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2010.06.25

チョコとうつのビミョーな関係

超早起きしてサッカー見て(シタイヒャーnippon)2度寝したうえ、
いろいろあって1日が超長い。しかもまだ日が落ちてなくて全然明るい。

先日チラ見した新聞記事の事が気になって調べたのが
チョコレート消費量とうつ病の関係。タイトルは
チョコレートの大量消費がうつ病に関連
出典はメディカルトリビューン。

チョコレートは気分を高めるものとされてきた
ことについて
  • 男女931例を対象にチョコレートと気分の関係を検討
  • チョコレートを含む食事調査とうつ病のスケール調査を実施
  • 「うつ病の可能性あり」と判定された者では平均して1か月当たり8.4食分(servings)
  • 「大うつ病の可能性が高い」と判定された者では11.8食分のチョコレートを消費していた
  • 一方,陽性と判定されなかった者では5.4食分であった。

チョコをたくさん食べている人にうつの傾向が強いというもの。
この両者の関係については(原文では)
  1. Stimulation of self-treatment or self-medication with chocolate
  2. Stimulation of chocolate craving for reasons unrelated to depression
  3. Chocolate may drive depressive symptoms,rather than vice versa
  4. Inflammation or other physiologic factors might drive chocolate craving and depression

訳は
  • 第1に,最近のラットによる研究が示唆するようにチョコレートが気分を高めるのなら,うつ病を罹患していることが,自己治療としてチョコレート渇望を引き起こすのかもしれない。
  • 第2に,チョコレートの治療的役割とは無関係な理由でチョコレート渇望が生じているのかもしれない。われわれは,治療的効果があるとしても,平均すれば抑うつ気分に打ち勝つのに不十分ではないかと見ている。
  • 第3に,チョコレートが抑うつ気分を引き起こし,この関連を生み出している可能性も否定できない。これは横断データからも示唆される
  • さらに,炎症などの生理学的要因がうつ病とチョコレート渇望の双方を引き起こしている可能性もある。また,より複雑な相関が存在するのかもしれない。

結局、うつがあるためにチョコの消費が増えるのか、
チョコの食べ過ぎでうつが発生するのか、はたまた、
全然別の要因があるのか、両者の関係はわかってない
ということらしい。

個人的には、チョコを食べるときは幸せな気分になるような
気がするんだけどね(虫歯の時以外)

この関連でもう1個溶けなかったのが

チョコレート1SV(サービング)の量がどれくらいか

という問題。

バランスガイドではお菓子はSVが適用されておらず
コマを回すために楽しく食べるためのヒモ(意味わかる?)
と位置づけられています。

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2010.06.24

ATLはどこから来たのか

最近話題のATL(成人T細胞白血病)ウイルス
厚労省HPにQ&Aも掲載されました)

関東地方の医療機関を受診した患者や家族の出身地を調べて
九州・沖縄出身者が全国に広げていると指摘したニュース
波紋が広がっているようです。調査は1カ所の病院を訪れた患者の分析。

また、全体の136人について「本人出身地」をみると、 関東35%▽九州・沖縄25%▽東北・北海道12%-の順。 「母親の出身地」は九州・沖縄35%▽関東15%▽東北・北海道15%-の順。 関東在住の感染者の移住元として、九州・沖縄との関係が特に深いことをうかがわせている。

昨年度の厚労省研究班報告書の中にも、
平成2年に比べて平成18-19年は

  • 患者数全体は119.3万人から108万人に減少
  • 九州・沖縄の占める割合は50.9%から45.9%に減少
  • 関東(東京)は10.8%が17.7%に増加
とこれらを根拠としているみたい。

そう言い切るには、根拠が弱いということと、そう言い切る事で
生じる偏見・差別が懸念されるという意見に賛成。

さて、

この病気を発症した浅野前宮城県知事の闘病を知らせた
毎日新聞の記事のタイトルが

縄文のウイルス

となっていたので、?と思って調べてみた。

ネット記事で恐縮ですが

ほぼ日刊イトイ新聞でのやりとりから
ATLウイルスの抗体が西南日本、長崎、沖縄、そしてアイヌの
人々で保有率が高いことが示されている。

平成医新Doctors blog

つまり九州・沖縄にATL抗体陽性者が多いという地域性があった.また九州では鹿児島県、那覇市、佐世保市の陽性率は10%を越え,福岡県、大分県は3から4%だった。沖縄の陽性率は高値であったが宮古島は低値だった。沖縄本島には縄文前期以降の遺跡があるが、宮古島には13世紀以前の遺物はない。宮古島に住む人々の祖先は沖縄地域とは異なり、比較的最近どこからか移り住んだと考えられた。
 また岩手県の陽性率は低いものの三陸地方では陽性率10%を超える地区があった.秋田の象潟,飛島,能登半島、紀伊半島、中国地方の日本海側、隠岐、四国の宇和島近郊などに陽性者が多かった.また東大に保存してある北海道のアイヌの血清を調べると44%という高い陽性率を示した。

両方の記事が根拠としている日沼京都大学名誉教授が書いた
記事をようやく発見伝。1986年のエイザイの出版物
ATLのウイルスキャリア(日沼頼夫)

日本列島の北海道・本州・四国・九州そして沖縄まで
広く、しかし点状に分布するATLウイルス・キャリアの
濃密な地域の住民の先祖は、日本の先住民であろう。
先住民は古モンゴロイドである...

という仮説を紹介しています。だから縄文ウイルスなのね。

なんかB型肝炎ウイルスのサブタイプでも似たような話を
聞いたことがある気がする。

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2010.06.20

ペットvs感染症(カプノサイトファーガ)

宮古の方言みたいな菌(初耳)の感染症に関するニュース。

<ペット>犬、猫の口の中には細菌、02年から6人が感染症で死亡(毎日)
内容は

  • 海外の研究で感染後の発症率は1000万人に6~7人とごく低いが、
    発症後の死亡率は12%との報告もある。
  • 人間が重症化しやすい菌を犬74%、猫57%が持っていた。
    健康な犬、猫が持つ常在菌と見られる。
  • 菌が、かみ傷やかき傷、口の中の傷などから人体に入り感染すると、
    2~14日の潜伏期間を経て発熱、腹痛、吐き気などを起こす。
  • 過剰に恐れることはないが、高齢者や持病のある人は重症化すると危険だ。
    ペットとの過剰な触れ合いは控え...

過剰な触れ合いの定義が難しいが、厚労省のQ&Aで死亡例
14例の内訳を見ると、咬まれただけではなく、掻傷から敗血症を
発症した例もあるので、ひっかき傷にもご用心。

ひっかきと言えば、その名の通りの感染症
「猫ひっかき病 Cat Scratch Disease(CSD)」がポピュラー。
花王のサイトにペット感染症というコーナーがあり(なぜ花王?)

猫に咬まれたり、ひっかかれたりすることで起こる病気です。
猫の爪や口の中にあるバルトネラ菌によって感染し、傷が治りにくく、
傷口が潰瘍になったり、リンパ節が腫れたりします。(中略)
また、この菌はノミが媒介して感染します。猫と接触していなくても、
ノミを介して感染した例も報告されています

これは別の菌(Bartonella henselae)なのね。
感染症学雑誌にネコひっかき病の臨床的検討(63例)という論文があった。
一部引用しますね。
  • 夏から秋に多い(10月がピーク)
  • 患者年齢は0-83歳に分布、平均35.0歳
  • 感染源はネコが多く特に1歳未満の仔ネコが多い
  • 感染経路はひっかき傷が最多。咬傷、ノミ刺傷も
  • 咬まれた後に皮膚病変(上肢が多い)
  • リンパ節腫大では、腋下>鼠径>頸>肘関節の順に多い
  • 潜伏期平均18.9日、治療開始から症状消失まで44.2日

医者がこの病気(CSD)を疑わないと診断できない(そりゃそうだ)
(わが国では欧米に比べて動物由来感染症に対する意識が低いそうです)

ネコ飼っている人も、飼おうと思っている人も注意です。
(だから花王?)

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2010.06.16

家計調査から見えるもの

保険者から送られて来た資料を見て教わった

総務省家計調査県庁所在地ランキング

我らが那覇市(沖縄の県庁所在地)は

  • 魚介類、鮮魚は全国最下位だが、かつお節は全国トップ
  • ハンバーガーは全国1位
  • にんじん、たまねぎ、きゃべつ、肉加工品が全国1位、食用油は2位
  • 乳製品ではバター最下位、粉ミルク全国トップ
  • 弁当が第6位とか

などなど。

買ったものをどう調理(消費)しているか思いを巡らせる。

上のデータから容易に想像できるメニュー(チャンプルーとか)もあるけど、

粉ミルクなんでそんなに買ってるの?

と、よくわからないものもあります。

転がっている素材(データ)をどう生かすか

これも知恵が必要(まるで調理人ね)

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2010.06.10

感染症の危機管理

WHOが新型インフルエンザのレベル6を宣言してから明日で1年。

パンデミック宣言をきっかけに各国がワクチン購入について製薬会社と契約を結んだ
という製薬業界との癒着疑惑conflict of interestについて、 BMJが指摘して、専門家がそれに反駁(nature参照)するなど なかなか目が離せない展開になっております。

国内でも一応の総括が終了して報告書案が出されたけど(朝日
国の担当者は正直に

この1年を振り返って、厚労省と自治体、医療機関などとの間にミゾがあったと感じると話す。
インタビューに答えているように
次のパンデミックのときには、そのミゾが埋まってないと
対策はうまくいかないはず。

とりあえずは医療機関の冷蔵庫に眠っている1価ワクチンの在庫を
国が買い上げない限り、医療機関は次に協力してくれないかもよ。
個人的にはいつになったらこのH1N1を5類感染症として扱う日
を1年前から待ち焦がれております。

読売onlineに「感染症の危機管理」という解説記事が載っています。

このように感染症の発生初期に得られる情報は、
政策決定するには断片的であいまいなものが多い。
東京女子大の広瀬弘忠教授(災害心理学)は、
「人間はウイルスや放射線など目に見えない危機に対して、
過剰に反応するか過小に反応するか、どちらかに偏りがちだ」と説明する。
その意味で、感染症などの危機管理は情報戦そのものといえる。

情報が出来る人材を感染研から派遣して常駐させる案もあったらしい。


そして国民への情報提供のあり方については

舛添前厚労相が深夜や早朝に記者会見を開き、
「正しい情報に基づき、冷静な対応を」と、
何度となく国民に呼びかけた。
一見もっともらしいが、慶応大の吉川肇子
(きっかわとしこ)准教授(社会心理学)は
「危機管理の観点からは禁句だった」と批判する。
まるで国民が混乱しているような
誤ったメッセージが伝わったという。

恐怖情報の発信。


そして最後は、

医療体制の強化をふだんから進める必要性を
とまとめています。御意。

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2010.06.06

自宅難民化するパパたち

ふと目にとまったニュース

家に居場所がない!?“自宅難民”化したお父さんたちの実態調査
(東京ウォーカー)

難民という表現は大げさかもしれないが、ここでは

自宅で自分の時間や場所を持てない

のが定義みたい。
(以下引用)
「平日、仕事から自宅に帰った時にお父さんが感じること」
  • 全体の52.2%の人が自宅での過ごし方に何らかの不満を感じている
  • お父さんの2人に1人が、安らぎの場所であるはずの“自宅”でくつろぐことができないことが分かった。

具体的な要因を挙げてもらうと

  • 「自分の趣味を楽しむ時間がない(57.0%)」
  • 「1人になれる時間・場所がない(40.4%)」
  • 「見たい番組が見られない(31.9%)」
  • 「妻や子どもがうるさい(26.4%)」
  • 「自宅に居場所がない(19.6%)」
  • 「帰宅しても夕飯がない(4.7%)」といった回答も。

で、お父さんがひとりで何をしているか(何がしたいか)というと
「インターネット」「テレビ・録画番組・DVD視聴」
まあ、これをわざわざ平日仕事後にしなくてもといいんじゃないと
意見もあるが。

場所はあっても家族といっしょに過ごす時間を削るわけには
いかないので、どうしても時間をずらして

“妻や子どもが寝た後”の深夜23時以降の時間帯しか、
自分だけの時間を持つのがよくあるパターン。だから毎日眠いのかも。

もちろん家族といっしょにいても「個室」にこもって
全く別々の生活をするというパターンもありうるが、
やっぱり時々は姿みせないと「パパはルームメイト」って
扱われてしまう。

難民と呼ばれようと

  1. あまり悲壮感を持たない(自分だけかわいそうと思わない)
  2. 誰かとこのことを分かち合う(たまには愚痴るということ)
  3. 板挟み状態を避ける(これが難関だけど)

という3点は死守するのが精神衛生上いいようです。

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2010.06.02

嬉しいね 家族で座る 禁煙席

世界禁煙デー関連イベントとして、八重山では15年以上前から
続けられている標語&ポスターの募集。今年も行いました。

ネットでは八重山毎日新聞で記事を見ることができます(ポスター画像も)

最優秀標語は

「嬉しいね 家族で座る 禁煙席」

家族団らん。みんな元気に禁煙席に座れる嬉しさ。
街にもそういう受動喫煙対策がとられているレストランがある...
という明るいイメージでしょうか。

ポスターも

受動喫煙防止に関する周囲の人への心遣いや、
吸っている人への禁煙メッセージなど優しい思いが感じられる

優しさは、家族を愛しているから。
でもね、たばこが原因でその家族を失う人もいる。

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2010.06.01

もうインフルエンザでは説明がつかない。戸惑っている。

6月1日から7日はエイズ検査普及週間(これは疾病対策課)。

全国各地で検査に関する啓発イベントが行われるはずです。
厚生労働省のホームページにも

「エイズ検査数向上大作戦」
なる取り組みが紹介されていた
(もう終わってるが)

2009年4月後半からは、H1N1対応に追われて保健所や県では
エイズ検査に関する普及や検査の受け皿が準備できませんでした
(去年の普及週間もそれどころではなかった)

5月27日に発表されたエイズ動向委員会でも
前年に比べて15%も検査数が減少したことが報道されている
これについては委員長の発言として

「新型インフルエンザの流行で、エイズ検査に対する関心が薄れた可能性がある」

しかし、2010年1月から3月までの保健所抗体検査数は
さらに下回って、前年同期64%にとどまったらしい
(手元にあるのは沖縄タイムス5月29日)

これについては委員長の発言として

「もうインフルエンザでは説明がつかない。戸惑っている」

いったんインフルエンザに関心が奪われたら、取り戻す
のは時間がかかるということだろうか。だから大作戦?

関心が低下→検査を受けない→感染に気づかない人の増加→発症してからの発見

ということが心配されるという記事になっています。

エイズが発症して初めて感染が判明した患者が近畿や九州で増えている

去年は検査数が低下したけど、感染者は過去3番目、患者は
過去最多であったということから、新型インフルエンザが
流行してる間も、エイズの感染拡大は待ってくれなかったのか。
でも今年1〜3月は、検査数減少と感染者減少がパラレルに
動いているようにも見えるし。この解釈はどう考えるべき?

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