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2012.02.29

トヨタに輸入された外国製マシンD8

タイトルが変換不足で失礼しました。

伝えたかったのは

豊田市で感染が広がっている麻しんウイルスはD8型で
海外から輸入された可能性が高い

ということ。

関連ニュース&引用

  • はしか発症 豊田に集中(読売)
    市保健所感染症予防課によると、県内での麻疹患者数は
    2010年が31人(豊田市内4人)、11年が32人(同1人)
    だったが、今年は既に20人(24日現在)に上り、うち
    豊田市内の医療機関で確認されたのが14人と全体の7割を占める。
    患者は1歳児から30歳代までいて、感染源や感染ルートは判明していない。

  • <速報>渡航歴の無い小児および家族内感染者からのD8型麻疹ウイルス検出―愛知県(IASR)
    患者1~7より採取された血液、尿、咽頭ぬぐい液を検体として、
    RT-nested PCR法およびVero/hSLAM細胞を用いたウイルス分離
    による実験室診断を試みた。(中略)

    患者由来N遺伝子の部分塩基配列(456bp)はすべて同一であり、
    系統樹解析の結果、D8型麻疹ウイルスに分類された(図は略)。
    この部分塩基配列は千葉県が成田空港内勤者から検出を報告した
    配列と100%の相同性を示した(以下略)。

ほんの5年前までは、リトルリーグの世界大会で麻しんを発症して
感染を広げたり、修学旅行先のカナダで麻しんを発症して搭乗拒否
されたりと、麻しん輸出国のレッテルを貼られていた日本。

しかしその後の麻しん排除計画等の対策強化により、国内発生例は
激減!今や輸入モノが国内の感受性者(罹る可能性がある人のこと)
のあいだで広がっている状況になっていることが推測されます。

D8ウイルスと言えば、沖縄県でも2009年の9月に確認されました
IASRで報告)。これが国内初のD8とのこと。
(沖縄県では、この症例を最後に、麻しんの確定例は出ていません!)

さて、解説者みたいな記事はここまでにして、現在も発生続く
豊田アウトブレイクで何をすべきか?

豊田市保健所「麻しんの流行について」
にあるように、予防接種(法定&任意)、症状が出た場合の対応を
呼びかけることがまず必要です。

参考になればいいんですが、沖縄県と沖縄県はしかゼロプロジェクト委員会
が発行したはしか対応ガイドライン(ホームページはこちら
このガイドライン上では、流行レベル2の対応になると思います。
その概要は↓

  • 保健所は追えなくなるまでは積極的疫学調査を実施。関係機関と対応協議
  • 市町村は、定期未接種者の把握と接種勧奨。1歳未満の児への接種検討
  • 保育所や学校関係では、保健所と協力して各施設のまん延防止に努め
  • 医療機関では、全数報告の徹底、院内感染防止対策強化(外来におけるトリアージ等)、そして麻しん患者の接触者に対する緊急ワクチン接種(72時間以内)の検討等。
  • 本庁(健康増進課)はマスコミ等へ情報提供し予防接種勧奨、啓発を行う
等。

豊田市の患者リストに1歳以下の児が2人いるのが心配です。

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2012.02.23

「集会制限、憲法違反の疑い」説(新型インフル)

ふと床に落ちている新聞(八重山ローカル紙)に

集会の禁止、憲法違反の疑い

とあったので、出所を探してみた

社団法人自由人権協会が出している声明

  1. 立法事実が不明確である
  2. 法制化は集会の自由に対する不当な制約となり得る

1については
このような未知の新感染症が生じる具体的なおそれがあるこ
とも明らかにされてはいない。

立法事実は具体的にどのようなものであるのかは明らかでない。

という主張

2については

前述のとおり新型インフルエンザが今後発生した場合それが国民
生活全体にどのような影響を及ぼすものかは、何ら明らかではない。
一方で、緊急事態宣言の下で制限される対象に含ま
れる集会の自由は、
憲法で保障された表現の自由(憲法21条)の一つであり、すべての市民に保
障された基本的人権として重要な意義を有するものである

というもの。

具体的な条件が示されてないので、「新型インフルエンザ等感染症」が
適用された感染症すべてにおいて、無制限の集会制限がなされる?!と
いう心配がある。とのこと。

そうは言っても、

高病原性かつ容易にヒト-ヒト感染しうるインフルエンザウイルスは当然
起こり得ると聞いてたし、対策としては、地域封じ込めや集会の禁止が
感染拡大防止には必要とガイドラインにも書いてある。

この業界の中にいるものにとっては「常識」と思っていたことに対して、
法律や人権の業界から「待て」がかかった感じ。なので

運用面で対応するから心配しないで

と言っても、説得力に欠ける。

実際、2009年の時は、病原性が季節性インフルエンザと同レベル
ということがわかっても、新型の冠を外すまでに1年以上かかった。
検疫にしても、サーベイランスにしても、対策を緩めるタイミングが
遅れがちになる
のが国の意志決定システムの特徴ということが
わかったのでね。

よって上記の2つの指摘には、丁寧に回答すべきでしょう。

社会対応や封じ込め対策も対策として必要ですが、もっと大切な
パンデミックの医療体制についても十分な議論がなされることを
期待します。

(参考)

日本医師会勤務医のページに示された行動計画の改訂のポイント

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2012.02.17

初日不算入の原則vsインフル出停期間

インフルエンザの出席停止期間が延長される見込みというニュース

これまで学校保健安全法施行規則で定められていた

解熱した後2日を経過するまで。

に、
「発症後5日を経過し、かつ解熱後2日間」

と変更するため、抗インフルエンザウイルス薬などでさっと解熱
した場合でも、発症後5日を経過するまでは休んでもらうことになります。

日経に紹介されていた保育園における感染症対策ガイドラインには

症状が始まった日から5日以内に症状が無くなった場合は、
症状が始まった日から7日目まで又は解熱した後、3日を
経過するまでは、登園を避けるよう保護者に依頼します。

とあります。ここでは「かつ」ではなく「又は」だね。

気になったのは、日にちの数え方。

  • 発症後5日を経過して...と書いている場合に、発症した当日を含むかどうか?
  • 解熱後2日間と書いている場合に、解熱した当日を含むかどうか?

については、民法140条の「初日不算入の原則」が適応される(んだはずね)

すなわち

  • 土曜日発症(ジャスト0時発症である場合をのぞく)
  • 日曜日から月曜日は発熱
  • 火曜日途中から解熱した
というコースをたどった場合、
初日はカウントしないので
発症後5日というのは、日曜から起算して日・月・火・水・木となり
金曜日からOKとなります。また、解熱後2日間というのは、水曜から
起算して水・木となり、やはり金曜日からOKとなります。

これであってる?

もう1点気になったのは、厚労省の保育園...ガイドラインで
回復したときの登園基準の様式(例)として
医師による判断を必要としていること。

沖縄県が勧めている
治癒証明を求めないこと(参考:中部福祉保健所HP
とは矛盾しています。

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2012.02.10

都道府県別入浴死数って?

見慣れない統計指標があるなぁと思って調べてみたら

山形県庄内保健所が進めている
高齢者の入浴中の死亡を減らすための啓発活動の
報告書に解説があった(PDF直リンク)。

実態は

都道府県別の平成 20 年不慮の溺死・溺水標準化死亡比(SMR)の集計結果

厚労省の平成21年不慮の事故死亡統計によれば
溺死・溺水は、高齢者に多く、家庭内で発症しているため
「入浴死」という表現になったのであろう(了解可能^^)

庄内保健所では

  • 庄内41℃ふろ(よいふろ)キャラバン
  • youtube庄内保健所チャンネルによる啓発
  • 消防署と協力した入浴事故実態調査(そして報告書作成)

と冬場の入浴事故防止に向けて、精力的に取り組んでいます(GJ!)

入浴事故防止については、熊本県庁も呼びかけています

入浴中の死亡事故は、全国でも年間約14,000人と推計され、
交通事故による死亡より多く、特に12月~2月と冬場に集中しています。

交通事故より多いという事実は意外と知られていないかも。
14,000人に関する記述は、鈴木晃先生も書いています
高齢者の入浴中の急死に関する地方性

お風呂と言えば、冬でもシャワー浴ですますことが多いと
言われている沖縄県民。最近公表されたウェザーニュース調査
でも

「湯船にどれくらい浸かりますか?」との質問をし、
“5分以内”“10分くらい”“15分くらい”“20分くらい”
“30分くらい”“45分くらい”“1時間以上”から回答して
もらいました。

その結果、日本人が湯船に浸かる平均時間は15分08秒で、 入浴時間の半分の時間は湯船に浸かっていることがわかりました。 この結果を都道府県別にみると、最も湯船に浸かる時間が長いのは 山梨県で18分09秒、2位が熊本県で16分25秒(中略) 一方、45位は島根県で12分28秒、46位は鹿児島県で12分22秒、 47位は沖縄県で11分10秒となり、 暖かいエリアではシャワーで済ます人が多いのかもしれません
調査に届いた回答を見ると 「沖縄は湯船につかる習慣が無いので、最低気温が10℃近くに ならない限り真冬でもシャワーで済ませます」 と言った内容が多く寄せられたようです

沖縄県は、風呂につかる時間が短く、入浴死が少ない。
ちなみに、富山県、福岡県、福井県は
風呂につかる時間も全国上位で、入浴死も多い県となっています。
関連するのかなぁ

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2012.02.03

様子を見るのは最悪のチョイス(ポリオ予防接種)

今週飛行機に乗って参加した研修会のポリオワクチンに関するメモだけ抜粋


日本のポリオについて

  • 1961-62年にかけて 生ポリオワクチン緊急輸入→一斉投与でerradication
  • 経口の生ポリオワクチン(OPV)では副反応が100万接種に1回
  • すなわち毎年1人ずつ副反応(健康被害)が出ることになる

IPV(不活化ワクチン)とOPVはどちらが良いか?

  • これからの日本はIPVが適切である。
  • しかし薬事法上の承認を得ているものではない
  • 現在、DPTとの混合ワクチンが申請されている(あと半年かかる)
    よって、
    • ×次の春
    • △次の秋
    • ◯次の次の春

    という見込み

ではそれまでどうする??

  1. 個人輸入のIPVを打つ
    →個人輸入IPVで事故があった場合はIPVに対する信頼が低下する恐れ
  2. 今定期で行われているOPVを打つ(飲む)
  3. IPVが出回るまで何もせず様子を見る(これが最悪のチョイス)
    →H23の接種率は70−80%になる見込みでherd immunity(集団免疫)が落ちる

一方海外ではポリオの発生が続いている

これから春を迎えてポリオの発生が危惧される

ポリオは根絶までもう一歩ですが、気が抜けない感染症です

質疑応答
Q.ポリオワクチンを成人に接種することも必要か?

A.昭和50年代前半に生まれた方は、接種していた方がいいかもしれない(理由は下記参照)

Q.DPV-IPV(DPTとの混合ワクチン)ではなく、単味のIPVは?

A.現在治験しているところで、DPT-IPVと相前後して出る見込み。すでにOPV1回済ませたこともたちへのIPVへの切り替え方法を検討している。あとは生産量の問題。

国立感染症研究所感染症情報センター
ポリオ予防接種に関するサイトより

昭和50-52年生まれの年齢層におけるポリオウイルスに対する 中和抗体保有率は、昭和50年生まれ57%、昭和51年生まれ37%、 昭和52年生まれ64%であり、他の年齢層では約80~90%の保有率である
昭和50年~52年生の人々は、ポリオ流行地への渡航の際の感染や、 極めて稀であるがポリオワクチン接種をうけた自分のこどもからの 感染を受ける可能性があるので、OPV投与を受けることが望ましい。

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