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2012.03.13

女性がタバコやめると婚活の対象者が4倍に増える

昨日、八重山病院で行われた講演会

「いかにして全職員で敷地内全面禁煙を進めたか〜南山病院の取り組み」
八重山毎日新聞で紹介)
同病院では、

「医療従事者はたばこを吸うべきでない」との信念から
10年前に院長と患者5、6人で勉強会を開始。

喫煙しているかどうかを調べる呼気中の一酸化炭素の
濃度測定や禁煙講演会の定期開催、就業時間中の
喫煙禁止の職務規定を設けるなどして、全医師、職員、
患者へと禁煙を拡大、09年には全職員、患者の禁煙を達成した。

注目すべきは、南山病院が精神科の病院であるということ。
 当時は院内の愛煙家からは反対の声が上がり、外部からは
「先入観で精神科病棟の患者にできるはずがないという差別意識に
似た反応が返ってきた」
(譜久原院長)という。
琉球新報2007年6月15日

南山病院の取り組みについては


に詳しく載っています。

精神科病院でも見事に敷地内禁煙を達成しています。

平成24年度診療報酬改定で、

受動喫煙による健康への影響を踏まえ、生活習慣病患者、
小児、呼吸器疾患患者等に対する指導管理にあたっては、
緩和ケア病棟等の現状にも配慮しつつ、屋内全面禁煙を
原則とするよう要件の見直しを行う。

という動きもあるなか、参考になると思います。


その講義の中で、禁煙を勧める際の動機づけの例として
紹介されていたのが、
「現在男性の75%は、タバコを吸わない女性との
結婚を希望している。」すなわち


女性がタバコをやめると婚活の対象者が4倍増える!

なるほど!と思った次第です。
(メモについては後述)

南山病院 辻下先生→精神科病院における敷地内を達成
2012年3月12日(月)16:30-17:30@八重山病院第一会議室

  • 最初は少人数で禁煙に関する意見交換会を開催
  • 「タバコなんか1日でやめられた。酒は30年以上やめられないが...」と言っ
    たアルコール依存症患者もいた
  • その当時は看護職の約8割が喫煙者だったし、院内で販売もしていた
  • 患者のタバコに名前を書いて,管理するのが病棟ナースの仕事になっていた
    • 「患者と一緒にたばこを吸うのが看護だ!」という職員もいた

  • 職員の禁煙対策の進め方
    • タバコの害を勉強する機会を継続的に持つ
    • 医療者はタバコを吸うべきではないというプロ意識を持つ
    • タバコを吸いにくい環境整備を進める

  • 平成16年度より職員の禁煙対策を始めた(当時は75%が喫煙)
  • 職務規程で「就業時禁煙」「予告無しで呼気中一酸化炭素CO濃度測定をす
    る」ことを掲げた
  • パイロットやドライバーが就業前にアルコールチェックをするのと同じよう
    に、医療職は就業前にCO濃度を測る
  • COモニターのため「マイクロCOモニター」を購入
  • 非喫煙者でも内因性のCOが1〜3PPM程度出ることもある(それが0になるよう
    な感度の機会を選んだ)
  • 実験をして、居酒屋の受動喫煙でも4PPMを超えないことを確認したので、職
    員は言い訳できなかった
  • 2007年に保健所の敷地内禁煙施設認定を受ける
  • それを持って禁煙外来開設の申請をしたが、最初は「精神病院で敷地内禁煙
    なんてできるわけない」という偏見のため許可が下りなかった?
  • 2009年より職員の喫煙者はゼロになった(現在3年3ヶ月継続中)
  • 採用にあたって規程を守ることを宣言させる
  • 「タバコが吸えない職場でなんか、仕事が出来るか!」と言って辞めた職員
    が1名
  • その代わり、全国から禁煙病院であることを理由に募集してきた人材が多数いる
  • 禁煙支援委員会は週に1回開催した(各部署の代表者)
  • 禁煙アドバイザー受講者も20名以上
  • 敷地内を見回るパトロールだけではなく、周辺地域(近くのコンビニまで)
    も見回らないと、ドーナツ化現象により苦情が来る
  • 禁煙化のメリットとしては
    • 火事のリスクが小さくなった(これまでもタバコが原因のボヤがあった)
    • 病院内がきれいになった。臭いにおいがしなくなった
    • 業務の効率化
    • 分煙室の掃除もしなくていい→分煙室は現在倉庫として使っている
    • タバコに関するトラブル(貸し借り、時には暴力等)がなくなった
    • 全国から優秀な人材が集まってきた

  • 禁煙化を進める必要条件
    • リーダーのぶれない方針
    • 全医師が非喫煙者であること
    • 禁煙支援委員会の活用
    • 各部署長の指導力
    • タバコがない環境整備→販売中止(強いタバコから順番に)、自販機撤去
    • 一方で地域のネックがコンビニということがわかる(禁煙外来受診者の9割
      が購入)

  • ニコチン依存はICD-10ではF17に該当する疾患。依存症は否認する病気
  • ニコチンによる精神症状
    • タバコなんかいつでもやめられると思っている
    • 買い置きが少なくなると不安が増す
    • 周囲に迷惑をかけていることに気がつかない(禁煙成功して半年たつと立場
      逆転する)

  • 対処方法
    • まずは病識を持たせる、そして決心を促す
    • 家庭環境(タバコやライターを自発的に捨てさせる)、どちらかというと女
      性の方がやめにくい
    • CO濃度20ppmなら成功する可能性高い。
    • 強いタバコを1日2箱も吸っている人は1回ではやめられないかもしれない

  • 禁煙中に喫煙してしまうと
    • 精神症状が悪化する(不穏、興奮、暴力など)
    • 身体症状として、不整脈、呼吸苦、めまいなど

  • 禁煙に伴う精神症状が喫煙で改善する(タバコの効果と誤解される)→薬物
    の吸入により薬物依存の離脱症状が軽減しただけ。
  • 対処方法(意志の強さは関係ない)
    • タバコを手に入れない、害を説明する
    • メリットを説明する→味がわかる(おいしいお米とそうでないお米の違いが
      わかる)
    • 婚活→男性の75%はタバコを吸わない女性と結婚したがっている。
      タバコをやめれば婚活の対象が4倍に増える

    • 子どもの健康のため等の動機が大切

  • 禁煙方法の実際
    • ニコチンガム→噛み方によってニコチンの血中濃度が不安定
    • ニコチンパッチ→イライラに対して処方、ただし、貼ってる間は禁煙するこ
      とが必要
    • バレニクリン→副作用としては吐き気や胃痛→対症療法(内服薬)で対応。抑
      うつや不眠が出たら中止する。自動車事故の確率(40万人運転して4人事故)は
      評価が微妙。

  • 機序はアセチルコリンレセプター(ニコチンがはまるところ)に先にはま
    り、少量のドパミンが出る
  • 禁煙外来について
    • 1クール5,6回
    • 禁煙のための診察やアドバイスを行うがメインは精神療法(薬物は補助)
    • 喫煙状況や依存度、CO濃度を調べる
    • 治療プランを立てる
    • タバコの入手方法を聞いて、対策を考える
    • 1週目はタバコを吸いながらでも内服OK、2週目からは濃度上がるため禁煙
    • 保険適応はブリンクマン指数>400じゃないといけない→日本禁煙学会は政府
      に抗議

  • 分煙では子どもの受動喫煙が防げないことはNIHも述べている(だから全
    面禁煙)
  • 病院の敷地内禁煙をきっかけに、石垣島をタバコのない島にすることを目指
    して欲しい
  • 敷地内禁煙化をしてよかったところ(お勧めポイント)
    • 病院がきれいになった
    • 看護師が本来のケアに専念できる
    • タバコに関連する事故が減った
    • (私にとって)仕事がしやすい環境になった

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    Comments

    保険適応はブリンクマン指数200以上となっております。間違えてすみません。抗議の理由は早期治療に保険が使えないこと、特に未成年の治療をさまたげていることです。

    Posted by: Yosuke Tsujishita | 2012.03.15 02:18 AM

    (不完全なメモに対する)貴重なコメントありがとうございます。
    日本禁煙学会の抗議については、正確には

    「禁煙治療(ニコチン依存症管理料)の保険適用に関わる診療報酬改定の意見」
    http://www.nosmoke55.jp/action/0801mhlw_iken.html

    で確認できました。
    今後ともよろしくお願いします。

    Posted by: titokazu | 2012.03.15 07:13 AM

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