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2011.05.31

受動喫煙死

今日は世界禁煙デー

どのくらい「タバコ(外来語なのでカタカナ標記が正しいらしい)」に
関するニュースが流れるか注目しましょう。

地元新聞紙に掲載された原稿
タイトルは
「出入り口付近でタバコを吸わないで」


八重山から世界につながる空の玄関口、石垣空港を筆頭に、市内の
スーパーやコンビニ、飲食店、体育館、公民館等の施設において、
灰皿が出入り口付近に設置されているために受動喫煙が発生する
事態となっています。

受動喫煙とは、タバコを吸わない人が周りのタバコの煙を吸わされる
ことを言い、涙が出る、くしゃみが出る、のどが痛い、咳が出る、
ゼーゼーする等の急性の症状や、長期に吸わされた人では、肺がんや
循環器の病気にかかりやすくなることがわかっています。

国立がん研究センターの推計では、わが国では1年間に6800人の方が
受動喫煙のために亡くなっています。言い換えれば、受動喫煙を
なくすことによって、1年で6800人の人命を救うことができる
と考えられます。

この6800人の内訳を見ると、男性が約2200人に対し、
女性が約4600人と女性が多く被害を受けています。本人は
タバコを吸っていなかったにもかかわらず、肺がんや虚血性心疾患で
死亡した方は、受動喫煙の被害者である可能性があります。

喫煙はタバコを吸う人自身の死亡のリスクを高めますが、家庭や職場で
家族や同僚の健康にも悪い影響を与えています。禁煙を希望する方は、
今は薬局や医療機関で「ニコチン依存症」の治療をすることをお勧めします。

受動喫煙防止対策の歴史は、平成15年の健康増進法第25条によって
多数の者が利用する施設の管理者は、受動喫煙防止のために必要な
措置を講じることが義務づけられました。その後、平成22年2月には
厚生労働省健康局長は多数の者が利用する公共的な空間については
原則全面禁煙であるべきとし「屋外であっても子どもの利用が想定される
公共的な空間では受動喫煙防止の配慮が必要」と通知、さらに同年7月
には「受動喫煙を防止するため、喫煙場所を施設の出入り口から極力離す」
よう指導しています。

出入り口付近のタバコの煙は、施設を訪れる他の人が吸い込み、
さらに出入り口が開閉するたびに施設の中に流れ込んで受動喫煙が
発生する可能性があります。出入り口を通る時に息をこらえて
歩いている人がいることを、施設の管理者及び喫煙者は知るべきでしょう。

この状況を改善するには、灰皿を出入り口からなるべく離れた場所に
移動し、出入り口付近が禁煙であることを示す標示を行うべきです。

最近になって、このように受動喫煙防止対策が急速に強化されてきた
背景には、我が国を含む170カ国以上の国々が批准しているタバコ
規制枠組み条約(FCTC)が2005年に発効したことが影響しています。
世界保健機関(WHO)は、今後も条約で約束されている受動喫煙防止
対策の強化、パッケージへの警告表示、禁煙治療、タバコの値上げ等の
政策を各国に求めていくことになっています。


この受動喫煙死6800人の推計方法はがんセンターのサイト(PDF)
にあります。

  1. 能動喫煙率と能動喫煙の相対リスクにより、疾患別死亡に占める非喫煙者の割合を算出した。
  2. 同様に、非喫煙者内の受動喫煙曝露割合と受動喫煙の相対リスクにより、非喫煙者内の疾患別
    死亡に占める受動喫煙の割合を算出した。
  3. 1および2から、疾患別死亡に占める受動喫煙の割合(受動喫煙の人口寄与危険割合)を算出し、
    これを疾患別年間死亡数に乗じて受動喫煙起因年間死亡数とした。

現在数合わせ作業中

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2011.05.29

エイズ検査が必要な理由

エイズ検査普及週間を前に。

どっかに投稿する原稿の原案


2010年に我が国で報告されたエイズ患者数が過去最多であったことがわかりました。エイズとは、HIVというウイルスに感染した人が、6~10年の潜伏期間を経て、免疫状態が低下し、さまざまな病気にかかってしまう症候群のことを指します。報告では、HIVウイルスに感染した人(HIV感染者)が1075人、エイズを発症した人(エイズ患者)が469人となっていて、合計1544人で前年より92人例増えています。1日あたり新たに約4人が報告されていることになり、感染の広がりが心配です。感染は、主に男性同士のセックスにより広がっておりHIV感染者、エイズ患者ともに日本国籍の男性で増加傾向が続いています。沖縄県の報告数は、2009年の22人から2010年は13人へ減少しています。減少したとは言っても人口あたりの感染者数は、東京、大阪、愛知に次いで全国で4番目に多い状況です。でも、本当に感染そのものが減ってきたのでしょうか?県内保健所でのHIV抗体検査数は3年連続減少しており、2010年は前年より10%減の2464件となりました。つまり、報告数が減った理由として、検査を受ける人が減ったということが影響しているかもしれません。HIVウイルスは、性行為によって感染しても約10年近くは自覚症状がないためを受けないと感染したかどうか気づきません。しかし、この間もセックスによって他人に感染させる可能性はあります。だから検査を受けることは、本人の早期診断・早期治療という面だけでなく、パートナーに感染を広げないという面でも重要です。6月1日から7日はエイズ検査普及週間として、八重山保健所でも平日(月~金)は即日検査を実施します。検査は無料、匿名で、その日のうち(約2~3時間後)には結果をお知らせします。希望される方は保健所(82-4891)まで。


検査を受けて欲しい人にターゲットを絞った検査キャンペーンができれば
ベスト。でもそれがすぐにできないときには、ターゲットを意識しつつ
検査数全体を増やすような取り組みも必要?

マーケティング的にはどうなんだろう?

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2011.05.26

麻しんと思ったら風しんだった症例

IASRの茨城県からの報告
麻しん疑い症例から風疹ウイルスが検出された事例(輸入症例を含む)

臨床的に麻しんを疑った場合に検査診断(PCR)で確認するという流れが
以前よりは広がっているようです。沖縄でこの体制が確立できたのは

  • 地方衛生研究所
  • 保健所
  • 本庁
のトライアングルが機能したからだと思います。

で、PCRで麻しんかどうか確認するわけですが、今回のレポートでは
麻しんではない症例に風しんのPCRをかけたという内容(すごい)

麻疹ウイルス不検出症例の咽頭ぬぐい液および血漿を材料とし、
風疹ウイルスの遺伝子検査(RT-PCR)を実施したところ、
4例から風疹ウイルスが検出された。4例の詳細はのとおりである。

症例はいずれも男性。男性に感受性が高いというのも納得

また、20~50代の男性には風しんに対する免疫を持たない人が多い
ことが報告されている

沖縄県では年間最高220件くらいの麻しんPCRをしたことがある(はず)
この全例に風しんPCRを実施することは不可能だと思いますが、
疑い患者の近くに妊婦がいるなど、風しんまでカバーした方が
いい例があるかもね。

ちなみに沖縄ではじめて発見されたつつが虫病の症例
最初は麻しん疑いでPCR実施されています(IASR)。

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2011.05.18

タバコを吸うと 病気になるよ ゆーしったい

今石垣で最も売れているCD(と店に書いてあった)
きいやま商店の「さよならの夏」に収録されている
ゆーしったい。子ども達にも大人気らしい。

ゆーしったい ゆーしったい わん(俺)の言うこと聞かずに ゆーしったい テケ テケ
というフレーズが耳に残る。コミカルなMCも上等。

世界禁煙デーが近づいて、保健所には今年も標語がたくさん
送られてきた。
さすがに、ゆーしったいという作品はなかったけど、
意味が同じ(言わんこっちゃない、知らないよ、だから言ったでしょetc)
ようなものは目につく。

FCTCがきちんと守られれば

タバコの有害性についての情報(絵や写真も可)が
包装の50%以上(最低でも30%以上)の面積に表示
されなければならない
ので
諸外国のようなグロい表示も可能になる

タバコを吸う人は、その表示も見て、それでも
有害物質を肺に吸い込むのだから、ゆーしったいと
言われる可能性もあります(日本の表示はどうでしょう?)

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2011.05.13

韓国で原因不明の肺炎患者(主に妊産婦)は感染症ではないとの暫定的結論

となりの韓国で原因不明の肺炎が報告されているらしい
という噂はネットで見かけてたので「コリャ大変だ」と
思っていたのですが、どうやら

感染症ではないと暫定的に結論を出した

というニュース
(以下の日本語版ニュースを参照下さい)

概要としては

最近、ソウル市内の病院に7名の肺炎患者が入院した。
患者のほとんどは分娩(ぶんべん)期の女性で、
初期段階では肺結核や心臓機能不全などと診断されていたが、
同病院に転院後に「不明ウイルスによる肺の繊維化」と診断された。
患者のうち36歳の女性は脳出血により10日午前に死亡した。
残りの患者の容体は安定しているという。

「ソウル市内のA大学病院に入院中の6人の患者に対して、
病原体(細菌・ウィルスTM)を検査した結果、1人だけから
アデノウィルスが分離された」と発表した。

共通したウィルスが検出されいない点、居住がみな異なる点、
家族や老人・慢性疾患患者のような免疫低下者から発病して
いない点などから、地域社会で流行する可能性は低い

ということで、SARSのようにウイルスの変異により流行が拡大
するということではなさそうです。

肺線維症の原因は、特定の薬物や毒性の食品、環境要因などの可能性
について

医療陣が追加で疫学調査を行うだろう
ということです。

気になるのは
以前にも小児で同様の症状を訴える集団発生があった
(同じ季節に)とか、
妊婦たちのインターネットコミュニティ「マムズホーリック」
などには、似たような事例を訴えたり、病院を訪ねるべきか
どうかに関する問い合わせが増えている。とのことです。


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2011.05.07

不寛容の原理

読みかけの本

論理病をなおす!処方箋としての詭弁(香西秀信)

より。

まず寛容の原理(principle of charity)については

例えば相手の議論が複数の意味で理解されるとき、
できるだけその議論が妥当となるように、
相手に都合良く解釈してやること

だそうです。

不寛容の原理はこの逆で

相手の議論が複数の意味で理解されるとき、
できるだけその議論が誤りとなるように
相手に不利に解釈しようとすること

だそうです。

相手の議論中に現れる言葉が多義的であることに乗じ
相手の意図したであろうことを無視して、なるたけそれを
不合理で馬鹿げた意味に解釈し、それによって相手の議論
全体を葬り去ろうとする-あるいはこちらの主張に有利なように
変質させてしまう-ような詭弁がありうる。

具体的な例として
「みだりに芝生に入ってはいけません」
という立て札のある公園で、ある男が芝生に入って弁当を食べていた。
それをみた管理人が
「この立て札が目に入らぬか」
と咎めた時に、男が
「みだりになんか入っていない、自分が芝生に入ったのは今日が初めてだ」
と言い返した。

「みだりに」には「むやみに」という意味があるので、そう考えると
男は決して「みだりに芝生に入っては」いない。
だが「みだりに」はこれ以外に、「好き勝手に、わけもなく」等の意味もある。
立て札を立てた管理人の意図はここにあったと考えるべきで、
それを「むやみに」の意味で受け取った男は、やはり解釈において
不寛容だったのである。

と説明しています。いるよねぇ、こういう人。

まだ続きます。

では、こう言われた男が「ではなぜ『みだりに』などという余計なもの
をつけた。『芝生に入ってはいけません』だけなら自分は誤解しなかった」
と管を巻いてきたとしたらどうだろう。もともと「みだりに」には大した
意味はなく、注意書きとしては「芝生に入るな」で十分である。が(中略)
こう書くと「いついかなるときも、絶対に入ってはいけないのか」と
絡んでくる人間がいるといけないので、あまり意味のない「みだりに」
を飾りのように付けたということだろう。

要するに「みだりに」に特別の意味を読み込もうとすること自体がすでに詭弁である。


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2011.05.01

避難所の駐車場が満車である理由

ゴールデンウィークに突入し、被災地へボランティアで訪れる
人の数も急増しているようです。

  • ボランティア、連休で集中 宮城で受け入れ中止(朝日
    宮城県では気仙沼市などのVCが28日までに 連休中の新規登録の受け付け中止を決めた。 処理能力を超えた希望者が殺到し、受け付け業務が パンクする可能性が高いと考えたためだ。
  • 大型連休ボランティア被災地へ 志願者急増 調整に苦心(47news
    宮城県気仙沼市はボランティアの善意を無にすまいと、 「地域まるごとお掃除隊」という新しい活動を設け、 人員を割り振った。南三陸町も水に漬かった写真や アルバムを洗浄する活動を用意した。
もちろん、連休が終わっても人手は必要です。

宮城県災害保健医療支援室では避難所運営を手伝う
「なんでもやります隊(第6次隊=5/5-5/10)」を募集中。
詳しくはホームページをご覧下さい。

さて、ボランティアに関連して、はしかに関する注意が
報じられています。もともとはしかは春に広がりやすい感染症。
東京都感染症情報センターによれば

  • 16週(4/18-24)では、区部を中心に13例の麻しん患者が報告
  • 16週(診断週)に報告された遺伝子型はほとんどがD4型(主にヨーロッパで流行している遺伝子型)で、海外から流入した麻しんウイルスが都内で流行しています。
  • 2011年に都内で報告された麻しん患者のワクチン接種歴は、「なし」の者が33.3%を占めています。
  • ワクチン未接種者を中心に今後都内で麻しんが流行する可能性があります。

ということで、国立感染症研究所は
「はしかにかかったことがあるかどうかや
ワクチン接種をしたかが分からない人は、
ワクチンを接種してから被災地に行ってほしい。
体調が悪ければ行かない英断をして」

そう思います。

ところで、私が行った避難所の駐車場は、昼も夜もほぼ満車状態。
きっと支援関係者の車が多いためだろうと思っていましたが、
朝になると理由がわかりました。

朝になって、お湯の配給やご飯の炊き出しが始まる時間になると、
車の中から住民が出てきて、避難所住民といっしょに並んで
配給を受けていました。何らかの理由で避難所に寝泊まりすることが
難しい住民、家族が、車中泊を余儀なくされているのでした。

エコノミー症候群のリスクが高いと言われている車中泊生活。
しかも移動可能であるだけに、支援者側もニーズ把握が難しい
グループとなります。こういう人に情報届けるには、ラジオとか
道路標示とかかなぁ。


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