80パーセント新型ですね
新型インフルエンザのクラスター(集団発生)サーベイランス実施中。
「クラスターサーベイランス」とは、学校や施設など同一の集団内で
複数のインフルエンザ感染者(疑い例を含む)が発生した場合、
医師が保健所に連絡し、保健所はその連絡に基づいて、
同一の集団内での複数のインフルエンザ感染者の発生を把握するもの。
集団発生を早期に発見し、感染拡大を防止するとともに、
感染状況の的確な把握を目指す。
いろいろなとらえ方があってクラクラしながらやっています。
でも、それもある程度以上感染が拡大して、クラスターだらけに
なったら、とりやめになると思われます。
日本では8月もこのまま流行が持続し、9月に入って学校活動が
再開されると、感染拡大も再加速。学級閉鎖や学校閉鎖などの
「武器」で火消ししても、どうどう巡り(再開した途端に患者発生)が
続いて、一気に新型インフルまん延状態になると思われます。
その頃はきっと、集団発生の把握もあきらめて(意味なし芳一)
軽症例は定められた医療機関を受診して、インフルエンザと診断
された患者数の報告になり(つまり季節性と同じ)、新型は亜型の
分布状況や病原性の変化をみるための病原体定点と、重症者を
逃さないサーベイランスからの報告に切り替わるでしょう。
定点医療機関を受診して、簡易キットでA型インフルエンザと診断
された人の中には、新型インフルエンザと季節性インフルエンザの
両方が含まれることになりますが、詳しい診断(PCR)はしないので
区別はつきません。
でも病原体定点の情報から、たとえば、
インフルエンザ流行レベルマップの解説のように
2008年第36週~2009年第29週までに、インフルエンザウイルスの
検出はAH1(Aソ連)型3,556件、AH3(A香港)型2,397件、B型2,007件
が報告されている。なお、新型A/H1N1pdmは1,515件の報告があり、
これは全体の約16.0%にあたるが、(以下略)
そのときの亜型の構成割合がだいたい把握できることになっている。
たとえば、A型と診断されたうち、80%は新型、15%は香港、5%はソ連
という分布をしている地域で、1週間に1000人のA型インフルエンザが
いれば、定点からは1000×0.8=800人が新型ですねと推測できる。
そうやって数えていけば(これ以外に思いつかない)、数えられるね。
問題は、患者個人を目の前にしたとき、簡易キットでAが出て、
先生、私、新型でしょうかと聞かれたときに、
そうですねぇ。今なら80%くらい新型ですね。というわけにはいかないよね。
季節性インフルのワクチン打ってて、熱出たから「新型!」というのは
やや強引だけど、混乱を少なくし医療機関への負担を減らすという点
では、有効な方法だと思います(今年の冬は特にね)。
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