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2012.09.28

糖尿病の A B C D E

昨日(9/27)実施した研修会(八重山毎日新聞記事
健康づくりとか特定保健指導に携わる指導者を対象にして
沖縄本島から講師を招いての研修でした。

生活習慣病対策を話し合うグループワーク(ワールドカフェ)では

子どもの頃からの取り組みが必要

という意見が出ましたが、これとは対照的に
親が車で登下校の送迎をするようになって肥満児が増えた

というエピソードも紹介され(これも沖縄独特かもしれん)、
簡単にはいかないなぁと感じた次第です。


講演では

糖尿病患者は日本人の平均寿命に比して男性で10.2歳、女性で13.7歳短い

沖縄県は糖尿病が原因で人工透析になる割合が全国一高い(全国平均の約2倍)

等のデータが紹介され

糖尿病の治療目標としてABCDEを設定しているとのこと

  • A:HbA1c(血糖コントロール)<7.0%
    ※HbA1cを1%下げると関連死亡率が21%低下する
  • B:Blood Pressure(血圧) < 130/80
    ※レニンアンギオテンシン系抑制薬を優先して使用(ACE阻害薬、ARB)
  • C:Cholesterol(コレステロール)< 180
  • D:Don't Smoke(たばこ) =0
    ※喫煙は交感神経緊張による血圧上昇をきたす?
  • E:Urine Albumin Excretion(微量アルブミン尿の測定)
    ※早期腎症の発見し強力に治療介入する

このABCDEを地区医師会糖尿病ネットワークで共有し
医師会員全員が同じ基準で糖尿病治療に当たっている
というのが上等と思いました。お手本になります。

台風接近してる中での研修会でしたが、無事に飛行機も
飛んで、講師の先生も沖縄に帰ることができました。
(台風のために参加できなかった離島の方々には残念な
台風となりました)

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2012.09.24

タバコのせいで発見が遅れた結核集団感染

今日から30日までは結核予防週間

先週末にネットで見た東京での結核集団感染事例(都発表資料

派遣社員が

平成23年11月頃から咳症状があったが、
平成24年2月以降、発熱、体重減少が生じ、
医療機関を受診。平成24年3月に結核と
診断された。現在は入院治療を終え、通院治療中。

診断まで4ヶ月のpatient's delay
遺伝子型も一致した集団感染を引き起こしたようです

受診が遅れた理由が

初発患者は咳症状が長期間続いたものの、喫煙によるものと考え(以下略)

タバコを売ってるコンビニで、結核を啓発する意義は大きいかも。

結核と言えば昨年度の患者発生統計で目についたのが
働き盛りの潜在性結核感染症患者の倍増!(MSN産経ニュース
昨年までの水準に比べて2倍の約1万人が潜在性結核感染症として
治療を受けたという。

厚労省の資料によれば
前年と比べて増加した職種は

  • その他の医療職 3.2倍
  • 医師 3.1倍
  • 看護師 2.5倍
となっており、これは
入職時に結核病学会の推奨するQFT検査を導入し、
それが陽性になった職員に対して潜在性結核感染症
として治療を開始した病院が増えたことが示唆されます。

結核病学会は、
QFT検査推奨はしているけれども、陽性になったからと言って
すべて潜在性結核感染症として登録しろとは言ってない立場

(参考:学会誌での反論

のようですが、現場がその方向に動いているのは明らかですね。

この状態が「不適切」というのであれば、別のガイドラインが必要かも。

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2012.09.22

サンシンドクターへの道(その1)

公衆衛生とはあまり(全然?)関係ありませんが、いつか
サンシンドクターとして啓発できたらと思っていて、その
修行の一環です。まずは観光客を対象に場数を踏んで行こう



皆さん、お食事中の楽しいひとときお邪魔いたします。これから約30分弱、こちらで沖縄や八重山の歌サンシン、そして観光でいらしている方が多いと思いますので、観光に役立つ情報も交えながら、披露させていただきます。歌とサンシンは私◯◯、笛は△△でお送りします。よろしくお願いいたします。


さて、私が持っておりますのが、サンシンです。竿に3本の弦、そして太鼓の部分になりますが、この皮は本来でしたら蛇の本皮を使われていました。ただ、湿度や温度の関係で管理が難しく、油断するとすぐにやぶれてしまうこともあって、このサンシンもそうなんですが、人工の皮を使っている人もいます。

お隣の横笛については、これは竹を使って製作して、多くは手作りです。曲の高さ(キー)によってそれぞれ笛を使い分けるため、人によっては着物の内側に何本もの笛を忍ばせている達人の方もいらっしゃいます。

ではここで最初に八重山地方に伝わるユンタ(労働歌)をお聞き下さい

1ゆんたしょうら・安里屋ゆんた・こいなゆんた

ただいま歌いました安里屋ゆんたは、その後編曲されて新安里屋ユンタとなり広く知られるところとなりましたが、もともとは竹富島に生まれた美しいクヤマという女性を歌ったものです。

さて、私は現在八重山古典民謡保存会という会に属していて、2年前から研究所に通って勉強をしているところです。現在この会はメンバーが450名余り登録されております。研究所は石垣市はもちろん、沖縄本島、関西、東海、関東に支部があって文字通り全国に門下生がいる状況です。
仙台で被災された生徒に、石垣島の師匠がとぅばらーまという歌を作ってCDを送り、本人が仙台の祭りかなにかで披露したというニュースもありました。歌とサンシンのメロディに魅せられて八重山の民謡で習い始め、八重山を離れても師匠とテープやCD、そしてスカイプで稽古をつけている方もいらっしゃるようです。

次の曲は、八重山アーチストのビギンが作曲、森山良子さんが作詞した涙そうそうです。夏川りみさんが歌って全国的にヒットしましたね。

2涙そうそう

さて、少し自己紹介をさせて頂きますと、私が現在身につけている着物は、今から20年前に小浜島というところに住んでいたときに、地元のキミおばさんという方が糸を紡ぎ、機織りで織って、さらに藍染めで染めたものです。島のおばさん(おばぁ)たちは、みんな旦那さんや家族の着物を手作りしていた人が多かったそうです。なぜ、私が小浜に住んでいたかというと、実は診療所の医者という仕事をしていてですね、たった一人で2年間島の医者として生活したという経験があります。

離島の医者というのは、文字通りどんな患者でも診察しなければいけません。内科、小児科、外科、整形外科、精神科、耳鼻科、そして産婦人科など、最初の診療をしないといけない。医者になって3年目で島に放り出されていろいろ大変なこともありました。溺れた急患をヘリで送ったり、ハブに咬まれた人をみたり、けがとか骨折とか専門に関係なく診て、どうにか過ごした覚えがあります。
では、続いては八重山古典民謡の中から、今話をした小浜島で歌われる小浜節をお聞き下さい。

3小浜節

診療所にいる頃は、現地のホテルからよく電話がかかってきました。多かったのが、やはり小さいお子さんの発熱ですね。熱というのは、体に入ってきたウイルスや細菌と免疫の細胞が戦うんですが、体温を上げるとウイルスは普通、冷たくて乾燥したところが好きなので、動きが鈍くなる。逆に免疫の細胞たちは暑い方が好きなので元気になるというわけで、戦いを有利に進めるために脳が熱をあげているんですが、お母さんたちにとってはやはり熱でハーハーうなされてる我が子を見ると心配になる。ということで夜間でも夜中でも診療所や病院に駆け込むということになります。今は、全国どこでも#8000と電話すれば地元の専門スタッフがまずは相談に乗る制度もあるので、ご利用頂けるといいと思います。あと、もう涼しくなりましたが、日焼けでヒリヒリ痛いときはアロエを塗ると熱が吸収されるということで、診療所の冷凍庫にも冷やして患者に勧めたりしたこともありました。あと、手や足や顔に刺さった釣り針を取るのも上手になりました。

では続いて、石垣島アーチストのビギンが地元の中学生とコラボで作った歌と言われている島人の宝をお聞き下さい。

4島人の宝

はい。ただいまの歌は島人の宝でしたが、しまんちゅというのは漢字で書くと島人という字をあてています。なんとかちゅというのは、例えば海の人と書けば、うみんちゅ。漁師さんですね。うちなーんちゅは沖縄の人。やまとんちゅは大和(本土)の人など聞いたことがあると思います。さて、沖縄県民の健康問題をご紹介しますと、なんと昔は長寿の邦と言われたんですが、今の50代60代よりも下の世代は、いろんな面で成績が落ちていると。その原因に、肥満とかメタボなどのいわゆる太った人の割合が全国1高いという背景があります。肥満の人がいっぱいなので、ひまんちゅの島というわけです。どうしましょう。どうしてそうなったかをいろいろ調べているところです。

次の曲はデンサー節です。島人の宝の中でも「とぅばらーまもデンサー節も言葉の意味さえわからない」とありましたが、デンサー節は西表島上原地区に伝わる教訓歌です。お聞き下さい。

5デンサー節

(休憩)
さて皆さん、お食事中の楽しいひとときお邪魔いたします。これから約30分弱、こちらで沖縄や八重山の歌サンシン、そして観光でいらしている方が多いと思いますので、観光に役立つ情報も交えながら、披露させていただきます。歌とサンシンは私◯◯、笛は△△でお送りします。よろしくお願いいたします。

さきほどから聞いて下さっている方もいらっしゃると思いますが、後半部分も私のこれまでの経験談(というのは小浜島の診療所で医者として働いていたこと)も交えながら進めていきたいと思います。

まずは、てぃんさぐぬ花をお送りします。この歌はもっとも県民に愛されているという投票で、このたび第1位となった曲です。お聞き下さい。

6てぃんさぐぬ花

ここ八重山でも2,3日前からぐっと気温が下がりまして、季節が変わったなと言う実感を持っております。気温が下がって冬に向かうと、私どもは感染症の仕事もしてるもんですから、インフルエンザなどが心配になってくるわけです。ちなみに現在の流行状況は、沖縄本島では南部を中心に患者が増えているようで注意が必要です。八重山はそれほど多くないです。日本全体はほとんど患者がいないようです。で、これからの流行に備えて一番やらないといけないのは、手洗いですね。特に小さいお子さんに手を洗わせるために手洗いソングというものがあるんですが、このてぃんさぐぬ花などは、ぴったりです。手を洗う石けん、爪先に染めて、親の指まわり、洗い流すという感じです。いま、この替え歌を流行らせようと保育園にお願いしてるところです。まじで。

次は、八重山古典民謡から鶴亀節をお送りします。この歌は海の景色が美しいきれいなことで有名な川平地方に伝わる歌です。お聞き下さい。

7鶴亀節

鶴亀節をお送りしましたが、いま、NHKでつるかめ助産院というドラマをやってるそうです。これは竹富島とか黒島がロケ地になってるんです。お産と言えば、沖縄はよく台風が訪れるんですが、台風が近づくとお産が増えるというデータもあるようです。研修医時代に産婦人科の当直をしていると、ベテランの助産婦さんが「今日は台風が近づいてくるから忙しくなるわよ」と予言して、その通りに妊婦さんたちが次々に夜中運ばれてきた経験したことあります。外の気圧が急にググッと下がると、お腹のあかちゃんもググッと引っ張られるんでしょうか。

さて続いては、あかちゃんを寝かす子守歌として民謡歌手の古謝美沙子さんが歌っている童神という曲を歌いたいと思います。

8童神

さあ、残りあと2曲となりました。沖縄の人はお酒好きです。好きなのはいいんですが、つい飲み過ぎてしまう人も多いようで、こちらの地元FMラジオ放送(さんさんラジオ)では、毎日「昨日路上寝込み情報」が放送されます。美崎町の住宅前、午前4時、30代男性とか、真栄里地区の歩道、午前1時、50代男性とか、危ない飲み方をしないようにと注意されます。沖縄で酒を飲んだ後のしめにお父さんたちが好んで行くところに「ひーじゃー屋」があります。ひーじゃーというのは山羊のこと(ンベーと鳴く)で、昔から新築のお祝いがあったりすると山羊一匹提供されて、刺身やお汁が振る舞われました。強烈なにおいとこってりと脂が乗って滋養強壮の食べ物に位置づけられてるんです。実は沖縄では山羊食べると血圧が上がるという定説があるんですが、その時にいっしょによもぎ(フーチバー)の葉っぱを入れると血圧が上がるのを防ぐ作用が期待できるようです。

では、お祝いの話が出たところで、ビギンのおじぃ自慢のオリオンビールをお送りします。

9おじぃ自慢のオリオンビール

ところで皆さん、山羊は群れを作って行動しても、鳴くときは一斉には鳴かないって知ってました?

メェメェ泣くから

失礼しました。

最後は田端義男さんが歌った十九の春をお聞き下さい。

10十九の春

どうもいろいろお聞きいただき、ありがとうございました。
楽しい旅になるよう願っています。さようなら。


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2012.09.14

失恋vs結核

結核予防週間に地元紙に投稿する原稿の案を考え中。



9月24日から30日までは結核予防週間です。
八重山地域の住民の皆様が結核に対して関心を持ち、
正しい知識を得られるように、保健所でも啓発を行っています。

厚生労働省は、今年の結核予防週間の標語を

「胸に空洞?!失恋ですか?-いいえ、結核です」
と定めました。
これは、結核という病気が進めば、胸(正確には肺)に
空洞ができることを示しています。

結核は、結核菌が空気感染によって、
肺の奥深く(肺胞)に定着することで感染が成立します。
空気感染とは、空気中にふわふわ漂っている菌を、
周囲にいる人が吸い込んでしまう感染経路のことです。
咳やくしゃみに含まれる飛沫(しぶき)は、菌の周囲に
水分がついた状態なので、せいぜい3mくらいしか
飛びませんが、周囲の水分が蒸発した状態では、部屋の
換気をしないと結核菌が50m先まで達することもあるそうです。

さて、肺の中で結核菌の感染が成立すると、
免疫細胞との戦いが始まります。戦っている場所周辺は、
炎症細胞から出る液等で「水びたし」の状態になります
(これが痰になり、咳によって体の外に出て行きます)。
結核菌がこの戦いに勝ち残ると、菌は増殖し病巣を形成
します。すると、病巣の中心部分は菌の作用により、
黄色いチーズのような物質になって壊死(えし)していきます。
周辺部は盛り上がって肉芽(にくげ)となりますが、
中心部の壊死した部分はドロドロにとけた後、気管支に破れ、
体外に出されてしまうので、病巣には空洞ができあがります。

空洞の内側部分は外の空気とつながっているので、結核菌が
非常に活発に増えてしまい、そこから体外に排出されて、
他人に感染させる原因となります。また、空洞にむき出しに
なった血管が破れると、それが血痰や喀血(かっけつ)という
症状となります。喀血は動脈性であることが多く、
血液のかたまりが気道を塞いで窒息を引き起こす場合もあります。

余談ですが、わが国に野球を広めたことで野球殿堂入り
している明治の俳人正岡子規は、肺結核にかかって喀血する
自分自身を、血を吐くまで鳴くと言われるホトトギスに例えた
と言われています(子規はホトトギスのこと)。

 このように、空洞を伴う結核では、本人が重症になる場合が
多いばかりでなく、周囲への感染源となる危険性をはらむ
ことになります。

空洞ができてしまうのは、結核の診断や治療が遅れて、
放置された場合に多く起こります。そうならないためには、
結核を早く診断して、適切に治療を行うことが必要です。
咳が2週間以上続いている場合には医療機関を受診し、
胸のレントゲン検査や痰の検査を受けるようにしましょう。
また、咳がある人はマスクを着用して
周囲に感染を広げないような配慮(咳エチケット)を心がけましょう。
治療は決められた期間(標準期間は6ヶ月)お薬を飲む
ことが大切なので、主治医や看護師、薬剤師、そして
保健師の指示に従って治療を完遂することが必要です。


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2012.09.12

速く!楽しく!カッコよく!モトカリ式スマート・ランニング

イベントのお知らせです(八重山福祉保健所website)。

チラシ

Tirasiomote_2

講師(本仮屋雅美先生)関連リンク


ねらい

  • 運動を習慣化させることを狙って、グループで申し込みを原則とする
  • 秋から冬にかけて、地元で開催されるランニングイベント参加を促す
    • H24.11.10日本最西端与那国島一周マラソン(申し込み始まってます→sportsentry
    • H25.1石垣島マラソン
    • H25.2やまねこマラソン
  • 速く!楽しく!カッコよく!走るポイントを学ぶ

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2012.09.10

石垣市民は「家ランチ」

沖縄では、レストランで「Aランチ」と言えば、
贅沢定番メニューが出てくる

昨年には、第1回コザAランチ選手権が開催されるほど(沖縄タイムス

「Aランチ」は1956年、
沖縄市内にあった「ニューヨークレストラン」のシェフが、
当時の花形職業のタクシー運転手向けに考案。
各地に広がったという。

そのAランチに(たぶん)引っ掛けた「家ランチ」
石垣市民6割「家ランチ」 保健所が調査(沖縄タイムス9月9日)

石垣市民は「おうちでランチ」が定番? 
市内の事業所で働く人の約6割が昼食時、家庭で調理した弁当や、
家に帰って昼食を食べる「家庭派」とみられることがこのほど、
県八重山福祉保健所の昼食実態調査で分かった。

男性の5人に1人が外食時、健康のことを気にせず
メニューを選ぶ傾向もあった。同保健所は調査結果を踏まえ、
飲食店のメニューに栄養情報を表示させる取り組みをスタート。
市民の健康意識の高まりや食生活習慣の見直しにつなげる。

と紹介されました^^

データは前回(8/31)の記事にもあるので省略しますが

「女性の方が健康志向。男性は『せっかく外食するのだから』
と健康面を考えず、おいしいものを腹いっぱい食べるのではないか」

「外食でも意識的に野菜が入ったメニューを選ぶなど、健康のことを考えて」
というコメントも載ってます。

調査を踏まえ、同保健所は外食が多い壮年男性を ターゲットに、メニューに「野菜そば」がある飲食店に 登録を呼び掛けている。
とまとめています(上等)

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