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2011.03.26

避難所分析(非常食編)

缶詰時報という業界雑誌があるらしい(初めて知った)

非常食には、ベビーフードがいいらしいということも
新型インフルエンザ対策で習った覚えがあったので、
調べ直してみた。
非常食としても役立つ缶詰・瓶詰・レトルト

その中に
『被災地の食事と缶詰・レトルト食品-新潟県中越地震を経験して-』
缶詰時報2005年5月号掲載 (PDF)

という論文がありました。

震災から2週間たっても、避難所ごとに状況が異なることが
報じられている。水や熱源、そして食料の供給状況によって
ステージ分類して、効率的に分配できるとか、あるいは、
支援者がこれから行く避難所の状況に応じて、自分の食糧を準備する
ということに役立てばいいですね。

抜粋して概要を紹介します。


5.被災地の食事の条件

  • 被災地の食事は,何時,誰がどのような状況下で食べるかによって求められる条件が異なっていた.
  • これらの条件が合わなければ,配給されても食べることが出来ないこともある.
ステージ別の非常食
被災地での食事を具体的に検討する場合は,水と熱源の有無によって食べることができる食品が 変わる.水と熱源,食糧の入手経過によって分類すると次のようになった.

第1ステージ (調理用の水も熱源も入手できない段階)
被災地では,震災直後にライフラインが遮断され,電気,ガス,水道の供給が停止した. また, 家屋の倒壊,火災の発生などにより避難を余儀なくされるため,食事をめぐる状況は最悪となる. このような状況下で,飲料水だけでなく調理用水 も熱源の入手も困難であるため, 調理済みで開封するだけで食べることができる食品が求められた. また,この時点では被災地の外からの救援物資などの入手も不可能であり, 食べることのできる食品は災害前から被災地周辺で備蓄・流通していた食品となり, この状況はライフラインが遮断された範囲内すべての被災者が対象となる.

第 2 ステージ (お湯の入手が可能な段階)
次の段階では,電気の復旧やカセットコンロなどでお湯を作れる第 2ステージとなる. 給水車などから入手した水を温めることで,多くの配給された備蓄食品 (アルファ化米,カップ麺,フリー ズドライ食品など)を食べることができるようになった. しかし,この食生活ができるのは,食品のほかに調理用の水と熱源と 調理用具(鍋,やかんなど)を入手できた被災者に限られた.

第 3 ステージ (救援食料が入手できる段階)
この段階では,避難所で救援物資を受け取ることが可能となる. 中越地震の被災地では,最初に おにぎりやパン,ペットボトル入り お茶などの支給を受けることができた. つぎに自衛隊やボランティアが中心となり炊き出しが行われたが, 屋外で簡単な調理によって食べることのできるメ ニューに限られ, 衛生管理の問題,調理器具の入 手の難しさ,水不足などによる野菜の洗浄などが 思うようにできないなど多くの課題が指摘され た. しかし,避難所内では火災の危険があるため調理ができるところは少なく, 電子レンジの使用も電気容量の不足などのため使用できなかった避難所が多かった.

非常用食品の条件
  1. 調理済みで開封するだけで食べることができ る
  2. ライフラインに頼らず,おいしく食べやすい 食事である
  3. 常温保存が可能で個別包装である
  4. 喫食対象者が明確でニーズに対応している
奥田和子 食の科学2003. 7(No. 305)より

この他、中越地震被災者へのアンケート結果で 最初の3日間の食事で食べにくかった食べ物として
  • パン(菓子パン含む)→飲み込みにくい、ぱさつく
  • おにぎり→冷たくかたい
  • ビスケット、クラッカー→飲み込みにくい
とか、義歯を持っていない高齢者は固いものが食べられなかった等 参考になる記載があります。

非常食以外にも、多くある避難所の特徴を分析する視点は必要ですね。

(キリ番55万)

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