということで、広く
    国民的議論を呼ぶことが期待され、新型インフルエンザを自分に
    関係することととらえる人が増え、対策はかなり進むのではないか。
    (対象事業所におけるBCP策定など)


    その一方で、全国民にパンデミックワクチンの接種をする際の
    優先順位の決定というテーマについても、国は正面から
    取り組まなければならなくなった。その覚悟があったから
    事前接種に踏み切ったんだと思うが。

    医療従事者等以外への優先順位については
    今後の国民的議論を踏まえて決定する必要があるとしている
    (パブリックコメント募集案件資料の12ページに例示がある)

    〖重症化又は死亡を可能な限り抑えることに重点を置く場合〗
    ・ 新型インフルエンザによる重症化し又は死亡する者を可能な限り抑えること
    に重点を置く場合、次の順番となる。
    <成人・若年者に重症化が多いタイプの新型インフルエンザの場合>
    ①医学的ハイリスク者、②成人・若年者、③小児、④高齢者
    <高齢者に重症化が多いタイプの新型インフルエンザの場合>
    ①医学的ハイリスク者、②高齢者、③小児、④成人・若年者
    〖我が国の将来を守ることに重点を置く場合〗
    ・ 我が国の将来の担い手を守ることに重点を置く場合、次の順番となる。
    <成人・若年者に重症化が多いタイプの新型インフルエンザの場合>
    ①小児、②医学的ハイリスク者、③成人・若年者、④高齢者
    <高齢者に重症化が多いタイプの新型インフルエンザの場合>
    ①小児、②医学的ハイリスク者、③高齢者、④成人・若年者

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    2008.10.06

    レプトスピラの撲滅を確認(1978年)

    時期が時期だけに記事を凝視してしまった日曜日。
    沖縄タイムスの「ニュースあんやたん」(10月5日)
    今、関心が高まっているレプトスピラ。秋田県でも
    みつかったらしい(

    1978年伊是名村に多く発生、主にねずみの尿から 排出された菌が皮膚から感染、発熱や頭痛、嘔吐や 黄疸など風邪に近い症状を起こし、死亡例もある レプトスピラ症が予防ワクチンで撲滅できることが 実証された。
    同症は人畜共通の伝染病で感染時期は7-9月の 二期作の収穫、田植え期。水田の多い伊是名村で 多く発生し、同村では風土病として恐れられていた。
    「菌を媒介するネズミがいる限り、レプトスピラ症は なくならないだろうが、ワクチンの開発で患者の発生を ゼロにできた」と「撲滅宣言」を出した。


    ちょうど30年前のこの時期にワクチンの効果が実証
    されていたとは。現在ではデンカ生研のレプトスピラ
    ワクチンがあるらしい(厚生労働省検疫所HP

    その後の経過はよく知らないが、現在(この5年くらい)
    沖縄県ではまたレプトスピラ症と(報告)診断される患者が
    目立ち始めている。

    まずはいつものチェック
    真の発生増加(true increase in incidence)を語る前に除外すべき項目

    1. 報告の仕方は変更していないか
    2. 疾患の定義が変更していないか
    3. 診断方法に変化はないか
    4. 診断する医師の意識が高まったのでは
    5. 受診する人が増えたのではないか
    6. 熱心な医師がたくさん報告している?
    7. 検査エラー
    8. 報告する際に、ある程度たまってからしてないか(batch reporting)
    9. 分母が変化したのでは(割合などの場合)

    1はある(届け出疾患に加わった)。4も沖縄ではあるかも。
    WHOでも見過ごされ過少報告されていると言っている。

    これらを踏まえ、さらにtrue increase in incidenceがあるとすれば

    • 媒介動物(ネズミ、マングース)の増加?(生態系の変化も含む)
    • water-contactの機会が増えた?(川遊びやカヌーなど)
    • その他(実はペットから感染してるとか...)

    仮説は飛び交う

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    2008.10.05

    感染列島

    2009年1月17日感染開始。始まりは日本。
    新型インフルエンザのシミュレーションかと思うようなコピー。 実は映画の予告編でした。 感染列島(妻夫木聡・壇れい・国仲涼子はまたナース) の制作報告会見で報道陣にも防護服が配られたというニュース

    肝心の内容は

    現代社会のパンドラの箱ともいえる「ウイルスと人間との闘い」という
    深遠なテーマに真っ向から挑む。そして、新型ウイルスの感染拡大が
    実際の社会や人々にどのような影響を与えるか、膨大な取材データを
    もとに構築したリアルシミュレーションを映画的物語へ昇華しようとする、
    世界で初めての映像プロジェクト
    らしい。

    よくわからないが、新型インフルエンザへの備えが行われつつある
    この時期には、タイムリーな企画であると言えるだろう。リスクを認識
    した国民(特に医療関係者)が次の前向きな一歩を考えるきっかけと
    なることを期待したい。付属企画の「感染ゼロキャンペーン」は
    むしろターゲットを絞って(これこそPI限定がよかった)運営すべきでしょう。

    (おまけ記事)
    感染症をテーマに映画化するのなら、清水一行「毒煙都市」がドラマチック。

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