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2009.01.30

子育てナイアガラ

新型ばかりに話題が集中するので、旧型(季節性)インフルエンザが
やきもちを焼いて存在感をアピールしているのか(そんなわけないか)
今年は激しく流行しています。沖縄では過去最高の報告数(89/定点)
に達しました。流行の要因の一つに低温+乾燥があると報道された
せいか、昨日の雨について「めぐみの雨になればいいですね」とROKの
パーソナリティが放送していた。

感染症ばかりに話題が集中したので、去年発表した児童虐待防止用
スライドから1枚紹介。

タイトルにもあるナイアガラは、以前生活習慣病によく例えられるという
記事
にしたことがあります(2007年2月=保健所時代)

児童虐待に関わる地域の関係機関の中で主役はやはり児童相談所。
市町村の母子保健担当や県の保健所は、児童虐待との関わり方が
いまいち整理できていないのではないか、というわけで、ふたたび
ナイアガラの写真を使って見ました。

Naiagara










お魚さんが3種類泳いでいますが、いつものように
児童虐待のリスクに応じて塗り分けられています。
すなわち

  • 緑:虐待リスク小さい人(数は多い)
  • 黄色:虐待ハイリスクの人
  • 赤:虐待しつつある(既にした)人

上流でのんびり泳ぐ緑の魚、でもそこから滝つぼへの流れに
流されてしまう黄色い魚、そして加速する流れに乗ってしまい
ついには滝つぼに転落する赤い魚。
地域で子育てしている親子を魚に例えています。

さっき主役と書いた児童相談所は、滝つぼに落ちた赤い魚を
救い出すのが本業。では滝の上のお魚は誰が面倒みるの?
落ちないようにするのが虐待予防(落ちたら死にます)

黄色のハイリスク魚は

適切なアセスメントと地域資源を活用して滝から遠ざける
(ハイリスクアプローチ)

緑のお魚群に対しては
毎日の子育てでストレスを過度に感じないように・子育てしやすい環境づくり
(流れをゆるやかにするアプローチ)
が必要です。

自分の立ち位置は滝のどの辺なのかをみんなが自覚して
地域の資源を活用して子育て中の親子を支援しようという図。

県型保健所には日常業務を通じて、滝つぼに落ちそうな
(あるいは落ちた)ハイリスク親子の個別支援の役割と
滝の上の魚たちがどんどん滝つぼに向かわないように
流れをゆるやかにする役割があると思います。

とまとめました(わかりにくいかも)。

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2009.01.28

気温が平年より低いとインフルエンザは流行する?!

国立感染症研究所のインフルエンザ流行レベルマップによれば

都道府県別の報告数では沖縄県が定点あたり65とダントツ!
となっているのは何故?

という質問を受けました。

確かに今年の第1週目から3週連続第1位を突っ走っている。

第3週

  1. 沖縄県(65.3)
  2. 宮崎県(36.3)
  3. 岡山県(31.8)

第2週
  1. 沖縄県(27.9)
  2. 岡山県(20.7)
  3. 福島県(15.9)

第1週
  1. 沖縄県(17.6)
  2. 北海道(16.7)
  3. 福島県(12.5)

ちなみにその前の週のトップは北海道(沖縄は第4位)なので、
北海道と入れ替わって首位に立ち、後続との差を広げて独走中。
第3週目ランクインは、以下
愛媛県(27.9)、大分県(27.9)、滋賀県(26.7)、長崎県(26.1)
奈良県(25.7)、広島県(25.7)、愛知県(25.2)と軒並み西日本優位

ウイルスの型は全国的な傾向としては、

  • 昨年まではA香港とAソ連が同じくらい検出
  • 今年はAソ連が優位

いつもよりも早くて大きな流行の波。理由を考えてみた。
あくまでooyake私案。

インフルエンザは隔年で流行し、昨シーズンの山は低かったため
今年はかかる可能性(感受性者?)が全国にたくさんいるという
状況の中で,,,

ヒトの出入りが激しい時期

インフルエンザウイルスはヒトが運搬する。
若干落ち込んでいるとはいえ、観光で沖縄入りするヒトは多い。
年末年始(今年は休みも長かった)に各地からヒトとウイルスが
沖縄に持ち込まれ、流行の発端となった可能性はある


予防に対するガードが甘い

予防のためには、しつこく手洗いとうがいを行い
拡散防止のためには、マスクの着用という基本的予防習慣が
十分ではない。特にマスクについては
「ウチナーンチュはもともとマスクしないよ」(まちの声)

といわれるようにまだ抵抗感があるのかも
(それでも最近はよく見かけるようになったが...)
また、ネットママ調査(ライオン実施)では、
手洗い43.6%(全国34位)うがい20.7%(同39位)
と低迷しているという報道もあった。

バスやモノレール車内、あるいは学校や保育園、職場等で
マスクをせずに咳をするとか、郊外型大型ショッピング施設や
屋内でのイベントなどで感染が広がった可能性はある


気温が平年より低い

今年は年末年始から冷え込む日が多く(ムーチービーサ
1月に入っても寒い日が(特に週末)多いよなぁと思って調べてみた。
沖縄気象台が出している「沖縄地方の天候」2009年1月版では
沖縄地方では、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雨となったところが多く、
寒暖の変動も大きくなった。平均気温は各地で平年を下回り、地域平均平年
差は-0.7℃となった。降水量は各地で平年を下回り、地域平均平年比は41%
となった。(1月25日現在)

ウイルスは低温乾燥の環境で活発になるというのが一般的。
(本島は乾燥も関係するんだろうけど)気温は低いことが判明。
ちなみに、過去に大きな流行のあった月(2003年1月、2005年3月)も
平年より低い(-0.9℃、-1.8℃)と「寒い月」となっていた。

ちなみにちなみに、今年に入ってからの全国の気温の状況(平年差)
では、西日本が平年より低い地域が多い
Tem30dhi00





もうすぐ2月。キャンプイン。
週刊天気予報では、気温は平年並みかやや高めで推移するようです。

皆さま、ご自愛ください。

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2009.01.25

透析と新型インフルエンザ

透析医会が主催する講演会で情報提供する機会がありました。

基調講演は透析施設における新型インフルエンザ対策ガイドライン
についての解説。
透析患者の持つ特徴として

  • 易感染性(感染しやすい)
  • 原疾患でも糖尿病が増加中
  • 透析患者の死因の第2位は感染症(第1位は心疾患)
  • しかし透析導入後1年以内の死因では感染症が第1位

患者の高齢化も進んでおり、感染症対策は透析患者にとって
重要なテーマになっているとのこと。

定期的に通院して観血的治療を受けること自体も感染症の
リスクとなる。
長期にわたる通院治療が(ずっと)続くため、入院患者と
同じくらいの全人的ケアが必要ということも改めて教えられた。

新型インフルエンザが発生しても必ず通院を続けなければ
ならないという特殊性のため、医療体制も別枠で検討すべき
とされている(以下は医療体制ガイドライン案からの抜粋)

都道府県は、新型インフルエンザ以外の疾患の患者に対する医療を破綻させないため、都道府県の判断により新型インフルエンザの診療を原則行わない医療機関等(たとえば透析病院、がん専門病院、産科病院等)を定めることができる。

新型インフルエンザの診療を原則行わない医療機関等においても、入院患者等から新型インフルエンザが発生した場合の対応策を講じておく必要がある。特に、透析患者やがん患者など重症化するリスクの高いものについて、新型インフルエンザに罹患したとき、速やかに専門医療機関と連携した治療が受けられるよう検討しておく。

そういう点では別枠領域として学会がきちんとガイドラインを
出した意義は大きいと思う。(精神、周産期、救急等でも必要っス)

透析医療機関でも業務継続計画(BCP)が必要な理由として

  • 患者の特徴
    • 罹患した場合、重症化するリスクが高い
    • 医療機関が限定される
    • まん延期であっても、必ず通院して処置を受けなければならない(大部屋で)
    • タミフルの投与量が少なくて済む

  • 施設側の状況として
    • スタッフが4割欠勤するという前提
    • 一般の外来であれば患者数を減らして対応
    • 少ないスタッフでどのように透析を継続するか?
    • 優先業務の選定→その実施体制を検討
    • 他の施設との連携も必須
    • まずは施設内で話し合う場を持つことから始めましょう


地区の透析医療プランのイメージとしては
Imagehd







を例として提案しました。

まず各機関が業務に関する情報を出し合う
(各医療機関のBCPをもとに)

  • 医師数
  • スタッフの数
  • 患者数
  • ベッド数
  • 夜間も実施するか
  • 発熱した透析患者を受け入れるか
  • 救急患者への対応は?
  • 入院対応ができるか
  • 重症患者の全身管理に対応可か

それを2次医療圏内でまとめあげ、地区内で調整し、
(一枚の)シートに流れを示す。

でも個々の施設で考えてもらちがあかないときは、誰かが
地区内の調整をしなければならないですよね(所長!)


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2009.01.22

家庭でのインフルエンザ対策(発生後)

季節性インフルエンザAチーム(香港型+ソ連型)が活発です。
鹿児島県では保育所が休園したというニュース
(本当に休園することもできるんですね)がありましたが

沖縄県でも定点あたり65という驚異的な報告があり、警報発令
このペースだと過去10年で最も山の大きかった04-05シーズンも
超えてしまいそうな勢い。
合併症や重症例が心配されるところです。

さて、家族の一員がインフルエンザと診断された場合
熱がある場合には、部屋を分けて生活し看病されている
ことと思います。その際、ちゃぶ台やお盆に

  • スポーツドリンク
  • コップ
  • ティッシュ
  • 紙で作ったゴミ箱
  • レジ袋(ゲロ用)
  • 体温計
  • メモ帳
  • 携帯(コール用)
  • マスク(外出用)

を横に置くと便利です。家庭内入院セット。

さて、回復して熱が下がっても安心はできません。
学校保健法でも出停になっているように

熱が下がっても2日間はウイルスをまき散らす可能性が高い
という認識で
家庭内でも熱が下がっても2日間はマスクを着用して
食卓等は別にするようにしましょう。
(小児科の先生に教えてもらいました)

流行ははじまったばかり。
一つ一つ感染の芽を摘み取っていきましょう。


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2009.01.18

「院内感染パーフェクトマニュアル」

院内感染パーフェクトマニュアル

金曜夜の研修会で紹介してもらったこの本。
出版社(学研)のホームページで紹介されています。

土曜日には東京町田でインフルエンザの集団院内発生のニュース
原因ははっきりしないというが持ち込まれて拡がったことは間違いない。
ちょうど半年ほど前に「持ち込みません。広げません。」を書いたけど、あれは超単純マニュアル。

パーフェクトなマニュアルにおけるインフルエンザ対策はど
うなっているかというと(飛沫感染予防策に記載あり)

患者配置

  • 個室隔離とする
  • 患者本人を個室に移動させるか、同室者を他室に移動させるとするが、その場合移動させる患者が感染していないか確認することが重要
  • 個室隔離ができない場合は、同じ病原体による感染症患者を1つの病室に集めて管理する(コホーティング)

マスク着用

  • 患者の処置、ケアを行う場合はサージカルマスクを着用する

行動制限

  • 感染性を有する時期は、室外に出ることを制限する
  • やむを得ず室外に出るときは、サージカルマスクを着用させる
  • 他の患者との接触を避けるよう指導する
  • 面会制限を行う

室内の換気

  • 環境整備、シーツ交換時など、室内の換気を行う
  • 室内の湿度を保つ

リネン類

  • 通常通りでよい

聴診器・血圧計等

  • 専用にしなくてもよい

器具・物品等

  • 通常通りでよい

清掃

  • 部屋の掃除に特別な消毒を行わなくてもよい

シーツ交換、清掃

  • 委託業者へもワクチン接種を勧奨する
  • 部屋への出入りの際は、サージカルマスクの着用、手洗い、うがいの励行を指導する

ちゃんと湿度のことも書いてある(さすがパーペキ)

その他、院内でのインフルエンザ発生時のフローチャートや
集団発生時の職員への予防内服の取り扱い基準等もある。
この本、巻末には通知分やリンクも充実しております。

ところで院内感染の定義自体はビミョー。
一応CDCでは(週刊医学界新聞の記事によると)、

通常は,入院後あるいは特定の病棟に転科後48時間以降に
起こった感染症と定義されている。厳密な定義は
http://www.cdc.gov/ncidod/hip/SURVEILL/Surveill.htmで
手に入れることができる。

もう少し調べてみましょう(特に日本での定義づけについて)

Continue reading "「院内感染パーフェクトマニュアル」"

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2009.01.12

サージキャパシティ

県レベルの医療対応ガイドラインを整理するための3連休。
でも自分のためだけの時間を確保することって難しいのよね。
おっと、ブログ痴(ブログが愚痴中心になる現象?)注意報。

さて、パンデミックのウイルスが強毒型であった場合、医療現場で
対応するスタッフも不足することが想定されます。そのためには
現時点から臨時スタッフ養成にとりかからないといけない。

それに関する記載は地域封じ込め作戦に関する力作「早期対応
戦略ガイドライン
」にありました。以下は覚え書き。



  • サージキャパシティとは緊急対応の際に、迅速に動員することの出来る対応能力を指す
  • 新型インフルエンザ発生時には、他の地域からの応援は期待できない。一方でニーズは急増する。そのため、必要な人材を地域内で確保するシステムを構築する必要がある。
  • 。例えば、地域封じ込め作戦の際の抗インフルエンザウイルス薬予防投薬の場合には、配布する対象者が数万人に上る可能性も想定され、薬剤の運搬配布、服薬指導、服薬率のモニター等の業務も生じる。
  • さらに、症例の接触者に対しては、健康状態の追跡調査を継続的に実施する必要がある。
  • これらの膨大な業務は、保健所のみならず、市町村保健師などが一義的に担うが、これら公衆衛生関係のスタッフでは対応することはできないと想定される。
  • その場合、例えば、退職者を活用したり、医学生・看護学生などの地域の潜在的な人材を、患者と直接接触がなく感染リスクの殆どない業務(電話による調査や定型的な電話対応など)を行う臨時スタッフやボランティアとして活用するようなシステムを構築することも検討される。

このような人材確保のためには、身分と権限、研修と認定、
関係者の調整等の課題があり、事前に国による体制整備や
都道府県による地域計画が必要である。



とまとめられています。リニューアル版では地域封じ込め作戦は
格下げされたため、このガイドラインとともにサージキャパシティの
記載も消えてしまったようです(たぶん)。

医療対応ガイドライン(案)の中では、

医療機関は、第三段階のまん延期においては、極端に増加する患者
への対応や出勤可能な職員数の減少等の影響等を踏まえ、医療機関の
特性や規模に応じた継続して医療を提供するための事業継続計画を
作成する必要がある。厚生労働省や都道府県は医療機関の機能
及び規模別に事業継続計画の内容を検討し、その作成を支援する。

という記載はあるが、その中の「人材確保」は病院だけでは難しい。

しかもサージキャパシティには医療だけではなく公衆衛生分野も
含まれます。やっぱりこの項は無視できないのでは...

このような人材確保のためには、身分と権限、研修と認定、
関係者の調整等の課題があり、事前に国による体制整備や
都道府県による地域計画が必要である。

Continue reading "サージキャパシティ"

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2009.01.10

積極的学級閉鎖

今年の季節性インフルエンザは一味違う
(亜型にも注意必要かも)

年末年始の救急医療体制の中、報告数が倍増し、一気に注意報発令

新年早々、注意報基準を越すのは6年ぶり。
しかもH17、H19と隔年当たり年(阪神福原か)なので
今年も(アウト)ブレイクの可能性?。
学校や職場から、ウイルスを持ち帰り、
家で家族中やられるのが心配です。
学校といえば前出タイムスの記事中

一部の学校では学級閉鎖も出ている。
(どこの情報?)

クラスの半分近くが休むまで、教室内での「うつしっこ」を
させるのではなく、1~3日の潜伏期間を頭に入れて、
日々どのように感染が広がっているか(たとえば、熱で
学校を休む生徒の数を数えるなど)して、右肩上がりで
増加しているのであれば、クラスを閉めるという選択も
必要です。結果的には感染拡大を抑えられます。

心配ならば管轄の保健所長に相談してアドバイスもらい
そのことを記録しておきましょう。
学校保健法で学級閉鎖および出席停止については規定されているので、法に乗っ取ってることこのうえない。

インフルエンザのような感染症は、薬の治療よりも
薬以外の方法で感染拡大を防ぐ方が効率的です。
すなわち患者との接触を極力さけて、飛沫による
感染を防ぐこと。クラスを閉めるか、そうでなければ
みんなでマスクの着用。

これは新型インフルエンザを想定しての一種の訓練。
欠席の子に理由を電話で訪ねたり、学級閉鎖期間中の
健康観察や自宅待機確認、そして学級閉鎖に不満を
ぶちまける親に対応したりと、新型発生時にも起こる
可能性があると思って対応しましょう。

この時期、病院はごったがえしておりますが、長い
待合で熱の患者と無熱の患者が混在するような
医療機関であれば、おみやげ(新たな感染)もらう
可能性大です。

皆様お大事に。


そしてアクセス30万突破ありがとうございます。


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2009.01.07

カーエアコンからレジオネラ菌

レジオネラの肺炎が集団で発生すると、多くの保健所では
24時間風呂や冷水塔などの環境調査が行われている
(はずです)

このたび、国立感染症研究所からほぼ同時に公表されたレジオネラ菌感染症関連記事


いずれも
菌は日常生活のどこにでも存在し、水温が36度前後で最も繁殖する

レジオネラ属菌は日常身近に存在し、温泉や循環式風呂などを使用していなくても曝露する機会はある

という結論にまとまってはいるが、IASRのレポートは興味深い。
  • 患者の運転していたトラックのカーエアコンを検査したところレジオネラ属菌が検出
  • アスファルト道路上に形成された水たまり18検体を調査したところ7検体から分離
  • カーエアコンを「時々使用する」と答えた人が抗体価≧1:32の割合が高かった
  • 月別報告数は相対湿度と最も強い相関を示した

あちこちいるのね。
すなおに読んだら、雨上がりの水たまりに生息するレジオネラが、そこを通った
車のカーエアコンから、運転手に感染し、抗体が上がるという構図のようです。

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医療機関のBCP(一般クリニック編)

新型インフルエンザが発生し、その重症度がスペイン風邪並み
(Pandemic Severity Index : category 5)だった場合
職場における欠勤者は約4割にのぼるといわれています。

そのような状況においても業務を継続するために、事業所では
BCPを作成することが勧められています。

これは医療機関でも同じこと。

パンデミック期間(8週間)、スタッフの4割が不在の状態で
どのような診療を行うのかを決めておかなければいけません。
診療業務を縮小する必要性が生じてきます。

対応の例としては

  • 定期投薬患者は来院しないで済むように長期の投薬する
  • かかりつけの患者の相談には電話やファックス、メールで対応
  • 予定の検査などは延期する等

パンデミック期には多数の発熱患者が発生し、外来に来る可能性も
あります。発熱患者が受診した時の対応を決めておきましょう。

  1. 診療を行う場合
    • 待機場所の選定(駐車場、別個室、テントなど)
    • 診療資器材、薬剤の確保
    • スタッフの感染防止対策(トレーニング、動線の工夫など)
    • 診療の流れの確認
      • 受付
      • 問診
      • バイタル
      • 診察
      • 検査
      • 処置
      • 処方
      • 会計

    • サーベイランス(発生動向)に報告する
    • 必要であれば定期的に練習してみる等
  2. 診療を行わない場合
    • 発熱患者の診療を行わないことを意思表示する
    • パンデミック外来(仮称=まん延期にも診療する機関)に紹介
    • 重症患者であれば入院対応医療機関へ紹介

一部の医療機関だけに発熱患者が集中しないように、地区医師会ごとに
診療応援人材リスト(仮称)への登録を行い、スタッフを派遣するなどの
しくみが必要です。地域医療を維持継続するために。

つづく

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2009.01.05

被告に結核のおそれ

不況な年明け。

こんな社会情勢では結核感染が拡がらないかと
心配していたら、日経NETにタイムリーな記事が。

結核の脅威、都市に潜む 医師も病床も不足

都市に集中する娯楽施設や24時間営業の飲食店などでの感染が判明。
専門家は不特定多数が密閉空間で長時間いる施設で、複数の人に感染が広がる可能性を指摘する。

こういう都会型?の感染場に対して目を光らせる
ことも必要だがもっと心配なのは、低栄養などで
免疫力が低下した宿主(ヒト)が増加して発病リスクが
高まること。

ホームレスを対象とした健診はこれまでも行われて
きた「新宿連絡会のていげん」が、
ますます重要性が高まると思われます。これも支援の手。

そうかと思えば、経費削減を理由に労働者の診断書を
偽造して結核2次感染を招いたゼネコン請負業者が
事情聴取を受けたという
年末のニュースに耳を疑い
(でも他にもありそうな感じ)

さらに被告に結核感染のおそれという
大阪地裁発のニュースには開いた口がふさがらなかった。

地裁によると、大阪地検から今月、「被告は結核かもしれない。公判は開けるか」
と問い合わせがあった。地検は病状について
「結核菌を排出していない可能性が高く、他人にうつす恐れは極めて低い」と説明した。

 地裁は開廷を決め、初公判期日と判決公判のこの日、
法廷の入り口に「被告は結核に感染している恐れがあります。
傍聴者で希望の方にはマスクを配布します」と掲示。
近くに被告名や罪名、公判の開始時間が書かれた開廷表も張り出した。

 この日の法廷には、飛沫(ひまつ)感染を防ぐため、証言台の前に
透明のアクリル板を設置。被告がマスク姿だったほか、検事と弁護人、
地裁職員2人、看守2人、傍聴人1人がマスクを着用した。


結核に感染している可能性があることと、発病して他人に
感染する可能性があることを混同したのか。

医療機関は結核を診断したら直ちに保健所に届け出る
ように法律に書いてあるんですけど...

感染症の最大の敵は、知識の不足から来る偏見・差別。
それが裁判所で行われたというのは何とも皮肉な記事。

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