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2009.07.31

80パーセント新型ですね

新型インフルエンザのクラスター(集団発生)サーベイランス実施中。

 「クラスターサーベイランス」とは、学校や施設など同一の集団内で
複数のインフルエンザ感染者(疑い例を含む)が発生した場合、
医師が保健所に連絡し、保健所はその連絡に基づいて、
同一の集団内での複数のインフルエンザ感染者の発生を把握するもの。

集団発生を早期に発見し、感染拡大を防止するとともに、
感染状況の的確な把握を目指す。

いろいろなとらえ方があってクラクラしながらやっています。

でも、それもある程度以上感染が拡大して、クラスターだらけに
なったら、とりやめになると思われます。

日本では8月もこのまま流行が持続し、9月に入って学校活動が
再開されると、感染拡大も再加速。学級閉鎖や学校閉鎖などの
「武器」で火消ししても、どうどう巡り(再開した途端に患者発生)が
続いて、一気に新型インフルまん延状態になると思われます。

その頃はきっと、集団発生の把握もあきらめて(意味なし芳一)
軽症例は定められた医療機関を受診して、インフルエンザと診断
された患者数の報告になり(つまり季節性と同じ)、新型は亜型の
分布状況や病原性の変化をみるための病原体定点と、重症者を
逃さないサーベイランスからの報告に切り替わるでしょう。

定点医療機関を受診して、簡易キットでA型インフルエンザと診断
された人の中には、新型インフルエンザと季節性インフルエンザの
両方が含まれることになりますが、詳しい診断(PCR)はしないので
区別はつきません。

でも病原体定点の情報から、たとえば、
インフルエンザ流行レベルマップの解説のように

2008年第36週~2009年第29週までに、インフルエンザウイルスの
検出はAH1(Aソ連)型3,556件、AH3(A香港)型2,397件、B型2,007件
が報告されている。なお、新型A/H1N1pdmは1,515件の報告があり、
これは全体の約16.0%にあたるが、(以下略)

そのときの亜型の構成割合がだいたい把握できることになっている。

たとえば、A型と診断されたうち、80%は新型、15%は香港、5%はソ連
という分布をしている地域で、1週間に1000人のA型インフルエンザが
いれば、定点からは1000×0.8=800人が新型ですねと推測できる。
そうやって数えていけば(これ以外に思いつかない)、数えられるね。

問題は、患者個人を目の前にしたとき、簡易キットでAが出て、

先生、私、新型でしょうか
と聞かれたときに、
そうですねぇ。今なら80%くらい新型ですね。
というわけにはいかないよね。

季節性インフルのワクチン打ってて、熱出たから「新型!」というのは
やや強引だけど、混乱を少なくし医療機関への負担を減らすという点
では、有効な方法だと思います(今年の冬は特にね)。

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2009.07.28

レプトスピラ症 川遊びは露出控えて

医師会のコラムに投稿した文章が新聞に載りました。



 ここ沖縄県でも、最近は川遊びをする人が増えてきました。
自然と触れ合うことで心が癒やされたり、家族や友人と
楽しいひとときを過ごしたりすることは貴重な体験です。
またエコツーリズムの一環として、河川と触れ合う観光客も
増えてきました。

しかし近年、水との接触の後にレプトスピラ菌という細菌に感染して、
場合によっては入院治療を受ける例が、県内で報告されています。

 レプトスピラ症とは、病原性のあるレプトスピラ菌を感染源とし、
約3~14日の潜伏期間を経て、発熱や筋肉痛、結膜充血などの
症状を発症します。

重症例では、黄疸(おうだん)や腎機能障害を起こし、死亡する
場合もありますが、基本的には抗生物質により治癒することが可能です。
季節的には、7月から10月にかけて患者が多く発生しています。

レプトスピラ菌は、保菌動物であるネズミやマングースなどの腎臓から、
尿として排出され、水や土壌を汚染し、そこに皮膚や粘膜が接触することで
感染が成立します。この場合、皮膚に傷があると感染しやすくなります。
また、人間だけでなく、ペットの犬が感染することもあります。

沖縄県は全国的に患者が多く発生する地域で、昨年は、県内で28例が
発生し、ほかの県でも3例が沖縄県内での感染が疑われる例として
報告されています。その中には河川で遊んだという方がいましたが、
患者の特徴として、

  • 遊ぶときの服装が短パンやはだしの場合やサンダルなど肌の露出が大きい場合に、感染のリスクが高くなるようです。
  • また、雨が降った後には、感染のリスクが高くなるとも言われています。

 暑い夏を迎えて、川遊びを計画されている方も多いと思いますが、
楽しいレジャーの裏には、このような感染症が潜んでいることを
認識してください。

そして、感染リスクを低くするような工夫

(例えば川に入るときには靴を履き、長ズボンを着用するなど)
を心掛けるようにしましょう。
また、川で遊んだ後1~2週間以内に発熱して医療機関を受診する場合は、
川や沼などで水との接触があったことを主治医に伝えるようにしてください。

夏はスピロヘータの季節~~~

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2009.07.27

遠征中に(新型)インフルエンザを発症したらどうなるの?

どうなるの?シリーズ
(前作修学旅行中にはしかを発症したらどうなるの?の焼き直し版)

インターハイや○○少年の船、全国○○祭など、人とウイルスが
結構激しく行き交う夏。長崎ではイベントインフルエンザの報告
野外ライブで10名感染)されています。

主催者としては、もし遠征中に、今話題の新型インフルエンザを
発症したら...と心配することも多いはず。まずはあなたの住んでる
地域がどのくらい流行しているかを、今は亡き全数把握地図で確認。
全国まじめに報告しているという前提ならば

赤から緑へ行くとと「ばらまき」、緑から赤へ行くと「うけとる」確率が高くなる?

ちなみに、沖縄-東京は赤赤便。
いずれにしても潜伏期間が短いので、滞在中に発症という
ことは十分ありうる話ですね。

発症した患者について

  • 基本的には、感染症を発症して診断された生徒は、法律上は隔離不要ですが、感染拡大予防のため、他の集団とは別行動となります。
  • 重症であれば入院治療を行いますが、この新型なら通常軽症で、宿(あるいはウィークリーマンション等)を確保して療養することが多いでしょう。
  • 発症した生徒さんは、インフルエンザであれば解熱して2日が過ぎるまでは、他の人に感染させる恐れがあるために、学校保健法に準じて、基本的に飛行機に乗ることはできません。(日本航空よくある質問をご覧ください)

残りの集団について
(新型インフルエンザの場合=県内でも10代で感染拡大中です)

  • 残りの集団は、発症する前の日から感染させる力があるので、その期間に濃厚に接触した人を中心に、次の患者発生がないかを確認しながら(発熱がないかをチェックしつつ)旅程をこなすことは可能です。
  • 特に、濃厚接触者(2メートル以内でいっしょに行動した人等)はマスクを着用した方がいいかもしれません。
  • そして、熱が38℃とか37.5℃とかあがった時点で、早めに医療機関を受診して頂くことになるでしょう。
  • その対応は宿泊先を管轄する現地保健所と連絡を取って指示を受けます。

予防の習慣を

  • 旅行のスケジュールにも寄りますが、発症した生徒はみんなといっしょに帰ることができなくなる可能性があります。
  • そうかと言って、一人見知らぬ土地で過ごすわけにもいかないため、親御さんを呼んで世話してもらうか、学校の先生が延泊して面倒見るというパターンになり、結構面倒です。
  • 感染してからだと大変ですので、是非予防の習慣を心がけて下さい。

タイトルの新型インフルエンザを(新型)としたのは、地域によっては
すでにクラスターサーベイランスを行い、個別のインフルエンザ様症状では
確定検査(PCR)を受け付けない可能性もあるからです。

ただし、患者をきちんと診断して治療を行うことが、
次の患者発生のリスクも下げるのが感染症の基本なので
患者はしっかり治療、周りも早期発見体制を敷くことは
新型旧型に限らず必要なことでしょうね。

個人的には奈良総体の新型対策も学びたいところです(宿題ね)


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2009.07.24

街の巨匠(ゴーヤーチャンプルー)源さん

ついにチューボーですよ!に街の巨匠として紹介された源さん

いつもお客さんいっぱいみたいでうれしい限りです。
今後もどうぞご贔屓に
「ooyake見たよ」と言って来店されても、何も特典ないけど...

ゴーヤーチャンプルーは、最近ではマヨネーズ煎りが宣伝
されていたり、全国区になりつつありますが、子ども時代は
こんな、にがいの食えるか~って思いながら、

ゴーヤー一切れ、ご飯一杯
食べていた。

でも、食卓その他で、ゴーヤーは健康にいい、ゴーヤーはビタミンたっぷり
とか聞かされているうちに、にがさをがまんして食べられるようになった。

頭で食べる(考えて食べるという意味だからね^^;)

典型的な食育モデル食材!

作って、収穫して、調理して、食べるというプロセスも体験できるからね。

個人的にはフィジーで自分で作ったゴーヤーコンビーフチャンプルー
よい思い出。

おいしかったのは、山本彩香さんの店で食べたゴーヤーリンゴシリシリー。

キリ番36万を無事迎えられました。ありがとうございます。

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2009.07.21

もう数えなくていいよ

WHOの発生状況の表が7月6日以来更新されないなぁと思ったら
このニュース。
WHO、新型インフル感染者数の統計発表方法を変更

全世界的に感染者数が増加しており、今後も感染拡大は避けられない
ことから、各国から感染者数の報告を受けて個々に発表することは無駄と判断した。

ほぼ全世界に感染が拡大していることから、各国当局に対し、
新規感染者の報告を求めることに意味はないと判断。

無駄とか意味はないとか
連休中もきっちり全数把握していた関係者には、つらい表現です。

さらに、巷では

  • 秋冬には患者が大量発生して医療機関が混乱するかもしれない
  • 秋冬にはもしかしたら重症化しているかもしれない
  • 秋冬にはワクチンは間に合わないかもしれない
  • だったら、軽症で済む今のうちに...

という話まで聞こえてくる状況。こんなになめてて大丈夫かと心配になるね。

何のためにPCR検査を実施するのかについても

  1. 流行状況や規模を確認するため
  2. 耐性を獲得していないかチェックするため
  3. 病原性が強くなっていないかチェックするため
の中の2,3が主流になる。
1については、大ざっぱでいい時期ということ。
最終的に結局何人が感染したのか、世界でも日本でも数えられなくなるけど
誰かがエイヤっと決めてくれるんだろう。

対応が限界に近づいたために、対策の手を緩和せざるを得ない
ことがわかったことも、今回の大事な教訓ですね。(いつか来る本番に備えて)

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2009.07.11

近況

Okinawa0724








こういう感じに増えています。
2週間で約21名。その後4日で17名。
※ハワイのように増えているのかもしれない
最終は143名(7/23提出分)

まだ全数報告(PCR確定)を強いる国の体制下、

  • 検査を出せば、患者が見つかりその対応に追われ
  • 出さなければ出さないで、その姿勢をマスコミ等に叩かれる
という中で皆さま奮闘されていると思います(お疲れさまです)。

こちらの場合は海外からの持ち込みウイルスを起点として
小さな山火事が散発していますが、基地の中も外も検疫は
フリーだと思うので、当面はこの状況が続くのでしょう。

今週中に切り替えてもらえるといいんですが。

ボーナスの 刺身を解かす 土用丑
(意味不明)

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2009.07.05

アイスクリーム頭痛 ice cream headache

これからの季節。相談されるかもしれないですね。
あるいは夏休みの宿題用に...とかなんとか理由をつけて
食べ過ぎないように。

アイスクリーム頭痛
(出典はメイヨークリニック

定義

君にも経験あるでしょ。アイスクリームを一口食べて、刺すような頭痛に襲われた感覚。
氷菓子や、スラッシュ、他の冷たい食べ物や飲み物でも同じような「脳が凍る」状況が
起きます。

アイスクリーム頭痛は医学的には
「寒冷刺激の摂取または吸入により引き起こされる頭痛」
headache attributed to ingestion or inhalation of a cold stimulus

と表現されます

症状

アイスクリーム頭痛は、前頭部に刺すような鋭い痛みを引き起こします。
この痛みは通常30秒から60秒間で収まりますが、まれに1,2分に及ぶ
こともあります。

原因

急いでアイスクリームを食べたり、冷たい飲み物を飲んだりするときに
冷たい塊が口腔蓋から咽頭後壁を移動します。専門家たちでも
詳しいメカニズムはまだわかっていません。


一つの説としては、冷たいものを飲食すると一時的に脳の血流が変化して
小さな頭痛が起きる。研究者たちはその際に顔や歯、舌、そして脳に感覚を
伝える三叉神経を介して、口から頭へ痛みが及ぶと考えています。

リスクファクター

アイスクリーム頭痛は誰にでも起こりえます。偏頭痛を持っている方は
起こりやすいのかもしれません。あるいはこれが偏頭痛のきっかけに
なる場合もあります。

治療

ほとんど治療を必要としません。
典型的には、痛みはゴックン(swallow)した後は、消えていきます。

予防

冷たいものは、急いで食べないで、ゆっくり食べて下さい。
飲み込む前に口の前の方で食べ物を暖めるのもいいかもしれません。
アイスや冷たい飲み物を避ける必要はありません。

こっちもわかりやすい(朝日新聞

頭痛のことなら、頭痛大学

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切り替えないと、きりがない

検査結果待ちの夜。こうやって休日も待機するのは、まだ
全数把握が続いているから。

新型インフルエンザは、新しい体制に切り替わることが宣言
されたものの、全国各地では、渡航歴があって発熱や
呼吸器症状があった場合には、発熱外来にご案内して、
ティーチナーティーチナー(1つ1つ)確認検査を行い、
全数把握している。移行期間を設けて、切り替えるというのが混乱少ない方法
だけど、実際はその地域の発生状況に左右されるだろう。

県内発生が散発的で、疫学的リンクも切れていない状況では
感染拡大防止のため、入院措置をしたり接触者をリストアップ
して追いかけたり、予防投薬するというのが教科書的対応。
実際100人以上の患者がいる自治体は7都府県だけで、
その中でさえ、リンクが切れていない地域もあるだろう。

しかし国は秋冬の流行拡大を見越して、まん延期対応へと
切り替えた(そういえばまん延期宣言はしてたっけ?)。
ただその新しい体制に移行する期間がはっきり示されてない
ので、今は新旧入り交じった状況になっていて、結構きつい。
きりがないよ。

泣きが入ってしまいましたが、これを解決する方法は

  • 切替えについて説明する(テレビで?)
  • やっぱり、5類格下げ

参考:WHOレポート(7月3日付け)
患者数:89921(前回比12720増)
死亡数:382(同50増)

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