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2009.03.30

4月9日は子宮の日

子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)の持続感染が原因で発症
することがわかっています。

5年前にセックスでうつるがんという記事を書いた
頃よりは、だいぶそのメカニズムも解明されてきました。
先日の講習会でも大学の先生が最新の知見を講義していました。
(講義メモは後で載せます)

関連するニュースとして、ワクチン開発のことが報じられています。
子宮頸がん予防に新ワクチン、より幅広い効果…感染症研(読売オンライン)

子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の
次世代型ワクチンを、国立感染症研究所などが開発した。
 欧米などで使われているワクチンは子宮頸がんの6~7割を予防
するだけだが、新ワクチンはより幅広い効果が期待できる。4月3日、
京都市で開かれる日本産科婦人科学会で発表する。

ワクチンはまだ感染を受けていない(≒性交経験がない)女性に
接種する方式で現在世界で100カ国以上で実施されているようですが
日本ではまだ未承認のため使用できない状況。
ちなみに接種が推奨される年齢は12歳頃。
ワクチン申請中の製薬会社(GSK)にはがん情報サイトがあります。

子宮頸がんは検診で「前がん病変」をつかまえることができるため、
早期発見すれば治療(予防)できるがんとなりつつあるにもかかわらず
検診受診率が伸び悩んでおり、まだまだ啓発が必要。

ということで、NPO法人子宮頸がんを考える市民の会という団体が
オレンジクローバーキャンペーンを展開しています。
その一環として

4月9日は子宮の日 love49 プロジェクト
男性も女性も子宮を考えようという期間らしい。

沖縄だったら子宮のカタチをした亀甲墓の前でやるといいかも?
写真でみる沖縄/Okinawa Home Pageより)

データは新しくないが厚労省が公表した標準化死亡比(H8-H12)
に基づく子宮がんの都道府県別のSMRランキングでは

沖縄県は全国ワーストの122.5(全国が100、トップ新潟は68.8)

県内でも有志の会が啓発しているという記事も見つけた
まだまだ掘り起こしが必要。

子宮頸がんのHPV、胃がんのピロリ菌、そして肝がんのHCVウイルス、
成人T細胞性白血病のHTLVなど、持続感染によって発症するタイプの
がんへのアプローチが今後の課題ですね。

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2009.03.25

タミフル大量消費国ニッポン

理由あって病室で更新。

先週末のウイルスに関する講演会で

  • 世界のタミフルの7割は日本で消費
  • 世界のインフルエンザ検査キットの9割は日本で消費

と教わった。
両方とも保険で認められているため
他の国に比べて比較的容易に診断や治療に用いられているらしい

ワールドカップがあればダントツで優勝モノ(しつこい)。

米国では風邪をひいたらステイホームして

チキンスープを飲め

と指示されるらしい

インフルエンザの場合、早めに診断&治療する意義は

  1. ウイルスの放出を防ぐ効果
  2. 症状を軽減させる効果(日常生活への回復を早める)
  3. その間に放出するウイルスを減少させ周囲への感染拡大を抑える
ことが挙げられる。
1で重症化することを防ぐのは大事だが多くは自然回復。
2は1日程度早く治るかどうかということ。
ちなみにA型であれば内服から解熱までは約30時間程度らしい。
3はhome quarantine自宅軟禁ができていれば影響小。

日本の保険制度のゆえ、これまで長い期間をかけて

風邪をひいたら医者にかかって薬もらう

という流れが定着してきたのかもしれない。

パンデミック時にこれをやられると、多くの専門家が
指摘するように、外来に患者が殺到して診療部門を圧迫し
行列のできるパンデミック外来となってしまう。

今回の計画改訂で登場したFAX処方箋作戦については
効果は?だが、この流れを変える第1弾となるか。
最終的には

風邪をひいたら自宅でスープを飲んで隔離する

ところまで行けるかどうか。発症しても軽症ならば
病院に行かないよう医者が指導できるかもカギ。

考えてみれば、小さい頃は

風邪をひいたら病院行って、おしりに注射

そして家ではシンジムン(煎じもの)だった。
あとはカチューユー^^

世界どこでも風邪にはスープが基本なのかもしれない。

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2009.03.20

ワールドTBクラシック(4強のデータ)

日本が2次ラウンド
○キューバ●韓国○キューバ○韓国となり
見事1位で準決勝決勝トーナメントに勝ち進みました(拍手)

ちょうど韓国の結核事情をリポートする宿題があってね、
どうせならついでに今回の4強国の結核に関するデータを
探してみました。あくまでも宿題の一環ということで見逃して。

WHOのtuberculosisのサイトに行くと

Overall, one-third of the world's population is
currently infected with the TB bacillus.
(今でも世界人口の3分の1が感染しています)

と書いている。ドクターおひょいが出る公共広告機構のCM
地球の咳もこのデータを使ってるんだろう。

そこから
Global tuberculosis control report 2008
TB data
Global TB database
Country profiles
Access the country profiles
とようやくたどり着いたところが国別データ

指標の1つ結核罹患率(人口10万対新規発生数)をみてみると

となります。

ベネズエラがもうちょっと高いかと思ってたけど。
日本はやはり「中まん延国」

DOTSの成功率は

  • アメリカ 64% 
  • ベネズエラ 83%
  • 日本 60%
  • 韓国 83%

どっちにしても野球とは関係ないけどね^^
引き続き応援できる楽しみに感謝。

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2009.03.18

如才なきことながら

うーん。と悩みながらスルーしよう(大勢に影響ないから)と
一瞬思ったけど、やっぱり意味がわからないので調べてみた。

如才なきことながら

これを「如才(ぬかりない)」という語義から攻めていっても
なかなかピンとこない。ヤフー島袋のやりとりもその一例。
【日本語の使い方で】
「ご如才なきことながら、~」 とか言う人がいます。
参照。

ほんとの意味はここにありました。
浅野史郎の夢ライン
官僚の言葉より

もうひとつは、「ご如才なきことながら」。 「ご如才なきことながら、この件については内密にお願いいたします」 というふうに使う。「既に十分ご承知とは思いますが」という意味だが、 この表現のほうが気が利いている。目上の人にお願いをする、 注意喚起をするときには、かなり有効な表現だと思い、 外務省への出向をはずれてからも、何度か使わせてもらった。

等遁の術でもそうだが
独特な言語(霞が関ランゲージ)がはびこってる世界だなぁと
つくづく実感。

公衆衛生も専門用語を他の部局や県民にわかりやすくに翻訳
することが多いから、言葉は大事な道具だなぁと実感。
昼間性感染症の積極的疫学調査の件で米軍からも突然
電話で意見を求められるなど、言葉にからんだ1日でした。

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2009.03.17

年寄りを死なせない町

喫煙者はたばこを吸ってどんどん死んでほしい
と取税人でも口にしない発言をした医師がいる。

考えてみればたばこを吸うのは緩やかな自殺行為だが
たばこで生計を立てている人がいるのも事実。国もそうだし。

その一方で、タイトルのような取り組みをする自治体も増えている。

  • 年寄りを→65才以上の高齢者を対象に
  • 死なせない→肺炎球菌ワクチン費用を助成することで死亡を防ぐ
  • まち→任意接種なので市町村の裁量にまかされる

県内でも嘉手納町と久米島町が接種費用を予算化したというニュース
厚生労働省によると肺炎は日本人の死亡原因第4位を占める。
嘉手納町によると、町内では1993年から2002年の10年間で、
76人の町民が肺炎が原因で死亡した。

 09年度は嘉手納町が約300人で約230万円、
久米島町が約1300人で約530万円の接種者と費用を見込んでいる。

肺炎球菌ワクチンと高齢者の関係について(後で勉強しましょう)

ワクチンは効果のあるところから打つのが基本だと思います。

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2009.03.14

新型インフルエンザとBCP(社協編)

Shakyou


いろいろあった1週間。

市町村社協と新型インフルエンザ対策の関係について
話す機会がありました。

さまざまな市町村社協業務がある(ことを教わりました)なか
職員自身が新型インフルエンザに罹患したり、家族の看護、
休校休園になって家にいる子どもやお年寄りの世話のため

常に40%の職員が職場にいない状況

を想像したとき

それでも続けるべき社会福祉サービス業務とは?という
議論をするときの参考になればと考えたのが上の絵。
あくまでも業務を分類する例としてご覧ください。

まずたくさん種類がある業務を次の2軸で整理

  • その仕事は緊急性がありますか(待てる・待てない)
  • その仕事は人を集めて行う仕事ですか(集まる・集まらない)

パンデミック時ですから、「集まる・待てる」という業務は休止。

「集まらない・待てない」業務のうち、配食サービスや
友愛訪問、居宅介護などは福祉サービスとして重要。
よってこういう仕事をできるだけ継続できるようなシフト
がいいのでは。と提案した。

パンデミック時には独居老人や災害弱者も含め、原則は
自宅療養(籠城)生活。その際に必要な生活物資を届けたり
健康状況(生存してるかどうかも含め)を確認することは
新型インフルエンザ対策業務としても重要です。対面する
ので十分感染には気をつける防備をする必要もあります。

当然ワクチンの優先接種対象者にもなるでしょう

集合系は基本的は休止ですが、感染がないことが把握
できる程度の小集団であれば「集めても可」となる可能性
もあるのでは。ここは微妙な判断ですが、保育園や学校
対策にも関わる重要なポイントではある。

ひきつづき社協版BCPを検討していきましょうねと約束して
職場に戻りました。

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2009.03.11

あと6年早ければ...

国のC型肝炎対策は平成14年から始まっていたのに。

Hepatitis








ウイルス性(CもBも)肝炎患者を救済するための恒久法
(肝炎対策基本法みたいな)成立を目指すグループ主催の
勉強会に行政担当者として参加してきました。

その説明の中で使おうと思っていたスライド(結局使えず)
この中には厚生労働省肝炎対策室の5本柱

  1. インターフェロン療法の促進のための環境整備
  2. 肝炎ウイルス検査の促進
  3. 健康管理の推進と安全・安心の肝炎治療の推進、肝硬変・肝がん患者への対応
  4. 国民に対する正しい知識の普及と理解
  5. 研究の推進

を進行度に沿って(5以外)はめ込んでいるつもりの図です。

入口はウイルス検査。時限的ではなく継続的に検査を
行える体制を検討することが大事(健診+フォローアップ体制)。

そして今が旬の助成事業。この対象者を倍増させる作戦
だが、数は伸び悩んでいるという報道もあった。

問題は、すでにそこから先に進んでいる患者さんについては
(特に非代償性肝硬変以降、肝がん)、この4本柱の恩恵
は受けられない(だから5があるのか)状況。これに関する
指摘が多いのも事実。

そして肝がんを発症された患者さんについての医療体制と
連携することも必須でしょう。

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2009.03.07

「麻疹が流行する国で新型インフルエンザは防げるのか」

大手書店の新型インフルエンザに関連する書棚には
忍び寄るパンデミックの恐怖とその対応マニュアル本が
並んでいる(だいたい同じ調子)。そこで見つけた一冊。
「麻疹が流行する国で新型インフルエンザは防げるのか」

感染症専門ドクターの立場で、日本の感染症対策の現状を
厳しくチェック。

アメリカ116人vs日本27万8000人

(2001年度の麻疹罹患者数)とタイトルに関係する資料も
帯に示されています。

麻疹が流行する要因として、過去のワクチン行政の遅れを
指摘して、最近になってようやく2回接種(キャッチアップ)
全数報告制度などが導入されたとしています。

その他

  • まちがいだらけの抗生剤の使い方
  • 風邪について抗生剤を出す医者、欲しがる患者
  • 感染症について学ぶ機会のない医学生
  • よい薬でも古いというだけで使われなくなる薬価の仕組み
等、日本の現状を嘆き、改善するための視点を
述べています。

日本の感染症診療と教育を普及・確立・発展させる
ための団体IDATENも紹介。
人材を育成して感染症対策の進歩には必須。

新型インフルエンザ対策については、

  • 軽症の場合は安静にしていれば大丈夫だということを知らせる
  • 開業医などを活用し、電話で患者からの相談を受ける
    としている。不必要な外来受診は医療機関を圧迫するからね。

    肝心の政策決定者などについては、「勇気」をもって正しいと
    信じる方策をとり続けるという姿勢を、ボストン赤痢事件を例に
    述べています。


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    2009.03.04

    婦人の友ではしか予防

    婦人の友2009年3月号で成人のはしかと題して
    千葉県の太田文夫先生が記事を書いています。
    「10~20代の流行の原因と対策」

    • はしかの特徴
      • 感染力が強い(1人が12~14人にうつす)
      • 初期は診断できず、うつしやすい(待合室に一緒にいる人たちにも感染)
      • 合併症が出る人が多い(命定め)

    • ワクチンの予防効果は減少する(流行が減ったことで免疫が強化されなくなった)
    • はしかにかかる年代の変化(特に15~19才が多い)
    • 接種2回で高い予防効果を(2回目を追加する定期予防接種制度が始まった)
    • 接種する際、気をつけること(かかりつけの内科または小児科医に相談を)

    という内容ですが、その中に2006年沖縄での感染のひろがりを
    紹介しています。説明文引用させていただきます。
    Aさん(高校3年生)が東京ではしかに感染して沖縄に帰った後、
    周囲に広がった様子。Bさん(家族)と病院の待合室に一緒にいた
    5人(C~G)にうつり、そこからまた広がった。接触者調査は合計
    1077名に行われた(当時沖縄で、はしかの流行がなかったため
    調査可能だった)。この調査をして周りの人にワクチン接種や
    発症者との接触を避ける対策をとったため、これ以上感染は
    拡大せずにすんだ。
    このことからも調査と拡大防御対策の重要性がわかる。

    詳細はご購入して確認ください。

    せっかくなので送られてきた雑誌に目を通してみた。
    さすがに創刊106年の婦人誌(子どものころから家にあった)。
    内容も生活に密着して多岐にわたる。その中でも
    机の上が散らかる原因は?(1年かけて散らからない家に)
    という記事を発見!

    机の上が一杯で、収拾がつかないように見えますが、
    入れる場所が決まっていないために、引出しが活用できずに
    いました。ガラガラの引出しにきちんと収めると、きっと
    使いやすい机になります。
    内心打撲症。
    解消のためのステップは
    1. すべての物を出して分類
    2. 使いやすく、出しやすく
    3. 引き出しの中。“見やすく、出し入れしやすい”で、“散らからない”が持続します。

    詳細はご購入して確認ください。

    さっそくトライしてみるよ。

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    2009.03.03

    夕刊ブロガー

    地元紙の夕刊がついに発刊終了(朝刊へ統合と表現している)。
    今朝の新聞などは、夕刊がはさまった朝刊みたいで違和感(+)

    そのうち慣れてくるんだろうけど、読む時間帯によって
    紙面に向かう気持ちが違うことを実感している。
    夕刊は、時間を気にせず、気を散らせながら読んで、
    その中からブログにメモを取ることも多かった。そう

    夕刊ブロガー
    だったことに気づいた。

    そんな中、県内A紙の安全衛生委員会に呼ばれ、
    新聞社版BCPの話をしてきた。

    新聞社の社員360名いるとすると、その4割の144名は
    欠勤した状況となるパンデミック体制。
    そんな中、どうやって業務を継続しますか?
    という検討をしましょうと。

    新聞ができるまで(長崎新聞)etcによると

    • 取材
    • 編集
    • 制作
    • 印刷
    • 販売

    というプロセスらしい

    この中で業務量を反映するものは、やはり記事の数
    (すなわちページ数、いや面数)だろう。よってBCPを
    考える場合は

    • 取材量を絞り込み
    • 必要最小限の編集
    • 必要最小限の制作
    • ページ数を減らして印刷
    • 販売では遅配もやむなし(隔日とか?)

    となるのだろう。新型インフルが発生したら、まず
    日本中から夕刊が消える予感。

    取材量を絞り込んでも、県民に新型インフルエンザの
    状況を正しく伝える「新フル面」は書き続けて欲しい
    (これがマスコミの役割)と伝えてきました。

    あと安全衛生委員会的には

    • ウイルスを持ち込まない
      • 有症状社員は出勤させない
      • 健康チェック(特に治った後も)

    • ウイルスを広げない
      • 手洗い習慣・咳エチケットの徹底
      • マスクの配布
      • 集まらないで会議

    を考えてください。

    一方で、新聞広告とか関連企業が多いこともわかり

    BCP考えるならサプライチェーンもいっしょに策定

    する必要があることも判明。特に気になったのは
    死亡者がたくさん出る状況の中で、死亡広告欄は
    どうなるんだろう。

    (沖縄の死亡広告についての解説はこちらを参照
    告別式が平時と同じように執り行われるかに依る。
    帰りのエレベーターホールから記念に1枚。

    090227_150401

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