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2010.12.27

激減の中での小集団発生(麻しん)

  • 2008年:11005
  • 2009年:  741
  • 2010年:  434
これは過去3年間の麻しんの報告数。 ただし2010年は第49週までですが。

どうしてこんなに減ったのか。
麻しん排除計画が始まった2008年からワクチンを
中1・高3世代に接種するようになりました。彼らに
とって2度目の接種です。

これにより、集団発生を起こしやすい中高校生の中での
感受性者が減り、その結果、地域内での流行もピタッと
おさまったのではないかと考えます。

2008年→2009年の激減ぶりには、
新型インフルの影響??
などという話も出ていた気もしますが、
今年の数を見ると、これは一気に発生がおさまっていく
途中経過にあると考えた方がいいのでは。

ただし、これで麻しん排除でひと安心という話にはなりませぬ。
まだワクチンキャッチアップ期間は、あと2年以上残ってて、
平成20年当時、小学校3・4年生と中学校2・3年生だった
児童生徒は、まだ2回目ワクチンが済んでいない。

よって、全体の発生が減っていく中で、小さな集団発生を
繰り返していく可能性は残っていますね。

そんな中、見つけたのが、
岡崎市で小学生の集団発生というニュース

11月29日に10歳の女児の感染が報告された後、
今月上旬に2人、20~21日にさらに4人が報告された。
7人のうち2人は予防接種を受けたことがあるが、
5人は未接種か、不明

岡崎市保健所のホームページでも注意を呼びかけています。

きちんと排除できたかどうか確認するためにも、今後
検査診断(PCR)は重要。そういうジムレンも出されて
いるようです。

各地のノウハウを共有して、このまま麻しん退治の道を
進みましょう。


Mlflow

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2010.12.24

インフル三とる節

年末年始は、インフルエンザの流行も広がりやすい時期。
ついに今期も全国で「流行入り」が宣言されました。

一方海外では、英国で、この1週間のあいだに患者が倍増し、
死亡者が10例増えた(合計27例=adult18,children9)など
重症例も目立つという状況になっています。(guradian紙HP)

旅行の際は十分な注意が必要ですね
Forth=海外渡航情報センターには載ってないけど...)

外出したときなど

目や鼻、口を触らないようにしましょう!

出典は予防のために米国CDCが提唱している
"take3" actions to fight the Flu

ここではtakeという動詞に、3つの意味を持たせています。

  1. Take time to get a flu vaccine.
    予防接種するための時間をとる

  2. Take everyday preventive actions to stop the spread of germs.毎日、病原菌を広げないための予防行動をとる

  3. Take flu antiviral drugs if your doctor prescribes them.
    医者から出された抗ウイルス薬を服用する

1番、2番では、連れテイクの「take」は、日本語の「とる」と
ほぼ同じの意味にとらえられるけど、3番の「服用する」は
さすがに「薬を摂る」とはいわない(よね)

これが「とる」3つだったら、沖縄県の公衆衛生的郷土劇
「ゆいまーる」に使われていた
「四ない三とる(よんないさんとる)節」
に続くインフル三とる節だったのに...

ちなみに四ない三とるとは、寝たきりにしない、させないために

  • 1、冷えない
  • 2、転ばない
  • 3、怠けない
  • 4、争わない
  • 5、野菜・果物をとる
  • 6、休養をとる
  • 7、役割を取る

だそうです。

作者は当時のコザ保健所長吉田朝啓先生

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2010.12.21

真面目に検討すべき新・新型インフルエンザとは?

すべての仕事にはデッドライン(締め切り)を設けなさい
というにならって

就業時間も仕事も、すべて締切を設定する

ことを目標にしたいです(本も買って読みます)

ということで

今後発生しうる新・新型インフルエンザについて
厚生労働省の専門家会議の資料を見ていると

田代委員からのご意見

というのがあった。

国は今回

  • 対象となる新型インフルエンザの多様性を踏まえ、対策も多様
  • 病原性や感染力等が高い場合にも対応できるよう行動計画には 強力な措置を記載するが、ウイルスの特徴(病原性や感染力等) に関する情報が得られ次第、その程度に応じた適切な対策へと切 り替え

等と、想定していたものよりインパクトが小さい場合の
インフルエンザへも対応できるように「弾力的」に対応
するとしているが、上限の規模は、これまでの想定から
大きく変わっていない。すなわち
  • 全国民の25%が感染
  • 流行は各地域で8週間続く
  • 全国的に事業所では従業員の40%が欠勤
  • 医療機関を受診する患者は1300万〜2500万人
  • 入院患者は53万〜200万人
  • 入院患者は1日最大10.1〜?万人
  • 死亡者は17万〜64万人

などなど、今回のA/H1N1とは桁違いの被害規模を維持している。

ところが「田代委員からのご意見」にある資料では
これを真面目に検討したとは思えないと指摘している(以下引用)

健康被害の推定が、スペインかぜを最悪と想定しており、
しかも Meltler の数式(2000)を使用しているなど問題が多く、
H5N1 で予想される最 悪のシナリオが考慮されていない。
最悪のシナリオを想定した被害予測の前提が修正されない以上、
国の基 本方針として、最悪のシナリオに対する必要十分な
準備対応が出来るはずは ない。
発症率 25%、致死率 2%の根拠はない。
ヨーロッパ等の記載(H5N1 を考慮しているとは考えられない)
を援用して、被害想定をそのまま書くこと自体が、
真面目に対策を検討しているとは考えにくい
従って、7 ページの記載については、全面的に再検討が必要である。

想定がなまぬるいということか。

見直しをしない場合には、今回の改定案には到底同意できません。

事務局がこの意見をどうおさめたのか議事録をみないと
わかりませんが、発言力のある方の意見なので、スルー
というわけにもいかないでしょう。

ここが対策の根幹に関わる部分でもあるので、早めに決定
しないと、全国的に作業が滞る可能性もあります。

現場感覚では、昨年の経験や現在の鳥型H5N1の状況をもとに、
病原性が高くなれば、感染者は少なくなる
という原則に乗っ取って想定してもらうと、関係者もイメージ
しやすいんだけどね。


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2010.12.18

月の会社

月の会社

ではなくて、

月ヌカイシャ(美しいのは)ァ10日3日(十三夜)
女童(ミヤラビ)カイシャァ十七つ(乙女が美しいのは17歳)

という八重山の歌(月ヌカイシャ=二揚)
にあるように、今夜の月(旧11月13日)が一番美しいといわれていますよね

というわけで校舎のガラス越しに撮りました。

特に旧暦の11月13日の月は天高く真上から照らすような月
と教わりました。澄んだ空に小ぶりの月が輝いていました。

Img_0183

これはのだけの月。

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「男→女」が「女→男」よりも、8倍感染しやすい(HIV)

異性間のセックスにおいて、感染しやすいのは「男→女」か「女→男」か

文献のサマリー部分だけを訳してみたメモです。



Heterosexual Transmission of Human Immunodeficiency Virus (HIV) in
Northern California : Result of Ten-years Study
(Am J Epidemiol 1997 ; 146 : 350-7)

To examine rates of and risk factors for heterosexual transmission of
HIV, the authors conducted a prospective study of infected individuals
and their heterosexual partners who have been recruited since 1985.

HIVの異性間性的接触による感染割合及びリスク要因を調査するため、著者らは
1985年から募集したHIV感染者およびそのセックスのパートナーに前向きの調査
を行った。

Participants were recruited from health care providers, research
studies, and health departments throughout Northern California, and they
were interviewed and examined at various study clinic sites.

参加者は医療機関や研究所、北カリフォルニア健康部局を通じて募集を行い、聞
き取りと医学的な検査が行われた。

A total 82 of infected women and their male partners and 360 infected
men and their female partners were enrolled.

82名の女性感染者及びパートナー、そして360名の男性感染者及びパートナーが
登録された

Over 90% of the couples were monogamous for the year prior to entry into
the study.

90%以上のカップルは、調査前1年間はパートナー以外との接触は認めなかった。

<3% had a current sexually transmitted disease

調査時点で、他の性感染症に罹患しているのは3%未満だった。

The median age of participants was 34 years and the majority were white.

参加者の平均年齢は34歳で、大部分は白色人種だった。

Over 3000 couple-month of data were available for the follow-up study.

3000カップル×月のデータがフォローできた。

Overall , 68 (19%) of the 360 female partners of HIV-infected men(95%
C.I. 15.0-23.3%) and two (2.4%) of the 82 male partners of HIV-infected
women (95% C.I. 0.3-8.5%) were infected.

最終的に、男性のHIV感染者360名の女性パートナーでは68名(19%)が感染を受
け、女性のHIV感染者82名の男性パートナーでは2名(2.4%)が感染を受けた。

History of sexually transmitted diseases was most strongly associated
with transmission.

感染に最も大きな影響を及ぼしたのが、性感染症に罹患していることであった。

Male-to-female transmission was approximately 8 times more efficient
than female-to-male transmission and male-to-female per contact
infectivity was estimated to be 0.0009 (C.I. 0.0005-0.001).

男性から女性への感染は、女性から男性への感染に比べて、約8倍効率的であっ
た。また、1回のセックスで男性から女性に感染力は0.0009であった。

Over time, the authors observed increased condom use (p<0.001) and no
new infections.

時間の経過とともに、カップルの間でコンドームの使用頻度が有意に増加して、
新たなHIV感染は見られなくなった。

Infectivity for HIV through heterosexual transmission is low, and STDs
may be the most important cofactor for transmission.

異性間のセックスによるHIV感染力は低く、
性感染症が存在するかどうかが最も重要な要因だ。

Significant behavior change over time in serodiscordant couples was
observed.

時間の経過とともに、片方が感染しているカップルにおいて、
重要な行動変容が観察された。


なぜ「男→女」が感染しやすいかについては

  • 感染する面積の広さ
  • 症状の出にくさ
  • 性感染症への罹患しやすさ

などで、女性が感染を受けやすいことなどが考えられます。

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2010.12.16

発熱 血培 Dセット

見出しがインパクトあったこの記事。
菌血症 本土の5倍 乳幼児の髄膜炎要因(沖縄タイムス12/15)

5歳未満の小児が菌血症にかかる率を年間10万人当たりで
比較すると、沖縄県は平均値は111人で、本土(沖縄を除く
1道8県、北海道は髄膜炎のみ、厚生労働省科学研究班調べ)
の平均値19・3人の約5・7倍に上った。

理由はわかっていない

もとになった研究というのは、たぶんこれでしょう

小児における侵襲性細菌感染症の全国サーベイランス調査
(IASR Vol. 31 p. 95-96: 2010年4月号)

あくまでも推測ですが、沖縄の子どもたちだけが
「菌血症になりやすい」というよりは、沖縄では
「菌血症と診断される割合が高い」と考えるのが自然。

それと関連する記事はこれ。
血液培養同時複数セット採血の有用性(ビオメリューニュースレター)

血液培養検査は、感染症を診断する上で 最も重要な検査であることは周知の通りであるが、日本における血液培養実施件 数は欧米と比較して少ないとされている。一方沖縄県では、一般細菌検査に占める血液培養の割合が20%を超える施設が 多く、当院における血液培養も2005年の1 年間では3,278件あり、一般細菌検査全体 の35.4%を占めている(図1)。この現象は、沖縄県が血液培養に関しては日本本土よりむしろ米国の影響を受けているためと考えられている。

血液培養検査が保険診療点数で1日1回しか認められないため
検出率も低く、そのため提出をためらう医師も多いという問題
があるようです。

青木眞先生の感染症診療の原則「チーム血培」の関連記事やコメントを見ても
この問題が取り上げられています。

OCHインターンの頃は、病棟で発熱ワークアップをする際には
Dセットにイソジン綿球を詰めて、血培採った記憶が染みついて
います(2セット採らないとレジにしばかれた)

この記事で、もう1つ気になったのが

発症すると約2割に死亡や重い後遺症が出る細菌性髄膜炎は、
発症率は県内、本土とほぼ同じ

発生動向調査では、沖縄県は全国の症例数の約2割を占める年も
あるほど、報告が多い(沖縄県感染症情報センター参照)
んですが、これもtrue increase in incidence ではない可能性がありますね(安心)


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2010.12.13

イクメン王国沖縄?

今月から使い始めたほぼ日手帳の「ほぼ日」は
確か、ほぼ毎日という意味だったと思います。
ほぼ日刊イトイ新聞にサイトには

ほぼ日刊イトイ新聞はスタートしました。
以来、「ほぼ」といいつつ、
一日も休むことなく更新されています。
13年目の「ほぼ日」も、
どうぞよろしくお願いしますね。

週末読んだ新聞記事に

沖縄の「ほぼ」は実質週3回ぐらいかも

とありました。

元記事はこちら(AIG家族力研究所)の家族意識と県民性調査
妻に対して「夫はどの程度、家事・育児を手伝うか」と聞くと
「ほぼ毎日」と回答したのは、47%で沖縄がトップだったらしい。

イクメン王国おきなわ

しかし、単純に受け入れるわけにもいかないようです。

この結果に対する考察としては

沖縄の夫は妻子には優しいですが、自分本位の一面もあり、
おおらかで大雑把。というわけで、沖縄の「ほぼ毎日」は、
実質週3回ぐらいかもしれません。

選択肢の解釈にも県民性があるということか


すごい考察だなぁと思ったけど、いっしょに掲載されている別調査
配偶者の帰りは遅くなっても、寝ずに待っている」割合では
沖縄県はワースト1

沖縄出身の男性は飲みはじめる時間が遅いし、飲んで
いる時間も長く帰宅が遅くなりがち

また妻は、姉さん女房型
でもキツく接せず、たまには優しく迎えてあげる
こと。男性も、たまには、男っぽく振る舞ってみ
るのもおススメです。

となっているので、やっぱり


尻に敷かれ気味


ということではないんでしょうか。

既存の統計調査の結果と合わせて、シビアな考察までは
しないくらいのゆるさがいいんだはずね。

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2010.12.09

現代のスティグマ(大谷藤郎)2

「現代のスティグマ」の著者、大谷藤郎さんが亡くなったという
ニュース(毎日産経日経

ご冥福をお祈りします。

医務局長時代に国の医療行政の責任者としてハンセン病施策を担当。 在職中から患者の人権回復運動にかかわり、 患者隔離を定めたらい予防法の廃止(96年)に尽力した。

6年前の名護での人権フォーラムでの前に、このブログでも
紹介していました(ooyake 現代のスティグマ

そこからの孫引きですが

偏見は一般の人々の間に初めからあるのではなく、専門家や役人などの 関係者によってつくられ、知らない間に一般化してしまう。 そして我々は油断していると、いつの間にか知らない間に、弱い人、病気の人に 対して加害者になってしまうという、人間の本質的な悲しさのようなものがあり、 それを自戒すべきではないか。

日本では、1996年までハンセン病患者を法律によって
差別的な扱いをしていた。

元気で世間で陽のあたる所を歩いている多くの人々はそのような悲しみの少数者 (エイズ、がん、白血病、難病などで苦しんでいる人)がいることを知らず、たとえ知っても 自分がかかわりあいになることを恐れて知らぬふりをし、ひどいのになると自分よりいちだん 下の人間であると侮蔑の念を持って遠くから冷たく見ている。
この文章を読んで、石原都知事の同性愛者に関する発言が思い浮かんだ (毎日新聞
東京都の石原慎太郎知事は7日、同性愛者について「どこかやっぱり足りない感じがする。遺伝とかのせいでしょう。マイノリティーで気の毒ですよ」と発言した。

同性愛者に対するスティグマを押す知事。

スティグマとは、もともとギリシャ語で
「焼きごてでしるしをつける」など肉体上の「しるし」を意味し、
これをつけることによって、奴隷、犯罪人、謀叛人などに
汚れたもの、卑しむべきもの
という烙印を貼って 世間に知らしめたもので、
共同体のスケープゴートの対象でもあった。

スティグマを押しているのは知事だけではない
という認識も必要。


この石原発言に言及するマスコミが少ない
毎日岡山版きび談語くらいしか見つからない)
のも気になるところ。

明日の人権デーを前に、
人権について考えさせられる報道が相次いでいますね。

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2010.12.03

朝食のおかげさま

朝食は大切

でも、これを食べたらこんなにいいことがある!というよりは
朝食べないと

  • 脳が目覚めず、活力が出ない
  • 昼におなかがすいて、一気に食べ過ぎてしまう
  • 便通のリズムが崩れる
  • 将来の生活習慣病につながる

など、いろんな問題のもとになるよという表現が多いね

逆に今、快調に生活できているのは「朝食のおかげさま」
ということかもしれません。

健康おきなわ21のチャーガンジュー9か条
ちゃんと朝食 あぶら控えめ おいしいごはん
と、トップバッターになっています。

保健所主催のヘルシーメニューコンテストが行われ
優秀な作品が表彰されましたというニュース
琉球新報八重山毎日新聞

朝食はほとんど食べたことがなかった。 コンテストを機に、毎日食べるように頑張りたい

こういう高校生が増えることをめざしています。

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