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2012.11.22

手洗ぃんさぐぬ花♪

本日プレスリリースされた

感染症胃腸炎(ノロウイルス感染症等)による集団発生について(PDF)

9月以降10名以上の集団発生報告のあった施設が13に及ぶ。
全国的にも比較的早い時期から増加傾向が認められており、
本県でもさらに注意が必要
です。

予防対策でもっとも重要なのが手洗い。
ooyakeでも過去に何度か手洗いソングを検討しました。
なかなかしっくり来ませんでしたが、
琉歌調(8・8・8・6=サンパチロク)で作ったら
しっくり来ました。もと歌はこのたび県民愛唱歌
選ばれた「てぃんさぐぬ花」

その曲に、以下の歌詞をつけました。

手を洗うせっけん
Teoarau

Sekken

爪先に染めて(ちみさちにすみてぃ)


Chimesachini

親の指まわり


Oyanoyubi

洗い流す

Arainagasu


Owari


特徴としては

  • これで時間にして20秒(県民に親しまれているメロディ)
  • 石鹸を使う
  • 汚れの残りやすい爪先と親指周囲が洗える

でしょうか。

今のところ、施設での健康教育としてサンシン演奏付きで
歌って広めてますが、反応はまあまあ良好です。

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2012.11.21

ハタチ前飲酒

11月9日に那覇で鳥取大学の尾崎米厚先生を招いて
未成年の飲酒の動向に関する講演会がありました。
そのメモ。


  • 1996年から2010年まで継続的に未成年の飲酒動向の全国調査をしている
  • ただし沖縄の報道等を見ていると、必ずしも全国の動向と一致しないかもしれないと思っている (琉球新報に今年5月掲載された未成年飲酒が深刻であるという記事
  • 全国酒豪マップではお酒が飲める遺伝子を持っている人は北と南に偏っている
  • 日本人の4割は遺伝的には飲めない人である
  • WHOもアルコールの有害な使用を減らす世界戦略を採択した
  • アルコールのリスクは死亡ではそれほど高くないが、障害の指標DALYでは第3位 (burden of the disease PDF )
  • 肝疾患、慢性膵炎の他に、溺水、転倒転落、他殺、交通事故、自殺、unsafe sexなど様々な深刻な問題をはらんでいる
  • 社会的損失を計算すると毎年約4兆円程度(医療費、早死、労働損失等)
  • 未成年飲酒は急性アルコール中毒、短期間で依存症になるなど問題多い
  • 未成年の全国調査の概要
    • 中学高校とも2000年を超えた頃から劇的に減少(現在飲酒者)
    • タバコとの違いは「男女差がない」ということ。むしろ女性の方が高い飲酒割合
    • 20代の多量飲酒者でも同じように男女が接近している
    • 国際的には日本人は中学生の飲酒率がかなり低い
    • 子どもが飲む酒の種類は昔はビール、今は「果実味の甘い酒」に変化
    • コンビニ年齢確認、自販機自主規制の影響で入手経路も「家の酒」が多い
    • 数少なくなった現在飲酒者が、同時にいろんな問題(危険飲酒等)引き起こしている
  • 問題点と課題
    • 女子の飲酒率が男子に迫っている
    • 未成年に対する誘惑(CM、ドラマ、映画等)が多い。スポンサーの制限もない
    • 地域のお祭りや行事で振る舞われる
    • ノンアルコール飲料がgateway になっているかもしれない
  • うつと飲酒と自殺は合併しやすい
    • 自殺対策においてもアルコール対策が重要になる
  • アルコールの法定年齢を引き下げるべきではない(影響は計り知れない)
  • 今後必要な対策としては、地域の実態を把握する(調査)
    • その結果を基に周知する
    • 学校、自治体、県でできることから始める
    • 家庭内の大人が子どもの前では飲まない等の手本を示す

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2012.11.13

新型インフルエンザ移送訓練@yaeyama

前回「うちではちょっと診れないなぁ」のつづき

移送訓練の総括をした会議のことが地元紙に掲載されました
感染症患者移送の人員を(八重山毎日新聞)

10月17日に行われた訓練を約20分に編集したDVDを見て
関係者及びアドバイザーから意見を頂きました。

訓練では外国人観光客の患者を想定し、市国際交流員が電話通訳を実施。患者を診療所から仲間港まで地元消防団、仲間港から石垣港まで石垣海上保安部、石垣港から八重山病院まで市消防本部がそれぞれ搬送し、感染防護服着脱や搬送車両の洗浄などを行った。

各関係機関の連絡体制や感染防止対策を確認し、この日の会議では改善に向けて「患者を乗せた担架を船から降ろす際、慎重に扱うために人員確保が必要になる」(市消防)、「電話通訳では聞き取りづらい部分があり、スカイプなどのテレビ電話を使えないか」(市国際交流員)などと意見があった。

保健所では患者の搬送について「人員確保が難しいケースなど場合によっては保健所から移送要員を港に派遣することも含めて検討する」としており、通訳は対面通訳とのメリット・デメリットを整理し、テレビ電話の活用は今後、実験していくとしている。

アドバイザーからのコメントは以下の通りでした
  1. 感染症の疑われる患者が受診したら、まずサージカルマスクを装着させる
  2. 海外で発生した時点で診療所事務員もマスクを着用して患者対応すべき
  3. 診療所に入る前の段階でトリアージポイントを設置する必要がある
  4. 消防団員も診療所に集まる前にマスクをした方がいい
  5. 消毒は患者が触れた場所を重点的にすべきだろう(過剰にならないように)
  6. 病院エレベーターは使用禁止となっていたが警備員も配置した方がいい
  7. 疫学調査の質問はもっと短く効率的に(事前に準備しておくべき)
  8. 聞き取りに使ったペーパーはジプロック等のビニール袋に入れる
  9. WHOでは「不潔なコピー機」を決めてコピーしていた
  10. 同行した娘家族へのアクションが見えなかった
  11. スカイプなどのテレビ電話による通訳は有用だろう
  12. 移送や情報伝達は訓練を繰り返せば上達することが期待できる

引き続き課題を検討し、保健所及び関係機関の対応力を
アップさせて行かなくてはと思った次第です。

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2012.11.07

うちではちょっと診れないなぁ

新型インフルエンザ等感染症の特措法まだ勉強してませんが

海外で次の新型インフルエンザが発生すると、国内には
帰国者・接触者専用の外来が設けられるようです。恐らく
感染の疑いのある患者が受診し、そのまま入院することが
できるように、感染症指定医療機関に併設、あるいは隣接
するところが多いはずです。

前回までの経験を踏まえると、症例定義としては

  1. 1週間以内に感染地域に行った(or患者と接触した)
  2. 38℃以上の発熱and呼吸器症状
  3. インフルエンザ迅速検査でA型陽性
  4. PCRテストで新型の遺伝子を持つ

となるでしょう。

上の定義のうち、1〜3を満たせば「疑い例」で、これに4が
加わると「確定例」となり感染症法の規程が適用されるはずです

で、1〜3については、一般のクリニックでも十分診断可能
なわけで、わざわざ帰国者・接触者外来を経由しなくても
入院して、PCRの検査結果を待つことは可能。(ただしこの場合は
法によらない任意入院という形になります)。

ただ現実的には、クリニックを訪れた時点で、上の1と2が
わかると、迅速検査による曝露を避ける等の理由から
帰国者・接触者外来に紹介して、3以降の検査を行うというのが
みんなが納得するフローチャート。もっと理想的なのは、
1と2に該当する人が、自分から保健所や相談機関に電話をして
一般のクリニックを訪れることなく、「帰接外来」を受診すると
いうことを目指してます。

でも前回もそうであったように、症状のある人はそんなの
おかまいなしにかかりつけ医や救急外来を受診する可能性も
高いです。だから、次の高病原性新型インフルの患者が一般の
人に紛れ込んで待合室にいるということも想定しましょう。

国の資料にもそう書いてあります。

受診して後に

うちではちょっと診れないなぁ

ということにならないように
帰国者・接触者外来以外の医療機関についても
院内感染対策を講じた上で、診療体制を整備

という状況を踏まえて、当地では新型インフルエンザ患者移送訓練を
実施しました(前置き長過ぎね)

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2012.11.01

併用が認められていない発達障害の薬

日本脳炎ワクチン接種後に死亡した2事例について報道した記事
死亡2例、因果関係認めず=日本脳炎予防接種−厚労省小委(jiji)

専門家からは男児が発達障害で3種類の薬を服用し、
うち2種類が併用を認められていなかったことや
肝機能障害が見られたこと、注射自体が与えたショック
の影響が否定できないとの意見が出された。

という結論。

PMDAの日本脳炎ワクチンの添付文書pdfを見ても
ワクチンとの併用を禁止されている薬剤の記載はない。 ん?

記事をよく読むと、併用が認められていないのはワクチン
ではなく、薬同士のことであった。

厚労省のサイトはこちら
その中の資料に詳しく書いています(資料1-1PDF)。

  1. アリピプラゾール:副作用に心電図異常。本剤における治療中原因不明の突然死が報告されてい る。
  2. ピモジド製剤:SSRI との併用禁忌。本剤による治療中、原因不明の突然死が報告されている。 心電図異常に続く突然死も報告されているので、特に QT 部分の変化があれば中止すること。
  3. 塩酸セルトラリン(SSRI):オーラップ投与中の患者には、QT 延長を引き起こすことがあるの で、投与禁忌であり併用禁忌。

子どもの発達障害の薬物療法のことは詳しく勉強して
いませんでしたが、日本小児神経学会HPにあるように
多くの種類の薬剤を使って症状をコントロールしている
ようなので、併用禁忌についての情報も重要。

ということで

「ワクチンの危険性が高まったとはいえず、
ただちに接種を中止する必要はない」との判断を示した。

となりました。

議事録を見てみないとわからないけど、この小委員会は
子どもの死亡とワクチンの因果関係に焦点を絞った議論
だけをしている。(まあ、そういう役割だからね)

これらの事例から得た教訓を今後に生かせるような議論の
広がりも期待したいですね。

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