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2011.03.06

空気の流れvs結核

昔の公衆衛生看護婦(公看さん=現在の保健師)たちは結核患者の
家を訪問したら、まず「窓開けましょうね」と言って換気をして
風上に座ってお話をするようにしたという話を聞いたことがある。
結核は空気(飛沫核)感染するので、空気の流れを読まんといけない。

ということで、先週の研修での病院建築の専門家の講義メモより抜粋。

詳細は、平成20年度の厚生科学研究の報告書(PDFはこちら)をどうぞ。

結核を想定した感染症指定医療機関の施設基準に関する研究(平成20年)

病室
  • 原則として個室とすること
  • 自由に行動できる特定区域をもうけることが望ましい
  • 前室を有していることが望ましい
  • 易感染性を収容する病室には前室をもうけること
  • 部屋の広さはトイレ、シャワーを除き15平米以上が望ましい
  • 病室または特定区域内にトイレ、シャワーを設けること
病室の窓、扉
  • 病室の開口部はできる限りふさぐこと
  • 病室の扉は自閉式とすること
空調換気設備
  • 原則として陰圧を保持すること
  • 適切な換気を行うこと
  • 患者と安全に接することができるように空気の流れる方向を設定すること
    吸気口と排気口の位置関係
    • ベッドの近く(窓際)から外へ排気して、入り口側から取り入れる流れだとOK
    • しかし一般の建物では逆(窓際近くで温度管理するため)
    • 調査した16区画中11区画が逆の流れだった
    • これでは「どうぞうつしてください」という構造
  • 空気の流れが施設内の清潔区域から汚染区域へ流れるようにすること
  • 全排気方式とすること
  • 空調を再循環方式とする場合はHEPAフィルターをつけること
  • 独立した換気システムとすること
  • 直接屋外へ排気してよい。場合によってはHEPAフィルターを設置すること
  • 排気口は建物の外気取り入れ口や病室の窓から離すこと
  • 給排気装置が停止した場合の対策を講じること
給水、排水
  • 病室内に手洗い設備を設けること
  • 手洗い設備の水栓は手の指を使わないで操作できるものが望ましい
  • 排水を適切に処理すること
検査等
  • 結核患者が使用する検査室(気管支鏡等)は陰圧とすること
  • 採痰ブースは空気がもれない閉鎖空間とすること
運用に関する基準
  • 結核患者を収容している間は窓を開けないこと
  • 陰圧状態を毎日点検し記録をすること
  • 手技はできる限り当該病室で行うこと
  • 長期間の隔離を強いられる患者の療養環境に配慮すること
  • スタッフや家族が出入りする際はN95マスクを着用すること
  • 患者が病室外へ出る場合はサージカルマスクを着用させること
  • 特定区域外の部屋を使用する際は一般の患者と同時に入室させないこと
  • HEPAフィルターの適切な保守管理を行うこと
  • 院内感染対策委員会による適切な運用評価をすること

ナース控え室でずっと換気扇が回っている結核病棟があったけど、
それでは空気が控え室に流れ込んでくるという事例もあったそうです。

その他、Tipsとして
陰圧(空気流の方向)の確認方法として、ベビーパウダー等でも代用
できるということです。

参考)神奈川県受動喫煙防止条例の資料には

簡易な確認方法
なお、日常的に簡易にたばこの煙の漏れを確認する方法としては、蚊取線香
等の煙を用い、測定者の視覚と嗅覚によって煙の漏れを確認する方法が有効
である。

とありました。受動喫煙はにおい成分でも起こりうるからですね。

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