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2011.02.28

HTLV-1と糞線虫

母子感染防止に関する相談に加え、一般的な相談窓口も
全国の保健所に開設されることになったHTLV-1感染症。

有効な母子感染予防策の根拠を固めることはもちろん大事ですが、
丁寧な相談、カウンセリングも大切な気がする(とても)

「HTLV-1と言えば糞線虫」とチェックすることを叩き込まれた
研修時代の記憶があり、そういえばどうしてだっけと思って(情けないね)
調べてみた。

まず糞線虫(画像はこちら=県立宮古病院

感染経路として

  • F 型幼虫(感染幼虫)にまで発育したものは健康な皮膚を穿通する能力をもち,経皮的にヒトに感染する。
  • 経皮感染した幼虫は3日目に肺に移行し気管,喉頭を経て小腸に達し,その粘膜内に侵入し成虫となる。
  • 下肥(人糞)を使う畑などでの素足の作業は感染を受けやすい。
  • 宿主の腸管内で孵化幼虫が脱皮後直ちに F 型幼虫となり腸粘膜や肛門の皮膚から感染することもあり,これを自家感染(autoinfection)および過剰感染(hyperinfection)とよぶ。自家感染は数十年,ときには生涯続く。

症状(merckマニュアル日本語版

感染は無症候性の場合がある。移行する幼虫に対するアレルギー反応は,ときに皮膚症状を来す;larva currens(‘糞線虫幼虫移行症')すなわち蛇行性移動性じんま疹は特徴的症状であるが,非特異的な斑点状丘疹またはじんま疹様発疹が生じうる

HTLV-1ウイルスとの関係については(CDCより

Immunocompromised individuals, especially those receiving systemic corticosteroids or patients with HTLV-1 infection, are at risk for hyperinfection or disseminated disease, characterized by abdominal pain, diffuse pulmonary infiltrates, and septicemia or meningitis from enteric gram-negative bacilli. Untreated disseminated strongyloidiasis has high mortality.

(全身的なステロイド投与を受けていたり、HTLV-1感染等の免疫抑制状態では、過剰感染や播種性疾患のリスクが高まり、腹痛、肺への浸潤、敗血症や髄膜炎という症状が発現し、治療しない場合は高い死亡率となる)

ということで、特に高齢者では注意が必要。でした。


沖縄県内で行われたシンポジウムの記事はこちらです
琉球新報2011年2月14日

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