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2012.08.26

クドアとザルコ

昼メロのタイトルではないよ

これまで原因不明の食中毒が有症苦情として片づけられてきた

  • 既存の病原物質が検出されない
  • 症状は食後2時間から数時間で発症する一過性の嘔吐、下痢(予後良好)
  • 食材としては新鮮魚介類や生鮮獣肉
  • 年間100件以上発生、時に集団発生
  • 原因物質を特定できないため、対策がとれない

という状況であったが、

それに寄生虫が絡んでいることが明らかになった

その寄生虫による食中毒の名前が
クドア食中毒ザルコシスティス食中毒に関する研修会に参加してきました

主に汚染される食材は
ヒラメ(クドア)と馬刺(ザルコ)
である

いずれも食品に寄生した虫体成分が原因で発症し、
ヒトの生体内では増殖しないため、
便検査をしても検出されない
よって、残った食材から寄生虫を探し出すしかない
→いつもの食中毒の調査のようには行きませんね

クドアはイトミミズ(淡水種)やゴカイ(海水種)を媒介して
ヒラメの稚魚に皮膚感染する。だからヒラメ−ヒラメ感染もしない

汚染されるのは1匹汚染なので、食材で出されたヒラメも全て
汚染されているわけではないから、喫食調査をしてもオッズ比で差でない

ザルコは最終宿主である犬の糞が牧草に入って、それを馬が食む
という経路で感染するそうです(汚染されているのは主にカナダで
生まれ、日本で肥育された馬)

汚染されている馬からはたくさんの馬刺がとれるので、喫食調査を
したら、有意差が出やすいとのこと。

検査の手順としては、

  • クドアの場合は、まず鏡検をして、見つかればPCR
  • ザルコの場合は、まずPCRをかけて、陽性だと顕微鏡で探す

そうです。(ザルコは見分け困難なため)

詳しい検査方法については、国立医薬品食品衛生研究所衛生微生物部
のサイトに解説があります。

いずれの寄生虫も冷凍(冷蔵ではないよ)で失活するので
家庭でできる予防法としては、一晩冷蔵庫でフリージング
(-20℃くらい)させてから食べること。

流通の段階でも、ヒラメはエラ拭き取りによるスクリーニング、
馬刺は冷凍が浸透してきたようです。

(今後の課題)

万一クドアによる食中毒が発生した場合の厚労省の謎の通知

食中毒発生時の行政処分について 病因物質がクドアであることが判明した場合は、 当該ヒラメを廃棄等することにより食中毒の 拡大・再発防止が可能であるため、 他に改善すべき内容がない場合には、 営業禁止及び停止の期間の設定は不要であること。

この解釈は結局よくわかりませんでした。

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