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2012.01.31

健康づくり県民運動のキモ?

健康づくりには個人だけでは限度がある

として、米国心臓協会(AHA)が呼びかけた内容(原文検索中)
を配信記事より抜粋

  1. 学校のカリキュラムに質の高い体育授業と毎日の運動時間を取り入れる
  2. 給食に野菜や果物を増やし、食塩と砂糖を減らす
  3. 歩道や自転車専用道路を整備し、運動しやすい環境を作る
  4. 食品への砂糖、食塩、トランス脂肪酸の添加を減らす
  5. 低所得層も購買可能な価格で野菜や果物を販売する
  6. レストラン、職場などでの禁煙を徹底する
  7. たばこ製品に増税する
  8. 禁煙運動に助成を行う
  9. 健康格差解消のための資金を拡充する

学校教育プログラムへの介入、低価格で食材が入手できるようなしくみ、
禁煙活動をしている人への支援などは、参考になります。

上の環境整備を行って、意識せずとも健康的な生活習慣が送れるかも
しれないないようですが、例えば、これらが県民運動になるかと
言われると、まだ弱い気もする。弱いキモ...

幅広い世代の毎日の生活に関わり、かつ、多岐にわたるので、
どうしても、対策の羅列になってしまうのはしょうがないところか。

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2012.01.24

餅とマラソン

八重山に赴任している間に達成したい目標の一つに
サブフォーランナーになる!
を設定した(達成感マラソン参照)

いろんな本を読んでいるうちに、マラソンを走る当日に
お餅を食べると良いというのがあった。
それまでのイメージとしては、餅→消化に悪い→ムカムカ→走れない?
というものだったので、調べてみると...

びっくり!お餅の効能(全国餅工業協同連合)
によれば

メリットの1つ目が、運動中の主なエネルギー源となる
“糖質(炭水化物)”が豊富に含まれていること。

お餅トークというイベントの中でもあの千葉真子さんが

千葉さんはお餅との関係はいかがですか? 千葉さん : 私はいつもレース前にお餅を4つくらい食べていました。 増田さん : 4つも食べるんですか? 千葉さん : はい。多いでしょうか?普通の大きさのお餅です。というのも、マラソンレースを1本走ると、大体3000kcalのエネルギーが必要なんですよ。 増田さん : 3000kcalってかなりですよ。 こばたさん : 運動している30代男性でも一日3000kcalくらいが必要量になります。 千葉さん : ですから、それくらいのエネルギー源を必要とするフルマラソンは、いつも不安なんです。今日走れるかな、最後まで行けるかなって不安で、お餅を食べておくと安心感がありました。消化に良くて腹持ちが良いので、お餅を食べたら自分は行けるというジンクスのようなものがありました。

つまり
餅→消化がゆっくり→持続的に働く→腹持ちがいい

と考えればいいみたい。

1月22日の石垣島マラソン(フル)当日は、朝食後、出発まで
餅を7個食べて、レース中の空腹感によるペースダウンを免れ
目標タイムでゴールできました。

(後半はサブフォー達成レポート→ちょっとマニアックな内容です)

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2012.01.16

キャリアからの感染にも注意(髄膜炎菌性髄膜炎)

5類感染症全数報告の髄膜炎菌性髄膜炎について調べ中

他の細菌性髄膜炎と違って

くしゃみ等の飛沫で感染するため、大流行の起因菌となるという特徴

を持つ

昨春には宮崎県内の高校の学生寮で流行して沖縄県出身の
新入野球部員が亡くなるという悲しい事例もありました(沖縄タイムス記事

そのアウトブレイクに関するネット記事がいくつかありました

対応としては、

感染拡大防止と事例終息に向けた公衆衛生対応として、
保健所による濃厚接触者に対する予防内服の勧奨
症例および予防内服者とその周辺から新規発症者がないことの
確認を目的とした健康調査が行われた。
また、追加症例報告がないことの確認を目的とした強化サーベイランスが実施された。

検体については

各医療機関の検査部または外注検査機関が細菌培養検査と薬剤感受性試験を行い、
宮崎県衛生環境研究所が血清群別試験およびパルスフィールド・ゲル電気泳動(PFGE)法、
国立感染症研究所細菌第一部がmultilocus sequence typing(MLST)法を実施した。

届け出が遅かったことが課題として挙げられています。

一番早い4月29日に発症したのは男子寮の厨房の調理担当者でした。
4月30日に救急搬送入院し5月14日に退院しました。
発熱・強い頭痛・嘔吐・下肢冷感が見られ、髄膜炎菌性髄膜炎でした。
5月6日に髄膜炎菌が検出されましたが、保健所に髄膜炎菌性髄膜炎
患者発生の届け出がされたのは、5月18日と遅かったです。

保健所の調査は医療機関からの届け出があってはじめて動くので
早めの連絡は大事。

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2012.01.10

スポーツニュースでノロ!

連休中は天気も悪く(沖縄だけ?)テレビでスポーツ観戦。

結果を見ようとスポーツ紙を調べてたら、意外に目につくノロのニュース。


数年前には中学駅伝でも広がったと記憶している。

冬場のスポーツは、競技のほかに、感染症対策などの
健康管理も大切ということです。遠征チェックリストの中に

  • 予防対策(手洗いの徹底等)
  • 発生した時の対応
も含めましょう

発生したときのいわゆるゲロ対策が、NHK沖縄のニュースで
紹介されていました。

なまからハイサイ:冬は要注意ノロ対策

老人施設や保育園等で発生した場合を想定した対応が
紹介されていますが、一見頑丈そうなスポーツ選手にも
ノロは襲いかかります。注意しましょう。

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2012.01.04

チェックリストは何のため?

「アナタはなぜチェックリストを使わないのか?」(晋遊舎)
アトゥール・ガワンデ 著 
吉田竜 訳

Checklist2


著者らが作成したWHO手術安全チェックリストの内容は以下の通りである

麻酔前の7つのチェック Sign in

  • 患者は身分証明をし、手術に合意しているか
  • 手術箇所に印がつけられているか
  • パルスオキシメータが装着され、正常に作動しているか
  • 使用している薬とアレルギーの確認は済んでいるか
  • 気道に関連したリスクはないか
  • もし0.5ℓ以上の出血の可能性があるならば、輸血用血液、輸液、点滴ラインは確保されているか

メスを取る前の7つのチェック Timeout

  • チームメンバーが全員の名前と役職を述べたか
  • 患者の名前と、何の手術をどこにするかを全員が把握しているか
  • 抗生物質は適切なタイミングで与えられたか(もしくは不要か)
  • 必要な画像は表示されているか
  • 外科医は手術の所要時間、備えておくべき出血の量を話し合ったか
  • 麻酔科医は麻酔の計画と懸念事項を話し合ったか
  • 看護師は器材が揃っているか、滅菌されているかを話し合ったか

手術後、患者を運び出す前の5つのチェック Sign out

まず外回り看護師は声に出して
  • 行った手術の名前
  • 病理診断に回す組織があれば、ラベルが付けられているか
  • 針、ガーゼ、器具が全てあるか
  • 次の手術の前に対応していくべき器材の問題などはあるか

そしてチーム全体で
  • 患者の術後の治療計画と懸念について話し合う

(上の表現はこの本の訳を参考にしています。
原文はWHOのサイトをご覧下さい)

特徴としては

  • 所要時間は60秒以下を目標にした(簡便性と有効性の両立)
  • 外回り看護師がチェックを開始する(権限の分散)
  • 単純な手順の確認チェックと、(チームとして問題解決に取り組むための)コミュニケーションのチェックの2種類から構成される

このチェックリストを世界の8つの病院に3ヶ月間導入したところ

  • 深刻な合併症は全体で36%に下がり、死亡率は47%下がった
  • 術後の感染症は半分になり、再手術の確率は4分の3になった
  • 4000人近い患者のうち、150人以上が重症になるのを防ぎ、27人の命を救った

という効果があった
(上の表現はこの本の訳を参考にしています。
原文はN Engl J Med 2009; 360:491-499January 29, 2009をご覧下さい)

この本で最も興味深かったのが、医療以外の分野との対比
(特に建築と航空)である。
例えば、航空機では新しいリスクの可能性が確認されれば、
その勧告は短期間のうちに世界中のパイロットに示され、
30日以内に実装されるという。

対照的に、医療の世界では、新たな治療法が見つかっても、
雑誌に掲載され、運良くガイドライン化されたとしても、実際に
世界中の現場で活用されるまでには、かなりの時間を要する
(それは怠惰ややる気のないせいではなく、重要な知識が
わかりやすく使いやすい形に変換されていないため)。

このWHOのチェックリストも、徐々に世界中に広がりつつあるが
医者たちが受け入れているとは言いがたいという。

俺の患者は俺のやり方で手術する。責任を負っているのは俺なのだから

正直に白状すると、チェックリストなんか意味がないと思っていた(筆者の言葉)

という壁はあるのだろう。
これに関する動画を用意しているのも面白い
youtube (How Not to perform the WHO Safe Surgery Checklist)

「チェックリストを使ってもらうことが目的ではなく
チェックリストを通じてチームワークと規律の文化を醸成して
もらうことだ」という意図が伝わってくる本でした。

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