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2012.12.27

麻しん対策のネクステージ

厚生労働省は平成24年12月14日に麻しんに関する特定感染症予防指針を一部改正
しました。この予防指針は平成20年度から5年間限定(今年度いっぱい)で実施
した3期4期予防接種等の麻しん排除計画開始に合わせて策定されたもの。pdf

今回、この排除計画のおかげで、国内の麻しん患者報告数が減少(平成20年の
11,013件から平成23年の442件へ96%減!)し、低蔓延から排除を目指した改正
内容となっています。

具体的には、平成27年までに麻しんの排除を達成し、WHOによる麻しん排除の認
定を受けることを新たな目標に掲げています。麻しん排除の基準については、こ
れまでの「国外で感染した場合を除き、麻しんの診断例が1年間に人口100万人当
たり1例未満であり、かつ、ウイルスの伝播が継続しない状態にあること」に加
えて、「適切なサーベイランス制度の下、土着株による感染が3年間確認され
ず、また遺伝子解析によりそのことが示唆される」ことが示されていて、この指
標(でも他にもあったと思うけど)を達成したかどうかを観察していくことにな
ります。

具体的には

  • 可能な限り診断後24時間以内に届出、検体を確保して検査診断を行う
  • 1例でも発生した場合は保健所は積極的疫学調査を行う
  • 1例でも発生した場合に周囲の感受性者に対して予防接種を推奨することを
    含めた対応について、国立感染症研究所が手引きを作成する
  • 都道府県は麻しんの診断等に関する助言を行うアドバイザー制度を整備
  • 第1期第2期ワクチン接種率目標95%以上の明確化
  • 第3期第4期ワクチンの時限的接種は終了するなど

が挙げられています。

排除されたかどうかに関して、沖縄県では平成21年10月以降患者報告はなく、こ
の間も全数サーベイランス制度は維持されていると推測されます(2011年の否定
例は38例だった)。また、衛生環境研究所による迅速な検査診断と保健所の追跡
調査により、平成18年から20年にかけて発生した集団発生でも、大きな流行(レ
ベル3)には進展せず封じ込めに成功しています。今後も現状のはしかゼロの状
態を維持しつつ、国の掲げる目標を自治体としても達成できることを目指してい
くと思われます。
 

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2012.12.21

死戦期呼吸は心停止のサイン

昨夜、講師をつとめた緊急講習会で習った言葉が、死戦期呼吸。

死戦期については、ヤフー百科事典に載ってて

死に至る直前の状態をいう

で、昨日の講習では乳児に対する応急手当として

死戦期呼吸は心停止のサインなので、胸骨圧迫を行うべき
と習った。

どんな呼吸なんだろうと思って検索したところ、
日本救急医学会の市民のための心肺蘇生というサイトに用語の説明があった。

心停止の直後には、しゃくりあげるようなゆっくりとした
不規則な呼吸が見られることがあります。これは心停止の
サインであり「呼吸なし」すなわち「心停止」と判断して
ただちに心肺蘇生を始める必要があります。

ただ、下顎呼吸とかあえぎ呼吸と同義なのかどうかは調べられなかった。
同じ救急医学会の医学用語解説集には「死戦期呼吸」という項目は探せず、
喘ぎ呼吸」について

瀕死状態で認められるほぼ完全な呼吸中枢機能消失による
異常な呼吸パターンで,開口しておこなう深い努力様呼吸である。
毎分数回以下の徐呼吸となり,長い呼吸停止をともなう。
吸気時に呼吸補助筋の協働運動のため頭部を後ろへ反らす動きを認める。
呼吸停止期は徐々に延長し放置すれば確実に死に至る。
有効な換気運動がなされないため直ちに救命処置(CPR)が必要である。

とあるので、これと同じ?と思ってみたり。定義がよくわからなくなった。

ただ、こんな呼吸ですと動画で示しているAHA JSISH-ITC
アメリカ心臓協会 日本医療教授システムトレーニングセンター
提供のYoutube「死戦期呼吸のデモ」はわかりやすい(というか上手)

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2012.12.18

ノロのマーチ

沖縄を旅行中の和歌山県の修学旅行生がノロウイルスによる
胃腸炎を発症(NHK)

などなど、日本中ノロが流行し、わざわざ集団で移動(行進)
している状況です。罹った方にはお見舞い申しあげます。
今年は特に多く報道されている印象がある。

報道と言えば、今や学校や立ち寄り先などが実名で報道される
のが当たり前のようなムードになっている。

感染症対策上、必要なければ公開すべきではない

というのが原則だと思っていたが、もはやそれは少数派なのか?
というか、このネット社会では隠すことが困難なのかも。

マスコミで報道されているノロの集団発生と思われる事例を
以下に示します。ネットで得られる範囲の情報で書いてます。


奈良県橿原市立八木中学校は、さいたまスーパーアリーナで 12月15日(土)に行われた第40回記念マーチングバンド・ カラーガード全国大会の大編成の部に出場。 見事金賞を射止めました(大会結果はこちら

この大会(要項によると、19時30分までの大会)を終え、さいたま市内の「パレスホテル」で夕食をとる。その直後から体調に不良を訴える部員等が
出現。

午後11時50分ごろ成田市内のホテルに到着し、
数時間後に相次いで体調不良を訴えたという(時事)

宿泊先の千葉県成田市「ホテル日航成田」では
翌16日朝7時45分に119番通報した。
結局生徒68人と教師3人の合わせて71人が発熱やおう吐などの
症状を訴え、病院に搬送されました。千葉県の保健所が検査した
ところ、生徒の1人からノロウイルスが検出されたということです。(NHK)

NHKは、一人の女子中学1年生が成田市内の病院に入院中とも報じている。


ノロウイルスの潜伏期間が24〜48時間と言われているので、
この集団が(たぶん一斉に)曝露を受けたのが14日〜15日に
かけてと思われます。

気になるのは、大会中に発症した部員がいなかったかどうかという
こと。さいたまスーパーアリーナの見取り図
見ると、メインアリーナのある2階だけでも10カ所以上のトイレが
あるが、そこが汚染されてなかったかどうか。参加者がウイルスを
全国に持って帰ってないか(なんと石垣からも2校参加した
潜伏期間の間はフォローする必要がありそうです。

ということで、実名報道も少しは対策にも役立ちそうです。

懸念は、

  • 風評被害
  • 実名報道を恐れて、集団発生しても保健所への報告に躊躇する施設があるかもしれない

ということでしょうか。

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2012.12.14

スナックレッドリボン

もう放送は終わってしまったが、今年のエイズデー関連で
制作したラジオCM。いつも協力して頂いている
FMいしがきサンサンラジオから放送されました(聞いた?)


世界エイズデーラジオCM「スナック レッドリボン」
音楽♪(戸惑いの美崎町=佐久川和美

ママ「いらっしゃい。お久しぶり。半年ぶりじゃない。ボトル入れていい?」

客「うん。ママ、そのリボンは何?」

ママ「ああ、これ?これはレッドリボンって言って、エイズの人を差別しませんよっという意味なんだって。かわいいからネールにも書いちゃった。ほら」

客「エイズって石垣にもいるわけ?」

ママ「それはわからないみたいけど、沖縄県は他のところよりも多いみたいよ」

客「そうなの?」

ママ「だから、まわりで薬飲みながら普通に生活してる人がいるかもしれないって」

客「まじで?」

ママ「でも普通に接触してもうつらないんだからね。知ってた?」

客「そうだっけ?」

ママ「あなた、何も知らないのね。検査とか受けたことあるの?」

客「じゃあ、今度受けてくるよ。」

ママ「そうよ。一度は受けて見た方がいいわよ。まったく世話が焼けるわね」

客「ママ。ありがとね。じゃあ乾杯しようか。」(乾杯の音)

~ナレーション~(省略)


半年ぶりねというのは、前に来たのは6月のエイズ検査普及週間?
ということ。こういう検査の勧め方もいいんじゃないかと思うんですが...

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2012.12.11

イノシシ食べてE型肝炎3(年間12万人が感染)

最近、八重山の宴席でよくおみかけするイノシシ料理。

実はイノシシ猟ができるのは11月15日から翌年2月15日と
決められているようです。
→月刊やいまの記事「西表島のイノシシ猟」をご覧下さい

毎年11月15日から2月15日まで狩猟期間となる八重山
でのカマイ猟。昔から西表島や石垣島では、
イノシシをタンパク源として狩猟が続いてきた。

すごく脂がのった今年のイノシシ。捕まえたその日に解体する。

このooyakeでは過去2度、イノシシとE型肝炎のことを書いてる。

今まさにシーズン真っ盛りのイノシシ猟。
火を通さないで出されても、無下にNoとは言えない大人の事情もあるようです。

気になるE型肝炎について、今年7月に肝疾患連携拠点拠点病院向け
に行われた講義がネットに公開されていました。

A型・E型肝炎の最新情報(pdf)

  • 潜伏期間は2〜9週(平均6週)
  • E型肝炎は慢性化し、慢性肝炎や肝硬変に移行することがある(6割は持続感染)
  • わが国の国内感染でのE型肝炎は中高年男性では重症化・劇症化率が高い
  • 2011年10月から抗体検査に保険が適用されている(HE-IgA定性抗体)
  • しかし検査はまだ普及しておらず、現在把握されている患者数は氷山の一角
  • 一般成人では男性の7.8%、女性の3.4%が抗体陽性(東日本>西日本)
  • 年間約12万人が新たに感染、推定の年間発生数は1200人
  • 感染経路に関する調査結果
    • 動物原性食感染 31% (zoonotic food-borne)
    • 輸入感染 7.9%
    • 輸血感染 2.3%
    • 感染動物や肉との接触 0.5%
    • 不明 58%
  • ただもっとpopularな感染が隠れている可能性も(ブタや内蔵からの感染を過小評価?)
  • 予防のためには
    • 十分な加熱調理、他の食品の調理器具との共用を避けるなど
    • 生肉や内臓を摂取する場合は中心部まで十分に火を通すこと
    • 70℃、10分以上の加熱が必要(56℃、1時間では不十分)

不顕性感染が多いと言っても、やはり刺身には手は出すべき
ではないね。

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2012.12.05

うちなーパチンコ依存の実態

ぱちんこ依存の相談 沖縄が最多

週刊ホームプラザに掲載されていたパチンコ依存問題の記事

http://www.jpress.co.jp/homeplaza/kiji_1322/osusume2_1322.html

沖縄を拠点にしている特定非営利活動法人
「ぱちんこ依存問題相談機関 リカバリーサポート・ネットワーク

http://rsn-sakura.jp/

が紹介されています。

国は競輪、競馬も含めギャンブル依存症を認めていないので公的な 対策はいっさいしていない。だから民間でやらざるをえない状況にあるんです。

なるほど。でも相談件数くらいは計上してるかもしれないから
あとで探してみることにする。

相談件数は沖縄が1位

地元なのでしょうがないかもしれないが、悩んでいる人がいる
という事実も認識すべき。

ブログなどをみていると

先月から引き続き相談件数は多く、今月も間違いなく300件
を超えそうです。

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2012.12.04

エイズradio

沖縄県内各地のラジオ局で時間を確保して
エイズに関する啓発をしています。
八重山は以下のようなシナリオでのぞみました


【質問1】
○HIVとエイズって違うんですか
【回答1】
○HIVとはヒト免疫不全ウイルスと言い、ウイルスそのものの名前を指します。
一方、エイズとは後天性免疫不全症候群と言い、HIV感染後よって
免疫力(ウイルス・細菌等から守る力)が徐々に低下していった結果、
免疫力低下によって生じる様々な感染症の発症により
「エイズ」発症となります。そのため 「HIV=エイズ 」ではありません。

【質問2】
○HIVウイルスはどのように感染するのですか
【回答2】
○ウイルスを含んだ体液(血液や精液、膣分泌液等)が体に侵入することで
感染が成立しますが、日常生活では性行為を通じて感染が広がると考えていいでしょう。
○感染を防ぐには性行為の際にコンドームを正しく使うことで予防が可能になります

【質問3】
○HIVに感染するとすぐ症状が出るんでしょうか
【回答3】
○HIVに感染した直後に風邪のような症状が出ますが、
多くは自然に治り、その後は特徴的な症状はないまま、ウイルスは増え続け、
徐々に免疫が低下していきます。エイズを発症するまでの期間は
5年から10年とも言われています。ただ、エイズを発症する前の段階でも、
性行為によって感染させると言われています。

【質問4】
○特効薬がないと聞いたことがあるんですが、治療はどうするんでしょう
【回答4】
○エイズを発症した後の治療は厳しいと言われていますが、HIVに感染してま
だエイズを発症しない段階で治療を行えば、発症を先延ばしにすることはできる
ようになりました。ですから、早い段階に抗体検査を受けて治療を行うことは、
本人にとっても、パートナーにとっても大切なことです

【質問5】
○エイズの検査って、どうやったら受けられるんですか
【回答5】
○感染を知るためにはエイズ検査(採血)を受けることが必要になります。
検査は県内、国内の保健所で、無料、匿名で検査受けられます
(保険証も必要ありません)。
八重山保健所では、毎週火曜日と木曜日の9時~15時まで受付をして、
結果は検査を受けてから約2時間でお返ししています。
予約は必要ないですが、お電話でお問い合わせの上検査を受けることをお勧めします。

【質問6】
○HIV感染者やエイズ患者の発生状況はどのようになっていますか
【回答6】
○現在我が国では感染者の増加が続いており、年間約1500人、
1日あたり約4人の感染者が報告されています。
沖縄県は国内でも有数の感染拡大地域となっており、性別では男性、
年代では20~30代に感染が集中しています。

【質問7】
○一番訴えたいことは何?
【回答7】
○この機会に、HIV/エイズに関心を持って欲しいということです。
言い換えれば、HIV/エイズを自分とは関係ないさぁとか
自分は大丈夫はずよと言って他人事にしてしまわないで
欲しいということです。こういう意識があると、感染に
無防備な性行為をしてしまうし、感染者に対しても
偏見や差別のまなざしを向けることにつながります。
HIV/エイズは他人事ではありません。

【質問8】
○沖縄県や八重山保健所ではどのような対策をとっているんでしょうか
【回答8】
○県では感染拡大がなかなかおさまらない状況を踏まえて、
今回のようなラジオ番組による啓発活動の他、20秒のラジオCMを作成して
各放送局で流しています。

○八重山保健所でも関係者でエイズや性感染症の対策を検討しています。今年の
エイズデー関連では、来週月曜日から金曜日までは毎日無料でエイズの抗体検査
を実施します。またサンサンラジオの協力を得て、独自のラジオCMを制作し流
す予定です。さらに、来年1月4日に行われる石垣市の成人式ではブースを設け
てエイズに関するグッズを配布するほか、1月9日(水)には市民向けの講演会
も計画しています。詳細は今後ホームページ等でアお知らせしていきます。

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