2009.07.28

レプトスピラ症 川遊びは露出控えて

医師会のコラムに投稿した文章が新聞に載りました。



 ここ沖縄県でも、最近は川遊びをする人が増えてきました。
自然と触れ合うことで心が癒やされたり、家族や友人と
楽しいひとときを過ごしたりすることは貴重な体験です。
またエコツーリズムの一環として、河川と触れ合う観光客も
増えてきました。

しかし近年、水との接触の後にレプトスピラ菌という細菌に感染して、
場合によっては入院治療を受ける例が、県内で報告されています。

 レプトスピラ症とは、病原性のあるレプトスピラ菌を感染源とし、
約3~14日の潜伏期間を経て、発熱や筋肉痛、結膜充血などの
症状を発症します。

重症例では、黄疸(おうだん)や腎機能障害を起こし、死亡する
場合もありますが、基本的には抗生物質により治癒することが可能です。
季節的には、7月から10月にかけて患者が多く発生しています。

レプトスピラ菌は、保菌動物であるネズミやマングースなどの腎臓から、
尿として排出され、水や土壌を汚染し、そこに皮膚や粘膜が接触することで
感染が成立します。この場合、皮膚に傷があると感染しやすくなります。
また、人間だけでなく、ペットの犬が感染することもあります。

沖縄県は全国的に患者が多く発生する地域で、昨年は、県内で28例が
発生し、ほかの県でも3例が沖縄県内での感染が疑われる例として
報告されています。その中には河川で遊んだという方がいましたが、
患者の特徴として、

  • 遊ぶときの服装が短パンやはだしの場合やサンダルなど肌の露出が大きい場合に、感染のリスクが高くなるようです。
  • また、雨が降った後には、感染のリスクが高くなるとも言われています。

 暑い夏を迎えて、川遊びを計画されている方も多いと思いますが、
楽しいレジャーの裏には、このような感染症が潜んでいることを
認識してください。

そして、感染リスクを低くするような工夫

(例えば川に入るときには靴を履き、長ズボンを着用するなど)
を心掛けるようにしましょう。
また、川で遊んだ後1~2週間以内に発熱して医療機関を受診する場合は、
川や沼などで水との接触があったことを主治医に伝えるようにしてください。

夏はスピロヘータの季節~~~

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2009.04.07

結核接触者健診のはじめかた

感染症は感染症でも、結核の場合は、旧結核予防法時代の
名残もあり、接触者健康診断の手引きが別途用意されています。
その中から抜粋。全国保健所長会のホームページより出典

まずは目的の確認

接触者健診の目的

  • 潜在性結核感染症の発見と進展防止
  • 新たな結核患者の早期発見(できれば非感染性のうちに)
  • 感染源及び感染経路の探求

続いて進め方(特にはじめかた)

  1. 初発患者情報の収集
    医療機関や患者・家族の訪問により情報収集する
  2. 感染症法に基づく迅速な初動調査
    • 感染症法第17条に基づく健康診断(medical exam)
    • 感染症法第15条に基づく積極的疫学調査(contact investigation)
    を組み合わせたものである


    結核予防法のもとでは医療機関から結核患者の届出を受理した後に
    保健所は調査を開始していた。あるいは、たとえばA保健所の登録
    患者が初発患者であって、その接触者がB保健所管内にいた場合、
    B保健所はA保健所からの健診(調査)依頼書を受理した後に接触者と
    連絡を取り調査や健診を実施するのが通常の方法であった。

    その結果、A保健所からB保健所への依頼が遅れた事例では(中略)
    迅速な調査や健診が必要であると思われる場合でも、A保健所から
    正式な依頼があるまでは、調査や健診を開始できない(しなくてもよい)
    と思い込んでいたために、初動が遅れた事例もあった。

    しかし、結核対策が感染症法に統合されたことにより、保健所は
    感染症法第15条に基づき、感染源や感染経路の究明、あるいは
    予防のために必要な調査(積極的疫学調査)を実施できることも
    明示された。この調査は初発患者の登録地保健所からの依頼
    または情報提供がなくても、(接触者、学校・事業所等からの情報に
    基づき)上記の目的で調査が必要と判断される事態を覚知した場合、
    迅速に実施すべきである。


    以下
  3. 初発患者の感染性の評価(高感染性か低感染性か)
  4. 接触者側の感染・発病リスクの評価(濃厚接触者か非濃厚接触者か、ハイリスク要因の有無)
  5. 3,4から接触者健診の優先度の決定(最優先・優先・低優先)
  6. 初発患者の感染源探求を目的とした健診企画

あとは手引きを読みながら進めていきましょう。
先は長い。忘れた頃に次の患者が出るかもしれない
という認識が必要。

結核予防会のQ&Aより

Q.どうなると発病するの?
A.感染した人が発病する確率は、5~10%といわれています。
感染してから2年くらいの内に発病することが多いとされており、
発病者の60%くらいの方が1年以内に発病しています。
  しかし一方、感染後の数年~数十年後に結核を発症することもあり、
いつ発病するかわからないというのが実状です。

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2009.02.05

警報や注意報を出す理由

学校や施設の方からの率直な疑問で気づかされました。

何のために国や県や保健所は警報出すんですか?

国立感染症研究所感染症情報センターのwebsiteにあるのは
警報の意味は、大きな流行が発生または継続しつつあることが疑われるということです。
注意報の意味は、流行の発生前であれば、今後4週間以内に大きな流行が発生する
可能性があるということ、流行の発生後であれば流行が継続している(終息していない)
可能性が疑われることです。

ではその発令の理由は?
警報は赤とか、注意報は黄色とか地図に塗り絵するためではないはず。

よく読むとその前に

拡大阻止対策などを講ずるため

と書いてあります。

つまり、流行のレベルを発令するんだったら、そのレベルで各自がすべき
対策を示すこともセットなのです。やるべき対策が違うから発令の種類も
違ってくる。レベルがあがっても対策が変わらないなら、発令する意味なし芳一。

当たり前のようで、準備していませんでした(反省)
というわけで図に示してみました。


Vsinflu_3

















学校や施設では流行初期(きざしステージ)には

  • 手洗い・うがい励行
  • 家庭へ注意喚起
  • ワクチン接種を勧奨(年内まで)

さらに感染拡大の兆候があえば注意報(定点あたり10人超)が出されますが、

このときはこれに加えて

  • 健康チェック(熱や咳はないか)
  • 症状あれば早期受診を勧める
  • マスク着用

そしてついに警報(定点あたり30人超)が出たら
さらに加えて

  • マスク着用強化
  • 集会やイベントは最小限に
  • 有症者は自宅待機
  • 出席停止や学級閉鎖で拡大防止
  • 外来や面会者の制限も

という対策が必要になります(感染拡大による被害の防止のため)

そして(ここが最も大事だったりするんだけど)ピークが去って
普段の状況に戻ったら、次の流行に備えて体制を整備。

  • 感染対策について検討する場を持つ
  • 手洗い・うがいを習慣づける

こういうことを安全衛生管理者だけでなく、施設や職場全体で推し進める
という流れです。

だって毎年来るんだのに。

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2009.01.05

被告に結核のおそれ

不況な年明け。

こんな社会情勢では結核感染が拡がらないかと
心配していたら、日経NETにタイムリーな記事が。

結核の脅威、都市に潜む 医師も病床も不足

都市に集中する娯楽施設や24時間営業の飲食店などでの感染が判明。
専門家は不特定多数が密閉空間で長時間いる施設で、複数の人に感染が広がる可能性を指摘する。

こういう都会型?の感染場に対して目を光らせる
ことも必要だがもっと心配なのは、低栄養などで
免疫力が低下した宿主(ヒト)が増加して発病リスクが
高まること。

ホームレスを対象とした健診はこれまでも行われて
きた「新宿連絡会のていげん」が、
ますます重要性が高まると思われます。これも支援の手。

そうかと思えば、経費削減を理由に労働者の診断書を
偽造して結核2次感染を招いたゼネコン請負業者が
事情聴取を受けたという
年末のニュースに耳を疑い
(でも他にもありそうな感じ)

さらに被告に結核感染のおそれという
大阪地裁発のニュースには開いた口がふさがらなかった。

地裁によると、大阪地検から今月、「被告は結核かもしれない。公判は開けるか」
と問い合わせがあった。地検は病状について
「結核菌を排出していない可能性が高く、他人にうつす恐れは極めて低い」と説明した。

 地裁は開廷を決め、初公判期日と判決公判のこの日、
法廷の入り口に「被告は結核に感染している恐れがあります。
傍聴者で希望の方にはマスクを配布します」と掲示。
近くに被告名や罪名、公判の開始時間が書かれた開廷表も張り出した。

 この日の法廷には、飛沫(ひまつ)感染を防ぐため、証言台の前に
透明のアクリル板を設置。被告がマスク姿だったほか、検事と弁護人、
地裁職員2人、看守2人、傍聴人1人がマスクを着用した。


結核に感染している可能性があることと、発病して他人に
感染する可能性があることを混同したのか。

医療機関は結核を診断したら直ちに保健所に届け出る
ように法律に書いてあるんですけど...

感染症の最大の敵は、知識の不足から来る偏見・差別。
それが裁判所で行われたというのは何とも皮肉な記事。

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2008.11.30

寄生虫との100年戦争は終わらない...

寄生虫との100年戦争というのは
日本住血吸虫という寄生虫のこと。

  • 住血吸虫症は、成虫が静脈内に寄生することで生じる疾患
  • ヒトが河、湖、沼な どの淡水に入って感染する
  • わが国では以前、日本住血吸虫症が特定地域に多発していた
  • 今では撲滅されて新たな患者発生は見られない
  • かつてわが国にも、甲府盆地をはじめ、九州の筑後川流域、
    広島県片山地方、静岡県富士川流域などに、流行地があった
そうだ
肝臓にも病変が及ぶため
肝では肝線維症へと進行し、特徴的な画像所見を示し、長期経過すると
肝脾腫、門脈圧亢進、腹水、食道静脈瘤の形成、そこからの出血をきたす。
これらの変化は日本住血吸虫症の方が顕著にみられる。
肝臓の病変は一見して肝硬変に類似するが、肝機能は長期間正常に保たれることが多い。

しかしその後患者は減少し、
1996年2月、地方病撲滅対策促進委員会(会長=刑部源太郎 県医師会長)は、
当時日本国内では、山梨県だけに残っていた、日本住血吸虫病について、
「地方病の流行は終息し、安全と考えられる。」という報告書を
天野県知事に提出しました。
山梨県はこれを受けて「山梨県の地方病の流行は終息した。」と、
「流行終息宣言」をしました。
と100年余りに及ぶ寄生虫tの戦いは終結した。

この寄生虫の流行地が、C型肝炎の患者集積地域と一致している
という噂は前にも聞いたことがあったが、先日のC型肝炎の研修会で
詳しく教えていただきました。

前出の国立感染症研究所「感染症の話」では両者の関係には
触れられていませんが、第23回日本医学会のシンポジウム記録集「わが国の慢性肝疾患、特に肝癌の疫学的特徴」では

一般人口におけるHCV 抗体陽性率を世界的にみると,
日本のほか,エジプトやモンゴルに高いことが示されている3).エジプトで
は,特にナイル川流域で高いが,この原因と
してこの流域に流行していた住血吸虫に対す
る注射治療(Parenteral Antischistosomal Treatment,
PAT)における注射器・針の汚染が挙げられている4).

また,東日本の中で特に山梨県でHCV 抗体陽性率と
肝癌が高い理由として,この地域に流行していた
日本住血吸虫症の治療における酒石酸ナトリウムアンチモニウムの
頻回な静脈注射が感染の機会を増やしたものと推定されている5).

寄生虫を撲滅するために、その当時の知見では最善の治療だった
静脈治療によってHCVが蔓延し、その結果として慢性C型肝炎、
肝硬変、肝臓がんによる死亡率が高くなっているというサイクル。
そういう意味で100年戦争は終わらないということになる。

国は肝炎対策として昨年来踏み込んだ施策を展開している
厚生労働省「新しい肝炎総合対策の推進」
薬害肝炎の原告との和解は進んでいるが、感染経路を特定
できずに闘病生活を強いられている方々から寄せられる声は
後を絶たない。でも「過失」を証明することはきわめて困難で、
その結果責任を追及することも難しいというジレンマに陥る。

輸血後肝炎も同じ構図だと考えます。

約1年前にここにも書いた「無過失補償制度」は
今年から出産→脳性マヒに適用されたと聞いたが
C型肝炎にも導入を検討する余地はないんだろうかと思う。

最後にこんなニュースもありました。
寄生虫の治療薬、C型肝炎にも効果 エジプトで臨床試験(朝日ドットコム)

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2008.11.15

大阪発しょぼインフルエンザ

いろいろ追われているなか、満月の夜から大阪入りして
無事にお仕事終えてきました。(全国保健所長会シンポジウム
大阪発児童虐待防止の話は別エントリーで書きます。

戻ってからみたニュース(産経)
大阪でインフルエンザ早くも猛威 全国の4割占め学級閉鎖相次ぐ

大阪府内で、インフルエンザが例年より2カ月も早く猛威をふるっている。
すでに学級閉鎖が相次ぎ、国立感染症研究所感染症情報センターによると、
府内の患者数は今月2日現在、全国総数の4割を超える214人。

ちなみに44週(10月27日から11月2日)までの報告患者数は全国が525人。
沖縄県は20人。沖縄県感染症情報センターからエクセルダウンロード可能。

今年は大阪発で流行が始まるかもしれないと専門家。

「局地的に流行するケースが大半だが、今年の大阪の場合は
比較的広範囲で、持続的な傾向もある。大都会で人口も多いため、
このまま近畿地方に波及する可能性もある」

ギューギュー詰めの立ち飲み屋や、満員電車を見ていると
感染が広がる要素は十分あると思う。さらに伊丹空港では
手荷物検査場場から飛行機の中までもずっと行列だらけ。
この中にスーパースプレッダーがいたら、あっという間に
全国拡大。

いつの間にか新型と重ねて考えてしまうが、でもこれは
季節性インフルエンザの話なので、手洗いうがい励行
(アイスコーヒーのことではない)で防ぐことも可能である。
感染症対策の基本を今から身につけるチャンス。あとは
どうやったらあの人ごみを緩和できるのか。新型だったら
どうなるんだろうという視点でwatchしよう。

タイミングよく、ちょうど金曜日に今冬のインフルエンザ総合対策
厚生労働省ホームページ2008)も発表されている。
キャッチコピーは

<あ、その咳、そのくしゃみ~咳エチケットしてますか?~>

面白いのはCDCのレポートよりも2週間早く発生動向を
把握できるというGoogleのFluTrend
昨シーズンの両者の比較動画も見ることができる!。検索ワードが世間の関心事を反映しているのは
わかるが、発生動向まで把握できるという話は興味深い。

ということで、今後の発生動向が気にかかるところです。
どうか、しょぼインフルエンザになりますように。

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2008.10.06

レプトスピラの撲滅を確認(1978年)

時期が時期だけに記事を凝視してしまった日曜日。
沖縄タイムスの「ニュースあんやたん」(10月5日)
今、関心が高まっているレプトスピラ。秋田県でも
みつかったらしい(

1978年伊是名村に多く発生、主にねずみの尿から 排出された菌が皮膚から感染、発熱や頭痛、嘔吐や 黄疸など風邪に近い症状を起こし、死亡例もある レプトスピラ症が予防ワクチンで撲滅できることが 実証された。
同症は人畜共通の伝染病で感染時期は7-9月の 二期作の収穫、田植え期。水田の多い伊是名村で 多く発生し、同村では風土病として恐れられていた。
「菌を媒介するネズミがいる限り、レプトスピラ症は なくならないだろうが、ワクチンの開発で患者の発生を ゼロにできた」と「撲滅宣言」を出した。


ちょうど30年前のこの時期にワクチンの効果が実証
されていたとは。現在ではデンカ生研のレプトスピラ
ワクチンがあるらしい(厚生労働省検疫所HP

その後の経過はよく知らないが、現在(この5年くらい)
沖縄県ではまたレプトスピラ症と(報告)診断される患者が
目立ち始めている。

まずはいつものチェック
真の発生増加(true increase in incidence)を語る前に除外すべき項目

  1. 報告の仕方は変更していないか
  2. 疾患の定義が変更していないか
  3. 診断方法に変化はないか
  4. 診断する医師の意識が高まったのでは
  5. 受診する人が増えたのではないか
  6. 熱心な医師がたくさん報告している?
  7. 検査エラー
  8. 報告する際に、ある程度たまってからしてないか(batch reporting)
  9. 分母が変化したのでは(割合などの場合)

1はある(届け出疾患に加わった)。4も沖縄ではあるかも。
WHOでも見過ごされ過少報告されていると言っている。

これらを踏まえ、さらにtrue increase in incidenceがあるとすれば

  • 媒介動物(ネズミ、マングース)の増加?(生態系の変化も含む)
  • water-contactの機会が増えた?(川遊びやカヌーなど)
  • その他(実はペットから感染してるとか...)

仮説は飛び交う

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2008.09.25

振袖火事と結核

9月24日から30日までは結核予防週間

国内最大の感染症である結核について普及啓発を図るため
県庁前県民広場でも26日午後4時より街頭キャンペーンあり

結核に関する本を大先輩に貸していただいた。その名も

ある病気の運命  結核との闘いから何を学ぶか(東京大学出版会)

1984年に出版された本で、上田敏、砂原茂一両先生の
対談という形で、結核全体の問題がまとめられている。

その中の「結核と人間との出会い」という章に、徳川時代の
振袖火事(明暦3年)と結核との関連が記載されている。

砂原
きくという名の娘さんが肺病で死んだので
来ていた振袖を棺にかけて寺に納めたら、
坊さんがその振袖を古着屋に売った。
ところがそれを買って着た娘さんが、
一年くらいたって肺病になってまた死んじゃった。
その振袖をまた第3の娘さんが買って着たところ
その娘さんも死んだので、これは振袖の祟りである
というのでその振袖を焼いたら、それから火事が
起こったというわけ。

上田
風に吹かれて空に飛んで、どっかにひっかかって
火事になった、その辺は知ってます。

砂原
僕も振袖火事が結核と関係がある
ということは最近まで知らなかった。

上田
しかし、いくら接触感染だといっても、
古着くらいでうつるもんでしょうか。

砂原
振袖火事の場合は感染防止のためではなく、
祟りのもとを絶つために焼いたのだが、
ヨーロッパの結核対策は患者の持ち物を焼くところから始まった......

結核の感染経路としては
飛沫(しぶき)とともに飛び散る結核菌を吸い込む
と言われているが、こういうルートもありということか。

振袖火事のエピソードは、怪談になるほどミステリアス
だけど、感染経路や潜伏期間、あと疫学状況からみて
「肺病」(結核)の仕業と解釈できる(のかもしれない)。

とこんな話を書くとますます「昔の病気」というイメージ
増強させそうですが、今も県内でも1年に250名余りの
方が新たに結核を発症しています。

結核わしんなよ~

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2008.04.08

イノシシ食べてE型肝炎2(zoonotic transmission)

朝日の夕刊を見た!と言って地方紙の記者から問い合わせの電話。
野生イノシシ肉がE型肝炎感染源に 厚労省「火通して」(4月7日)

夫が捕ってきた野生イノシシ肉を焼き肉にして食べた当時50代の女性。
同年3月、倦怠(けんたい)感や食欲不振を訴えて病院に行ったところ、
E型肝炎に感染した疑いがあると診断された。
 自宅の冷凍庫にイノシシ肉が保管してあったことから、国立感染症
研究所(東京)が肉と女性の血清から検出したHEVの塩基配列を比較。
配列がほぼ一致し、イノシシ肉が感染源と特定された。
十分に火を通していなかったなどの理由が考えられるという。

記事上のデータは感染症発生動向調査で上がってくる週報ベース。

応対をしていて、ooyakeでも書いた覚えがあるなぁと思って
調べたら、不適切コンテンツと跳ね返された(泣)
ということで今調べてみたら、やはり4年前に書いていた。
イノシシ食べてE型肝炎

その後肝臓の専門家らによる全国レベルの調査が行われた。
(肝臓 Vol. 47 (2006) , No. 8 pp.384-391 websiteはこちら
全国254例の症例を分析したところ

  • HEV感染は北海道から沖縄まで全国津々浦々に浸透していること
  • 感染者の多くは中高年(平均年齢約50歳)で,且つ男性優位(男女比約3.5対1)であること
  • 我国に土着しているHEVはgenotype 3とgenotype 4であるが,後者は主に北海道に偏在していること
  • 年齢と肝炎重症度との間に相関があること
  • Genotype 3よりはgenotype 4による感染の方が顕性化率も重症化率も高いこと
  • 発生時期が無季節性であること
  • 集積症例全体の約30%は動物由来食感染,8%は輸入感染,2%は輸血を介する感染に帰せしめ得たものの,過半の症例(約60%)に於いては感染経路が不明のままであること
との知見を得たそうです(抄録公開感謝)

動物由来感染症のことをzoonotic transmissionと呼ぶんですね。

で、その後、われらが頼り「沖縄県衛生環境研究所」報でも論文出してました。
沖縄県のヒトのE型肝炎ウイルス調査
これは疾患として上がってくる患者ではなく、800人余りの抗体価を測定して、
どのくらいのヒトがHEV感染を受けているかという調査結果。

  • 全体の1.7%が抗体保有
  • 年代では40代以上に多い
  • 性別による差はない
  • 地域的には沖縄本島1.3%、宮古2.6%、石垣1.0%、西表4.0%だが有意差はなかった
という興味深いデータを示しています。
参考文献によると、「イノシシ」からも検出されているようです。

食品から汚染(感染)されているという証拠固めや
さらなる浸淫状況調査を続けて、予防に生かすことが
必要です。

というか、野生動物に火を通さないで食べることのリスクは
E型肝炎だけではなく、食中毒予防の基本だと思います。

Continue reading "イノシシ食べてE型肝炎2(zoonotic transmission)"

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2008.03.14

1期2期 打って安心 MR

沖縄でもついに1例目の麻しんが発生しました(検査で確定)
拡がらないうちにワクチン打って免疫をつけましょう。
しっかり免疫をつけるためには2度打ちが必要です。
というわけでポスターを作ることになりました。その原案。
Mr

春からは3,4期も始まります。

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2008.03.06

発熱外来のかたち(車社会編)

参考記事ooyake「発熱外来と麻しん外来」

新型インフルエンザが国内発生(すなわちフェーズ4B)して以降
発熱外来が設けられます。

運営に関する諸々の課題はありますが、その「かたち」を考えましょう。
ただしタイトルにあるように「車で移動すること」を前提としています。
あくまで私案で叩き台です(ご意見歓迎)


Fctype1


タイプ1「病院併設型」




  • 発生初期に感染症対応可能な病院敷地内、あるいは近接して設置します。
  • 市町村保健センターなどに設置する場合もこのパターン
  • 病院駐車場入り口でスタッフが熱のある患者を振り分け(Ⅰ)
  • 発熱外来駐車場で待機。診察によって新型かどうか振り分け(Ⅱ)して
  • 新型の患者は入院勧告によって指定の病床へ搬送、入院治療します。



Fctype2




タイプ2「地域クリニック型」

  • 感染拡大期に地域の中学校区に1つ程度を目安にして設置。
  • 公民館や協力して頂ける既存の診療機関
  • やはり駐車場で予診・体温を測定して、順番まで車で待機
  • 診察によって入院が必要な新型かどうかを判断して
  • 重症の場合は受け入れ医療機関に搬送
  • 重症でない方は投薬して自宅で経過観察

Fctype3


タイプ3「ドライブイン型」




  • 設置時期はタイプ2と同じ頃
  • あるいはワクチン接種や薬の配布など
  • 駐車場スポットで待機して、インターフォンでやりとり
  • 診療なども原則として車内でできるものは車内で
  • 一部の患者はドライブスルー窓口でも対応
  • 問題はこのような施設の確保(お店ならあるけど)



タイプ1で持ちこたえられる期間(すなわち4B→5Bの期間)は
短期間になることも予想され、駐車場入り口の振り分け(Ⅰ)が
機能しない場合、病院内での感染拡大もありうる事から
4Bの段階からタイプ2(またはタイプ3)の設置準備も視野に入れて
対応する必要があります。

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2008.02.28

時間的空間的広がり(新型インフルエンザ)

この記事は読者にどのくらいのインパクトを与えたんだろう。
琉球新報2月28日夕刊
記者は最後まで講演を聴いて熱心に取材をしていた。

数を読むのと、実際の広がりを視覚的にみせられるのは
全然違うと思う。スライドは示せないが、大日研究官が
国立感染研究所で行った危機管理研修のものが参考
なる。



新型インフルエンザ想定 本島南部1人目感染→11日目3218人
高病原性鳥インフルエンザ(新型インフルエンザ)について
国立感染症研究所は28日までに、本島南部で1人目の
感染者が発生した場合、11日目には3218人に感染し、
高熱などの有症者は2759人に上ると想定していることが
分かった。

感染者発生後に爆発的な勢いで広がるため、自治体や保健所、
医療機関での入念な対策が急務となっている。
27日に那覇市医師会館で開かれた新型インフルエンザに
ついての講演会で同研究所の大日康文主任研究官が明らかにした。

大日研究官は新型インフルエンザ感染者の約半数が3―6日の間に
発症することを踏まえ、県内で人口が集中する本島中南部の感染
拡大の想定を発表。感染者数は1人目の発見から3日目で8人に
増えるが、その時点で有症者は最初の1人だけで、1週間後には
感染者492人、有症者168人に拡大。11日目には感染者3218人、
有症者2759人に上ると説明した。
 
その上で感染者が出た場合、拡大防止には

「外出自粛が非常に効果的」
と強調した。
(琉球新報2/28 16:08)


パーソントリップデータを用いた新型インフルエンザのシミュレーション
ということで紹介していた。

沖縄で3000人あまりという数にしかむかもしれませんが、
その同じ日、東京首都圏では12万人と桁違いに増えていることも
お忘れなく。

最終的な感染者の数は同じであっても、その増加のスピードが
現在の医療供給体制をはるかに超えてしまえば、死亡や重症者が
増加してしまう。このピークをなるだけ遅らせる・低くするのが課題。


全国版の作成にも取り掛かるということでした。

Continue reading "時間的空間的広がり(新型インフルエンザ)"

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2008.02.25

「麻しん輸出国」と呼ばれないためには...

2012年を目標とした麻しん排除計画を進めるために

麻しんに対する特定感染症予防指針(PDF)

の中で(特にハードルが高いと言われている)学校との連携に
ついて調べていたら、このニュースにぶつかった。
米国のはしか流行 感染源は日本の野球少年
[ワシントン 21日 ロイター] 米疾病対策センター(CDC)は21日、
国内で少なくとも6人がはしかに感染したことについて、
ペンシルベニア州で行われた「リトルリーグ・ワールドシリーズ」に
遠征した日本の少年野球の選手(12)が感染源だったことを明らかにした。
 CDCの報告書によると、はしかの感染は昨年の8月から9月にかけて
ペンシルベニア州、ミシガン州、テキサス州で報告されていた。
 感染者には、デトロイトからボルティモアへの飛行機内で少年の近くに
座った女性(53)や、デトロイトの空港の税関コーナーで少年に接した
男性(25)などがいるという。

原文のMMWRはこちらで見れます。
世界大会を勝ち進んでワールドシリーズで負けた日本のチームに
麻疹がいることは聞いていましたが、その後+4名に拡がっていた
のは知りませんでした。図を見ると3次感染までリンクが確認されています。
患者像で特徴的なのは
  1. 初発は7月に東京ではしか様患者と接触した12歳少年(D5)
  2. 症例1と同じチームの12歳少年で遠征後に発症(D5)
  3. 53歳女性で少年1が米国内便で移動する際、前列に座っていて感染(D5)
  4. デトロイトの空港で症例1と接触した25歳男性
  5. ペンシルベニアで症例1と接触した40歳男性(接種歴なし)
  6. 症例5が入院前に訪れていたヒューストンの大学生18歳
  7. 症例5が入院前に訪れていたヒューストンの大学生19歳

地名がピンと来ませんが、8月中旬から約1ヶ月の間に、米国内で
ニッポン発のD5麻しんウイルスが拡がったと思われます。
気になるのは症例6と7が、米国で出生して、2度のMMRワクチン接種を
済ませているのにもかかわらず発症しているということ。
全体的な患者年齢が高いのも去年あたりの日本の流行と共通してるね。

で、こういうニュースはWHOのIHR(国際保健規則)によって
各国に報告されるため、また「ニッポンから輸入された麻しん」となる。

そう呼ばれることがいやなら(みんなイヤだと思うけど)対策をみんなで
進めていくしかありません。というわけで件の特定感染症予防指針。
必要な措置の中に、これに関連する記述もありました。

厚生労働省は、国土交通省に協力を求め、旅行会社等に対し、
外国へ渡航する者に、国内の麻しんの発生状況、外国で麻しんを
発症した場合の影響等についての情報提供を行うよう依頼する
ものとする。
また、文部科学省に協力を求め、学校で外国へ修学旅行する際に、
麻しんの疾病としての特性や麻しんの予防接種についての情報提供を
行うよう依頼するものとする。

大切なことは、繰り返さないことですが、そのためには問題を問題として
認識する人を増やすことが必要(大丈夫かなぁ)。
その手段として、外圧も時には有効だと思います。

カナダからの外圧とか。

Continue reading "「麻しん輸出国」と呼ばれないためには..."

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2008.02.16

痢再来(リサイクル)

今年は半日開催となった地域保健全国大会@群馬
資料が回覧されてきたので、パッパと中を見てみると...

ノロウイルス防止訓なる標語(語呂合わせ)があった。

  • ノックアウトは加熱・塩素剤
  • 老人・子どもは要注意
  • うつるくせ者 ヒトからヒトへ
  • いつでも重要 手洗い・消毒
  • ルールは毎日 健康チェック
  • 少しの量でも感染する 生ガキ生食要注意!

この下に
断て!痢再来

という見慣れない文字があり、ルビを読むと「リサイクル」だって。

ヒトを中心に据えて2つのサイクルが描かれていた。
一つ目

  • ヒト
  • 吐物・患者便
  • 手・調理器具・食器
  • 食品
  • ヒト

二つ目
  • ヒト
  • 吐物・患者便
  • トイレ
  • 下水
  • 河川

  • カキ等
  • ヒト

この2つを称して下痢サイクルじゃなくて痢再来と呼ぶらしい。
中国語みたいね。

もっとも最近の集団発生は一つ目のサイクルがグルグル回転
するためだと思います。カキ由来ノロもあまり聞かない気がする。

消毒方法の問い合わせ等があった際は厚労省のQ&Aを照会しています。
厚生労働省 ノロウイルスに関するQ&A

追記!
埼玉県のホームページに痢再来(リサイクル)のPDFがありました。
コバトン食の安心情報
コバトンって

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2008.02.09

事業所と新型インフルエンザ

大先輩から次のような質問をいただいた。

産業医をしているのですが、事業所や従業員に対してどのような
新型インフルエンザ対策が必要かいろいろ聞かれています。
どう答えたらいいのでしょうか?教材などありますか?

事業体におけるガイドラインは国からも発表されている

他にCDCから出されているチェックリストを青森県のサイトで紹介
(訳まで!)しているのを発見。参考になります(下に概要)

これらを整理して雛形を示したいところ。
(まずは県庁職員の計画づくりが急がれますね)



1.パンデミックの影響を最小限に抑えるための計画を策定する

  1. 従業員の意見も取り入れて、事業所としての行動計画を策定する
  2. パンデミック時活動を維持するため、必須の従業員及び重要な事項について事前に確認すること
  3. 正規の従業員以外の要員を確保し、パンデミック時に備えた必要な訓練をしていること
  4. ある分野の製品やサービス需要の増加又は減少を想定した計画を策定する
  5. 製造ラインや生産拠点への影響を多角的に想定して、財務状況への影響について検討すること
  6. 国内外の出張旅行が制限されることによる影響について検討すること
  7. 地域の公衆衛生当局(保健所など)その他の情報提供源から、最新かつ信頼できる新型インフルエンザ対策関連情報を得ること
  8. 緊急時における情報提供計画(連絡網など)を策定し、定期的に確認すること。
  9. 行動計画が実用的かどうかを確認するために実働訓練を実施し、定期的に更新すること

2.パンデミックによる従業員への影響を最小限に抑えるための計画

  1. パンデミック時において、様々な要因により、多くの従業員が欠勤となった場合の対策について検討すること
  2. 従業員同士頻繁かつ直接的な接触方法を抑制する方法を規定したガイドラインを策定すること
  3. 従業員に対し、毎年のインフルエンザワクチンの予防接種を勧奨すること
  4. 従業員に対する保健医療サービスを提供する手段の確保について検討すること
  5. 従業員に対する心のケアや福祉サービスを提供する手段の確保について検討すること
  6. 特殊な介助を必要とする従業員及び顧客への対応方法について規定すること

3.パンデミック時における対応方針の設定

  1. パンデミック時における就業補償や病気休暇に関する方針を決定しておくこと
  2. 勤務場所及び勤務時間に柔軟性をもたせるような方針を決定しておくこと
  3. 職場におけるインフルエンザのまん延防止に関する方針を決定しておくこと
  4. 新型インフルエンザ患者・疑い患者となった従業員、あるいは接触者の対応に関する方針を決定しておくこと
  5. 新型インフルエンザ発生国・地域への出張の制限及びその周辺国に勤務している従業員の避難に関する方針を決定しておくこと。
  6. 行動計画の実行開始・終了に関する権限を有する者及び手順等について決定しておくこと

4.パンデミック時に従業員と顧客を保護するための資機材の配置

  1. 速やかに準備ができ、かつ十分なインフルエンザ感染防止のための資材(手指衛生用品、ティッシュ、専用廃棄物容器など)を事業所のすべての場所に準備しておくこと
  2. パンデミック時において、在宅勤務をする従業員と顧客との情報交換を行うため、必要に応じて通信・情報提供手段を維持するための基盤整備を行うこと
  3. パンデミック時において、医学的な相談・助言を受けることができるようにしておくこと

5.従業員との情報交換と教育

  1. 新型インフルエンザに関する基礎知識、個人や家庭での予防及び発症時の対応方針に関する教育プログラム及び教材を策定し、その対応方針に関する啓発普及に努めること
  2. 来るべきパンデミックに対し、従業員が恐怖・心配、噂、誤情報を抱くことがあることを予想すること。
  3. 情報提供の方法が、文化的・言語的に正しいものかどうかを確認すること
  4. 従業員に対し、事業所等が策定する行動計画の内容について啓発普及し、パンデミック時に備えた対応について理解を得ること
  5. 在宅療養している従業員又は罹患したその家族のためにどのような情報を提供すべきか及びその提供の手段について検討しておくこと
  6. 新型インフルエンザの発生状況のほか、従業員・販売者・供給者・顧客に対して事業所等が行う対応に関する情報を一元的かつ適時な方法で提供するために、特定のハードウェア環境を整備する
  7. 地域(都道府県、市町村等)におけるパンデミック関連情報及びその対応策に関する情報を得るための方法を確認すること

6.他の事業所との連携、地域への支援

  1. 計画を策定する場合には、地域の公衆衛生当局と協働して(参加者を得て)策定すること。この協働の過程を通して、それぞれが実施可能な事項を確認するとともに、それぞれが策定した新型インフルエンザ対策行動計画の内容を理解すること
  2. 事業所等が提供するサービスのうちインフルエンザ予防などに関して地域に貢献することができたものについ
    て、地域の公衆衛生当局(保健所、都道府県の感染症対策部門など)と情報交換を行うこと
  3. 他の事業所等と共同で実働訓練を実施し、地域における新型インフルエンザ対策の内容を改善していくようにすること

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2008.01.26

「ランドセル」と「はしか」

久々のはしかネタ。

年が明けたら、全国あちこちではしか患者発生のニュース。
静岡新聞からいただきました。



昨年春に大規模な流行があり、大学や高校の休校が相次いだはしかの患者が、
今年も神奈川県などで10代を中心に多数発生していることが、
国立感染症研究所の集計で25日分かった。
感染研は「このまま患者が減らなければ、昨年を上回る規模の流行が
春以降に全国レベルで発生する恐れがある」と警戒。感染の恐れがある人に対し、
ワクチン接種を呼び掛けている。
 今年から始まった患者全数報告に基づく初のデータで、信頼性は高い。
 集計によると、1月13日までの2週間に全国の医療機関から報告された患者数は計145人。
神奈川県の44人をトップに、北海道22人、福岡県16人、東京都13人、秋田県10人などと続く。
静岡県は2人だった。

関連するニュースとして
  • 秋田県大館市内では42人発生し緊急対策部を設置(さきがけon the web
  • 北九州市では60人が感染(毎日jp
  • 島根県ではセンター試験の受験者がはしかに感染していた(中国新聞
など報じられている。要警戒。

ほんとに警戒するのは、流行が拡がって、(院内感染により)乳幼児が重症化すること。
今のうちにワクチン接種を勧奨して、免疫を獲得しましょう。

国立感染症研究所では昨年からランドセルと組み合わせたポスターでPR
ランドセル商戦は既に始まっていて(沖縄は出足が遅いかもしれないが)
「取り置き」「取り寄せ」などもあるという。先週はジャスコ・サンエーを回った。

売り場にポスターとか。
websiteにバナー貼ってもらうとか(→日本かばん協会ランドセル工業会

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2008.01.15

H5N1で死亡する人、しない人

そのうちヒト-ヒト感染を獲得して、新型インフルエンザに生まれ変わる
であろうと考えられている高病原性鳥インフルエンザH5N1は、相変らず
かなり高い死亡率を維持している。2008年1月11日現在349名感染して
216名が死亡(約61%)(WHOの情報

最強ウイルス第2夜の調査報告編でもインドネシアのある血の繋がった
親族内で感染が拡がっていく様子がレポートされていたが、死亡者の
多くは主婦や青年、そして子どもであった。

H5N1に罹っても死亡しない群の特徴が新型インフルエンザ治療のカギ
なのかもしれない
とのご指摘を頂いた。
一昨年の朝日に「若者の発症・死亡率高く 鳥インフルエンザ
と言う記事が残っていた。 
発症者の半数は20歳未満で、40歳未満が90%を占めた。
患者全体の死亡率は56%だが、年代別では10~19歳が最も高く73%、
50歳以上が18%で最低だった。現在の通常のインフルエンザで、
高齢者の死亡率が高くなるのとは対照的だった。

その要因としては
若者の抵抗力の強さがあだとなり、ウイルスを防御する
免疫系が過剰反応したのではないかなどとの見方があるが...

免疫の過剰反応とはいわゆる「サイトカインストーム」のことである。
(この件に関しては極東ブログ「鳥インフルエンザとサイトカインストームのメモ」が詳しい)

抵抗力が強いために、感染によって免疫細胞から種々の物質が
放出され、それが結果的に多くの臓器に悪い影響を与えている。
一般的に免疫力を強くすることを「是」とする感染症対策とは逆の
減少が起きているという話である。

NEJMのレビュー(日本語訳pdf)でも

最近のデータによると,炎症性メディエー
タ(インターロイキン-6,インターロイキン-8,
インターロイキン-1 b,MCP-1)の血漿中濃度は,
生存例に比べて死亡例のほうが高く(Simmons C
からの私信),A 型トリインフルエンザ死亡例の
血漿中インターフェロン- a の平均濃度は,健常
者よりも約3 倍高かった

とあり、これらの反応がコルチコステロイド療法で減弱する
かもしれないと言っている。

サイトカインストームについては、エボラの講義でも聞いたことが
あるので、これらのウイルスは自らの力ではなく宿主自身から
毒性物質を引き出して、死亡率を高めているのかもしれない。

かすかな望みは、ヒト-ヒト感染というアイテムを獲得していく過程で
宿主を生存させ続ける(すなわち死亡率が低下する)方向へ変異
するのではないかということである。

最強ウイルス、再放送決定。

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2008.01.13

「社会活動の制限を要請する」新型インフルエンザ対策

昨日のNHKスペシャルの「最強ウイルス」でも
あったように、新型インフルエンザ対策では
薬による治療だけではなく(薬もすぐに効かなくなってたけど)

  • 発生地域の封じ込め
  • 社会活動の制限
が必要になります。

学校の休校、通所施設の閉鎖、人が集まる集会やコンサートなど
の開催自粛、そして通勤電車や交通機関の運行減少(停止)などを
要請したり、依頼することが各地の計画には盛り込まれているはずです。

関係する部局とは、ある程度調整して書き込んではいると思いますが
実際に発生した場合は、担当者からは
「休校期間中の授業をする時間が...」
「何かあった場合の責任はどうする」
「何も今やらなくても...」という発言が相次ぐでしょう。

責任をとれない集団が集まって、何も決めることができない会議
の様子がドラマでも描かれていました。

やはり危機管理にはトップの決断(責任をともなう)が必須ですね。
後は、依頼とか要請というレベルではなくて、法的拘束力を伴う
法律や規則の整備。これが人権問題とバッティングしてなかなか
前に進めにくいんだはず。

以下のグラフは(よく引用されている)1918年スペイン風邪の際の
アメリカで起こった事例。出典は品川区の新型インフルエンザ対策サイト
に掲載されている国立感染症研究所田代先生のスライド。


Phil_stl





首長の決断の違いが、死亡率の差となって現れた事例
Phil




死亡率が10.8%になってから対策をとったフィラデルフィア
(しかも感染者が出ているのに、大規模なパレードを開催してしまった)

Stl




より早い時期に介入を決断したセントルイス(死亡率2.2%)の時点で
市長による閉鎖・中止命令:(劇場、映画館、学校、
市民集会、会議、日曜学校、プール、ビリヤード、キャバレー、ダンスホール、
葬儀、野外集会など)

決断をすべき人たちに、昨日のメッセージを届けなければ。


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2007.12.18

フェーズごとの対策要約(新型インフルエンザ)

2Bとか3Bとか4Aとか新型インフルエンザにはフェーズが定義され
各時期で行うことが定められている。これがなかなかわかりにくい。
その原因の一つがA(国内非発生)とB(国内発生)に分かれている
ところ。

未知の世界だけに、3A(いま)から4Aと進んだ後、4Bに行くのか
5A、6Aと行くのか、進路を読むのも容易ではない。ギザギザ道
かもしれない(読めましぇん)。

ただそれぞれの時期で行うことを頭に入れて、先を読みつつ、
関係者を巻き込んで対応することが必要なのでしょう。

3A
  • フェーズ4以降の対応について準備を進める(体制を強化、医療の確保、関係機関との連携など)
  • 鳥における防疫対策
  • 県民とのリスクコミュニケーションを行う
3B
  • 新型インフルエンザ対策本部を設置して全庁的な対策の推進を図る
  • 県内で鳥-ヒト感染が発生した場合の指定感染症としての対応を行う
  • ひきつづきH5N1のサーベイランスを行う
4A
  • 新型インフルエンザの症例定義について周知を行う
  • 症候群サーベイランスやクラスターサーベイランス等を開始
  • 検疫との連携を強化し、保健所には発熱相談センターを設置する
  • プレパンデミックワクチンの接種を具体化する

5A
  • 4Aに引き続き、サーベイランスを実施・検疫との連携を強化する
  • 医療機関において新型インフルエンザ疑い患者以外にはタミフルを投与しないよう指導する
  • 地域の医療機能維持の観点から新型インフルエンザに対応しない医療機関を調整する
6A
  • 5Aの対策を継続する

4B

  • 対策本部の体制を強化する
  • 県内で新型インフルエンザが発生した場合は感染症法に基づく措置によって拡大防止を図る
  • 医療機関で患者と接触した医療従事者にはタミフルの予防投与を行う
  • 発熱外来を設置して新型インフルエンザの患者の振り分けを行う
  • また発生地域においては集会の自粛や休校などの社会活動制限を要請する
5B

  • 地域では発熱外来を増設する
  • 感染症指定医療機関と協力医療機関において感染症法に基づく措置によって拡大防止を図る
  • しかし、疫学調査によって患者の感染経路が追跡できなくなったり、感染症病床等が満杯になった時点でフェーズ6Bの対策の実施を検討する
  • 県民全体に対して、集会の自粛や休校などの社会活動制限を要請する
6B

  • 全医療機関で診療を行うとともに、入院患者は重症患者に行い、在宅療養者への支援を実施する
  • 患者の隔離は行わず、濃厚接触者へのタミフル予防投与は中止する
  • タミフルについては備蓄分により供給の安定を図る
  • 県民全体に対して、社会活動制限を要請し、県内すべての事業所等で新型インフルエンザの症状を呈する従業員の出勤自粛を要請する。

中年以上の公衆衛生関係者であれば、この作業をしていて
昔遊んだ2B弾を思い出す人もいるはずだ(きっと)。
新型弾が炸裂して、首都圏で感染爆発が起こるのか
(このシミュレーションは国立感染症研究所大日主任研究員のスライドが衝撃的→23枚目以降のスライド)

あるいは、新型弾が入ってきても感染爆発から逃れられるのか
(外出自粛を徹底することでその可能性も残っている島国車社会沖縄)

2B弾でも着火しても爆発せず「プスッ」という音だけで消えてしまうものもあった

通称シュールビー

新型をシュールビーに終わらせることができるかどうか(次の5年の課題)

Continue reading "フェーズごとの対策要約(新型インフルエンザ)"

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2007.12.12

隔離・隔離・隔離

高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)が中国でヒト-ヒト感染?!
ついにフェーズ4突入が宣言されるかもしれないという知らせもあり
緊張しています。
ただ翌日のニュースでは

「人から人へ感染する生物学的基礎条件を具備していない」
という中国側の発表もあったらしく、このまま拡がらないかどうか注目しています。

米軍のPI(パンデミックインフルエンザ)行動計画はいろいろ
参考になるところもあります(さすが軍隊/軍隊だから早い)
その中から隔離に関する定義があったのでパクリ...

social distance
握手などの社交的儀礼やいっしょに映画を観るといった接触をできるだけ少なくすること
  • 仕事はなるべく電話やインターネットで済まし、対面する場合でも最低3フィートの距離を置く、握手もなし
  • インフルエンザ様の症状があったら家から出ないように呼びかける
quarantine
暴露された人(発病前であっても)を引き離し、行動を制限する。具体的には命令によって自宅や兵舎barracksに滞在させ
  • 隔離された人たちへは物資(食事、水、薬など)を配給する
  • 在宅で仕事するための準備をしてもかまわない
isolation
発病した人を健康な人から引き離し、行動を制限する。医学的に妥当である場合(公衆を守る)実施される
  • isolationはその人の病状によって在宅や病院で実施される。感染性がなくなるまで、健康な人たちから引き離し、咳エチケットを実施するためにサージカルマスクを着用させ、手指消毒剤を使用する
  • 患者は自宅で他の家族に移さないような状態でケアする。仕事も当然1週間以上休ませる

新型インフルエンザを乗り切る(被害を最小限にとどめる)ためのキーワードは

home quarantine と発熱外来の活用
と教わっているように、暴露を受けて(受けた可能性があり)発症していない人たちがどれだけquarantineに従う(日本だと「協力する」になるんだろうなぁ)かがカギです。

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2007.12.10

なぜ発生が多いんですか?という前に

夏のインフルエンザがどうして沖縄に多いんですか?
この質問は今年100回以上聞かれました(おおげさ?)
ビシッと答えることができない状態が続いていますが
こないだの勉強会でのメモ

真の発生増加(true increase in incidence)を語る前に除外すべき項目

  1. 報告の仕方は変更していないか
  2. 疾患の定義が変更していないか
  3. 診断方法に変化はないか
  4. 診断する医師の意識が高まったのでは
  5. 受診する人が増えたのではないか
  6. 熱心な医師がたくさん報告している?
  7. 検査エラー
  8. 報告する際に、ある程度たまってからしてないか(batch reporting)
  9. 分母が変化したのでは(割合などの場合)

沖縄で当初ささやかれていた
「検査キットの普及が報告数を押し上げてる?」
3番(あるいは6番)のことでしょう。
今は4番もあって診断が続いているとも考えられます。

今後これらをひとつひとつつぶす形で検証がなされて
いくと思われます。


これとは別にtrue increase in incidenceに近いのは

県内エイズの感染(深刻だよ)

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2007.12.04

ゲイイベント資料

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2007世界エイズデーおきなわへようこそ。



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沖縄の感染拡大は深刻な状況の一歩手前まで来ています。



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感染拡大は主に男性同性間の性的接触で起こっています


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感染を予防するにはコンドームが有効です。
つけよう!つけて!コンドーム



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検査を受けて感染の状況を知ることが大切です。
沖縄では感染の段階で見つかる人が増えています。


沖縄の現状を報告したレポートが掲載されました
保健医療科学
エイズデーに合わせて発行されたようです。

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2007.11.09

発熱外来vs麻しん外来

Nishinihon




Nishinihon2感染症の会議で徳島に行って来ました。
情報交換の場では、
新型インフルエンザの発熱外来の運営方法
で各県悩んでいる状況が報告されました。


はしかの流行が拡大しつつある沖縄県(記事参照
新型インフルエンザ対策に照らし合わせると
今は県内で徐々に患者が増え始めつつあるが
それを封じ込めている時期

公衆衛生対応としては

  • サーベイランス
  • 積極的疫学調査
  • 早期封じ込め
などを行う時期です。
(実際保健所はフル回転で追跡をしています)
これ以上広がると、保健所による患者追跡も困難になる
ぎりぎりの時期。

はしかの場合は封じ込めで時間を稼いでる間に
感受性者を減らすための対策として

予防接種率の向上
を図ります。

追跡が困難と判断したら、エネルギーを感受性者対策に注ぐ
(例えが不適切かもしれないが、山火事で言えば、
火元に近づいての消火活動が無効と判断して消火作業をやめ
周りの森や住宅などに水をかける等の延焼防止対策に切り替える)
という瀬戸際の時期を迎えています。

ただ、今回もそうですが、感染拡大が実際に起こっている
「医療機関内での感染」を防ぐ努力は怠るべきではないと
思います。病院が感染拡大の場となってしまっては鎮火は
難しくなりますから。

はしかを病院で拡げないためには

  • 待合室で待っている間にうつす
  • 医師の診断が遅くなり感染を拡げる
  • 医療従事者を介して感染が拡がる
ことを避けなければなりませぬ。流れ的には
  • 一般の患者を交わらないように麻しんの疑い患者をトリアージする
  • (同じ建物内で診察するとすれば)入り口を分ける
  • そのためには入り口に至る前に誘導する人が必要
  • 診察室も別(空気感染に注意)。スタッフも別。会計も薬局も別。
  • 【注意】調剤門前薬局などで交雑があってはいけません
  • 入院が必要な患者は感染症対応の個室に入院する
  • そうでない人は感染しない時期まで原則自宅療養

などの対策が必要ですね。今の時期に必要な麻しん外来の姿。
駐車場係や入り口での振り分け担当スタッフが必要です!

接触者のリストに挙がっている(今後発症する可能性が高い)
人には趣旨を伝え行動してもらう。受診する病院も上記対応が
可能な医療機関に絞る。だから今の時期は感染症指定
医療機関にあらかじめ連絡を入れてから受診するよう伝える。

新型インフル封じ込め期の発熱外来もこんなイメージで
運営すればいいのかもしれない。

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2007.10.31

C型肝炎とインターフェロン療法

Hcv







C型肝炎患者は、国内で潜在的に150万人程度存在すると言われ
うち血液製剤などのいわゆる薬害患者は10万人程度と推定されて
います。県内の正確な患者数は把握できていません。

C型肝炎ウイルスに感染した場合、特に対策を取らなければ

約75%が慢性肝炎
に移行し、感染から10~15年で肝硬変となり、
さらに肝硬変から5~10年で肝細胞癌を発生すると言われています。
ウイルス性肝炎が進行するにつれ、感染前の健康度を100%とすると、
慢性肝炎で80%、肝硬変で65%程度しか保てなくなり、腹水や
消化管出血の合併症を生じるとその数値は著しく低下します。

肝炎に関する対策としては、肝炎になっても無症状で経過するため、
検査によって抗体を確認することが重要になります。検査で感染が
確認された場合は、生活習慣を含む保健指導を受け、さらに
必要があれば医療機関でインターフェロン療法を行います。
症例の約30%(あるいはそれ以上)がこの治療により
体内からウイルスを駆除することが可能と言われています。

ただし治療にあたっては肝臓の病態等の正しい診断に基づき、
肝臓専門医の関与の下に行われる必要があり、かかりつけ医と
専門医の連携が必要になってきます。
検査体制を拡充し、患者を早期に発見し治療に結びつけることで、
患者の健康寿命を延伸させ(県民の長寿復活にも資する)QOLの
低下を防ぐことが期待できます。

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2007.10.20

学校保健が守るもの

それは学校。

宮古島市が小中学生へのインフルエンザ予防接種の場として
学校での集団接種を持ちかけたところ、以下の理由で拒絶された。

  1. 学校教育は法令に基づき適正に運営されなければならない
  2. 予防接種は「医療行為」であり、専門家および専門機関において責任を持って行うべき
  3. 一九九四年に「集団接種」から「個別接種」に法改正された経緯を踏まえ慎重に対応すべき
  4. 予防接種は教育業務外であり、勤務時に教職員を従事させることはできない
  5. 現在の児童・生徒の体力低下やアレルギー体質などを考えると、副作用についての危険性を十分考慮して対処すべき
  6. 予防接種の実施は旧市町村の施設を利用してほしい。どうしても学校施設を利用するときは土・日曜日を利用し、学校職員以外で対応してほしい
  7. 「無料化」という市の方針を踏まえ、保護者へのチラシ、アンケート、問診票などの配布協力は可能
  8. 予防接種を受ける際は保護者同伴とすること
校長会が出した意見書にはインフルエンザワクチンの効果に疑問を投げかけた 「前橋レポート」を紹介しているという。できない理由だけではなく、効果にまで 学校から意見されてしまった。

何も養護教諭の先生を困らせたくて集団を持ちかけたわけでは
ないだろうに、予想をはるかに超えた拒絶反応で、結局学校での
接種は見合わされることになりそう。

来年からのMRキャッチアップキャンペーンでも学校での接種は
期待されていた(これも結局個別になりそうな雲行き)が、
やはり学校の壁は厚いということだろう。

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2007.09.12

H5N1の死者200人に

やはり新型インフルエンザの出現は刻々と近づいているのだろうか
google news の「インフルエンザ」でヒットした日本農業新聞の論説記事
鳥インフルエンザ/死者200人、警戒怠りなく

高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)で亡くなった人の数が200人に達した。
東南アジアを中心に世界の60カ国・地域で感染が確認されており、
特にインドネシアでは80人以上が死亡した。
世界保健機関(WHO)は新型ウイルスへの変異を警戒する一方、
世界的な流行に強い懸念を表明している。
日本でも秋から冬にかけて発生するケースが多い。
監視体制を今後も根気よく継続し、早期発見・封じ込めに努めたい。

この記事のニュースソース(源)はOIE(国際獣疫事務局)だが、
WHOの確定患者数のページ
でも確認できた

記事ではインドネシアとベトナムの感染拡大傾向への懸念、
プレパンデミックワクチン開発にかかるインドネシアと大国
(どこだろう?)とのコンフリクトに言及している。

万が一、新型ウイルスが誕生すれば、世界的な大流行になる 恐れがあるだけに油断できない。変異を見逃さないためには 感染症例一つ一つのウイルスチェックを、発生国とWHOが 適切に行わなければならない。 しかし、残念なのは、今年に入ってから分離ウイルスの提供と ワクチン製造をめぐり、インドネシア政府が国際機関に対して 不信感を募らせていることだ。提供したウイルスが同国に 無断で製薬会社に渡り、高価なワクチンとなって大国だけが 購入できることに強い不満を表明している

コミュニケーションが大切。共通の敵は何かを認識しよう。

新型インフルエンザに関して危機感を抱いている先生の言葉

導火線の長さはわからないけど導火線の先に火がついていることだけは確か

それぞれでできる準備を進めましょうね。

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2007.09.02

西表帰りの熱発患者の鑑別には常にレプトスピラ症を考慮すべきである

レプトスピラに関するニュースが次々と紙面を賑わせている。


よく見ると、八重山毎日では約1ヶ月前3人が出た時点で注意喚起している

厚生労働省検疫所websiteによると全世界で発生し、
特に熱帯や亜熱帯に多いというが、沖縄も多い。
感染源であるスピロヘータから人が感染を受けるが

感染は菌を含む水を飲用し感染する場合と、
菌を含む水もしくは尿にふれて皮膚から感染する場合がある。
感染機会の多いのは調理師・食品加工業・稲作農民・測量師
などの職種、清掃作業・魚とり・水泳・ハイキングなどの機会である。

2003年にやんばる(沖縄県北部)で流行したときは
川遊びキャンパーが多く感染したが、マングースが
キャンパーの食べ散らかした食糧に集められて
そこで糞尿垂れ流し、結果的に感染源となったのでは?
と議論された記憶がある。基本的にはヒトからヒトへの
感染ではない

  • どのくらいの人が潜在的に感染しているのか
  • 田んぼやカヌーで遊ぶ川などの汚染状況は?
  • あるいは動物にも拡がっているかもしれないとか
  • 八重山から持ち帰って発症した人がいるのでは?
などなど流行に関して気になるところ。 まずはこのアウトブレイクが収まるかどうかの観察が必要。

1999年2003年以降県内では散発例があるが、昨年は九州宮崎で
アウトブレイクがあり、国立感染症研究所の協力を得て調査が
行われた。ネット上では宮崎県の公衆衛生大会抄録に概要。

3か月間の調査データを基にしたFETPの研究により、下記の結果が得られた。
  1. 今回の症例は、単一の感染源による集団発生ではない。
  2. 慢性的な地域流行の一部であり、感染源は地域毎に異なっている。
  3. リスク因子として山に近い畑作・林業に従事農作業中の怪我部位へ水・土との接触がある
  4. 宮崎県は、県全体にイヌレプトスピラ症が侵淫している。
  5. 広範囲にヒトの生活圏内に感染源の可能性がある。
  6. 未診断感染者の可能性がある。

精査してカヌー産業の方達などとも対策進めていくべきテーマだと個人的には思います。

西表島帰りの観光客(東京都)がレプトスピラを発症
(国立感染症研究所)IASR

(タイトルもこの論文から引用しています)

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2007.08.28

深刻だよマジで。HIV/AIDS in 沖縄

News






写真はAC(公共広告機構)のエイズ検査啓発キャンペーン
GlayのTERUさんが登場しています。

ちゃんと検査しておいた方がいいですよね。
自分のためにも、大切な人のためにも。

(もしHIVに感染していても、あきらめることはありません。
早期治療が、エイズの発症を遅らせます。
あなたの生活を続けることも可能です。)
大切な人を守り続けるためにボクはここに来ました。

沖縄県内のHIV感染者/AIDS患者数は深刻な状況です。
過去最悪のペースで増加をつづけています。
琉球新報ホームページに掲載されたグラフ
Img46ccd9f6662da




<


沖縄タイムスの新聞記事より
HIV届け出 上半期17人 過去最高 人口比全国2位 急拡大
沖縄タイムス8月23日

県内で病院や保健所に新規に届け出のあった
エイズ患者とHIV感染者数は二〇〇七年六月末現在、
過去最高の十七件となった。
半年間で前年一年間の十四件を上回る急激な伸び。

特に今年四―六月の三カ月間の届け出数は九人で
全国五位と多く、人口比では東京都に次いで全国二位だった。
県内でエイズ治療にあたる琉球大学医学部の健山正男准教授は
「届け出数は県内で検査・診断を受けた数のみ。
他府県で診断を受け県内で治療している患者も多く、
実際の患者数は三割以上増える。感染が急速に広がっている
可能性がある」とみて危機感を募らせている。

  • 予防のターゲットは、青少年+中年、そしてMSM
    • するなら着けようコンドーム
    • パートナーと受けようエイズ検査
  • 医療の課題は受け皿機関の整備
  • 社会の課題は「他人事意識」の解消

注目はエイズが慢性感染症として医師が届け出すべき疾患に
指定されるかどうか。この件についてはまだ議論中のようです。
参考→全国保健所長会ホームページ記事

Continue reading "深刻だよマジで。HIV/AIDS in 沖縄"

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2007.07.31

積極的疫学調査vs個人情報保護

法律の解釈は高度な知識とテクが必要と思われますが、
一応、積極的疫学調査と個人情報保護の関係について
下のような意見が示されました。

改正感染症法下での結核対策(IASR28-7 加藤誠也結核研究所副所長)によると

3.接触者健診について 接触者健診は初発患者および接触者の調査と必要な対象者の健康診断の二つの要素から成り立っている。結核予防法ではこの調査に関する法的規定がなかったが、感染症法第15条に積極的疫学調査、すなわち、都道府県知事による感染症の発生状況、動向、原因に関する調査権限が規定されており、これに基づく調査となる。なお、法第15条には、調査対象者に「必要な調査に協力するよう努めなければならない」という努力義務規定があり、これに基づく調査には、個人情報保護法等に基づく情報の利用制限の適用除外規定が適用される。
と解釈されている。 すなわち個人情報保護法には
 (利用目的による制限) 第十六条 個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定により特定された利用 目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。 2 個人情報取扱事業者は、合併その他の事由により他の個人情報取扱事業者から事業を承継することに 伴って個人情報を取得した場合は、あらかじめ本人の同意を得ないで、承継前における当該個人情報の 利用目的の達成に必要な範囲を超えて、当該個人情報を取り扱ってはならない。 3 前二項の規定は、次に掲げる場合については、適用しない。 一 法令に基づく場合  二 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難で あるとき。 三 公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を 得ることが困難であるとき。 四 国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対し て協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすお それがあるとき。

結核(及びその他の感染症)に罹患した患者と接触したもの、あるいは
その患者に感染させた疑いがあるものについては、都道府県による調査
に協力するよう努める。
同様に、学校や会社などの管理者はその接触者のリストを提出するなど
調査に協力するよう努める。この際に個人個人の同意を得る必要はない
ということになるようです。
これは麻疹にも当然あてはまります(よね)。

法令の解釈のせめぎあいになると、やはり弁護士や法令関係者が
必要になる。感染症審査協議会に彼らを入れるべきという事情も
訴訟社会であれば了解可能。

ちなみに第18条就業制限について

(就業制限)
第十八条 都道府県知事は、一類感染症の患者及び二類感染症又は三類感染症の患者又は無症状病原体保有者に係る第十二条第一項の規定による届出を受けた場合において、当該感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該者又はその保護者に対し、当該届出の内容その他の厚生労働省令で定める事項を書面により通知することができる。
2 前項に規定する患者及び無症状病原体保有者は、当該者又はその保護者が同項の規定による通知を受けた場合には、感染症を公衆にまん延させるおそれがある業務として感染症ごとに厚生労働省令で定める業務に、そのおそれがなくなるまでの期間として感染症ごとに厚生労働省令で定める期間従事してはならない。

結核に関しては、原則全員(刑務所に服役中のものを除いた
全員という意味で、赤ちゃんや寝たきりのものも含めて)その
対象になるということです。空気感染するから?

やはり法律の解釈ってムズカシイ...

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2007.07.30

結核予防法亡き後の結核対策

Img217

財団法人結核予防会編
「改正感染症法における結核対策」保健所の手引き
税込み4725円



結核の会議&研修のため長崎の諫早へ。
結核研究所の先生方がお勧めの本がこれ。
この3月で廃止された結核予防法から改正感染症法への
移行に関する一連の文書とその解説が書かれてある。
初版限定2000冊のみ発行だそうです。

この他にもQFT(クォンティフェロン)の使用指針もリニューアルされ
新規購入の必要性があるとのこと。

何だかお買い物情報のようになってきましたが、その背景には
旧結核予防法から改正感染症法に移行するにあたって、結核対策では
旧法の関連通知類で行われてきたいろいろな取り決めがあるのに
4月に移行されたのはその一部のみという状況があります。

法律の本体が廃止されて本来なら一緒に死んだはずの旧通知類は、
まだ全部は整理できず、新しい通知や文書が来るまでは参考にする
(すなわち生きている)という解釈でいいようです。

まだ成仏できない結核予防法...

で、通知行政の整理シリーズとして、接触者健診の手引きは
国から近々ジムレンが来て、晴れて「お墨付き」となるらしい。
また、初感染結核の公費負担の年齢枠(29歳以下)撤廃の話や、
入院基準、退院基準に関する見直し(退院させなければならない
基準、退院することができる基準)などは、7月30日(今日)午後
行われる厚生科学審議会の感染症担当分科会結核部会で
詳しく話し合われる
そうです。要注目!


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2007.07.13

夏のインフルエンザ(沖縄・3年連続3回目)

先週の沖縄タイムスで報じられたインフルエンザ流行の兆し

今夏、県の定点調査で注意報発令基準を超えたのは六月十八日―二十四日の週から。県は、七月二日―九日までの状況を見て患者増の傾向が続くようなら流行注意報を発令する考えだ。
Image82



ということで様子を見ていたが、やはり少しずつ報告数は増加し、
昨年、一昨年の流行のこともあるため、注意報発令の情報を
提供した
グラフは沖縄県感染症情報センター提供のもの。
グラフから明らかに15,16年とは流行するシーズンも遅くなり
夏場(といっても6月~7月にあたるが)に再び山がある。

今回の流行は

  • 春先からの流行が完全におさまったのではなく、ダラダラ引きずっている
  • 5-9歳の学童の割合が高い
  • 学級閉鎖も6月、7月と報告が多くなっている
  • ウイルスのタイプではA(H3)、A(H1)、Bそれぞれが検出
  • 南部ではずっと警報レベルを維持しているが、特にここだけ激しく流行しているわけではなさそう(宮古や石垣の学級でも流行)

などの特徴がある。

肝心の原因については、よく聞かれるが「原因不明」としか回答できない
のが事実である。でもいくつかの説はあることはある。
(昨日はテレビ局のディレクターにもしつこく聞かれた)Pf29741




  1. 沖縄は東南アジア(たとえばタイ)の流行パターンに近づいている(IASR沖縄県衛研論文
  2. 沖縄の医師がこれまで「夏風邪」で片づけていたものを迅速キット等できちんと診断するようになった
  3. 学校での流行が起こりやすい環境(集団行動、中体連、プール開始、冷房+乾燥等)が揃う時期。夏休みがはじまると流行は去っている。
  4. 南半球と北半球の移動が盛んになったため...
など諸説飛び交っている。
上の中では
地球温暖化に伴い感染パターンが東南アジア型に変わりつつあるという説に基づく1番がもっともそれらしい
。2は地域によって医師の診断方法がそこまで変わるとは思いにくいし、」3は冷房を備えている学校は全体の半分程度。クーラーない学校でも流行がある。
4は何で沖縄だけ?という疑問が残る。
もちろん上記のコンビネーションもありうると思う。

いずれにしても、流行が収束するように特に有症状者への
咳エチケット励行を呼びかけ、
流行にまぎれて新種ウイルスが含まれていないかなど
目を光らせておくことが必要だ。

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2007.07.02

いきなりエイズ56%→15%へ

いきなりエイズというのは、HIV陽性が判明した時点で
すでにAIDS(後天性免疫不全症候群)を発症していること。
すなわち感染から6-10年と言われる潜伏期間(症例に
よってはもっと早く発症することもあるという)を経過後に
判明している例のことをいう。

すなわち

  • 本人の治療に対する予後が悪い
  • 気づくまでの間にパートナーに感染を拡げていた可能性がある
という面から心配。

ここ沖縄県では平成15年までのいきなりエイズの割合
AIDS患者/(HIV感染者+AIDS患者)は56%それが検査数が増加してきた平成16年以降の3年では15%となった。

ではどうして検査数が増加してきたか(これが宿題のテーマ)

禁煙や生活習慣改善などでよく引用される
Prochaska JOの汎理論的モデル(The transtheoretical model)

行動変容は、多くの場合、長期間にわたって段階的に達成される

という前提でそれぞれの支援モデルを考えるときに有用である。

(無理やり強引に)エイズ検査受検からその後の行動変容の
段階をあてはめてみた。

  1. 無関心(熟考前)期

  2. 関心(熟考)

  3. 準備期
    • まずは検査で確かめようという気持ちになる(検査は自分にとって必要なものであると認識する)
    • 検査を受けるための情報を集める
    • 検査を受ける段取り(休暇をとる、場所を確認する、陽性の際の対応を考える等)を進める

  4. 行動期
    • 保健所を訪れて検査を受検する
    • 自分のパートナーや知人にも検査を勧める

  5. 維持期
    • 感染の心配がある性行動をしない
    • 心配な接触があれば再び受検する

沖縄県の場合は

  • 1.若年出産、離婚など性行動に関連している(と思われる)問題が多い
  • 2.HIV感染者/AIDS患者の報告数が増加中。全国強化指定自治体。
  • 2.県や保健所でもキャンペーンなどで情報が流れてくる
  • 3.その日で結果が出る即日検査を実施している(全保健所)
  • 4.保健所は健康診断などでかつて訪れたことがある場所だったりする
  • 4.車で1~2時間ほどで本島内4つの保健所を回れることが可能
  • 5.横のつながりが強い

などの特徴があり、受検者数増加のサイクルが回っている
(準備しないでパッと行動に出るパターンもあると思うが)

今のところ受検者増加→HIV感染段階での発見→医療機関でフォロー
という流れになっている。しかし、感染者や患者の発見増加に伴って
(また治療によるコントロール向上に伴って)受け皿となる医療機関が
拠点病院だけでは不足するという事態も生じている。

検査数を全体的に増やして、いきなりエイズを減らすことを
当面の目標にしたい

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2007.06.11

はしか 修学旅行 沖縄 休校

はしか 修学旅行 沖縄 休校のキーワードで検索したら
このニュースにぶつかった。

はしかで栃木農高が休校 asahi.com 6月6日

県立栃木農業高校(栃木市)は5日、生徒の間ではしかが集団発生しているため、6~12日の7日間を休校措置とすることを決め、全生徒に自宅待機を指示した。首都圏の大学で広がった「はしか休講」が県内にも押し寄せた形。県によると、はしかによる休校は「少なくともここ10年間はなかった」という。

県は、流行は依然下火にはなっていないとして、他校にも注意を呼びかけている。

同校の若井田正之教頭によると、1人目の発症が確認されたのは、先月22~25日に3年生が沖縄に出かけた修学旅行中。23日朝に生徒1人が発熱を訴え、現地ではしかと診断された。他の生徒や教員の体調も確認したが、症状が確認されなかったため、予定通りに日程を消化。発症した生徒は現地で入院し、快復を待って28日に戻った。

 だが、5月31日に別の6人の発症を確認。その後も増え続け、5日までに3年生192人の約15%にあたる30人が感染し、29人が現在も欠席。2年生も3人が感染し欠席している。1年生の欠席者はいない。同日昼休みに職員会議を開き、校医らの意見も聞いて休校を決断した。

 休校は下校前の臨時ホームルームで全校生徒に伝えられ、全学級で保護者向けの事態を知らせる文書を配布。休校中は外出を避け、発熱した場合はすぐに医師にかかるよう指示したという。

 週末に高校総体県予選を控えた運動部の生徒もおり、休校によって出場を見合わせることになった。若井田教頭は「最後の大会の生徒もいる。かわいそうだが、苦渋の決断だった」と話した。

県健康増進課によると、県内の児童・生徒のはしか感染は、栃木市を含む県南と県西の両保健福祉センター管内を中心に報告が上がってきているが、学級閉鎖も含めて学校側が休業措置を取るのは初めて。「今後も患者数の増加が懸念される」と警戒を強める。

はしかの潜伏期間が8~12日であることを考えると
修学旅行中に感染が広がり、潜伏期間を経た旅行後に
次々と発症したという計算になる。

もちろん初発患者は沖縄ではしかをもらったわけではない(誤解しないでね)

その後の欠席者数をみると、かなり感染力が強いはしか
だったのかもしれない。あるいは感染力が強い時期に濃厚に
接触したかもしれない。

感染症は、ともすれば初発患者に注目が集まりがちだが
その患者も別の患者から感染を受けており、さらにその患者の
感染源もあり、患者が責められるという話があってはならない。
特に今回のはしか流行では予防接種の有無に関わらず
発症しているし。

とにかく患者がさらに広がりそうな事例である。

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2007.06.03

受けて安心 エイズ検査

HIV検査PR@CLUBECHO でのメッセージより


6月1日からはHIV検査普及週間です。

本日は、HIV検査のPRのためにやってまいりました。

入り口の方ではコンドームをパンフレットなどを配布させていただいています。

沖縄県でもHIV感染者やAIDS患者の報告が増加しています

感染しているかどうかは、抗体検査を受けなければわかりません。

Hivtenbus
今年は街頭検査(那覇のてんぶす館でも)検査を実施する予定です。
(6月9,10日と16,17日 午後2時から午後9時半)

検査は保健所で無料、匿名で受けられます。県内保健所での検査内容はこちら

不安を抱えながら生活している人は検査を受けましょう。

ちょっと心配な人も、念のために検査を受けましょう。

今年のキャッチフレーズは「受けて安心 エイズ検査 不安な日々よ さようなら」

受けて安心 エイズ検査

以上


関連記事
検査率全国1の沖縄 全国平均2倍 0.186%(琉球新報)


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2007.06.02

はしかを早期に診断するとは?

まだまだ続くはしかシリーズ。

沖縄県でも今年6例目の確定例が報告されました。

麻しん患者の発生について(5月30日付記者発表資料)

これまでの5例は持ち込み麻しんが考えられましたが
今回は家族内感染が濃厚です。

26歳女性、中部福祉保健所管内に在住。
 子どもが5月19日に麻疹と診断されました。
感染経路は子どもからと考えられます。

子どもさんはゴールデンウイークに旅行した後の発症。
お母さんは潜伏期間からみても、子どもからの感染でしょう。
当然子どもの接触者ということで保健所がフォローしており
症状は、5月26日より発熱、咳、倦怠感がありました。
保健所の健康観察対象者であったため、発熱した段階で
医療機関を受診し、麻疹を疑われ、30日に麻疹と診断されました。

何気なく書いていますが、発疹が出る前にPCR検査で
陽性が確認されました。お母さんとの接触者はこれでかなり
少なく抑えられたはずです。
保健所の調査が感染拡大防止につながっている典型。
目立たなくてもこういう仕事を淡々と積み重ねて
次の火種を小さくすることを繰り返していけば、鎮火も
見えてくるはず。後は移入例だけが心配です。

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2007.05.31

はじか?

2週間前に沖縄タイムスのコラムに書かれてあったことが
現実に起こってしまった。

アメリカは、日本が「最大の輸出国」だと非難する。
自国では、ほぼなくなったのに、日本人旅行者が
持ち込むケースが多いため。輸出しているのは、
麻疹(はしか)ウイルスだ。
今回の貿易相手国はカナダだ。

1人はしかで全員が一時待機 カナダ滞在の修学旅行生

【ニューヨーク=長戸雅子】カナダ西部アルバータ州の在カルガリー
日本総領事館に29日までに入った連絡によると、修学旅行で
カナダを訪れた東京都内の高校生ら131人(教員2人)のうち、
1人の女子生徒がはしかの症状を示し、バンクーバーの病院に入院した。

 総領事館によると、一行は24日に東京からバンクーバーに到着。
27日に女子生徒が発熱を訴えたため病院で診察したところ、
はしかに感染していることが分かり、同日入院した。

 他の生徒らは28日にロッキー山脈で有名なバンフに到着したが、
地元保険当局の指示で同日はホテルで待機、抗体検査を受けた。
検査で抗体のなかった41人は予防接種を受け、29日から
観光を続けているという。130人にはしかの症状はないという。

今後海外に(本当は沖縄もだけどね)旅行に出かける学校は
事前に生徒の周辺で感染者がいないかチェックして、その人達の
健康観察にも力をいれてほしい。そうでないと日本の麻疹は
本当にはじかになってします。

ただし、ワクチン不足が深刻な現状では、高校生や大学生は
ワクチンで感染予防するのではなく、非薬物(物理的対応)で
対応をしましょう。

誰を優先的にワクチンを接種するかを整理しないといけません。
その意味では国が出した通知はタイムリーだと思います。

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2007.05.26

では今何をすべきか?(はしか対策)

はしか患者、今年最多に。7~13日。成人も倍増(時事通信)
国立感染症研究所が全国で定点観測を行っている医療機関から
報告があったはしかの患者数が、今月7~13日の1週間に、
今年最多を記録したことが25日、分かった。患者が報告された
地域も増えていることから、感染研は

「流行が首都圏から地方に広がる可能性がある」
として警戒を呼び掛けている。



現在の状況は
  • 全数把握のシステムがないため、全体像の把握が困難。
  • 診断も修飾麻疹なども含めて、臨床医の判断に頼るのみ。
  • しかもワクチンも徐々に不足してきている。
  • 幸い重症者の報告は聞かない(システムがないだけ?)

今の関東地方で何をすべきなんでしょうか?

新型インフルエンザ対策に置き換えて考えてみると...
東京都には新型インフルエンザ対策行動計画がある
(独自のフェーズ導入し、わかりやすい計画です)

新型と麻疹を一緒に考えるとは何事かと怒られそうだが
重症者(入院者)が少ない、感受性者が限定されるということ以外は
同じ感染症ということで、まずはこれにあてはめてみましょう。

計画によると感染症が流行する段階として

  • 発生前期
  • 海外発生期
  • 国内発生期
  • 都内流行期(前期)
  • 都内流行期(後期)
  • 大規模流行期
  • 流行終息期

で、現在の東京は初期の封じ込めに失敗し都内の流行を抑制
しようとする都内流行期(後期)あたりか。

ワクチンが十分供給されない可能性がある状況で
非薬物対応(社会的対応)として考えられるのは、

  • 不要不急の外出や催し物の自粛(前期)
  • 社会不安を解消する広報活動の充実・強化(後期)
  • 公共交通機関の運行縮小(大規模流行期)
  • 企業等の事業活動の自粛(大規模流行期)

などがある。実際モノレールが止まったりしている
これは乗る学生がお休みだったからというもの。
そうではなくてウイルスを運搬する電車の運行をやめようということ。

これらを危機管理体制の中で、リーダー(対策本部長)の指示に
基づいて徹底していくこと。危機管理体制のスイッチを押すための
情報を集めましょう。(アウトブレイク対策は調査が命)

(具体的に指導するとしたら)
感染の疑いがある人は、潜伏期間(2週間)はなるべく
自宅待機。他人との接触を避けて自分で健康観察。
発熱や発疹が出たら、医療機関や保健所に電話をして
指示を仰ぐ。ノーガード受診は最悪。

休講だからと言って、ネットカフェや満員電車に乗って
遊びに行かないこと

これが新型インフルだったら、小中高校の休校は数ヶ月に及ぶ。
自宅学習ソフトやDVDなども今のうちに準備しておこう!という
呼びかけも今なら納得できるかも。

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2007.05.25

おとなの百日咳

気がつけば1週間ぶりの更新となってしまいました。

東京から戻ってきたらまた麻疹

持ち込み例と思われる麻疹が結局3例報告されていますが
保健所の火消しにより、今のところ周りへの拡大は確認されてません。
ただ、単抗原ワクチンが不足気味という気になる情報もあります。

沖縄県の麻疹対策がクローズアップ現代でも取り上げられました(5秒ほど出演)

そんな中、飛び込んできた感染症ニュース

香川大医学部生42人、百日ぜきの症状 学部は休講(asahi.com
ウーピングコフwhooping coughが集団発生?しかも大人?
ということでとりあえず検索するとIASRの2003年に特集があった。

おとなの百日咳はカタル期→痙咳期と経過する中
症状が非特異的だったり、病原体診断が容易でなかったりするため
実際の患者よりも過少報告されているのではないかとしている

Df30133




(画像は成人の百日咳:乳幼児との違い=国立病院機構福岡病院・小児科 岡田賢司より)

むしろ慢性の咳として診断されることが多いおとなの百日咳。

それが付属病院で集団発生し休講にまで発展している。
症状がはっきりしていたのか、などの疑問(マイコ?)は
今後の発表に注目しましょう。


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2007.05.17

STOP!「はしか」無料接種(千代田区)

朝一の飛行機にギリギリ飛び乗って、無事沖縄に帰ってきました。
機内で見つけた朝日新聞の記事。

STOP!「はしか」無料接種

区立小中学生に千代田区

千代田区は15日、区内の小、中学校と中等教育学校の
児童生徒に無料ではしかの予防接種を行うと発表した。
区内の上智大学ではしかの集団感染が発生したことを受け、
地元の医師会と連携し実施する。
はしかのワクチンが未接種で、はしかにかかったことがない
児童生徒が対象。学校で予防接種票を配布し、区の
指定する医療機関で接種をする。
7月31日まで。問合せは千代田保健所(03・3291・3641)へ。


先週の新型インフルエンザの講演会で講師のKN先生が
アウトブレイク対策は制度と決断の組み合わせが大切
と教えてくれたが、上記の対応は千代田区の決断だ(拍手)。
制度(法とか施行規則とか)だけでは住民を守れないということ

この記事をネットで探してもなかなか見つからないのは
東京ローカル面だったからか。

はしかに関する新聞社のサイトサーチ
相変わらず東京は山火事みたいだよ。

東京工科大・和光大などもはしかで休講(読売新聞)
 

東京工科大(東京都八王子市)と同じキャンパスにある
日本工学院八王子専門学校は16日、両校合わせて
計5人の学生がはしかを発症したとして17日から26日まで
休講することを決めた。対象学生は約1万2000人。
和光大(東京都町田市)も、学生4人がはしかを発症したため、
18日から24日まで全授業を休講とし、学内への学生の
立ち入りも禁止した。対象学生は約3500人。

学生がお休みということは、当然こういうオープンキャンパスも休み?

学生の街、八王子で新しく生まれた八王子市保健所でも
注意を呼びかけています

Continue reading "STOP!「はしか」無料接種(千代田区)"

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2007.05.12

はしか“0”キャンペーン週間

あすは母の日ですが、午後2時から4時までの間
那覇市パレット久茂地前の県民広場ではしか“0”の
キャンペーンを行います。

関東地方の麻疹流行はまだまだ燃えさかっていて
ついに上智大学は大学全体を休講する対策を決定。
毎日新聞の関連ニュース
と思ったら大阪狭山の専門学校でも集団発生。

感染を拡げないためには

  1. 医療機関
  2. 家庭
  3. 学校、保育所
  4. 各種集会、交通機関など
で接触者を極力避けることが重要。
(感染は上記の場所で拡大している)

また感受性者(感染する可能性のあるもの)を減らす取り組みも必要。

今、沖縄県内では八重山保健所管内から患者が報告された(今年2例目)
その対策会議のようすがマスコミに報道されている(八重山毎日新聞

市健康福祉センターでは、麻疹患者の発生が確認された7日から、
予防接種の未接種者への呼びかけを実施。10日までの4日間に
115人が予防接種を受けることになる見込み。

すばやい対応です。こうやって感受性者が減っていく。

それにしても関東のヤングアダルト麻疹はなぜこれほど広がるのか
接種者vs非接種者、接種者の中のワクチン別の比較データも
待たれるところです。それともみんなもう1回打ち直し?

明日は母の日のプレゼントを買いに那覇の街に出てきたら
はしかのキャンペーンにも目を向けて下さいませ。

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2007.05.06

遺伝子再集合

連休前の新聞報道で「?」と思ったこのニュース
鳥インフルの新ワクチン開発 サルでは効果確認(産経新聞)

ウイルスの遺伝子が自然に組み換わる「遺伝子再集合」
という方法で鳥インフルエンザのワクチンを作り、
カニクイザルの実験で効果を確かめたという研究結果を
北海道大と滋賀医大が30日までにまとめた。
医薬品メーカーなどと協力、ヒトで安全性を確かめる試験を進める。
(中略)遺伝子再集合で既に、HとNの組み合わせで135種類ある
ウイルスの大半を作っており、新たな種類が流行しても短期間で
ワクチン開発に取り組むことができるという。

何だろ大集合ってと斜めに読んでいたけど、連休中に班員に
勧められて読んだ本の中に解説がしてありました。
インフルエンザウイルスは自らの抗原性を変化させている
  1. シフト=抗原不連続変異
  2. ドリフト=抗原連続性変異

2番は遺伝子が突然変異を起こし、アミノ酸配列を変える。
季節性の流行を起こすA型インフルエンザウイルスが毎年微妙に
変化する(だから毎年ワクチン株を変える必要がある)ことにつながる。
これに対して1番(シフト)は、ウイルスが遺伝子再集合という仕組み
(宿主に2種類のインフルエンザウイルスが同時に感染した際、
増殖する過程で遺伝子の一部で組み換えが起き、新しいウイルスが
できること。)を利用することにより、従来流行していたHA亜型と
NA亜型とは異なる亜型を獲得する事象を指す。

例えば同一宿主にH1N1亜型とH9N9亜型のウイルスが感染した場合
H1N1,H1N9,H9H1,H9N9
という4種類の抗原性の異なるウイルスが酸性されるが、
H1N9,H9H1は親ウイルスとは抗原性が異なる新型ウイルスである。
簡単に言えばこれがシフトの機序ということになる
という旨の説明がされている(山本太郎著「新型インフルエンザ」P28より)

これまではこの再集合が起こるのが「ブタ」という説が有力だったが、

レセプター認識を規定するHAの2個のアミノ酸(226番目と228番目)が
トリ型(Gln226, Gly228)からヒト型(Leu226, Ser228)に変異すれば,
トリインフルエンザウイルスはヒトに容易に感染するようになり,
ヒトからヒトに伝播するために世界的大流行(パンデミー)を
引き起こす可能性が危惧されている.
とのレポートもある

同書にはそれ以外にもインフルエンザの流行を規定するものとして
基本再生産数(R0)を示し、
R0=β×κ×D

  • β=接触1回あたりの感染率
  • κ=ある時間当たり一人のヒトが集団内で平均何人と接触をするか
  • D=感染症ごとにおよそ決まっている感染期間

という掛け算で値が得られるらしい。
  • βは感染源により異なるが、マスク着用とか手洗い励行で低下させることが可能
  • κは社会のあり方と関わるが、患者隔離などの施策により低下させることが可能
  • Dは感染症ごとにほぼ決まった値だが、タミフル服用などでその期間を短縮させることが可能

最終的にこのR0が1より大きければ感染は拡大し、1より小さければ流行は終息する。

なるほど。

さあ、ガイドラインの整理を進めよう

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2007.04.28

はしかと山火事

相変わらず燃えさかる関東地方のはしか
連休を前に人の往来が激しくなると、さらに
感染が拡大する恐れがあります。

と沖縄で新聞報道されたのを東京のテレビ局が
聞きつけ、昨年の沖縄北部の麻疹対応について
わざわざ取材に来た。明日放映される予定です。
真相報道バンキシャ
でも沖縄では見れないという噂。

  • 感染力の強さ
  • 医療機関でのトリアージの大切さ
  • 接触者を徹底追跡
  • 全数把握すること
  • そして迅速な検査体制
など伝えたいことはたくさんある (ただカメラの前で頭の中は白かった)

山火事をみんなで消すプロセスと似ているかも
と思いながら、去年のその時期はバックドラフトを
毎日聞きながら通勤していた(変な奴)。

  1. 火が(東京から)投げ込まれ、やんばるで燃え始めた あっという間にひろがったけど、よく調べたら炎のルートが 見えてきて、次の燃えそうなターゲットも見えてきた。 だからそこ(火元)を中心に火消し(追跡調査)を行った。

  2. 万一それが間に合わず延焼したときのために
    火元から離れたところの人たちに予防接種を勧めた。
    炎が近づいても燃えにくくするために。

炎の勢いが強く、1の作業では間に合わなくなると
もう効果的な火消しは期待できなくなる。重点を
延焼対策に切り替えて、周辺の家屋に水をかけまくる。

そして火の勢いが鎮まるのを待つしかない。
新型インフルエンザやSARSだったら、地域封鎖のレベル。
中にいる人も行動制限の対象になるかもしれない

はしかin関東地方は、報道を聞く限りではかなり
火の勢いは強そうだけれど、まだ1の作業を淡々と
すべきだろう。

たとえば熱や発疹で病院を受診する人を、他の人と
接触させないことは基本中の基本。
番組でも紹介されると思うけど、トリアージを徹底して
場合によってはテント外来もやるくらいの覚悟で。
Tentclinic

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2007.04.19

エイズ検査は誰のため?


エイズ検査を受けましょう。
エイズはエッチで移ります。
ゴムをしないと移りやすい。
アナル使うと超危険
完治するのは難しい。
でも早く見つかれば治療もできる。
だから検査を受けましょう。
エイズ検査はあなたのために。


エイズ検査を受けましょう。
エイズは性行為感染症。
風俗だけの病気じゃない
ゲイだけとも限らない。
特定の人からも移ります。
(大事な人にも移ります。)
いっしょに受けるとなお安心。
エイズ検査はパートナーのために。


エイズ検査を受けましょう。
心がエイズに向き合います。
陽性だったらどうしよう。
陽性の人はどうなんだろう。
どんな気持ちで生きてるんだろう。
周囲の支えはあるんだろうか?
レッドリボンの意味がわかる。
エイズ検査はみんなのために。  
by ooyake

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2007.04.17

講義資料「バイキンマンと免疫系」

小学校高学年から中学生が読んでも分かるような
エイズ広報記事を考え中(今週の宿題の一つ)。

そういえば小学生に昔エイズの話をしたっけと思いつつ
見つかったのがこの講義資料(ダウンロード用)。

「バイキンマンと免疫系の話」をダウンロード

局所から侵入したバイキンマンが免疫系とバトルをはじめ
局所の炎症が起こり、それでも退治できないときには脳
(中枢)にサインを出して、全身を発熱させる。

そのことで免疫系はパワーアップし、バイキンマンは元気
なくなる環境を作り出し、免疫系が優位に闘いを進める。
最終的に退治できて、闘いの証として抗体ができるので
次からは局所の兵隊だけでやっつけることができるのさ。

エイズになって免疫系が極端に低下すると、局所の兵隊
の数も力も弱くなり、サインも送れない。だから相手が
弱いバイキンマンでも簡単に侵入増殖を許し、徐々に体が
弱っていくというお話。

アニメーションで進めながら読み聞かせて下さい。

これは関係ないが、お母さんたちは別の意味で熱と
闘っていることもある。
(以下は某SNSへの記事)
熱との闘い

熱は治療の対象にはなりません。

体内に侵入した病原体と戦う免疫細胞は熱い環境が好き。
体内に侵入した病原体は普通は寒冷(乾燥)条件が好き。

というわけで、体温中枢が体の熱を上昇させて

  • 免疫細胞にとっては動きやすく
  • 病原体にとっては活動しにくい

環境を作り出しているんです(わざわざね)

寒気を催して鳥肌立ったり、体が振えたりするのは
熱を産生させるため。手のひらが冷たくなるのは
血管を収縮させて熱が逃げるのを防いでいるから。

だから熱はからだが病原体と闘っているあかし。
熱をやたら下げると治療の効果が遷延するとも言われる。

でも大人は熱が気になる。熱を下げることが治療の
目的と思っている人がいる(外野からあれこれ言う人たち)。
だから熱が出てて様子を見ることをあからさまに非難
したりする(「病院にも連れて行かないなんて...」とか)

子どもは熱と闘い、親は外野と闘っている。 (以上)


ちょっと脱線しましたが、最後に子ども達にいつも
見せているスライド「命について考えよう」



Dna

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2007.04.15

麻疹東京オリンピック

はしか0プロジェクト委員会で話題になった東京での麻疹流行
東京都安全健康研究センター感染症情報センターによると

2007年13週(3月25日~3月31日)の都内における麻しん
(成人麻しん以外)定点あたり報告数は0.06(実数9人)、
成人麻しんの定点あたり報告数は0.33(実数8人)と、
13週だけを比較すると、最近5年間で最も多かった
2003年を超える状況となっています。
過去5年間で最悪。

感染力の強い病気だけに流行期は集団イベントを避けるのが原則。
というわけで、入学式を新入生のみとし始業式を延期された高校まである

国の感染症情報センターも麻疹流行に関する緊急情報を出した。

02title






Chumoku07






Chumoku11





成人でもかかるという認識はもっと広めないといけない。
それと、麻しんの報告数はあくまでも定点に指定された医療機関
で診断されたもの(臨床診断でもOK)。だからもっと潜伏している
麻しん患者がいるだろうというのが、大方の考えです。

ちなみにアメリカでは2004年1年間で37例と過去最小の発生
とほぼ撲滅されたと考えてよく、しかも37例中27例(73%)は輸入例。
(MMWR抄訳 by 財団法人国際医学情報センター

日本での正確な流行情報を把握しようと感染症研究所が作成した
全数把握システムmeasles.jp
(これだと千葉が多く、長野、大阪などでも複数発生している!)
がもっと活用されますように。でも法律で全数把握疾患に変える
ことの方が先かもしれない。

プロジェクトでは

麻疹が流行している東京オリンピックが開かれたら...
という心配までする方までいらっしゃいました。

その前に今の流行が収まることを願います。流行は巡り巡って
抗体のない乳児たちに襲いかかるから。

(追記4/16)
琉球新報がはしか0プロジェクト委員会を記事にしてくれました。
接種率低迷51%はしかゼロプロジェクト
MR2期の接種率調査は07年01月末時点でのものなので
その後の取り組みによる値の向上はある程度期待可です。

話題になったのはいわゆる「移行措置」。
法律や制度が変わったことにより、あるグループだけが
不利益を被る(今回はどちらかというと恩恵に預かれない)
のをできるだけ最小限に食い止める措置と解釈しています。

今回の改正では

  1. 改正当時2~5歳(幼稚園入園前)のグループは、定期の枠から外れてしまい、接種をしようにも最高3年待たされることになる
  2. 06年度2期の対象であったグループは、年度途中での改正のためその情報が届いたのが秋以降と、接種できる期間が半年くらいしか確保できなかった。
  3. さらに小学校入学後も90月までは接種可能だったのに、改正によりその期間も削られてしまった
というグループが生じす。

市町村は1~3に対して独自の判断で移行措置をとる
ことができる。1番だと向こう3年間、谷間世代のために措置を
とる必要が出てくる。2番3番だと今年秋くらいまでだろう。

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2007.04.12

発熱外来(fever clinic)

新型インフルエンザに関する国のガイドラインが発表された。
今回はフェーズ4以降への対応が書かれてあり、全部で13個
その中から「発熱外来」に関する記述を探してみた。

目的は
発熱外来は、新型インフルエンザの患者とそれ以外の患者とを振り分けることで両者の接触を最小限にし、感染拡大の防止を図るとともに、新型インフルエンザの診療を効率化し混乱を最小限にすることを目的とする。
設置のタイミング
第二段階:当該都道府県内に新型インフルエンザ患者が発生し、入院勧告措置に基づいて感染症指定医療機関等で医療が行なわれる段階
注)今回の医療体制に関するガイドラインではフェーズ4以降、患者数の増加を指標として以下の5段階に分けて記述している。なお、この分け方は必ずしもWHOのパンデミックフェーズとは一致していない
  1. 第一段階 国外もしくは国内において新型インフルエンザ患者が発生したが、県内にはまだ患者が発生していない段階
  2. 第二段階 県内に新型インフルエンザ患者が発生し、入院勧告措置に基づいて感染症指定医療機関等で医療が行われる段階
  3. 第三段階 新型インフルエンザ患者が増加し、入院勧告措置が解除され、県内の全ての入院医療機関において新型インフルエンザに使用可能な病床を動員して対応する段階
  4. 第四段階 入院が必要な新型インフルエンザ患者数が膨大となり、医療機関内の既存の病床以外にも、新たに病床を増設することが必要となる段階
  5. 第五段階 新型インフルエンザの流行が終息傾向に入った段階
運営は?
  • 患者が30分以内で受診できるようにするなど、数多く設置
  • 発熱外来においては、受診した患者に対し問診や診察、投薬等を行う
  • 発熱外来の医療従事者等は、PPE装着等十分な感染対策を行う(「医療施設における感染対策ガイドライン」参照)
  • 都道府県等は、地域医師会等と連携し、数名の医療従事者がチーム体制を組む等して、発熱外来の診療を交代で担当するよう努める。
スタッフの感染対策
  • 外来トリアージ(建物外にテントなど設置。風通しをよくする)
  • マスクと眼の防護具(フェースシールドまたはゴーグル)
  • 疑わしい患者にはサージカルマスクを装着
  • 手袋・ガウンの着用
  • 手指衛生(流水石鹸手洗い、アルコール消毒)
具体的な設置方法
  • 感染症指定医療機関において専用外来を設置する(通常の患者と接触しないよう、入り口等を分ける)
  • 既存の診療所、地域健診センター等を転用する。
  • 医療機関の敷地内におけるプレハブ等を利用して運営する。
  • 公民館や体育館などの公共施設に医師等を派遣して運営する。
患者がどんどん増えたらどうする?
第3段階に突入すると法に基づく入院勧告の措置は中止されるため、発熱外来は新型インフルエンザの患者のうち、入院が必要か自宅療養が可能かの判断を行う
というわけで、ヒトモノカネの調整が必要になります。

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2007.03.28

新型インフルエンザと国境

新型インフル ASEAN日本、初の合同訓練実施へ
(産経新聞3月28日ニュース)

世界保健機関(WHO)は27日、鳥インフルエンザ・ウイルスが
変異した感染力の強い新型インフルエンザの発生に備えるため、
4月2、3の両日、東南アジア諸国連合(ASEAN)と日本合同で
初の訓練を実施すると発表した。
内容は
カンボジアで新型インフルエンザが発生した
との想定の下、WHO西太平洋地域事務局(マニラ)を中心に
関係機関の連絡や、日本がASEANに供与しシンガポールに
備蓄されている治療薬タミフルをカンボジアに緊急空輸する
手続きを確認するという。

新型インフルエンザ対策は国境を越えて行われている。

ここ沖縄でも国境、いやフェンスを越えて歩調を合わせないと
いけないとして、在沖米軍がインフルエンザ対応計画を策定。
その全容はホームページでも公開されている。


Memoconplan
概要を図示してみました(画像保存するとちゃんと見れます)。


ところで、場所によってそのwebsiteにつながらない
(中身がありませんというメッセージ)
ことがある。www.okinawa.usmc.mil の.mil部分が
何らかの形で影響していると思われます。

先日はこの計画を策定した海軍将校は少将賞を受賞したというニュースもあった。
在沖米国海兵隊website
これも職場からは読めないので記事引用させていただきます。
【キャンプ・ハンセン】 第3海兵遠征軍と在日海兵隊基地のために汎発性インフルエンザ生物学的有害物質対応計画に取り組んだことで、在沖米海軍将校が3月19日にチャールズ・S・スチーブソン少将賞を授与する。
第3海兵師団衛生官のマシュ-・N・マーサー大尉は、汎発性インフルエンザの情報を広げる予防薬の取り組みと対応計画を書く支援をしたことで賞を受賞した。第3海兵師団司令官のマスティン・M・ロバソン准将がマーサー大尉をこの賞に推薦し、彼はバージニア州ポーツマウスにある海軍環境衛生センターで行なわれる式典で賞を授賞する。この賞は、海軍の衛生管理や予防医学、健康増進において優れた個人を認識するもの。
マーサー大尉は、生物学的有害物質の作業グループと沖縄での生物学的有害物質の脅威を特定して防ぎ、また全ての軍隊への応対活動を調整する債務がある上級医療顧問機関で、保全共同予防医学疫学協会設置を支援した。マーサー大尉は、他の生物学的有害物質のシナリオにも容易に修正できる汎発性インフルエンザの総合対応計画を確立するために、2つの機関やその他多数の企画官と連携した。
「部隊医療保障について多数の概要や起草した詳細なメッセージを提出しました。彼の企画取り組みへの多大な貢献なしには、ここまでたどり着くことはできなかったでしょうし、対応計画も総合的ではなかったことでしょ」と第3海兵遠征軍(IIIMEF)戦域保安担当将校で、汎発性インフルエンザの生物学的有害物質応対コンセプト計画5003のIIIMEF先導企画官のジェーミー・ルバルカバ中佐は言及した。
マーサー大尉は、年間を通して彼が行なった莫大な仕事量は、汎発性インフルエンザのリスクについて公衆に教え、それをどのように防止するかに関わるものだと話した。
彼は、沖縄にいる全ての米軍人が閲覧できる汎発性インフルエンザのウエブサイト、www.okinawa.usmc.mil/pandemicflu の作成を手伝い、軍放送網と協力して教育情報を広めた。
「彼が行なった中で、ウエブサイトは人々が閲覧することができる最も優れた成果です。でも彼が行なった計り知れない努力を窺うことはできません。私たちは非常に彼のことを誇りに思っています」とルバルカバ中佐は話した。
マーサー大尉は、キャンプ・コートニ-にある第3海兵師団司令官の事務所でロバソン准将に会い、そこでロバソン准将はマーサー大尉に祝辞を述べ、第3海兵師団を代表して感謝の意を表した。
「あたなの取り組みの影響が決して現実になることがなく、このプロジェクトへのあなたの取り組みを見てきた全ての人が安心することができるように望み、祈ります。もし攻撃を受けても、この計画で目に見えない敵を倒すことができます」とこの会合でロバソン准将は語った。
詳細は、http://www.okinawa.usmc.mil/pandemicflu を閲覧ください。

沖縄には55000人もの米軍関係者が住んでいて、
その人たちの生活の場はフェンスの中にとどまらない。
パンデミックになって行動制限や医療サービスを受ける
際には、フェンスを越えた共通の対応が必要になる。

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2007.03.01

MR 2回済ませて 一年生

Img08


いよいよ3月に突入。
今日から1週間は子ども予防接種週間です。


麻しん風しん混合ワクチン2回接種が導入されましたが
2期目(小学校入学1年前)の接種率が思わしくないという状況
はすでに紹介しました


MR 2回済ませて 一年生
これを合言葉に呼びかけていきましょう。

北部福祉保健所管内でも医療機関が時間外&休日接種に
対応して下さいます。詳しくはホームページをご参照下さい


国立感染症研究所感染症情報センターのサイトでも

小学校入学準備に2回目の麻疹・風疹ワクチンを!

と接種を呼びかけています。

来年からは、学校の新入生オリエンテーションや
各新聞社などで主催する「新1年生の集い」にも
どんどん入っていって接種PRしましょうね。

とりいそぎ。

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2007.02.15

はしか“0”プロジェクト会議 in 北部

3月1日にはしか“0”プロジェクト会議を行います。
北部福祉保健所のホームページにお知らせ掲載中
昨年北部で流行した麻しんへの対策(協力への感謝)を報告するとともに、
今後の対策を関係者とディスカッションします。基調講演として、

国立感染症研究所から講師も招いて、MR(麻しん風しん)予防接種の
推進についてお話があります。サブテーマに

北部地区市町村の1歳児のMRワクチン95%を目指す!
とあるように1回目の接種率を向上させて
麻しんの流行が起こりにくい地域を目指します。

ただし、こないだのシンポジウムでも話題になったように1歳児だけ
予防接種を打っていても流行は防げず、年長児への対応も必要です。
せっかくMR2回接種が導入されましたが、2回目の接種率はまだまだ。
講師の先生も名を連ねている感染症研究所のレポートより
全国1800余りの市町村に接種状況を調査した結果
2006年10月1日現在の第2期対象者における麻疹を含むワクチンの接種率[(第2期MRワクチン接種者数+第2期麻疹単抗原ワクチン接種者数)/2007年度小学校入学予定人口] は29.4%、同様に風疹を含むワクチンの接種率[(第2期MRワクチン接種者数+第2期風疹単抗原ワクチン接種者数)/2007年度小学校入学予定人口]は29.9%であった。
都道府県別のも掲載されていて、最も接種率の高い徳島県でも42.1%、
わが沖縄県は最下位で12.1%という結果でした。

6月に制度の改正があって10月時点での調査なので、
全国的に低迷中という結果はいたしかたないとしても
第2期麻疹・風疹ワクチンの接種率は全国的に非常に低く、2回接種開始初年度の接種率は、積極的な接種勧奨を実施しなければ、低いまま次年度を迎えることが懸念された。2007年3月31日までに、全国的な接種率向上に向けたさらなる取り組みが必要と考えられる。医療従事者や保護者への接種制度の改正に関する情報提供はもちろんのこと、2回接種の必要性に関する知識の普及も「小学校入学前には麻疹と風疹の予防接種を受けに行く」という行動を促す上で、非常に重要であると考える。


ちょうど今頃は新1年生を対象にした小学校のオリエンテーションも
開かれており、そのような場を活用した接種PRも必要だろう。
ランドセルに名前を、母子手帳にワクチンをのポスターも活用可能Mr2

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2007.02.11

1965年風しんが流行した島

昨日は日本小児科学会主催のフォーラム
「はしか・風しんゼロを目指して」にパネリストとして参加しました。
会場は500名を越す聴衆が集まり、看護専門学校も
授業の一環として参加。ちゃんと質問も考えてたみたい。
はしかの患者と接触したらどうすれば良い?

  • 72時間以内であればワクチン接種
  • 6日以内であればガンマグロブリン接種(筋肉注射)

で発症を防ぐとう方法があります(post exposure prophylaxis)
詳細情報はこちら(国立感染症研究所感染症情報センター


先天性風しん症候群の話を詳しく聞くことができた。
  • 風しんワクチンがない時代
  • 1964年にはアメリカで風しんが大流行(20000~30000万人患者)
  • 翌年沖縄で風しんが流行して多くの妊婦が感染
  • その後多くの先天風疹症候群CRSが生まれた
  • 最初は誰も気づかなかった
  • 日本政府の派遣医師が地元と協力して健診を実施
  • 「『三日ハシカ』にかかった妊婦から出産した赤ちゃんの健診」
  • 最初に60名が見つかり最終的には400人を超えた
  • 出生1000に対して20人の割合で先天風疹症候群が発生した
  • すなわち50人に1人がこの障害を持って生まれてきた
  • これを気に風疹ワクチンが導入された!
  • しかしワクチンという武器のある今の時代にも先天風疹症候群が発生している
  • アガサクリスティの「鏡は横にひび割れて」もCRSがテーマ

先天風疹症候群の子ども達はその後聴覚障害児教育を受けて成長
北城ろう学校という中高校もできた→遥かなる甲子園
しかし彼らは今も障害を背負いながら生きているという現実。


今のまま(低い接種率)では、この話を教訓にできないどころか
繰り返す可能性がある。ワクチンという武器で予防しよう。

別のシンポジストの先生が提案した方法
  1. 1才の1回目MRワクチン接種率を95%以上にする
  2. 就学前の2回目接種を95%にする
  3. 年長児や成人の感染予備軍を減らす
  4. 上記をシステム化する

倉敷市では小学校、中学校、高校などの節目に接種歴を確認し
予防接種の接種証明書の提出を勧奨しているとのことだった。
妊婦さんの周りの男性たちも進んでワクチンを接種するように。

50人のうちの49人となった自分にとっては、重いテーマである。

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2007.01.18

小児結核の特徴

結核研究所にて研修中。毎日濃厚講義(昼は)。
今日の講義の予習メモです。東京は寒いよぉ~。
明日帰ります。

小児結核の特徴
  1. 乳幼児結核が多い
  2. 発病率が高い
  3. 早期に発病する
  4. リンパ行性、血行性に、全身に進展しやすい(髄膜炎、粟粒結核など)
  5. 発病しても初期は症状がほとんどない。症状が出現すれば重症であることが多い(検診発見が大切)
  6. 家族内感染が多い(家族検診の徹底が重要)
  7. 乳幼児ではBCG接種がきわめて低いので、乳児期早期のBCG接種が重要
  8. ほとんど発病予防可能である(本来は公衆衛生上“0”を目標にすべき)
  9. 小児結核患者は保健問題の見張り役である(成人感染源に有効な対策がとられていない現実に対する問題提起)

では小児結核は、いつ、どのように診断するのか

発症の機序が大人(二次結核)とは違うので、

  • レントゲンで肺野に影があるとか
  • 呼吸器症状が長く続いて、痰から菌が見つかるとか
  • 接触してから半年~1年後に発症するとか
などという考えは通用しないこともある。

まずは感染源となる大人(親や祖父母)が周囲に必ずいる。
父、母、祖父母、親族、母のサークル仲間、保育士などなど...
いっしょにご飯を食べたりお風呂に入ったりするのが濃厚感染。

同居する家族内に塗抹陽性患者(ヒトにうつる結核患者)がいると
5~6割は感染するというデータがある(0~4歳)。麻しんはほぼ100%
塗抹陰性培養陽性では10%、塗抹陰性培養陰性では5%(0ではない)

感染した人が結核を発病する確率は一般成人については10%だが
11-15歳では15%、幼児では25%、乳児では50%というデータがある。
だから乳児の結核感染を見逃すと高率に発病する恐れがある。

肺に定着した結核菌は胸膜直下約5mmのところに初発原発巣をつくり
すぐに増殖して一部は所属リンパ節に運ばれリンパ節は腫大する。
これが初期変化群であるが、肺野の所見が軽く肺門リンパ節のみ
腫れている場合は胸部の単純X線写真で見つけるのは容易ではない。
胸腺や心陰影と重なることが多いからである。場合によっては
胸部CTスキャンも必要になる。

その後結核菌は早期にリンパ行性や血行性に全身に広がると
結核性髄膜炎や粟粒結核という重症に進展することがある(1~3%)
しかも、髄膜炎等は結核感染からツ反が陽転するまでにかかる
期間(2~3ヶ月)よりも早く発病することもある。
その場合は呼吸器症状以外の症状(不機嫌、けいれんなど)
が前面に出ることもある。

喀痰や胸水、胃液などで菌が証明されるのは
初期肺結核で32.5%、慢性肺結核で49.3%、胸膜炎で22.2%
ということだから、大人ほどは見つからない。胸膜炎では
胸膜生検で組織学的に診断することが勧められている。

だから小児結核の診断は

接触歴、ツ反、菌の証明、画像、臨床症状、炎症所見、BCG接種歴、年齢、免疫力などから総合的に判断する

しかない。
話題のQFTは、発病診断には有用だが、感染診断では
特に0~5歳で偽陰性が出る可能性があるので、
ツ反と併用して判断した方がいいとのことだった。

感染が疑われたら、INHによる化学予防を行う。
化学予防の効果は服薬を親が管理するためか
成人よりも高い。

小児肺結核が診断されたら、6ヶ月の短期療法を行う。
標準的には最初の2ヶ月は

  • INH 8~10mg/kg/day
  • RFP 10mg/kg/day
  • PZA 30mg/kg/day
を分1で投与し、残りの4ヶ月はINHとRFPを投与する。
(髄膜炎の場合は12ヶ月)

成人の結核患者が発生し、小児が濃厚に接触している場合には
たとえその患者が排菌していなくても観察を続け、早期に発見して
治療する姿勢をとるべきであろう(反省)。

成人患者の接触者健診がうまく管理できないことが小児結核の
患者発生につながっているということ。しかもこれからの時代は
非正規雇用者などの社会経済的弱者から結核が発生し、
その子どもたちが感染を受けてしまう可能性も残っている。

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2007.01.11

性病Gメンの功罪

沖縄では1962年に性病予防法が制定され、それに基づき
1966年くらいから各保健所に性病調査員が配置された(2名)。
彼らは法に基づき感染源追跡調査を行った。
患者から得た情報(というか手がかり)は以下の如し。
(しかも約半数は米軍からの届出であった)

  • 何時、何処で;4日前、××ホテル(2階の部屋)
  • 名前;メリー(源氏名)
  • 身長、体重;150cmくらい、小肥り
  • 特徴;可愛い娘で笑うと奥歯の金歯が見えた。下着は上質なものを着け清潔であった。

たったこれだけの情報を元にGメンは歓楽街に乗り込み
感染源と思われる「彼女」を探しあて、治療を勧告する。
アラバマの追跡ばりのtracingが沖縄でも行われていた。

彼らの苦悩を語る文章を一部紹介する。

  • 性病の感染源のほとんどがバーやホテルに働いている売春容疑者が多い
  • 感染源届出票の中にはほとんど本名がなく人相・特徴だけをたよって調査するので強制的調査と間違えられる
  • 調査する現場に行きその女性を捜すのも容易ではない
  • また昼間はほとんど会えないので夜の調査を実施する場合もあり、お店にはお客さんもいるので個人のプライバシーを守る必要もある
  • 仮に調査して判明してもその女性に検診を受けさせるのに苦労する
  • 時には接触者調査票を渡す段階で女性の代わりに全身イレズミをした男が出て来て脅迫されることもある
  • 基地内で月400人前後の性病患者が出ており、外人とのトラブルもある

このような困難を乗り越え1971年の衛生統計年報によると
2584名を調査し、1898名を検診に導き、487名を治療に結びつけた。
(調査した約2割弱にあたる)

今エイズをはじめ性感染症患者の増加が問題視されている。
現在の対策はもっぱら普及啓発(population approach?)
自主的に検査を受け、HIV感染の段階で発見し医療機関につなげる。
実際沖縄県は人口あたりの受検者数が全国一多くなった頃から
保健所で発見されるHIV感染者も急増しており、キャンペーンの
効果が現れていると言える。

ただ、やはりリスクが明らかに高い集団に対してのアプローチも
必要であろう(本気で感染拡大を防ぐつもりなら)
もちろん、性病Gメンのような人権をほぼ無視した追跡活動を行う
ことは不可能である。しかしAC(公共広告機構)のメッセージ

カレシ、カレシの元カノ、カレシの元カノの元カレ、カレシの元カノの元カレの元カノ...

が大きなインパクトを与えたように、患者感染者を起点にして
さかのぼる視点も大切だと思う。

じゃあどうしたらいいの?(これは宿題)

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2007.01.10

アラバマの追跡

性病Gメンの資料を探していてぶつかったこの言葉。
アラバマの追跡
ヤフーが教えてくれた国会(衆議院)質問議事録を紹介します。
昭和46年の話。

 さらに厚生大臣に伺いたいのですが、アメリカの、アラバマの追跡というのを御存
じだろうと思いますけれども、一九六二年、昭和三十七年にアメリカの故ケネディ大
統領が性病問題というのを国の重点施策の一つとして取り上げておりまして、積極的
な対策に取り組んだということですが、アラバマ地区で十六歳の女子高校生を中心
に、多数の者が性病にかかっているということを聞いた大統領が、さっそく関係当局
に徹底的に事実を調査するよう、またそれを報告するように言明したということなん
です。その結果、一人の十六歳の少女から百四十一人の友だちがリストアップされま
して、その中に三十六名の性病の患者がいた、しかも驚くことには、この平均年齢が
十九歳であった、こういうことが事実としてあるわけなんです。そういう点から、性
病撲滅のための十年計画というものを認めるように議会に要請をした、そういうこと
で、私は、このあらわれた問題ばかりではなくて、いわゆる濃厚感染源、そうしたも
のまで追及をしていくということが大事ではなかろうか、そういう問題に対してどん
なふうにお考えかをお尋ねしたいと思います。

つまり性感染症について、感染源の追跡をすべきでしょうということ。
患者がひとり見つかったら、聞き取り調査をして感染源と思われる
人を洗い出し、その人が他に感染を拡げないために検査や治療を
命令するというやり方です。JFKだからというかアメリカだからできた。

日本でこれをやろうとすると、人権問題や非協力などが予想される。
沖縄の保健所では1966年~1972年ごろ性病調査員という職員が
2名ずつ配置され、接触者調査にあたったという歴史がある。

それをやらせたのはGHQ(米国連合軍総司令部)

  1. 性病の届出を日本政府に指示
  2. 日本の医療専門家に対して近代的な治療法に関する啓蒙活動を行い
  3. 保健所制度の中に併設性病診療所を設置
  4. 十分な量のサルファ剤とペニシリンなどの治療薬を供給
  5. 性病予防法を成立させ結婚時の性病診断書の交換、妊婦の性病検査の義務化を進め
  6. 感染経路を追及する性病接触者調査員を保健所に置くように指導

調査カードを用いて感染源と思われる女性の特徴を聞き出し
赤線地帯やホテルなどに調査に出かける。
つづく

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2006.12.22

トイレットペーパー30枚を通過するノロ

想像力を働かせて、ノロウイルス対策。
なにしろ、目に見えない微生物だからね。

ノロウイルスはトイレットペーパーなら30枚を通過する。
(大阪市大正区食品衛生新聞より)
これを前提として家庭内でも感染予防対策を考えてください。

  • お尻をトイレットペーパーで拭く
  • パンツとズボンをあげる
  • レバーを引いて水を流す
  • ドアを開ける
  • 水道の蛇口をひねる
  • 手を洗う
  • 水道の蛇口を閉める
  • タオルで手を拭く
たとえばこういう手順の方の場合、どこが汚染されてるでしょうか?(コメント欄参照)

完璧はムリ。でも少しでもリスクを下げる方法を考えしょう。
消毒はハイター、ミルトンで。

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2006.12.14

じゅうたんからノロ

池袋メトロポリタンホテルで集団発生したノロウイルス感染症。
結婚披露宴に参加した人も参加しない他の宿泊客も発症し、
池袋保健所が原因を調べたところ

ホテル内のじゅうたんに付着した客の微量の吐物から、
人が歩くたびにノロウイルスが空気中に拡散、
感染性胃腸炎を集団発症した疑いの強いことがわかった。
読売新聞ニュース
胃腸炎を発症した1人の女性から347人(しかも3日もたってる)に感染?
しかも微量の吐物が空気中に飛散?という感染ルートのようだ。


横浜市衛生研究所webで見た記事を思い出した。
吐物中のウイルスが感染源となることもあります。
大ホテルのレストランでの晩餐で客の一人が嘔吐し、
晩餐の客たちに胃腸炎の集団発生が起こった事例があります。
晩餐の客たちのテーブル毎の発病率は、嘔吐した客のテーブルから
遠ければ遠いほど低かったです。
この事例では、患者の嘔吐をきっかけにノーウォーク様ウイルスを含む
嘔吐内容の一部がエアロゾル化あるいは飛沫化して飛散し、
飛散したウイルスを吸い込んだ晩餐の客たちが気道粘膜に付着した
ウイルスを飲み込むことで感染したと考えられました(参考文献4)。

P.J.Marks, I.B.Vipond, D.Carlisle, D.Deakin, R.E.Fey and E.O.Caul ; Evidence for airborne transmission of Norwalk-like virus (NLV) in a hotel restaurant ; Epidemiology and Infection (2000), 124:p.481-487.

で、肝心の吐物の処理については、

吐物からの感染の恐れがある場合、ゴム手袋とマスクを装着して
吐物等の処理にあたり、汚染されたモノについては
1%次亜塩素酸ナトリウム(30分の接触時間が必要)等による消毒も
考慮されます。

メトロポリタンでは中性洗剤では死ななかったウイルスが空気中を
飛散したということになるんでしょうか。
厚生労働省のQ&AのQ20には

12日以上も前に汚染されたカーペットを通じて感染が起きた事例も知られていて...

という記載もあるので、しぶとく生き残るウイルスかもしれない。

追記:12月15日朝
じゅうたんなどに吐物が着いた場合は、アイロンをかけるといいそうです。
北海道静内保健所のwebsiteより

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2006.12.04

HIVコミで1人の人間としてつき合う

100_0483
100_0484
金曜深夜名護市内クラブのROOTS CAFEで行われた
イベントの写真。
昨年は見学(+みんなといっしょに踊り)のみだったが、
今年は出番を頂いて「ゴムの正しいつけ方はずし方」を
披露しました。
若者の集団の中で「出張帰りのサラリーマン」のような
(実際出張帰りだった...)格好で登場し、コンドマニア
入手した超ビッグサイズコンドームを使用してデモした。
反応は......




そんなことより、
出演しているバンドの兄ちゃんが聴衆に呼びかけていた

HIVコミで1人の人間としてつき合ったらいいさぁ

というメッセージが印象に残った。

日常生活で感染しないのだから特別に避けたりする
必要もない。知識としてわかっていても、実際に身近に
接することがないので、何となく遠い世界の問題として
意識してしまう。

今晩出演したRBCiラジオ月曜フォーラムでも出演者で
そのことが話題になった。タイでは身近なところで患者
感染者が出るくらい感染が広がったところで、多くの人が
これを自分のこととして考えるようになったという。
これぞ感染予防のパラドックス。

でも今の段階でもきっとできることはあるはず。

  • エイズについてもっと知ろう
  • エイズについてパートナーと語ろう
  • 身近な人がエイズになったことを想像してみよう
  • まずは抗体検査を受けてみよう

HIV人権ネットワーク沖縄主催のフォーラム
「君がそこに生きているだけで」
が今年も行われます。名護での開催もあり、そこでは
シンポジストとして参加します。

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2006.11.28

妊婦・結核・QFT

「妊婦が結核を疑われたら」


  • 妊婦の結核の治療について
    • 抗結核薬のうち、妊婦禁忌はアミノグリコシド
    • WHOはHREZ治療はOKとしている。
    • ところが日本ではHRE治療が一般的


発病していれば治療を優先的に行う
予防内服では初期には使わないこともありうる

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12例とやな...

資料はこちらから。
「12reitoyana.ppt」をダウンロード

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2006.11.25

麻しん終息!

ようやく終わった。
重症者が出なくてよかった。



北部地域における麻しん流行の終息について


沖縄県北部地域においては、平成18年9月14日に麻しん患者が確定して以来、医療機関や家庭において感染が拡大し合計12例の患者が発生し、接触者の追跡調査や予防接種勧奨などで対応してきたところであるが、10月21日に最後の患者が確定して以来約4週間が経過した。また、修学旅行中に麻しんを発生した高校生が感染力を持つ時期(11月9日)に当地域に観光していたが、その接触者から新たな患者は発生せず、潜伏期間である約2週間が経過した(経過の詳細については以下を参照されたい)。
以上の状況より、北部地域における麻しん流行は終息したと思われるので、ここに終息宣言を行う。
1 経過の概要

発患者18歳の高校生で、8月末に東京旅行(都内専門学校のオープンキャンパスに参加)から帰ってきた後、発熱・発疹などが出現したため9月11日から県立北部病院に入院して、14日に麻しんと診断された。同居中のいとこ(小4)もその後麻しんを発症し、26日に診断が確定した。また9月27日から10月1日にかけて5名の麻しん患者が相次いで報告されたが、いずれも9月11日に県立北部病院を受診あるいは見舞いで訪れていたため、初発患者からの感染と考えられた。さらに10月6日には初発患者のいとこ(小4)が県立北部病院を受診した際に院内で接触した小1男児が麻しんと診断された。また9月23日頃発症した28歳女性の2人の子どもも麻しんを発症し、その女性が受診した開業医院で接触のあった女児(6ヶ月)も発症した。そしてこの女児が発熱している際に接触したいとこ(小2)も10月21日に麻しんであることが確定した。その後接触者については健康観察を続けたが、その対象者の中から新たな患者発生は見られず、4週間以上が経過した。
また11月6日より沖縄県内を修学旅行中であった高校生4人が麻しんと診断され、そのうちの1人が9日頃北部地区を観光していたことが判明したが、潜伏期間である約2週間が経過した現在も新たな患者発生は見られていない。
以上の経過より、北部地域における麻しん流行は終息したものと判断し、これを宣言するに至った。

2 患者の状況

今回北部地域で発生した麻しん患者12例の内訳は以下の通りである。
  年齢別では、乳児(1歳未満)1名、幼児(1歳~小学校入学まで)4名、小学生3名、高校生1名、成人3名であった。成人はすべて20代(20歳、25歳、28歳)であった。
  予防接種歴に関しては、接種済み2名、未接種9名、不明1名であった。

3 感染経路

初発患者に引き続いて発生した11例については、すべて接触者の範囲内から発生し同じ遺伝子型(D5)を示した。このことから、今回の流行は、初発患者を起点として医療機関内、あるいは家族内において感染が広がっていったものと推測される。11例のうち、7例は医療機関内での感染が疑われ、4例は家庭内での接触が原因と思われた。保育園や学校での感染は見られなかった。

4 北部保健所の対応

北部保健所では沖縄県麻しん発生時対応ガイドラインに基づき、市町村、地区医師会、学校・保育所等の関係機関と連携しつつ、管内の麻疹発生の予防、まん延防止に努めた。特に、患者の接触者のリストアップと感受性者(予防接種未接種者、麻しん未罹患者)に対する健康観察に力を注いだ。最終的に接触者調査の対象となった人は、確定した12例の患者に関する分だけで1077人に達した。

5 関係機関の取組

  • 管内の医療機関では、ポスター等で発熱発疹で受診する患者への注意喚起を行い、トリアージを行って院内感染の防止に努めた。
  • 北部地区医師会では、ワクチン未接種者への接種を勧めるため、10月18日~11月7日の間、診療時間外の夜間や休日に予防接種を実施した。
  • 市町村保健担当部局では、ホームページによる情報提供や予防接種の接種勧奨の呼びかけを行い、臨時で集団接種日を設けるなど、接種機会の拡大に努めた。また保育担当部局とも連携し、保育所における接種勧奨を強化した。
  • 市町村教育委員会では、各学校へ児童生徒の予防接種歴の確認と未接種者への接種勧奨を行った。


  • いろいろ冷や冷やするところもあったが、この経験を次に生かしたいと思います。
    関係者の皆様の尽力に感謝。

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    2006.11.15

    エイズデー2007に向けて

    イリガサハイスクールの生徒達も無事に沖縄を離れました(報道用資料)
    向こうでさらに発生しなければいいけど。

    というわけで今年も12月1日の世界エイズデーに向けて
    いくつかのイベントがあります。そのお知らせ。

    名桜大学学園祭エイズカフェ205

    11月18日(土)、19日(日)
    今年もエイズについて考えてもらうスペースを205教室で実施。
    フリードリンク、エイズに関するパネルや小道具に囲まれて
    ゆったりしたひと時を過ごす

    Fu-rimun presents
    SAFE SEX
    -RED RIBBON BASHMENT-

    69
    ※AIDS予防・撲滅を訴えるイベントです
    12.1 FRI
    open 21:00
    start 22:00
    adms.\2000(1D)※売上の一部をエイズ予防財団ひ寄付します
    @ ROOT'S CAFE(名護プラザビル四階)

    レゲェやHIPHOP、ダンス.......
    12.1の世界エイズデーとクラブイベントがLINK!!テーマは

    「コンドームを使った安全なセックスをしよう」


    年末にかけてエイズの検査件数もピークをむかえる。

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    2006.11.09

    イリガサハイスクール

    Hashika12_1
    「イリガサ」とは沖縄方言で「はしか」のこと。
    はしか流行がようやく終息しそうなこの時期に
    修学旅行生によるはしかが発生しました。

    修学旅行生はしか/本島内で3人が入院中
    (沖縄タイムス11月9日夕刊)

     県健康増進課は九日、南部保健所管内で八日、修学旅行で関東から沖縄に来ている高校二年生三人がはしかと確認されたと発表した。十六歳一人と十七歳二人で現在、本島内の複数の病院に入院している。同課は高校の学校主任を通し、残りの生徒に一日二回の検温を依頼、微熱などがある生徒は旅行を自粛するよう要請した。県内では九月中旬から本島北部ではしかが流行、今週中にも終息宣言する予定だったはしか患者は十五人目
     同課によると、修学旅行の一行は教師を含め三百八十人。今月六日から十日までの日程で沖縄を訪れ、六、七日は南部戦跡などを観光した。七日に生徒三人が発熱や発疹を訴え、八日にはしかと確定された。

     三人を除く生徒は本島内を観光している。


    (15人目と言っても、北部での12名とはまったく異なる3名なので
    加えるのもどうかという意見もある)
    潜伏期間やその他の状況から考えるとこれは持ち込みマシン。
    すでに学校内に蔓延した状態で移動してきたので、これを
    上の図のような接触者の追跡調査をしようと思っても、無理。

    次はこの沖縄中に蒔かれた「ましんの種」が芽を出すときに
    いかに早くみつけて摘み取るか(発疹出る前に)を目標に
    対策考えるべきでしょう。そのためには小児科医医師たちの
    協力が必須。たとえば今回北部で行っていたトリアージ。

    • 駐車場をナースに見張らせる
    • 受診者の体温を測り、はしか予防接種歴を確認する。
    • 心当たりのある患者との接触や気になる行動をチェック.
    • 問診や症状からはしか疑いが強い場合
      • 入り口もまったく別のルートで診察室(個室)へ
      • 優先診療する
      • すみやかに検体を確保して保健所へ

    病院こそがほんとの水際だから。

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    2006.11.05

    ゲイとエイズ

    男性同性愛者へのアプローチというタイトルの研修に参加した
    講師は特定非営利法人アカーoccurのメンバー
    講義中に打ったメモより

    1. 同性愛者が抱える様々な問題について
      • 思春期
      • 性的アイデンティティ確立の遅れ
      • 孤立
      • 同性愛者と出会いにくい
      • 出会いの場が性的意味付け→人間関係を作りにくい
      • ロールモデルがない(情報からの孤立)
    2. HIV感染にさらされている状況
      • 性的指向を否定的にとらえている→交渉能力の低さ
      • コンドームをつけてという交渉ができないまま関係を持つ
      • 教育カリキュラムの不在
      • 社会も否定的
      • 保健医療機関への関わりづらさ
    3. 男性同性愛者の特性
      • 同性愛者はどこにでもいるが、同性愛者であることをあかしにくい
      • 有用で正確な情報が少ない
      • 孤独感、自分に自身がもてない
      • 精神的ストレスを抱えやすい
      • 家族や身近なひととの関係での距離が難しい
    自らゲイであることを受け入れないままにセックスをする あるいは、社会から否定的に見られることを気にして 保健医療機関での相談や検査などを躊躇する可能性がある。 ということがゲイのエイズが多い理由と説明していた。が、

    HIV/AIDSは性感染症であるので、

    感染リスク=頻度×危険性×性差

    頻度というのは性行為の頻度、activity
    危険性というのはコンドームを使わない性行為、特に肛門性交
    性差というのはセルフケアに関する男女の差(当然男<女)
    という比例式であると思っていたが、肝心の性行為については
    • 男の方が女よりは活発(かも)
    • 肛門性交の方が、男女間の性行為よりは少し危険かもしれないという認識
    だった。

    いずれにしてもゲイは新規患者発生のかなりの割合を占める集団
    であることはまちがいないので、もう少し分析を進めたい。

    • 男性同性愛でも役割(タチとかウケとか)で危険度は違うか?
    • 両性愛の頻度はどのくらいか
    • ハッテンバとはどんな位置づけなのか
    を調べたり聞いたりするか。

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    2006.10.31

    「セックスしたら妊娠する」へぇ~

    なんと意味不明なタイトル。それは後で解説します。

    10月が今日で終わりなので、月締め記事。
    いつどこで誰に話したかっていうメモを残しておきます。
    (年度末にこれが思い出せないことが多いため)

    結核研修会

    10/5夜。管内の医療関係者約60名を対象に結核の現状と
    「誰も気がつかなかった結核」など5例を検討

    生活習慣病講話

    10/10朝。管内の工場労働者約100名を対象に
    メタボリックシンドロームとその対策について講話

    ヘルスアップ教室講話

    10/11夜。K村健康教室約20名を対象に
    メタボリックシンドロームについて講話。

    名桜大学エイズ講話

    10/19夕。観光産業学科学生150名くらいを対象に
    HIV/AIDSの現状、危険な性行動、エイズと性について講話。

    飲酒、薬物講話

    10/25昼。H村併置校の生徒15名+先生10名くらいを対象に
    主に飲酒の危険性について講話。うちあたいする先生たちが印象的


    これらの中で名桜大学のエイズ(半分は性教育)の話は
    教官の親心で実現した講演会。1学期はたばこの話もした。
    大学生になり、親元も離れ、一応独立した人間と見られる年頃。
    彼らの周りには性に関する情報が洪水のように押し寄せている。
    押し流される学生も多いだろう。
    アダルトビデオが僕らの教科書
    とばかりに集団レイプした名門私大野球部など
    誰も何も教えないまま、押し流されてしまう。
    でも教えない方の責任は問われない。

    Sex
    というわけで、まずは基本に忠実に
    性行為が妊娠や性感染症につながるということを強調。
    これくらいは押さえて(頭の隅において)行動してちょうだい。
    寝ているためか、反応が鈍い学生たちもいた。が..
    まさか初耳?まさか「へぇ~」?というわけで「Heh.exe」をダウンロード
    へぇ~ボタン(出典者に深謝)。これにはさすがに反応した。

    セックスをしないか、するときコンドームを使うと上の2つのルートは
    遮断されますということも忘れないで。そういうメッセージを
    投げかけて帰ってきたという次第です。

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    2006.10.15

    はしか接触者調査の実際

    週末を迎えるたびに、これで終息か?という淡い期待と
    また報告があるのねというdiscourageが交錯する。

    マジブルーウィークエンド

    昨日アドバイスを頂いたスーパーバイザーKN先生から
    チバラギ麻疹のときはほとんど臨床診断ベースだったと
    聞かされ、追跡調査ができることの重要性を教わった。


    現在行なわれている接触者調査の流れを書き留めておく
    1. 医療機関から麻疹発生報告を受ける
    2. 発生届を本庁に送信し、全県にその情報が伝わる
    3. 咽頭拭い液などの検体をもらうため医療機関へ行く
    4. 患者、家族から情報収集を行なう
      • 家族構成
      • 予防接種歴や罹患歴の確認
      • 麻疹患者との接触歴、医療機関通院歴
      • 大まかな行動調査(潜伏期間内)
      • 症状の経過
      • 感染する可能性のある時期(カタル期のちょい前)からの接触者
      • 学校や保育園の状況

    5. これらの1次情報をもとに対策会議
    6. 接触者のリストを医療機関や学校、保育園、職場へ提出を求める
    7. リストの中から感受性者(罹ってもいない、接種もまだ)を抽出
    8. 曝露後3日以内であればワクチン接種、6日以内であればγグロブリン投与を検討
    9. 健康観察の方法と期間を決定する
    10. 特に感受性者を中心に健康観察、有症状時の受診方法を指導
    11. 観察期間が終了するまでモニターする

    大雑把に書くとこういう流れ。
    それぞれの項目について留意点や痛い経験などもあるが、
    それは報告書にするときに。

    接触者調査の目的は、
    1. PEP(曝露後ワクチンやγグロブリン)などで接触者からの発症を防ぐこと
    2. 接触者を発熱(カタル期)の段階で拾い上げ、さらなる感染拡大を防ぐ

    があるがPEPについてはどちらかというと診断した医療機関で行なうのが効率的。
    保健所に届出が来る頃にはその時期を過ぎていることが多いから。
    だから2の早期拾い上げにエネルギーを注ぐべき。
    これができないとさらに接触者が増えてしまいます。

    言うは易しなんだけどね...

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    2006.10.12

    イリガサー(方言ニュース)

    ラジオ沖縄の人気プログラム「方言ニュース」
    そこで報道されています。

    「北部保健所管内のはしか患者、7人に」
    (ラジオ沖縄公式ホームページより)

    実際に音声で聞くことができます(表記は標準語)。

    • 「麻疹・はしか」は「イリガサー
    • 「乳幼児」は「ボージャー
    • 「予防接種」は「予防接種」
    などと表現されています。
    北部保健所管内で発生している麻疹・はしかの患者は その後増え、7人となり、 予防接種を受けていない人に 予防接種を受けるようすすめています。

    県福祉保健部によりますと、
    北部地域でのはしかの患者は
    先月14日に、1歳1ヶ月の乳幼児で確認されて以来、
    先月までに6人の患者が報告されたあと、
    今月3日にも1歳1ヶ月の乳幼児がはしかにかかり、
    これで患者は7人となりました。

    県福祉保健部は、
    はしかは非常に感染力が強く、空気で感染することから、
    予防接種を受けていない人で、はしかにかかったことがない人は
    早目の予防接種をすすめています。

    特に、1歳以上の乳幼児で予防接種を受けていない子や、
    予防接種を受けていない小・中・高校生と大学生、
    それと子供と接する仕事で、はしか患者と接触する可能性のある人たちに
    予防接種を呼びかけています。

    「かからした方がマシ」と考えている老人たちにも
    このメッセージが届くことを願います。

    「対岸のはしか」ではありません。延焼しないうちに
    予防接種を受けましょう。


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    2006.10.04

    はしか報道

    先週のノロウイルスに引き続き、北部では麻疹の流行。
    これまで県が記者発表したニュースは3本。
    新聞報道は新報4本にタイムス2本
    やっぱり感染症対策と同じで最初に出遅れると後手後手に。

    それはさておき
    麻疹症状すぐ受診を 北部保健所累計6人拡大懸念(琉球新報)
    はしか流行のおそれ/県内2年ぶり(沖縄タイムス)
    流行の拡大は医療機関で起きています。しかも成年発症が多い。
    これは明らかにこれまで想定していた「乳幼児」「保育施設」という
    枠からはみ出している。対応の検証が必要になるでしょう。特に、
    院内感染対策。

    流行は現在のところ、一人の感染源から次々に発生している
    段階なので、どうにか対応可能。この症例のつながりが
    切れてしまうと(トレーシング不可)対策は後手後手になる。

    今が踏ん張りどき。

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    2006.09.29

    ノロを報道するねらい

    ノロウイルスによる急性胃腸炎の集団感染が出ました。

    いつものシーズンよりも早く到来しています。医療施設や
    福祉施設、保育所などが流行のターゲットになりやすいので
    マスコミに情報を提供して、注意を呼びかけてもらいましょう。
    これが提供する側のねらいなはず。

    同じニュースソースがこうも違う記事になるのかと思い投稿。

    その1
    医療機関で集団感染/北部(沖縄タイムス)

    県健康増進課は二十八日、本島北部の民間医療機関でノロウイルスの集団感染が発生し、六十歳以上の高齢者病棟の患者二十九人と職員五人の三十四人が下痢や嘔吐、発熱など、感染性胃腸炎を発症したと発表した。現在、北部保健所が感染経路などを調査している。命に別状のある人はいない。  同課は「接触感染と考えられる。施設は患者の健康管理に気を付け、職員の手洗いや消毒を徹底してほしい」と呼び掛けた。

     同課によると、入院患者五十人の高齢者病棟で今月二十四日に九人が下痢や嘔吐などを発症。同じ症状の患者が二十五日に三人、二十六日に九人、二十七日十三人と広がった。二十八日、連絡を受け県環境衛生研究所が患者の検便からノロウイルスを検出した。

     重症者はなく、発熱は三十八度台。四人が点滴を受けたという。

     同課は「入院患者の半数以上と患者数は多く、感染がおさまったという報告はまだない。引き続き調査するとともに、施設側も衛生管理を気を付けてもらいたい」とした。

    その2
    34人ノロウイルス感染「流行期注意を」発熱や嘔吐 北部(琉球新報)

     県健康増進課は28日、北部福祉保健所管内の医療機関で、ノロウイルスによる感染性胃腸炎が集団発生したと発表した。発熱や下痢、嘔吐(おうと)などがある有症者は入院患者29人と職員5人の計34人。同保健所が感染経路などを調査している。すべて同一病棟内で発生した。  同課によると、24日から27日までに入院患者50人のうち29人、職員34人のうち5人が、胃腸炎の症状を発症し、7検体からノロウイルスを検出した。脱水のため輸液が必要な症例も4例あった。27日時点で6人が回復し、28人に症状がある。  同課では、ノロウイルスによる感染性胃腸炎は秋から春にかけて多くなり、12月ごろにピークとなることから、保育所や学校、病院、社会福祉施設などに手洗いなどの励行や消毒など注意を呼び掛けている。

    姿勢の違いなのか、他にも比べてみたくなった(つづく)

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    2006.09.19

    日脳関連ニュース

    9月1日付の高知県のホームページは

    日本脳炎ウイルス感染症患者の発生について(注意喚起)
    と報道発表した。
    同県では8月3日の報道発表資料
    7月26日にブタから採取しました血清検査から、ブタが日本脳炎ウイルスに感染したことが判明しました。
    と全国2番目の注意報が出たばかり。
    患者については、高知県衛生研究所感染症情報センターによれば「46歳男性 幡多」とのこと
    引き続き、
    • 蚊(コガタアカイエカ)に刺されないよう注意する
    • 十分な栄養をとり、過労を避ける
    と注意喚起している。

    日本脳炎の注意報については、9月10日現在でHI抗体陽性率が
    50%を超えている県(太字は80%超)が

    • 沖縄
    • 鹿児島
    • 長崎
    • 佐賀
    • 福岡
    • 高知
    • 香川
    • 富山
    • 三重
    • 広島
    • 熊本
    11県ある(国立感染症研究所ホームページ)。同サイトによれば
    1960年代までは,毎年夏から秋にかけて多数の日本脳炎患者が発生しており(文献2,3),ブタの感染状況から日本脳炎ウイルスが蔓延している地域に多くの患者発生がみられた。Konnoらは,当時調査したブタの半数以上が日本脳炎ウイルスに感染していると,約2週間後からその地域に日本脳炎患者が発生してくると報告している(文献4)。現在では,日本脳炎ワクチンの普及により,ブタの感染状況と患者発生は必ずしも一致していない。近年における日本脳炎患者発生数は毎年数名程度であるが,ブタの感染状況から日本脳炎ウイルスが蔓延していると推測される地域では,ヒトへの感染の危険性が高くなっていると考えられる。(文献は省略)
    とのこと

    ちなみに2005年度に全国で報告された日本脳炎の患者は以下の7例

    • 三重県(患者は60代、36週目に報告)
    • 佐賀県(60代、43週)
    • 静岡県(30代、44週)
    • 熊本県(70代、44週)
    • 島根県(70代、44週)
    • 岡山県(50代、45週)
    • 岡山県(70代、48週)

    このデータを抗体陽性率を地図と照らし合わせると、岡山県以外はすべて80%を超している。
    時期的にも今後増えてくることも考えられる(今年の高知は35週)。

    対策としては重篤な副作用のために公権力による接種勧奨は
    差し控えている状態。新しい副作用も少ないワクチンの登場は
    日本脳炎の新ワクチン、承認は07年以降に(日経8月21日)

    重い副作用が報告され、昨年予防接種の勧奨が中止された日本脳炎をめぐり、当初は本年中とみられた新ワクチンの承認や供給開始が2007―08年ごろにずれ込むことが22日分かった。
    と報じられているように、まだ先の話だ。

    高知県の調査では特に抗体価の低い集団は4歳以下と40歳以上に多いというデータもあり、ハイリスク地域で生活するこれらの集団は
    新ワクチンが出るまで蚊にかまれないようにするか
    自らの意思で予防接種を受けるか
    という判断を迫られている。

    特にお子さんをお持ちの方は、かかりつけ医師と相談して
    アドバイスを受けて下さい。
    (参考)日本小児科学会の要望書

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    2006.08.04

    1人でたらすぐ対応(はしか)

    Cpn006
    担当者会議も近いので、いろいろ情報収集していたら
    国立感染症研究所感染症情報センター予防接種コーナー

    1人でたらすぐ対応(2012年麻疹eliminationに向けて)
    というキャッチフレーズが出ていた。
    これは沖縄におけるはしか全数把握事業がベースになっていると思われる。
    2005年度県内麻疹発生ゼロを達成(沖縄タイムス4月28日)というニュースは、
    ほんとにゼロなんです(今年はどうかな?)。
    1人でたらすぐ対応するためには、その患者を発見する体制づくりが必要なんです。
    だから麻疹発生DBを充実させましょう。

    さて、茨城・千葉方面での麻疹の流行については、
    関連する調査(小学校1年生を対象)にて
    診断された14名すべてが予防接種既接種者で

    ・麻しん症例14名中12名が千葉県血清研究所(以下、「千葉血清」という。)
    製の麻しんワクチン接種を受けていました。
    接種医療機関に偏りはありませんでした。
    ・麻しん確定症例と症状なしの群を用いた検討において
    千葉血清製のワクチンを接種した者とそれ以外の3社製造の
    ワクチンの接種を受けた者との間で、発症数に差が認められました。
    であることが報告されています(6月8日第6報
    が、しかし結論としては
    今回の調査では、麻しんと診断された児童(疑い例を含む)の多くは、
    千葉県血清研究所(以下、「千葉血清」という。)製の
    麻しんワクチンの接種を受けておりましたが、
    当該ワクチンの接種を受けた者の一部には、免疫のつき方が弱かったか、
    接種からこれまでに至って、一度ついた免疫が次第に弱まってきた
    可能性が考えられるものの、接種された千葉血清製のワクチン
    について効果が全くなかったというものではないものと考えられます。
    という微妙な表現にとどめています。

    こうなると、速報として伝えられている麻疹ワクチン既接種者に発症した麻疹脳炎の一例(千葉県こども病院)のレポートを見ても、接種ワクチンはどのメーカーだったんだろうと知りたくなります(ロットNo.まで)。

    大事なことは、今回の制度改正によってこれら効きの弱いワクチンを
    接種された子どもたちに、もう一度(就学前に該当するなら)法的に
    接種する機会が担保できるということです。そのためには市民への
    「適切な表現」による情報提供がカギとなると思いますが。

    関係あんまりありませんが、過去ログを見ていたら
    ちょうど1年前にも「麻疹 風疹 千葉ロッテ」という記事を書いていました。
    ゆうべも衛星放送で千葉ロッテ対西武を見ました。
    ベンチ上の広告にはやはり「ワクチン打って麻疹を完封!」と
    書かれてありました。千葉と麻疹、いろいろ関係してますね
    (試合は残念ながら負けてしまいましたorz...)

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    2006.07.26

    感染症搬送車両の利活用方法

    感染症の予防対策不十分 厚労省に改善勧告

    新型肺炎(SARS)や新型インフルエンザなど感染症に対する厚生労働省の検疫所や都道府県の予防対策が不十分として、総務省行政評価局は25日、感染症対策を所管する厚労省に対し、改善を勧告した。
    ということで、感染症対策について指摘されてしまいました。 (ちなみに去年は「進まない自殺対策について」聴取を受けた)

    ホームページ上に結果報告書や参考資料などがあるので
    速やかに改善策を検討しなければなりませんね。
    ざっと目を通したところ、沖縄県関係では

    • 検疫所(那覇、那覇空港)における総合的訓練が2年間ともされていない
    • 整備された感染症搬送車両が「年に数回のみ保健所業務に利用」

    が指摘ポイントになりそう。

    後者に対するレコメンドとして

    自ら整備した患者移送用車両を運行委託するなどにより利活用している例や、
    民間患者等搬送事業者を利活用している例を示し、
    効果的・効率的な確保を推進するよう助言すること

    そのお手本として取り上げられているのが東京都の例。これを参考にしましょう。



    消防機関に運行委託している例(東京都)

    1. 当該都道府県(感染症担当部局)と消防機関は、車両の運行管理について、次のとおり、「感染症患者移送専用車両の運行等に関する協定」を締結している。
      • 都道府県(感染症担当部局)から患者移送の出動要請があったときは、速やかに対応すること。患者の発生がない間は、消防機関が消防活動に使用することができること。
      • 移送業務に必要な感染防止装備の整備、医療機関との連絡調整、移送後の車両の消毒等は、都道府県(感染症担当部局)が行うこと
      • 患者移送時の患者の管理は、車両に同乗した保健所等の医師が行うこと
      • 患者移送時の車両の運行、患者の搬出入、日常の車両管理等は、消防機関が行うこと 等

    2. 患者移送用車両(注)は、消防署に配備されており、患者の発生がない間は、救急自動車の予備車両として利活用されている。
      (注)患者移送用車両として購入した車両は、救急自動車の予備車両として利活用するため、消防機関の救急自動車と同じ仕様としている。



    「車だけではなく、人も...」という話になりそうな気がするが。

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    2006.07.25

    マインドマネージャーによる初講義(結核対策)

    Tb2006

    ついに入荷しましたマインドマネージャー。
    ちょうど実習に来ている学生用の講義資料を急いでアレンジ。
    学生には初講義を受けてもらいました。

    体系図を示しながら、一つ一つプレゼンできるのには驚いた。
    これでハイパーリンクや添付ファイルを混ぜられれば
    演じる側にとっては便利なソフトと成り得るでしょう。
    ただし聞く側にとっては単調にうつるかもしれないが...
    やはり

    人に見せるというより、自分の考えをまとめるためのツール

    というのが正しい使い方なんだろう。
    いずれにしても、もっと使い込んで様子を見るというところですね。

    以下はレジメ用に「マイクロソフトワードで打ち出し」した原稿。


    結核を制圧する
    1 発病を予防する
    1.1 乳児期にBCG接種
    1.1.1 法改正により原則6ヶ月までに接種
    添付ファイルを参照: 図1.jpg
    1.1.2 接種率向上対策
    1.1.3 コッホ現象への対応
    1.2 ハイリスク者が発病しない
    1.2.1 ハイリスク者の選定
    1.2.1.1 高齢者対策
    1.2.1.1.1 内因性再燃
    1.2.1.1.2 再感染
    1.2.1.2 主治医も認識する
    1.2.1.2.1 糖尿病、ステロイド服用患者など
    1.2.1.3 医療機関従事者 (院内感染)
    1.2.1.3.1 N95マスク
    1.2.1.3.2 院内感染対策委員会の実施
    1.2.2 定期健康診断の実施
    1.2.2.1 50歳以上の住民
    1.2.2.2 特定の事業所
    1.2.2.3 定期健診からも発見される
    2 感染拡大を防ぐ
    2.1 感染経路を断ち切る
    2.1.1 排菌患者の治療経過が順調 (標準的治療の実施)
    2.1.1.1 命令入所
    2.1.1.2 適正な治療薬の使用
    2.1.1.2.1 結核診査協議会の チェック機能が働く
    2.1.1.3 治療費の公費負担
    2.1.1.3.1 結核診査協議会で 承認
    2.1.1.4 日本版DOTS
    2.1.1.4.1 病院におけるDOTS
    2.1.1.4.2 地域におけるDOTS
    2.1.2 接触者に対する健康診断 (定期外健康診断)
    2.1.2.1 効率的な予防投薬の実施
    2.1.2.2 ツ反+QFTの導入
    2.2 排菌患者を早く発見する
    2.2.1 患者は早く受診する
    2.2.2 医師は早く診断する
    2.2.2.1 診断したら届出
    2.2.2.2 非定型抗酸菌との鑑別
    2.2.3 福祉施設でも早期発見
    3 普及や啓発
    3.1 早期受診や早期発見を促す
    参照: 排菌患者を早く発見する
    3.2 偏見や差別をなくす
    参照: 福祉施設でも早期発見
    4 結核予防法の存亡
    4.1 感染症法に統合
    4.1.1 生物テロへの懸念??
    4.1.2 人権への配慮
    4.2 運用上の課題
    4.2.1 診査会の運営
    4.2.2 命令入所期間30日へ
    5 発生状況
    5.1 過去と現在
    5.2 世界の中の日本
    5.2.1 日本は中まん延国
    5.2.2 HIV合併例で急増するアフリカ
    5.3 日本国内の状況
    5.3.1 国内格差
    5.3.2 都市型結核
    5.3.3 徐々に減ってはきている
    5.4 北部地区の特徴
    5.4.1 高齢者の占める割合が高い
    5.4.2 喀痰塗抹陽性の割合が高い
    5.4.3 死亡例が多い
    6 感染症としての結核
    6.1 感染源
    6.2 感染経路
    6.2.1 空気(飛沫核)感染
    6.2.2 飛沫感染
    6.3 宿主
    6.4 特徴
    6.4.1 慢性感染症である
    6.4.2 感染から発病まで長い経過

    内容については QFTについてもうちょっと詳しくまとめる必要ありと反省中

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    2006.07.22

    パートナーと 共に受けよう エイズ検査

    世界エイズデーキャンペーンテーマ募集
    昨日職場から出しました。
    7月25日締め切りだそうです。お早めにどうぞ。


    テーマ

    「パートナーと 共に受けよう エイズ検査」

    設定理由

    • 過去のつきあいをあれこれ勘ぐるよりはいっしょに検査を受けて信頼関係を築こう
    • 大切なパートナーのことが心配な時でも「私もいっしょに受けるから」と検査を受けさせよう
    • 複数受検を勧めることで、検査件数の増加をねらう
    • 気になるパートナーを検査に導く効果も期待する

    contact tracing(接触者追跡調査)を強化しなければ感染増加は防げないと思う。
    今は「パートナーに検査を勧める」という手段で掘り起こすしかない時代。

    まだまだ「頭打ち」ではない。

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    2006.07.17

    歩く肺炎 マイコプラズマ

    マイコプラズマ感染症が増加しています(沖縄県衛生環境研究所)。
    わが家も最近毎週のように病院にお世話になっています。どんな病気?

    感染源(病原体)

    • 肺炎マイコプラズマ
    • 自己増殖可能な最小の微生物で、生物学的には細菌に分類される
    • 他の細菌と異なり細胞壁を持たないので、ペニシリン、セフェムなどの細胞壁合成阻害の抗菌薬には感受性がない
    • 「カビ(真菌)の」を意味するマイコと「形作られたもの」という意味のプラズマに由来

    感染経路

    • 感染患者からの飛沫感染と接触感染によるが、濃厚な接触で感染
    • 寮生の学校や寄宿舎、サマースクールといった比較的若い人の集団で感染する
    • 症状の軽快後も患者の気道からマイコプラズマが出て、家族の感染を起こしてしまうこともある

    宿主の特徴

    • 1歳の誕生日までに40%が感染を受け5歳までに65%が感染を受けている
    • 年長児のほうが重症になりやすい(乳児は軽症が多い)
    • 予防接種ワクチンはありません
    • 再感染を受けることもある(罹患しても終生の免疫を獲得するのではない)

    臨床像

    • 潜伏期は6-32日と比較的長いため施設での流行の場合数ヶ月続くことも
    • 発熱や頭痛に引き続き、咳は最初は乾性、経過がたつにつれ湿性に長く続く
    • 肺炎の中では症状が軽く入院を必要としない場合もあるので
      歩く肺炎walking pneumonia
      とも呼ばれる
    • 聴診上ラ音が聞こえなくても胸部X線で陰影が出ることもあり、胸写が欠かせない
    • 25%に消化器症状がみられ、中耳炎などの合併もある

    検査所見

    • 白血球は正常または増加、赤沈亢進、CRPは軽度上昇、肝機能一過性上昇もある
    • 血清抗体の異常高値(間接血球凝集反応(IHA)抗体価320~640倍以上、または補体結合反応(CF)抗体価64 倍以上)
    • 2度採血を要する(ペア抗体)ことが多く、病初期には診断できない。症状の重い急性期に診断がつかない欠点がある

    治療

    • ペニシリン系やセフェム系などのβ‐ ラクタム剤は効果がなく、マクロライド系やテトラサイクリン系、ニューキノロン系薬剤が用いられる
    • 例えば内服の抗生剤(エリスロシン、リカマイシン、クラリス、ジスロマックなど)だけで治ることがあります。少しひどい場合は、外来で点滴(ダラシン 、ミノマイシンなど)をすることもあります。
    • クラリス(レボフロキサシン)は気管支喘息に用いられるテオドールの血中濃度を上げることがあるので注意が必要
    • クラリスは苦くて飲みにくい薬の代表格であったが、最近ストロベリー味に改良?された

    予防のポイント

    • 人ごみは避けましょう
    • 鼻をほじくるんだったら、手を洗ってからにしましょう。病原体を鼻の奥に押し込んでしまいます
    • 鼻をほじくるよりは鼻をかんだ方がよい(鼻をかんだ後にも手を洗いましょう)
    • マイコプラズマ肺炎の患者と同じ部屋で眠るのは控えましょう
    • 他の人に向って咳をするのはやめましょう

    参考にしたサイト

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    2006.07.15

    結核の集団感染

    集団感染の定義
    同一の感染源が,2家族以上にまたがり,20人以上に結核を感染させた場合を集団感染という。感染源以外に発病者が1人いればその者からの感染者は6人として計算している。わが国では最初の集団感染は1937年に報告されている。当初学校での集団感染が多かったが,1980年以後事業所・病院の報告例が増加している。これは若年者の大部分が結核未感染者であること,一般的に結核感染が減少したので相対的に目立つことなどによるものと考えられている。今後も集団感染は発生すると考えられるので,その対応策について理解し誤らないことが望まれる。(結核予防会・新結核用語事典より)
    最近の結核集団感染事例
    • インターネットカフェで集団感染/川崎=2005年2月~  川崎市健康福祉局は十七日、同市川崎区内のインターネットカフェの従業員十三人が結核に感染し、うち二十代の二人が発病したと発表した。同局は「感染のまん延が見られない。店側から今後の協力が得られなくなる」などとして店名を明らかにしていない。  同局によると、二〇〇四年八月に発症し、〇五年二月に結核と診断された四十代の男性客から、〇五年一月から二月にかけて、店長を含めた従業員二十一人のうち十三人に感染したことが判明したという。  男性客は入院し治療中だが、感染した従業員にせきなどの症状は出ていない。店は約六十席あり二十四時間営業。男性客は、発症後、ほぼ毎晩泊まりがけで来店していたという。  同局によれば、従業員は治療を受け、感染が広がることはない。今のところ同店のほかの客から問い合わせはないが、「二週間以上せきが続くなど、体調がおもわしくない利用者は医療機関に相談してほしい」と呼び掛けている。問い合わせは同局電話044(200)2432。 (出典カナロコ)
    • 学習塾での集団発生/中野=2005年4月~ 本年6月に公表した都内の学習塾における結核集団感染事例(別紙)について、都及び関係区(中野区、杉並区、練馬区、新宿区)は、接触者調査、健康診断などを行い、このほど診断が確定しました。その結果、国が統計を取り始めた平成4年以降、最大規模の発病者数であることが確認されました。  今回の集団感染事例では、気密性の高い建物、マンツーマン方式の指導などの環境が、感染を拡大させる要因となりましたが、都と関係区が対策会議を開催し、関係者の協力を得つつ、円滑に対策を進めた結果、発病者の多くは軽症の状態で早期発見され、集団感染は終息しました(入院治療は2名のみ、いずれも退院済み。)。 【今回の集団感染の概況】 接触者調査に基づき、健康診断を実施した対象者数 366人 集団感染の規模  発病者 62人(生徒29人、講師31人、保護者2人)  感染者 116人(生徒74人、講師41人、保護者1人)  合計 178人(生徒103人、講師72人、保護者3人)  (初発患者(発病・講師)を含めた総数は、179人で、現在は、医師の指示の下で服薬中。) (出典=東京都公式ホームページ
    森本毅郎スタンバイの特集「若年層にじわりと増える都市型結核」でも指摘されているように
    「大都市では24時間営業で寝泊りもできるようなマンガ喫茶やインターネットカフェなど、不特定多数が出入りする気密性の高い施設が多く、感染の場となっている可能性があります。また、アルバイトやパートなど、定期的な健康診断を受けにくい雇用形態が多いことも原因のひとつであると考えられます」
    問い状況なので、やっぱり人の集まるところ病(やまい)ありということか。
    結核の感染から発病まで
    暴露を受けた人のうち約30%が感染を受けるという説がある。 感染を受けたうち発病するのは10% 発病者の半分は感染してから2年以内。残りの半分はもっと後に発病。 というように慢性感染症としての結核患者の発症パターンはユニークです。
    結核は忘れた頃に発症する
    川崎のネットカフェのように不特定多数の人への感染が心配される事例では 発生からまだ2年もたっていないため、今も新たな結核患者が発病している 可能性もある。それを追跡するのが保健所の仕事です。


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    2006.07.10

    うしくんのエイズ検査

    Ushiaids

    うしくんのエイズ検査体験レポート


    というAC(公共広告機構)の支援キャンペーンをテレビで見た。
    パペットマペットが熱演していた。動画はこちらで視聴可。
     
    若者のエイズへの関心は薄く、なかなか自分ごとと捉えられていません。
    また検査に足を運ぶのも重荷に感じています。
     デリケートな問題ですが、エイズ検査へのそんな抵抗感の中身を調べてみると、
    そこには意外と知られていないニュースがありました。
    それは、全国の保健所で匿名・無料で検査できるという情報です。
    そのニュースを、親しみを込めて伝え、足を運んでもらおうと考えたとき
    うしくんを起用したアイディアが生まれました。



    保健所におけるエイズ検査が無料・匿名であることは意外に知られていない。
    検査件数も伸び悩んでいると言われている。
    感染→発病という流れをなるべく早い段階で食い止める
    ためにも、症状が出ていない時期の抗体検査は重要です。

    北部保健所で今年度から取り組んでいるのは、「パッケージング抗体検査」

    一般健康診断や成人病検診などの機会にこれら(HIV抗体検査など)も
    同時に受けられるようにできれば、検査数の向上につながる可能性があります。
    このように複数のサービスを組み合わせてサービス向上をはかることを
    マーケティング用語で「パッケージング」と言います。

    出展は「地方自治体における青少年エイズ対策/教育ガイドライン」(PDF)
    (京都大学大学院木原雅子助教授)

    まだはじめたばかりですが、検査数増加につながっています。いまのところ。
    もう少しデータ(一般健康診断受診者の何%が受検したかとか)を集めてから
    報告しましょうね。

    エイズに関するイベントとして、毎年8月に行われるAIDS文化フォーラムin横浜
    今年は8月4日~6日に行われます(日程表)。一度は参加したいイベント。

    しかし、沖縄旧暦カレンダー(ヒヌカン☆クラブ)では
    旧盆(旧7月13日~15日)が一部重なってしまうので、厳しそうだわ。
    年によってお盆が移動する旧暦って、沖縄以外の地域では関係ないみたい(当然である)

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    2006.07.08

    結核と糖尿病(レビュー)

    新旧「国民病」対決とでも言いましょうか。
    結核と糖尿病の関係に関する文献レビュー(の訳)。
    (  )内の番号は文献の番号だが、その一覧表は読んでココ君に読み取ってもらう予定。



    結核と糖尿病の関係について
    結核研究所での1週間の指名研修の最後に頂いた資料の訳(機内-自宅で訳)
    出典はTuberculosis

    • 糖尿病と結核の関係は世紀を越えて示されてきた
    • Mortonは16世紀後半に糖尿病と結核のリンクを認識した(593)
    • 100年近く前には、糖尿病患者は糖尿病性昏睡か、結核で死亡していた(594)
    • Sosmanらは1927年に182人の糖尿病入院患者のうち9%が胸部X線で肺結核だったと報告した。3人以外は45歳以上であった(595)
    • RootはJoslinクリニックで1927年から1930年にかけて糖尿病患者の胸部X線を撮り、入院患者の2.8%、Joslinシリーズ10000人のうち2.45%、若年性糖尿病患者の1.6%という結核の発生率であることを報告した(596)
    • Banyaiは1927年から1930年にかけての糖尿病患者の発生率が2.6%(当時の一般人口の約3倍)というデータを報告した(597)
    • Boucotは1946年フィラデルフィアで大規模な調査を実施。糖尿病のある人(3163人)は、そうでない工場労働者の2倍(8.4% vs 4.3%)再発率が高いことを示した(598)
    • Silwerらは1954年スウェーデンの調査で、糖尿病の人のうちの結核発生は3.8%と一般人口の約4倍高いことを発表した(599)
    • 最近ではデンマークの調査で糖尿病の人の結核発症のリスクは3倍だった(600)
    • Kimは似たような結果として韓国での糖尿病の結核発症リスクは非糖尿病者の3.4倍高いとし、それは50歳以上よりは36から49歳で顕著だったとした(601)
    • さらに最近ではカリフォルニアで5290人の糖尿病患者のケースコントロール研究が行われ、Hispanicにおいて、糖尿病は結核発症の重要なリスクであるとした。Hispanicの25歳から54歳の集団においては、糖尿病が結核発症に寄与するリスク(25.2%)はHIV感染と同様(25.5%)であった(602)
    • Boucotは糖尿病患者が結核を進行させるのにいくつかの重要な要因があるとした(598)
      • 40歳未満の患者では糖尿病を10年以上患っている人では17%(10年未満では5%以下)
      • 糖尿病の重症度も結核発症に関係し、1日40単位以上のインスリンを必要とする5.3%の糖尿病患者は活動性の結核を患っていた
      • 体型では、標準体重を下回っている患者の方が2倍高く結核発症していた
    • Holdenらは重症の糖尿病の方に進行した結核発症が多いとした。空洞形成も1日40単位以上のインスリンを投与している患者に最も多かった(603)
    • 糖尿病患者の臨床症状は、非糖尿病患者と似ていると報告されている(604)
    • レントゲンの所見では、典型的な所見があるものとそうでないという両方の報告がある。
    • いくつかの研究では下葉に所見がある頻度が増えるとしている(595,605,606,610,611)
    • また、空洞形成もしやすいという報告もある(607-611)
    • しかしこのような特徴的所見に否定的な報告もいくつか見られる(80、604)
    • Perez-Guzmanらの後方視的研究では糖尿病患者の2/3に上下葉への浸潤所見が見られた(コントロール群では1/3)。さらに上葉への浸潤よりは下葉の所見が多く、空洞形成(特に下葉)が特徴的であるとした(610)
    • Bacalogluらは、空洞形成をするのはⅠ型糖尿病に多く見られるとした(611)
    • IkezoeらはCT所見について調べたが、特徴的な場所(下葉、上葉前方、右中葉)の所見が優位ではないものの、多発性の空洞(セグメントに関係なく)は多く見られたと報告した(608)
    • 糖尿病があると結核を発症しやすくなるメカニズムは解明されていない。
    • 細胞性免疫の変化が考えられているが、はっきりとした証拠は見つかっていない
    • 高血糖状態は単球-マクロファージ系の免疫機能の障害を引き起こすことはわかっている(612-614)
    • 肺結核患者には高血糖状態は良く見られる現象である。Bloomは新しくサンディエゴの海軍病院に入院した47人の肺結核患者のうち1/3が耐糖能異常を示したと報告した(615)
    • Musagiらは肺結核で入院した506名のうち82名(16%)が耐糖能異常、うち25名は糖尿病になったと最近報告した
    • 耐糖能異常は、結核の適切な治療により改善する(616,617)
      結核の化学療法が導入される以前は、結核は糖尿病患者の重要な死因となっていた。糖尿病患者で結核を発症したものの死亡率は平均20%であった(619)
    • Kesslerらが1930年~1956年までに行った調査によると、21447名の糖尿病患者のうち結核で死亡した患者が21名(期待していた値の1.5倍)であった(620)
    • 1914年~1920年にかけて肺結核は全死亡の4.9%を占めていた。この数字は1944年~1949年にかけては1.7%に減少し、1969年~1979年には糖尿病による死亡はなかった。ただし1964年~1980年にかけて剖検が行われた1043例からは2例の結核が発見されている(Joslin's Diabetic Mellitusより)
    • 効果的な治療により、糖尿病患者の結核も非糖尿病患者とおなじような経過をたどることができる。
    • Holdenらは1931年~1961年にかけての糖尿病患者に関する調査で、結核の化学療法を行う前の群では50%が退院後2年以内に死亡していたが、治療を行った群の死亡率は17%であった(603)
    • Lunz(622),Banyai(623),Ross(619)は大規模な調査で、糖尿病合併の結核患者の死亡や治療脱落の割合は、非糖尿病患者とほぼ同様であると発表している
    • 肺結核の治療が予後の改善に大きく影響するが、一方で糖尿病のコントロールが不良であれば結核の再発に影響することもわかっている。
    • Edsallらは糖尿病は結核患者の8%に同時に発生し、重症のアルコール依存症と肺結核の組み合わせ(25%)に次いでいた(624)
    • Basherらは糖尿病と多剤耐性結核の関係について報告している。糖尿病と結核を合併した患者の36%が多剤耐性であった(コントロール群では10%)(625)
    • 両グループとも上葉に空洞形成する傾向があった。
    • この研究ではニューヨークの病院で多剤耐性結核の流行が起こっていた時期に行われた。
    • だから糖尿病から多剤耐性結核にかかりやすいことよりも、市中の流行によって糖尿病→多剤耐性結核患者が発生したのかもしれない(626)

    糖尿病を診ている医師のうち、毎年胸部レントゲン写真をチェックしているものの割合は約50%だった(H13コザ保健所調べ)

    結核緊急実態調査によれば、わが国の結核患者で糖尿病を合併する割合は約10%であった。


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    2006.06.12

    期限切れワクチン接種問題

    週末、地方紙が報道したニュース。


    乳幼児を対象に多良間村が五月三十日に実施した破傷風などの予防接種で、
    有効期限を一カ月経過したワクチンが使われていたことが九日分かった。
    納品した医薬品卸業、琉薬(本社・浦添市)が誤って出荷し、
    村側も気付かなかった。
    琉薬の神谷朝雄専務らが九日夜、村を訪れ保護者らに謝罪した。
    村によると、副作用や体調不良の訴えはないという。

    村によると、生後七カ月から六歳の二十人に使われたが、
    うち二人分が期限を過ぎていた。どの子に接種されたかは不明という。
    琉薬によると、出荷の際に有効期限を伝票に記す作業を怠ったのが原因。
    五日にミスが判明した。


    小さなエラーや見逃しが重なると大きなエラーにつながる。
    人間だから小さなエラーをすることもある。だからシステムでそれを
    カバーするというのが、安全学の考え方。
    安全の基本として(セーフティプロモーションの記事でも書いたが)
    • ニアミスデータを蓄積するしくみを作る
    • その際には個人のエラーをシステムのエラーに転換して対策を講ずる
    • だからしくみを考える人たちがそのデータから改善策を検討する
    • なぜなら最も注意深い人のためのシステムは、そうでない多くの人には無意味
    • フールプルーフ(人間は過ちを犯しやすい存在という認識でシステムを設計する)
    • フェイルセーフ(誰かが過ちを犯したとしてもそれを二重、三重にカバーするしくみ)

    予防接種に関しては、厚労省が出している
    予防接種間違い防止の手引き
    に細かく書かれているので、みんなで目を通すようにしよう。
    この報道に関連する事例集もちゃんとあって
    (5)有効期限切れワクチンや注射器での接種
    1. 間違いの事例
      • 例) 使用したワクチンが、有効期間を過ぎていたことが接種終了後に判明した。
      • 例) 注射筒や針が使用期限を過ぎていたことが終了後確認された。

    2. 事故を防ぐための工夫策
       保管上や使用上の注意点を示します。
      1. ワクチン毎にLot番号順にまとめ、有効期限が記載されている側が見やすいように配置しておく。
      2. ワクチン受け払い簿にワクチン受け入れ時に有効期限を明示し、定期的にチェックする。期限切れワクチンは早急に処分しておく。
      3. ワクチンを受け取る時、使用ワクチンの種類とともに有効期限を確認する。
      4. ワクチン開封の際にも、有効期限を再確認する。
      5. 使用する注射器や針の開封時に、使用期限を確認する。
      6. 定期的に保管温度など管理状態およびワクチンの有効期限などを確認する。

    3. 事後の対応策
      • 有効期限切れのワクチンなどを接種した場合は、速やかに実施主体である自治体に連絡し、その後の対応を協議してください。

    では、「対応を協議」する具体的な内容は、やはり誤って接種された
    (かもしれない)保護者に対する事情の説明と、不安の解消だろう。
    不安については、期限切れワクチンを接種したことによる
    効果と副作用

    とに整理できる(と思う)。
    この手の情報は、予防接種薬剤に関するインタビューシートなどには
    当然記載されていない(参照:DPTワクチンのインタビューシートPDF
    ただ、メーカーのデータとして虐待試験のような研究結果がもらえる
    こともあるので、薬品会社を通じて問い合わせてみるのもよいかも。
    (期限を過ぎたワクチン接種による効果に関して)

    副作用に関する情報はさらに少ないだろうし、
    接種されたこと自体に関するショックもあるかもしれないから、
    それに対しては、丁寧にフォローしていくことが必要でしょう。

    その後のニュース(6月12日新報夕刊
    県、琉薬を行政指導
    薬務衛生課が文書による行政指導を行ったようです。

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    2006.06.05

    献血とエイズ検査

    エイズ検査が必要な人でも書いたが、
    現在エイズ検査強化週間実施中です。
    公共広告機構(AC)の「彼氏、彼氏のモトカノ、彼氏のモトカノのモトカレ...」
    とつづく「エイズ予防 見えない連鎖編」が第43回ギャラクシー賞CM大賞に。

    週刊保健衛生ニュース。5月22日第1357号。
    献血血液HIV陽性率の動向「陽性率は増加傾向」という記事より

    • 18年1月から3月の献血血液におけるHIV陽性率が10万件当り
      2.036と例年より高い傾向にあることが厚労省の資料でわかった。
    • 献血件数は減少傾向にある一方、陽性率は年々増加している。
    • 検査目的の献血をなくすため現在は、献血後の血液が陽性であっても本人通知はしていない。
    • 感染後3ヶ月以内h阿検査でも発見できないため、年に1人出るかでないかの割合で血液製剤による感染は起こる恐れがあるとしている。
    • 都道府県別の陽性献血件数を見ると、エイズの発生動向と同様、東京、大阪など都市部で多い。エイズは男性同性間性的接触による感染が6割を占めており、こうした特定層の集まりやすい都市部で感染者が多い傾向がある。

    献血で教えてくれるだろうということで、感染リスクの高い人が献血する。
    →しかし陽性と出ても結果は本人には通知されない。
    →感染している献血血液が検査をすり抜け治療に使われる可能性はゼロではない。
    →検査目的の人は保健所で無料匿名検査を受けるように働きかけ
    できるだけ感染リスクの少ない人を献血に集めるようにする

    これが安全な血液供給を確保するための方策なのだろう。
    でも献血血液を100%安全にすることって可能なんだろうか?
    何より、感染したまま気づかないで性的接触を続行する本人
    およびそのパートナーたちはどうなるんだろう。

    頭を抱えてしまった。整理が必要

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    2006.05.30

    エイズ検査が必要な人

    HIV検査が必要な人ってどんな人?

    6月1日から1週間はエイズ検査強化週間です。
    過去最高のペースで増え続けるわが国のHIV感染者/AIDS患者。
    これに対するには検査体制を今以上に強化する目的で
    今年から設定されました。

    ちょうど6ヶ月後の12月1日は世界エイズデーで
    取り組み(や意識)が希薄に?なる時期に設定するのは
    結核(結核予防週間と世界結核デーの関係)とおんなじ。

    エイズ検査はあなたも私も必要です

    という横幕を見て、具体的にどんな人が検査が必要か検討しました。まず

    セックスをしたことがある人はHIV検査が必要です
    誰からが大丈夫となかなか線が引けないのでみんななるべく受けるようにしましょう。

    その中でも特に以下の項目に(ひとつでも)あてはまる人は早めの検査が必要です。
    • コンドームを使わないでセックスしたことがある

    • 相手が陰性かどうかはっきりしない人とのセックス

    • 生理中や肛門を使ったセックスなど出血を伴う場合

    • クラミジアなど他の性感染症にかかったことがある


    自分は大丈夫だろう...と勝手に思い込んでいませんか
    そんなあなたもHIV検査が必要です
    • 1回しただけだから大丈夫だろう...
      • たった1回のセックスでも感染することがあります

    • 今の彼(彼女)はまじめそうだから大丈夫だろう...
      • あなたは、彼の元カノ(彼氏の元カレ)のこと知ってますか?

    • ゴムなしだったけど、口だけだから大丈夫だろう...
      • 粘膜やその表面の傷口からウイルスが侵入することがあります

    • 献血で何も言われなかったから大丈夫だろう...
      • 献血ではHIV陽性が判明しても、本人には通知しません



    逆に、検査が必要でないのは
    • セックスしたことがない
    • 自分も相手も陰性であることがすでにわかっている(検査済みということ)

    です。

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    2006.05.25

    ヒト-ヒト-ヒト感染

    H5N1のインドネシア家族内感染のことについてはクーラー始動
    のところでも書いたように、

    ヒト-ヒト感染が認められるかどうかのポイントは、保健医療スタッフへの
    感染の有無であるという。今のところは家族内の発生にとどまっているが
    これが広がるようだと、新型インフルエンザ対策フェーズも進むかもしれない。

    とその後の経過が注目されていました。

    今朝ラジオでも聞いたニュース、そして和訳の関連ニュース
    インドネシア家族内発生、パンデミックの初期状況へは至らない

     32歳の男性死亡者は、発病し死亡した10歳の息子から感染して死亡したように考えられている。少年は叔母から感染したと考えられる。もしこれらが確認されたなら、3人に渡ってH5N1ウイルスが伝搬された初の記録となる、と専門家達は語る。

    ヒト-ヒト-ヒト感染が濃厚。
    しかしウイルスが変異した証拠もなく、現在のところ警報レベル(フェーズ)も
    そのまま3のままになりそうです。NPRニュースも同様の報道。
    May 24, 2006 · The World Health Organization says it will not raise its flu pandemic alert level, despite reports of several cases of bird flu in an Indonesian family. But the agency is watching the situation closely to determine whether bird flu is being passed from human to human in North Sumatra.

    この状態に加えて、保健医療者からも感染者が出ると
    警報レベルが4になるのかしら?

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    2006.05.19

    クーラー始動!

    ゴールデンウィークが終わると梅雨入りして、県内の各家庭や
    事務所、学校などではクーラーが動き始める。始動時期について
    厳しく指導されることもあるが、結局この時期から運転が開始
    されることが多い。

    学校の子どもたちも外でたっぷり遊んで(梅雨入りすると晴れる)
    汗びっしょりかいた教室でクーラーにより冷却されるためか、
    風邪を引く子どもたちも目立ちはじめる。

    去年の今頃はインフルエンザの流行もつづいていた。


    今年は今のところ落ち着いているようだ(インフルエンザに関しては)

    海外のニュースで気になるのはインドネシアで家族内H5N1感染。
    高病原性鳥インフルエンザ海外報道抄訳集によれば

    {インドネシアは、もし人人感染が起きたなら、情報を隠蔽せずに公開する}

    として、豚→人、そして家族内集団発生の事例(6人死亡)したケースで
    ヒト-ヒト感染があったらその情報は公開するとインタビューに答えた。
    原文はロイター伝

    ヒト-ヒト感染が認められるかどうかのポイントは、保健医療スタッフへの
    感染の有無であるという。今のところは家族内の発生にとどまっているが
    これが広がるようだと、新型インフルエンザ対策フェーズも進むかもしれない。
    現在はパンデミックアラート期のフェーズ3(対応表pdfはこちら)

    国内の麻疹といい、海外のインフルエンザといい目が離せない。
    でも一番気になるのはわが家の風邪ね。

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    2006.05.12

    はしかゼロキャンペーン@北部

    はしかゼロキャンペーン@北部

    お隣の病院にセッティングされたパネル展示の様子です。
    沖縄県内では全数把握システムが稼動しており、その結果
    平成17年度は麻疹発生がゼロだったことが報告されています。


    しかし予防接種率はまだまだ目標の95%には及ばないため
    今後も接種率の向上が求められています。油断大敵見逃し注意。

    来週はキャンペーン週間で月曜にはパレット前でセレモニーがひらかれます。


    なお予防接種といえば、MR2回うち(しかもM+MRなど)もOKのようです。
    日本小児科学会が厚生労働省結核感染症課長にあてた提言が
    どうやらその根拠データとなっている模様。
    「安全性についての見解」


    さて、全国の小児科医及び感染症担当者を震撼させている茨城の麻しん流行。
    未だ流行がおさまる気配が見られないという情報もあり、心配です。
    竜ヶ崎保健所のホームページ(ここが結構詳しい)によると、

    (1) 本日新たに5名の報告がありました。
    (2) 検査の結果、7名は麻しんの疑いがなくなり、今までの報告の総数は80名(疑いを含む)です。

    予防接種を受けているにもかかわらず、児童生徒から集団発生が続くはしか。
    周囲の感受性者(まだ罹患していないor予防接種未接種or予防接種エラー)は
    早急に予防接種を受ける必要があります。
    • 取手市では市民に呼びかけている

    もっと強力に呼びかけた方がいいと思います(関連市町村もね)。
    全数把握できない疾患なので全体像が見えないというもどかしさも。
    早く終息されますように。

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    2006.05.03

    M+MR?(予防接種法施行令改正)

    GW突入。これで気分が落ちつかないというのは仕事依存の証拠。


    さて厚生労働省から出ているパブリックコメント募集
    まだ締切には時間がある(5月20日まで)。



    予防接種法施行令の一部を改正する政令の一部改正の概要

    麻しん及び風しんの定期予防接種について、
    麻しん及び風しんワクチンを接種した者に麻しんワクチン又は風しんワクチン
    及び麻しん風しん混合ワクチンを追加接種した場合の安全性が確認されることに伴い、
    平成17年改正政令附則第2条を削除することとする。


    (改正前)この政令による改正後の予防接種施行令第1条の2の表
    麻しんの項及び風しんの項の規定は、(※)この政令の施行の日
    (注:平成18年4月1日】前に予防接種法第3条第1項の規定に
    より行われた麻しん又は風しんに係る予防接種を受けた者及び当該
    予防接種に相当する予防接種であって市町村長以外の者により行わ
    れたものを受けた者については、適用しない。


    (改正後)削除。上記の(※)も、予防接種の対象者となる。


    本文中の下線はこちらで引かせて頂きました。

    これまではね、施行前に麻しんか風しんのいずれかの予防接種
    を受けた者は混合ワクチンの対象にならない(安全性確認されてい
    ないため)ということでした。

    だからそういう子どもたちが漏れることがないように、単抗原
    ワクチンを接種液として認めるというのが今回の改正のポイントだ
    と理解して読み流していました。

    でもこれを読むと、混合ワクチンの接種もOKと読みとれます。

    つまりM+MRもありということですか?


    誰か教えてクミソーレ。

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    2006.04.17

    鳥インフル、指定感染症に...

    ちょうど保健所・家畜保健衛生所間で現場対応マニュアル会議を
    開いていたときに飛び込んできたニュース。
    H5N1型の鳥インフルエンザを指定感染症に――厚労省
    各メディアの記事にあるように

    指定感染症になった場合、知事が患者の就業を制限したり、
    患者と接触した人に健康診断を勧告することが可能になる。

    H5N1型の発生国から入国した人に感染の疑われる症状が
    認められた場合に、強制入院や行動制限などの措置を取れるようになる。

    このほか、飛行機や船で患者が入国する場合も想定し、
    検疫法の検疫感染症にも追加する。

    さまざまな対応が必要になる。
    また保健所職員が臨船検疫に協力する可能性も。

    「また」と書いたのは2003年SARS流行時も指定感染症に指定され
    同様の対応を迫られたから。そのときに県は行動計画を作っているので
    今回も基本的にはこれに準じて動けばいい。
    沖縄県SARS対策行動計画第4版はこちら↓
    「taro.pdf」をダウンロード

    ただしただし、今回状況が異なるのが2点。ひとつは
    患者は国外から来るとは限らない

    ということです。

    野鳥さんがウイルスを運んできて、国内の鶏と接触し、まずと鶏に大量発生。
    その処分にたずさわった人が発症(現実にここまではすでに起きている)。
    今後繰り返す可能性も十分あります。そうなると「要観察例」とか「疑い例」が
    一気に地域に発生する可能性があるということ。

    もう1点はいまのところ、ヒト-ヒト感染は例外的であるということ。
    SARSは院内感染や同一マンション内感染などヒト-ヒト間での
    感染力の強さが際立っていたが、HPAIはそこまでは行かない。


    これらを踏まえて、「疫学調査・健康観察」や「医療」のマニュアルを整理しましょう。

    国立感染症研究所も高病原性インフルエンザの項を参照のこと。
    (ただしこれも国外患者のみを対象に書かれているけど)

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    2006.03.24

    【速報】驚きの方針転換「麻疹風疹の単独ワクチン接種も公費負担で」

    朝、作業をしながら横目で見ていたNHKニュースに驚かされた。

    厚労省、思い切った方針転換ですね。
    単独でのワクチン接種 公認へ
    記事もそのまま引用させていただきます(速報ということで)

    はしかと風しんの予防接種は、現在、7歳半までの間にそれぞれ1回ずつ接種することになっています。これについて厚生労働省は、1回の接種だけでは効果が十分でなく、別々に行う現在の方法では、片方のワクチンしか接種しない子どもが減らないとして、来月から制度を見直すことにしています。新しい制度では、はしかと風しんの2種類のワクチンを混ぜて同時に接種する「混合ワクチン」を使い、1歳のときと小学校に入る前の2回、接種するとしています。しかし、いずれかの病気にかかったことがある子どもなどについては、混合ワクチンを接種することの安全性が確認されていないとして、制度の対象から外されています。その結果、こうした子どもはみずから費用を負担して単独のワクチンを接種しなければならず、医療関係者などから批判が出ていました。こうした批判に応えて厚生労働省は、混合ワクチンを接種できない子どもについては単独でのワクチン接種を認め、費用も公費で負担する方針を固めたもので、来月からの新しい制度のスタート後、できるだけ早い時期に実施できるよう準備を急ぐことにしています。


    「できるだけ早い時期」がいつになるんだろう
    勇気ある決断ではありますが、朝礼暮改で現場は混乱します...
    とにかく続報を待ちましょう
    (6時現在、他のニュースサイトには記事なし→NHKのスクープ?)
    3/25追記:産経新聞に関連記事発見
    制度改正直前の見直しについて、厚労省の塚原太郎・結核感染症課長は
    「制度改正によって対象外となる子供を救済する措置として、
    なるべく早い時期に結論を出したい」と話している。
    拍手

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    結核の早期診断法

    琉球新報に掲載されたこの記事
    結核の早期発見に新技術 産学連携で実現
    大学側の積極的アプローチとラボの協力により、沖縄県内で実現した。

    従来のツベルクリン反応に比べて短期間でより正確な判定ができるのが
    特徴で、感染の疑いのある人への無駄な治療薬の投与が防げるという


    従来は結核の診断はツベルクリン反応を参考にしてきた。
    しかし、乳幼児期に行われるBCG(二の腕のスタンプ注射)の影響を受けるため
    多くの人はツ反が陽性に出ることが多い。
    例えば結核患者との接触状況を調査するときに、ツ反が陽性になると
    • 患者さんからの感染を受けたのか
    • 以前のBCGの影響で陽性が出ているのか

    判断に迷う(悩ましい結果)になることも多かったのも事実だ。

    その点このQFT(クォンティフェロン)は
    1. ツベルクリン反応に比べBCG接種の影響を受けない
    2. 反応を数値で測定できる
    3. 病院で再診することなく一度の採血で判断できる
    4. 翌日に結果がわかる

    などの利点がある(確かにあると思う)。

    今後はデータを蓄積して、もっと適応範囲が広がることを期待したい
    そのためにも積極的に利用していくべきでしょう(せっかく沖縄にあるんだからね)

    関連サイト

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    2006.03.08

    住民説明会の持ち方(案)

    (養鶏場で)鶏のインフルエンザが発生したときの対応マニュアル(作業中)



    7.周辺住民に対する説明会の開催(メンタルヘルスケアを含む)


    想定される状況

    1. 病鶏が発生すると感染拡大を防ぐために、制限区域内からの移動禁止や消毒のための道路通行規制などの措置が行われる。これらは養鶏場の周辺住民や関係施設の日常生活に少なからず影響を及ぼす。
    2. 周辺住民に情報が正しく伝わらないと、不安が増大し混乱を来したり、風評被害が生じる恐れがある。また養鶏場関係者は大きな悩みを抱えたまま、危機的状況に対応しなければならない事態に陥る。

    活動の目的

    1. 正しい情報を伝え、周辺住民の不安を解消し、感染拡大防止のための適切な行動がとれるようになることを目的に説明会を開く。
    2. 地域の養鶏関係者が、防疫対応と感染拡大防止のための検査等の必要性を理解し、協力を得ることができるように説明会を開催する。
    3. また、住民から健康に関する相談を受ける立場にある人が的確に対応するための知識を習得することを目的とした研修会を開催する
    4. 保健所等では、健康や生活に不安を抱える住民、養鶏場関係者に対し相談窓口を設置し対応することで、不安を軽減することを目指す。
    5. 特に養鶏場関係者については、こころの健康状態をチェックし、適切なメンタルヘルスケアが行われることが必要である。



    各目的に合った対策(研修会とか説明会とか相談窓口)を検討して、
    資料も耳を揃えて提出という宿題。

    分担して作業を行うと、当然自分のところが世界の中心になるが、
    例えばメンタルヘルスケアも、健康調査で訪問する「疫学班」との
    連携が必須。だって対象は同じ人だからね。

    そういう連携のあり方も議論していきたいですね(金曜日には)

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    2006.02.21

    ノロ アウトブレイク

    コロラド州のガイドラインを参考にまとめてみた。
    (Long Term Care Facilities は長期ケア施設と訳した)

    長期ケア施設におけるノロウイルス集団発生時の調査と対策

    ノロウイルスとは?
    • ウイルス性の胃腸炎を起こす
    • 比較的高い濃度の塩素(10ppm)や幅広い温度(冷凍~140℃まで)に抵抗性を示す
    • ヒトが唯一の宿主
    • レストラン、学校、保育所、キャンプ、クルーズ船、プール、病院、そして長期ケア施設などで流行を起こす
    • 鑑別すべきウイルスはロタ(小児から発生する)、アデノ、アストロなど
    • 潜伏期間は12-48時間
    • 症状の持続期間は12-60時間
    • 症状としては、嘔吐、腹痛、寒気、下痢(血性ではない)、頭痛、筋肉痛、微熱、悪心、倦怠感など。
    • 突然発症することが多い。子どもでは嘔吐が多く大人では下痢が多い。
    • まれだが、ひどい脱水になると致命的である(特に衰弱している高齢者で)
    • 感染者の吐物や下痢便が感染源になる
    • 感染経路は糞口感染で、(少ない量でも)容易にヒト-ヒト感染を起こす
    • 集団発生時には空気感染を起こすこともある
    • 高齢者長期ケア施設では大きな集団発生を起こしやすいといえる
    • アタック率は50-70%以上(入所者もスタッフも)
    • 最も感染性を持つのは気分不良から下痢が治まるまでの有症状期間だが、症状がおさまっても少なくとも2日間は感染力が残っている可能性がある(症状がなくてもノロウイルスを広げている場合がある)
    • 治療は抗ウイルス剤もなければワクチンもない。症状に応じて輸液や電解質の補正を行う
    何をもって集団発生となすか?
    • 一般的に通常その施設で期待される下痢嘔吐の患者数を上回って患者が発生した場合
    • ノロウイルスによる集団発生は以下の2つに分類される
      1. ノロ集団発生(疑い):症状からノロウイルスが疑われるが、検便が行われていない、あるいは細菌検査だけしか行われていない、またはノロの結果が出ていない場合
      2. ノロ集団発生(確定):症状からノロウイルスが疑われ、少なくとも2つ以上の検体(別々の人の便)からノロウイルスが検出された場合
    • 集団発生も以下の2つに分類される
      1. 単一曝露による集団発生(下図左):汚染された食品や水などにより集団が病原体に曝露され、その一潜伏期間内に患者が発生する。流行曲線では早期に鋭い立ち上がりが見られることが一般的である
      2. ヒト-ヒト感染による集団発生(下図右):特定の感染源を持たず、徐々に患者が増加していくタイプで、長期ケア施設では訪問客、職員または新規入所者によってもたらされる
    • 注意すべきはノロウイルス感染症は、当初単一曝露として発生した後、職員を介して感染を広がり、ヒト-ヒト感染のパターンとして継続することもあるということ。
    症例定義
    長期ケア施設におけるノロ集団発生(疑い)では、「特に下剤などの薬剤使用などの誘因なしに発症日以降に、入所者または職員において嘔吐かつ(または)下痢が24時間以内に2回以上(軟便も含む)が発生した場合」に症例としてカウントすることを推奨する
    報告の要求
    集団発生があった場合は、すみやかに地域の保健部局に報告すること
    ケース調査
    施設内で急性胃腸炎の患者が発生したら、他の入所者や職員の健康状態を注意深く調査する必要がある。
    診断と検査確定
    • 集団発生が疑われたら、便標本を確保しノロウイルスのPCR検査を行う。症状などによって他の菌や寄生虫卵の検査も行われるべきだろう。吐物でも検査は可能。
    • できれば患者便は症状発生後48時間以内(まだ水様のうち)に採取する。でも発症後7-10日後の便でも検査は可能である
    • 集団発生施設においては、2-6人程度の患者から便を採取することが望ましい
    • 集団感染の対策は検査結果が出る数日間を待つべきではなく、迅速に行うこと
    対策(考え方)
    • 潜在的に集団発生があるとわかったらすぐに対策にとりかかること
    • 検査結果を待つべきではない
    • ノロウイルスは症状消失後も便から2週間にわたって排出されるので、最後の患者の症状がおさまった後も、2週間程度は注意が必要。
    対策(手洗い)
    • 職員、入所者、訪問者は感染予防のための手洗いを意識しなければならない。集団発生時は普段よりも頻回に手を洗うこと
    • 手洗いができない状況であれば擦式の消毒剤やジェルを使用しても良い。あくまで手洗い後に追加して行うものである。
    対策(職員)
    • 症状のある職員は感染症担当者に報告すること(一覧表を作る)
    • 症状のある職員は、特に厨房職員は下痢や嘔吐が消失して体調がすぐ回復したと思っても、少なくとも2日間は業務から外すべきである
    • 症状のある入所者をケアをするときは、使い捨ての手袋とガウンを用いて、一人の処置ごとに手を洗い、手袋とガウンを交換すること
    • 標準的予防策などについてスタッフで話し合う機会を持つこと
    • できれば嘔吐や下痢の処置をするときにはマスクを着けることが望ましい
    入所者
    • 症状のある入所者は感染症担当者に報告され、一覧表を作ってフォローする
    • 症状がおさまって2日間が経過するまでは、有症状の入所者がいる部屋を制限し、接触感染に注意するべきである
    • 集団発生がおさまるまではグループ活動や集会は避ける
    • スタッフは、症状があって隔離されている患者が孤立感を感じないように、家族が頻回に電話をかけてもらうなどの努力をする
    • 感染区域と非感染区域を分けて入所者の行き来を制限する
    • 入所者に対する担当職員をできるだけ変えない
    • 嘔吐がある入所者に対しては吐き気止めの投与を考慮する
    • 病院に転院する際には、現在ウイルス性胃腸炎が流行している施設から送ることを病院に伝えること
    施設
    • 集団発生がおさまって3~4日間(潜伏期間の2倍)は新しい入所者を入れない
    • 清掃と消毒を普段より頻回に行うこと(特に風呂場、浴槽、トイレ、手すり、ドアノブ)
    • 10%の家庭用塩素漂白剤(ブリーチ)や医療用消毒剤が有用
    • 日常的な診療用具(血圧計のカフなど)も清掃消毒すること
    • 食器類をディスポにする必要はなく、通常の食器洗浄でウイルスは除去できる
    訪問者
    • 高齢者や子ども、そして基礎疾患がある人は集団発生がおさまるまで訪問を延期する
    • 施設内にいるときは、手をよく洗うように注意喚起する
    • 下痢などの症状のある訪問者(家族や友人)は症状がおさまるまで訪問しないこと

    フローチャート(対策の流れ)

    長期ケア施設で胃腸炎の症例が発生しているという連絡が入る(第1報)

    1. 集団発生に該当しますか?
      • はい:2へ
      • いいえ、わからない:新たな症例が発生するかモニターする
    2. 施設での対策実施をサポートし、検便の検体を確保しつつ、予備調査を行う 集めるべき情報は
      • 入所者、職員の患者数
      • 発症日と発症した患者数
      • 症状
      • 症状の持続期間
      • 施設内での患者の分布
      • 入院した患者、死亡した患者はいないか
      • 流行曲線を描く
    3. 集団発生のタイプは?
      • ヒト-ヒト感染パターン
        • 発生が何日にも渡ってダラダラ続き、かつ
        • 症状もノロウイルスと合致(血性ではない下痢、嘔吐、微熱、持続2日以内など)
        患者一覧表を作成し、新たな患者は追加して記入する/対策の効果や集団発生の経過を見るため、施設監視を続ける/終息後は報告書を作成する
      • 単一曝露パターン
        • 発生開始3日以内に患者数が急峻している、または
        • 感染源として心当たりのものがある、または
        • ノロウイルスと合致しない症状(血便、高熱、3日以上持続、重症化多いなど)
        疫学的な調査が必要になるため、専門機関の協力を得る (このガイドラインでは調査方法について言及していない)


    あとはこういう情報をどのような段取りで発表するかについても慎重な検討が必要

    地域の施設でも流行が見られます。日常的な感染症予防のチェックが必要です。
    関連記事@北部福祉保健所(ノロウイルスによる食中毒に気をつけよう

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    2006.02.05

    野鳥が死んでいたら...

    野鳥の死体から鳥インフル(香港)というニュースもある

    先週、鳥インフルエンザに関する連絡会議に参加した。
    その中の資料より(平成16年3月9日「国民の皆様へ」)

    1. 鶏肉、卵の安全性について
    2. 鳥インフルエンザウイルスの人への感染について
    3. 飼っている鳥、野鳥が死んでいるのを見つけた場合等について
      1. 鳥を飼っている方の留意点について
      2. 飼っている鳥が死んでしまった場合について
      3. 野鳥が死んでいるのを見つけた場合について
        野鳥が死んだ場合には、鳥インフルエンザだけでなく、こうした細菌や寄生虫が人の体に感染することを防止することが重要です。野鳥が死んでいるのを見つけた場合には、細菌や寄生虫に感染しないよう、死亡した鳥を素手で触らずにビニール袋に入れてきちんと封をして廃棄物として処分することも可能です。

        このような場合に直ちに相談していただく必要はないと考えられますが、不安な場合には、市町村、獣医師、家畜保健衛生所又は保健所にご連絡下さい。
         万一、野鳥が密集して死んでいる場合には、毒物などを食べて死亡したことも疑われます。この場合には、事件の可能性もありますので、警察、家畜衛生保健所又は保健所にご連絡下さい。

    というわけで、住民からの通報に備えて、市町村、獣医師、家畜保健衛生所、保健所、そして警察が話を詰めておく必要がある。さらに野鳥が自然公園で死亡していた場合などはそこを管理する部署との連携も必要。(まさかこういう問題でも「その野鳥が死んでいるのは県道ですか?国道ですか?」という話はないだろうなぁ)

    とにかく、この国民向けアナウンスは約2年前に出されたものであるが当時とは状況も違う。
    養鶏場職員など普段から鳥と濃厚に接触するヒトも現在のインフルエンザ予防接種を受ける必要があるとの指摘もあった。

    県のインフルエンザ行動計画(pdf)では、鳥→ヒトの感染が見られた場合でも

    高病原性鳥インフルエンザは、4類感染症であるため患者の診療については、感染症指定医療機関に限定せず、通常の医療体制で対応する(福祉保健部)

    としているが、さすがに民間病院では厳しいだろう。
    処分後に発熱したときはどこの病院で見るかも決めなければ。

    さらに、机上演習の話題も出たが、実際に大量の鳥を処分した茨城の事例が紹介されたが
    鳥の処分に関しては自衛隊の協力も有効だったという。もちろん国も関係する。
    処分や資材置き場、健康調査等のため広大な土地の借用も必要になるらしい。

    いろんな機関がステージに応じて、それぞれの役割を担う。
    しかも対象が鳥なのか、ヒトなのかによって関係機関も異なり
    それらの対策がシンクロして行われる必要もある。

    本庁の危機管理機能を発揮するには、格好の題材だと思った(発生しないうちにやらないとね)

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    2006.01.15

    奇策?!電車を止めて感染予防

    「奇策?!」というタイトルをつけられた読売新聞のニュース

    奇策!?新型インフルエンザ、電車止めれば感染減

    でも奇策ではない。
    東京都が策定した新型インフルエンザ行動計画(概要版PDF版)によれば
    新型インフルエンザが国内で大規模に発生した場合

    (7) 社会活動等の制限

    ア 公共交通機関の運行縮小

    人の移動や集合に伴う感染の機会を減少させるため、区間と期間を限定して、
    公共交通機関の運行縮小を事業者に要請する。
    運行縮小が実施されている間、ライフラインや医療機関等の事業者は、
    要員の輸送手段を確保することに努めるよう要請する。

    という記載がある。
    こういう事態になったときのために通信手段の確保も記載。
    また、公共交通機関の運行縮小等により、自宅待機者が増加すると同時に、
    保健医療に従事する職員の予防活動も制限されることから、保健所等は
    電話等の通信手段を利用した相談、指導の徹底を図る。

    ファックス、携帯、メール、インターネットなどももちろん有用な手段になるだろう。

    ちなみに東京都の計画はインフルエンザ流行ステージを
    • 発生前期
    • 海外発生期
    • 国内発生期
    • 都内発生前期
    • 都内発生後期
    • 大規模流行期
    • 流行終息期

    と分けていて、わかりやすい。

    多くの都道府県が国のマニュアル(厚生労働省新型インフルエンザ対策行動計画
    のフェーズ(3A,3B,4A,4B...)を焼き直ししているのに比べるなか、ユニークな計画。

    もちろん国もWHOの計画(global influenza preparedness plan)を踏襲しているが、それは
    感染症対策、特にアウトブレイク対策では
    国によって、県によって方針が違って足並みが揃わない
    ということが命取りになりかねないから

    だと思われます。だから「ユニーク」と言っても
    揃えるべきポイントは揃っているかのチェック
    が必要ね。沖縄県も。

    当たり前ですが、この分野に地方分権の考え方はなじまない。

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    2005.12.31

    RSウイルスについて(前編)

    この時期、低温乾燥した環境に加え、人ごみに出かけることが多く
    感染症にとっては増殖好適時期に間違いない。

    RSウイルス(5類感染症、定点把握、報告基準はこちら
    が富山で流行していることが
    報じられている乳幼児にRS感染症流行 昨年の6倍に

    診断キットはあるが、入院患者のみ保健適応されるために
    外来ベースでは使いにくいとのこと。すなわち地域での監視は
    入院した患者の情報で推測するしかないということになる。

    やんばるでもこの、報告数が増えて
    流行の注意報警報についての基準を調べたことを思い出した。
    (結局答えは見つからなかったが)

    RSウイルスに関連する記事を置いておくが、タイトルに「前編」としたのは
    隣の県立病院にRSを詳しく調べている先生がいらっしゃるので、あとで
    聞いてみてアップするため。

    手洗い、うがいをしつこく行いましょう。しつこくね。

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    2005.12.24

    感染症長期予報

    あったらいいと思う予報はこれ。
    今年の冬は暖冬だと言って見事に外れたのは天気の長期予報

    お天気は過去のデータの延長線上で未来を予測する典型例。
    こないだの森田さんのラジオでは

    • このパターンは19××年と似ているとか
    • そろそろ暖冬が来る「周期」だろうとか
    • 一年を通した「バランス」を考えるとそろそろ気温も下がるのではとか

    そのような思考回路で予報を出しているらしい。国が。

    感染症も平年通り(お天気でいうところの過去30年の平均)
    なら、今ごろからインフルエンザ(A型)が流行しはじめ、年明け
    に(旧正月の頃?)ピークを迎えるという予報になる。
    しかし、昨年そのパターンが崩れたのと同じように、今年も現在の
    ところ猛威を振るっているのは「感染性胃腸炎」
    定点医療機関からの報告(5類)という位置づけ(昨シーズンあん
    なに現場は混乱したから扱いが変わってもよさそうなものだけど)、
    のため、書類上に出てくるデータでは実状は反映できていない。
    しかし、保育所や福祉施設では入所者、職員、外来者なども含めて
    嘔吐と下痢の患者が多発。小児科開業医では輸液ボトルをぶらさげ
    て待ち合いで経過観察している子どもが多数横たわってる。
    ここの症例が長引いたり重症化することは少ないが、流行の主役だ。
    報道発表の通り「おたふくかぜ」も流行中ではあるが)

    この分だと昨シーズンと同じように胃腸炎(ノロ)の終息を待
    ってから、インフルエンザが流行るのではないか。
    また、夏ごろまで流行が続くかどうかはわからない。先日の会議で
    インフルエンザが夏に流行るのがわかっていたら3〜
    4月頃、予防接種をした方がいいんじゃないの?

    聞かれたが答えに詰まってしまった。相手は生き物だからね。


    身近な方が急に吐き出して感染症胃腸炎が心配される方へ(ノロQ&A参照)。

    • 感染力がかなり強いので周囲に感染が拡がる恐れがあります。
    • 嘔吐や下痢がひどく水分が摂れない場合は病院受診を。
    • 吐物や下痢便を処分した後は念入りに手洗い、うがいを
    • 食事を作る前、トイレの後はしっかり手を洗うこと
    • 水道の蛇口、トイレのドアノブも消毒しましょう
    • 部屋の換気もよくするよう心がけましょう(寒いけどね)

    年末年始でわさわさしてますが、感染症対策はしっかりと。

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    2005.12.18

    エイズ人権フォーラム@名護2005

    昨年に引き続いて行われたHIV人権ネットワーク沖縄フォーラム
    名護市民会館にて開催された。
    土曜日(休日)の昼とあって、十分な集客とは言えなかったかも
    しれないが、来た人にはいろいろ考えさせるよいイベントであった。

    以下はメモの一部です。


    パネルディスカッション 比嘉正央先生が座長。   パネラー北山しょう子・金城幸子 北山→神様がくれたHIV 金城→ハンセン病回復者

    なぜ名護で人権フォーラムを開催するのか
      金城さんが名護での開催を希望した
      ハンセン病療養所が名護にあった
       名護で大変な差別偏見にあって、今も変わらないところもある
       今も残っている偏見差別の問題をHIVの方々と一緒に考えたい

    北山さんが感染した経緯
      海外協力(保健師)でタンザニアに派遣
       母子保健プロジェクト、栄養失調の子どもたち
      現地人の彼から感染したと思われる
      結核研修で国際協力のプロジェクトに興味を持った
      アフリカでの日常生活は朝から水くみ
       深い井戸から水を組んで2度往復するところから始まった
      現地人の彼氏といずれは結婚するつもりでつきあっていた
       「彼の子どもを産んでもいいのかなぁ」と思っていた
      HIVの抗体検査を受けた(仕事上感染するリスクがあるから)
       そしたら陽性だった(検査結果は郵送で送られてきた)
      プラスという文字を見たら頭の中は真っ白になった
       まさか自分が感染するとは思っていなかった
      特定の彼氏からは感染するはずがないと思っていた
       愛する人からは感染するはずがないという思いこみがあることを感染後に知った
      特定のグループだけが感染すると思っていた
      普通の生活、普通のセックスでも感染するということ
       日本人同士でも自分と同じように感染した人もいる
      支えになったのは、タンザニア人のナース
       「神様が乗り越えることができるだけの苦労しか与えない」
      その後、本を出版した
      
    金城幸子の歩み・苦しいと感じたところ
      HIVに関しては自分とは関係ないと思っている
      しかも性交を安易に考えがちである
       若い人たちは真剣に考えて欲しい
      一人の人間として生を受けた人に差別偏見を持たないということ
      自分を愛するように相手も愛する
       これが基本
      
    北山さん
      自分は中途半端な知識しか持っていなかった
       結局それが感染に結びついた
      HIVに感染したことを不幸とは思っていない
       まわりの人に支えられてきた
       本もその人たちのために書いた
      今の若い人たち、自分自身で生活できない人にとってはこの病気は重すぎる
       自分は20代後半に感染した
       自分で生活できない、自分の行き方が定まっていない若い人は大変

    正しい知識を勉強しましょう
    国立成育医療センター塚原先生
    「性感染症とエイズ」for高校生
      15-19歳の若年者の異性間性交渉によるHIV感染は女性が7割
       成人すると男性が多くなる
      10代20代では性感染症全体が女性上位
      性交体験のある高校生の1割がクラミジア
       性交体験のある高校生は女性4割強、男性4割弱
       性器クラミジア、女性13%男性6%
       欧米(1−4%)に比べ日本女性は際立って高い
      
    友達が感染したら、どう接する
      感染力が非常に弱いので日常的な生活では感染しない
      
    感染経路別
      HIV感染では異性間と同性間性的接触がほぼ同数
      
    ペッティングでも感染する
      オーラルセックスでも感染する
    コンドームを使用すると100%感染しない→△

    性感染症のことは知っているが自分がかかっていると思っている人は少数
      受けに行かない人
       リスクはないと答える人のうちの何割がコンドームを使用しているか
      
    北山さん
      結婚したいと思う人はいたがだめだった
       結婚はできないかもしれない
       子どもは欲しい
      8月に妊娠
       ウイルス量はコントロールされている状態でリスク小さかった
       でも流産した
    金城幸子
      らい予防法のために結婚を条件に子どもをもうけることは許されなかった
      おなかの上から毒針を打って、あるいは産まれた後殺された
       そういう子どもが3500名余りいる
       子や孫が欲しくても禁じられていた

    パネルディスカッション2(北、戸川、塚原)
    喜多(産婦人科医師→防衛医科大学)
    HIVに感染している妊婦の数
      全国346例(小児科分も合わせると423)
       毎年35例
    経膣分娩では3割、帝王切開では1割、ウイルス量を減らす投薬+帝王切開はほぼゼロ

    日本の問題
      若年者のHIV感染者の増加
      HIV感染妊婦の増加
      若年者への性教育を見なおす
      
      幼児期・学童期の性教育の改善
      第2次性徴後の性行動への理解と指導
      初体験の遅延化(勉学とスポーツの奨励)
      安全な性交方法(妊娠や性感染症の予防)
      性に関する話題について、気軽に話し合う
    適切な処置をすれば危険性は低くなる(1.3%)

    母子感染
      子宮内で5%、分娩時に15%、母乳から20%
      母乳からの感染が高い
      これらをすべて予防しないと40%程度
    HIVに感染している子どもの数
      北アメリカで12000人、日本では40人(感染児)
    エイズウイルスに感染した女性248人から産まれて40人が感染

    1995年以降は減少し2001年以降は感染児はいない

    40人のゆくえ
      8人はエイズ発症、9人は死亡
      治療が効いて、元気な子どもが増えつつある
      赤ちゃんのときに発病すると治療が間に合わない
      
      軽症・中等症など
      
    問題を抱える子どもたち
    ・お母さんがエイズで調子が良くない6
    ・お母さんが先に亡くなった6

    ・治療薬が次第に効かなくなる(薬剤耐性)
    ・薬も一生飲まないといけない
    ・患児自身に告知しないといけない

    本当は君たちの隣に入るかもしれない

    ともに生きる
    ・エイズウイルスに感染・発病しているこども

    感染の告知に関して
      告知はだいたい思春期ごろに行っている
      中学生になって「なぜこの薬飲むの?」
      たくさんの種類のカプセルを飲まないといけない
       理解しないと飲みつづけることは難しい
      理解力、周囲のバックアップなどの兼ね合いを見てタイミングはかる
      子どもの方から「そうだよね」という聞いてくることもあった
       学校に出なくなった
      
    幸子さんから
      一人一人の人権を大事にしていく世の中になってほしい
    北山さん
      自分自身はあまり差別を受けずに生きてこられた
      まわりの人がそのように接してくれた
       まわりの友達、両親
      病気になって変わったと思うこと
      死と直面することで自分の命と大事に向かいあうようになった
       1日1日を大切に過ごすようになった(そのことはよかった)
      生きているだけですばらしい


    その後高校生大学生による演劇(熱演)と歌の合唱があった。 終了5時前。最後の挨拶は琉球大学医学部の佐久本先生が行った。

    解説して欲しかったこと

    • 男女異性間のセックスでは解剖学的には女性の方が感染を受けやすい
    • HIV感染・AIDS患者の男女比は男5:女1と男性に多い(全年齢)のはなぜ?
    • しかも、10代においては女性の方が7割と多い(性感染症全体でも女性が多い)

    メカニズム?
    • 性感染症(クラミジア)などに罹患するとHIV感染のリスクが想像以上に高まるのか?
    • 検査を受けていない潜在的な女性の感染者がたくさんいる?
    • 援交、性交産業など「若年女性」vs「いい年をした男性」の交渉が盛ん?
    • バイセクシャル(もちろん男性)の影響?

    う~ん、わからなくなってきた。

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    2005.11.13

    タミフルに関連するニュース

    毎日インタラクティブニュース11月12日(サイエンス‐メディカル版)
    タミフルで異常行動死 少年2名
    新型インフルエンザ対策としてタミフルTamiflu (oseltamivir phosphate)を1.7倍備蓄し、
    市場流通分を減らすというニュースが流れたばかりで注目度も高い。

    ニュースソースはNPO法人医薬ビジランスセンター
    「薬のチェックは命のチェック」というコーナー(速報版)で紹介されている。

    リン酸オセルタミビル(タミフル)と突然死、異常行動死との関連に関する考察
    新聞で報道された2例

    岐阜県の男子高校生(当時17歳)は昨年2月にインフルエンザと診断され、正午過ぎにタミフルの通常量、1カプセルを自宅で飲んだ。その後、家族が不在の間にパジャマ姿で素足のまま外出し、雪の中を自宅のフェンスを乗り越えて走るなどした。午後3時45分ごろ自宅近くでガードレールを乗り越え大型トラックに飛び込み死亡した。

     愛知県の男子中学生(当時14歳)は今年2月5日にインフルエンザと診断された。午後4時ごろに1カプセルを飲み、午後5時半ごろ自室に戻った。午後6時ごろ、自宅マンションの前で全身を打って倒れているのが見つかり、そのまま死亡した。警察によると9階の手すりに指紋が残り、手すりにぶら下がった後に落ちたとみられる。

    の他にも2才9ヶ月児の突然死の症例なども報告され、計10件が報告。が
    上記8例中異常行動死の1例を除き、主治医や報告医は、タミフルとの関連を完全否定し、インフルエンザ脳症あるいは単なる転落事故死としていた。

    としている。機序(脳圧上昇など)についても考察し、結論は以下のようにまとめている。
    1. オセルタミビル(タミフル)は、中枢抑制作用(睡眠/鎮静剤類似作用)により、
    2. 使用開始きわめて早期に(初回が最も危険)、
    3. 幼児では睡眠中突然死(呼吸抑制死)を、
    4. 学童/思春期では異常行動後の事故死を、起こしうる.
    5. その規模はかなりのものと推定(02/03大阪の5例は全国規模では年間数十例に相当、これでも氷山の一角であろう)。
    6. 疫学調査による確認を要する重大な害反応である。
    7. タミフル使用の害と益のバランス判断には、他にSJS/TENなど重症薬疹26例、アナフィラキシー等33例などの重篤な害反応をも考慮するべきである。

    としている。もともと1歳未満の乳児には使用をするべきではないという薬。
    やはり小児科領域での使用は慎重を期すべきなのか。
    その後の学会での議論を伝えるニュースでは
    タミフルの年間販売量のうち、日本が世界の8割以上を占めている現状から「日本だけがタミフルを多用している現状はおかしい」と発言した。

    という使いすぎの現状も明らかになる。その一方ではインフルエンザによる
    脳炎・脳症そのものの関連症状ではないかという主張もあるらしい。
    調査が必要であると同時に、タミフル内服時には今まで以上に慎重に
    患児の観察をする必要がある。

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    2005.11.09

    エイズ・・・あなたは関係ないと思っていませんか?

    11月に入ってエイズ関連の会議やらイベントやら講演が盛りだくさん。
    地域の関係者で協力して取り組んでいこうという機運を盛り上げたいところです。
    しかし患者・感染者数は相変わらず過去最高のペースで増加中。しのびよるエイズ。


    今年の世界エイズデーのテーマは

    エイズ・・・あなたは関係ないと思っていませんか?



    増え続けるエイズ

    12月1日は世界エイズデー。現在、エイズの患者は増え続けています。世界的には感染者が4000万人以上いて、特にアフリカ南部やアジアに患者が集中しています。日本でも今年累積の患者感染者がついに1万人を超え、過去最高のペースで増加を続けています。そしてわが沖縄県でも年々増加し、今年6月現在で80名の届出があります。人口あたりの患者感染者の数でみると、沖縄県は九州四国中国地方の中では最も多くなっています。性年代別に見ると最も多いのは「30代男性」で、感染経路別では「異性間の性的接触」となっています。

    エイズはこんな病気

    エイズはHIVウイルスが感染によって起こる感染症です。HIVウイルスは血液や体液に存在し、主に性行為によって感染するため性感染症と位置づけられています。HIV感染者は感染に気づかないままでいると6~10年程度の潜伏期間を経て発病し、全身の免疫力が低下するためにさまざまな病気を併発して死亡してしまいます。このように発病した状態にある人をエイズ(AIDS=後天性免疫不全症候群)患者と定義しています。現在、治療薬の発達により感染した状態でこの病気に気づき治療を行えば発病を遅らせることは可能になりましたが、完全に治す治療方法はまだ確立されていません。HIV感染者は特に症状が出ないため、早めに感染に気づくためには抗体検査を受ける必要があります。現在、沖縄県内の保健所では即日検査を実施しています。心配な性的接触がある方はあらかじめお問い合わせの上、検査を受けるようにしましょう。

    エイズを予防するには

    エイズは性行為以外の日常生活では感染しません。そして性行為時もコンドームを正しく使用することで予防することが可能です。コンドームを使用する習慣を身につけましょう。患者が増え続けている現在、もはや特別な人がかかる病気という認識(他人事意識)ではなく、自分にも関係するという意識も必要です。また、患者感染者に対して偏見や差別する心を持つことなく、共に生活することができるような地域社会をつくりましょう。

    エイズよくある質問

    • Q.エイズは蚊でうつる?→ × 蚊や虫を介しては感染しません
    • Q.プールやお風呂でうつる? → × 性行為以外の日常生活では感染しません
    • Q.献血で検査できる?→ × エイズ検査目的での献血はできません
    • Q.感染したらすぐ検査でわかる?→ × 接触後2ヶ月以上たたないとわからない


    関連イベント情報 in やんばる

    • 11月19日20日の名桜大学祭りでエイズキャンペーン実施します
    • J’barにてエイズ関連レゲエライブ(PM10:00-AM4:00)JB

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    2005.11.07

    米軍ハンバーグでO-157 続報

    「続報」と言っても、今を去ること20ヶ月ほど前のお話。こちらでも

    米軍ハンバーグでO-157

    ということで紹介して経過を追っていた事例。
    (対応については当時の沖縄タイムス社説にも掲載された)

    このたびの17年度感染研危機管理研修会で報告された。

    経緯のところをそのままコピーさせていただきます(参考になるため)。

    今後も基地に絡んだ健康問題は多く発生するはずで、
    このような貴重な資料をもとに、対応を整理していたほうがよさそうです。

    「沖縄県中部における米軍基地内からの牛ひき肉に関連した腸管出血性大腸菌O157:H2集団感染」


    • 平成16年2月17日
       
      • 沖縄本島中部のA病院より保健所に8歳男児・O157感染症患者発生届出あり。
      • 保健所では直ちに疫学調査等を開始
      • 【どうやら米軍基地内からの冷凍ハンバーグを2月6日に家族5人で調理して喫食し、8日から15日にかけて3人が下痢、血便、腹痛等の症状をきたして医療機関受診したことがわかった】。

       
    • 平成16年2月18日
       
      • 冷凍ハンバーグの残りを沖縄県環境衛生研究所に提供→ 検査開始。

    • 2月20日
      • 冷凍ハンバーグからO157(VT1+2)を検出。
      • 家族の14歳女児からもO157検出 → 3類感染症届出。
      • 県福祉保健部健康増進課から海軍病院公衆衛生部に情報提供。
      • 冷凍ハンバーグ購入先判明。

    • 2月21日
      • 冷凍ハンバーグの残りを海軍公衆衛生部に提供→ 米本国の研究所で検査するとのこと
         
    • 2月23日
      • 保健所の接触者検便の結果、家族の12歳男児からもO157検出

    • 2月24日
      • 環境衛生研究所から、感染者からの分離株とハンバーグから分離されたO-157・3株を感染研に送付し、パルフィールド電気泳動法(PFGE)による遺伝子相同性解析を依頼。  
      • 海軍公衆衛生部より、米国農務省(USDA)が製造会社(RM社)に立ち入り調査したとの情報提供  → 25日にリコール発表!

    • 2月25日
       
      • 県福祉保健部薬務衛生課記者発表
         
      • 在日米軍ニュースリリース
         
      • 外務省沖縄事務所が保健所、県立B病院を訪問調査。

    • 2月26日
      • 県基地対策室から米軍に対し、今回の食中毒事例発生について食品衛生の徹底について要請の調整 
      • → 難航す。米軍は受け容れず!
      • RM社は自主的におよそ90,000ポンドの製品の回収開始。
         
      • 県内地方紙、全国紙、星条旗新聞(基地内米軍紙)に記事が載る。

    • 2月27日
       
      • 感染研から遺伝子解析の結果、患者分離株とハンバーグの分離株は同一との回答得る。
         
      • 感染研は直ちに疫学的情報と遺伝子解析データを米国疾病予防センター(CDC)に送り、米国での発生状況を照会する。
      •  → 発生無し。
         
      • 環境衛生研究所は県健康増進課、海軍病院を通して未開封の同一ロット冷凍ハンバーグを入手し、検査を開始する。
         
      • 患児が学校で報道等によるショックをうける。

       
    • 3月1日
       
      • 未開封の同一ロット冷凍ハンバーグからもO157が検出され、その後PFGEで同一の分離株であることも分かった。
      •  → 感染源は完璧に確定!

    • 平成16年3月2日
       
      • 県福祉保健部と米軍の交渉(在日米軍が所管、日本国内の米軍基地全体の問題に!)。

    • 3月3日 
      • 県福祉保健部と外務省沖縄事務所との交渉(米軍に要請して欲しい!)。

    • 3月5日
      • 米軍には外務省から伝えてもらう旨の確認をする。

    • 3月8日
      • 県福祉保健部と基地対策室の調整 → 米総領事館へ要請することになった(12日OK)。
      • 3月15日
        • 米総領事館へ要請:福祉保健部次長、薬務衛生課、基地対策室担当  
        • → 要請の内容を米軍に伝えるとのコメント。これで終了。


      以上です。今後の対応のために勉強させていただきます。
      やっぱり事例があったら報告書までかきあげる(サッカーで言う「シュートで終われ」)ことは大切だと思います。

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    2005.11.01

    うがいは水道水で

    うがい:風邪予防に効果 京都大グループが初めて実証(毎日インタラクティブ)
    風邪予防にうがいが効果があることはみんなが信じている通説ですが

    本当に予防効果があるというデータが発表されました(世界初だそうです)。

    02~03年の冬場、全国で18~65歳の計約380人のボランティアを、
    • 水うがい
    • ヨード液うがい
    • 何もしない

        の3群に分けて2カ月間追跡調査。
        うがいは15秒を2度行い、1日3回以上実施した。
        その結果、水うがい群は何もしない群に比べて風邪の発症が4割減った。

     
    一方、ヨード液群にはグループの予想に反し、はっきりした予防効果がみられなかった。

    メカニズムは不明だが、川村教授らは
    • 「健常なのどでもたくさんの細菌がバランスを保っている。薬がバランスを壊すのではないか」
    • また水うがいでも、水道水に含まれる塩素が殺菌効果をもたらした可能性を指摘している。

    それに対して国内シェアトップの明治製菓

    風邪予防の効能はもともとPRしていない
    としている。というニュース。

    うがいについては、以前歯磨き剤に含まれる界面活性剤が

    インフルエンザウイルスの上皮細胞への侵入を防ぐのではと書いた覚えがある

    脂質可溶化剤(界面活性剤やエーテルなど)でインフルエンザウイルスが感染力を失う

    ということは平成11年発の厚生省インフルエンザQ&Aにはちゃんと載っていた(最新版からは消されてますが...)。

    エーテル処理してウイルスを不活化する技術はワクチン製造工程にも用いられてる。

    astellas medical net

    でも歯磨きの界面活性剤は体に悪いと主張するグループもあるようなので

    あんまり大きな声では言わない方がよさそうな予防法です。

    ついでに手洗いについても検索。
    コーワさんのしるほど・なるほど・健康生活

    手洗いちゃんとできたかな?を調べる機械
    SARAYAの手洗いチェッカー(隣にあるし)

    エフティ資生堂が開発したナノブロックマスク(鳥を想像するのは私だけ?)
    Fuji Sankei Business i

    ついでにエフティ資生堂とトイザラスのコラボ衛生商品
    プレイングキッズ


    何だかオンラインショップみたいになってきたのでこの辺で。

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    2005.10.18

    ガフキー陽性でも慌てないために

    今夜は地区医師会の学術講演会で勉強してきました。
    テーマは画像による結核と非定型抗酸菌症の鑑別方法。
    講師は琉球大学第1内科医の藤田次郎教授。大変勉強になりました。

    非定型抗酸菌症のうちmycobactrium avium conplex(MAC)に
    焦点をあてて解説していただいた。両者の違いを簡単にまとめる。
    MACに特徴的な所見( )内は結核の所見。

    • 基礎疾患のない中年女性
    • 中葉及び舌区が好発部位(上葉)
    • CTでは気管支拡張像あり(なし)
    • 胸膜石灰化少ない(よくある)
    • 空洞壁の厚みでは結核との鑑別は困難


    ガフキー陽性でも慌てないためのポイント

    1. まず非結核性抗酸菌症を念頭におくこと
    2. ガフキー陽性でも直ちに療養所に送るのではなくPCRの結果を待てる状況かを判断すること
    3. 患者の性別、基礎疾患の有無を考慮すること(女性で、かつ糖尿病などの基礎疾患がないときにはMAC症を考慮)
    4. 病変の場所は上肺野優位か、中葉・舌区主体かを判断すること(中葉・舌区主体であればMAC症を考慮)
    5. 気管支拡張症所見を認めるか、否かを判断すること(小粒状影が中葉・舌区主体であればMAC症を考慮)


    気管支拡張所見については、

    もともと気管支拡張症があったところにMACがcolonizationしたのはなく、
    MAC感染をきっかけに気管支拡張症をきたす(画像上のスコアが悪化)

    肺機能検査をすると閉塞性パターン(air trappingなど)を示すのは
    細気管支から肺胞のレベルで類上皮細胞浸潤が広がって細気管支は
    さまざまなレベルで内腔が狭小化しているため(病理で証明)

    講義内容もそうだが、香川という地方にいても、仲間を増やして
    臨床研究を実践してきた姿勢とその実績のすごさに感服しました。

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    2005.10.13

    HIV/AIDS関連アンケート

    案ですが、基本属性は年代と性別だけ聞いて

    行動レベル
    1. 過去3ヶ月以内にコンドームを使わないセックスをしましたか?
      (はい、いいえ、わからない)
    2. セックスをする時にはコンドームを使いますか?
      (必ず使う、時々使う、使わないこともある)
    3. 性風俗の店を使用したことがありますか?
      (ある=ホンバン系、ある=非ホンバン系、ない、わからない)
    知識や態度レベル
    1. エイズの感染者や患者が増えていることを知っていますか
      (はい、いいえ)
    2. エイズは自分にも関係あると思いますか
      (強く思う、まあまあ思う、あまり思わない、全然関係ないと思う)
    3. 私はHIVに感染していないと自信を持って言える
      (言える、言えない)
    4. あなたは中学生がセックスをすることをどう思いますか
      (すべきでない、当人同士が同意していればかまわない、わからない)
    5. では高校生がセックスをすることをどう思いますか
      (すべきでない、当人同士が同意していればかまわない、わからない)
    6. あなたは複数のパートナーとセックスをすることをどう思いますか
      (すべきでない、当人同士が同意していればかまわない、わからない)
    7. 口を使ったセックスで性感染症がうつることがある
      (正しい、正しくない)
    8. クラミジアや淋病などの性感染症があるとHIVに感染しやすくなる
      (正しい、正しくない)
    9. 体外(膣外)射精なら、HIVには感染しない
      (正しい、正しくない)
    10. HIVに感染したらすぐ発症する
      (正しい、正しくない)
    11. HIVに感染したかどうかは抗体検査を受けなければわからない
      (正しい、正しくない)
    12. 保健所ではエイズ抗体検査が無料、匿名で受けられることを知っている
      (はい、いいえ)
    13. セックス以外の日常生活ではHIVは感染しない
      (正しい、正しくない)
    14. 蚊やノミを介してもHIVは感染する
      (正しい、正しくない)
    15. 自分自身のことを大切にしている
      (とても、まあまあ、あまり、全然)

    この中からいくつかのモニター項目を抽出して(中学生用、高校生用、大人用)調査実施。 今後も協議会メンバーの協力を得て、地域で継続的に追いかけて行く方針です。
    質問の解答編についての解説は別便でしましょうね。

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    2005.10.11

    生物テロvs鳥インフルエンザ

    感染症法の改正についての資料(厚生科学審議会感染症部会)と
    その新聞記事(朝日)。情報源はいつもお世話になっているICD日記
    (いつもありがとうございます)

    今回の法改正の背景は

    大規模・無差別テロの脅威がわが国の周辺地域にまで及んできているといった国際テロ情勢を踏まえ(中略)人為的発生を含めた感染症の発生、まん延防止に対処しうる感染症対策の総合的な法体系整備
    であると説明し、
    エボラウイルスや炭疽(たんそ)菌など48種類のウイルスや細菌を危険度に応じてA~Dの4段階に分類。所持する研究機関の制限や、研究目的以外の輸入、譲渡などの原則禁止を明記する。違反者は刑事罰の対象となる。
    資料によると、これまでの1類から5類といった分類方法も生き残るみたいで
    例えば
    • 一類感染症に追加→南米出血熱
    • 一類感染症→二類感染症:SARS
    • 二類感染症に追加→結核
    • 二類感染症→三類感染症:コレラ、細菌性赤痢、腸チフス、パラチフス
    • 四類感染症→鼻疽、類鼻疽

    これとは別に取り扱い基準(保持基準?)A~Dが設定されるようだ(資料の表)。
    たとえば話題の多剤耐性結核菌は、所持の届出が義務付けられるランクCに分類。
    刑事罰の対象となったり、症候群発生動向調査(潜行テロの把握)が盛り込まれたり、
    緊急時の厚生労働大臣による直接執行が明記されたりと、
    いかにも取り締まり中心の内容になっている。保健所が保健署になるかも。
    これでテロから国民を、というより国家を守るための改正といった印象。

    でも本当にわが国周辺地域まで危機が及んでいるのは「鳥インフルエンザ」ですから。
    その対策も、法改正の中にしっかりと盛り込まれるべきでしょう。

    連日のようにアメリカブッシュ政権が迫り来る鳥インフル対策への対策の様子が報じられている。

    鳥インフルエンザの人での大流行防止に向けてワシントンで開かれていた米政府主催の高官協議は7日、閉幕した。会議出席者によると、感染発生時の迅速な通報や公表が早期封じ込めには重要との認識で各国が一致。今後の優先課題として、抗ウイルス剤の備蓄やワクチン製造などの国際的な態勢づくりについて検討することになった。 米国務省の発表では、参加国は最終的に80カ国を超えた。(ブッシュ米大統領が9月に提唱した「国際パートナーシップ」の初会合)
    新型インフルエンザが米国で流行したら、最悪の場合、人口の3%近い約850万人が入院、死者は190万人を超える恐れがあるとする、深刻な被害想定を米政府がまとめていることが8日分かった。
    アジアで発生する新型インフルエンザの小さな流行が、人の動きを通じて数週間から2、3カ月で米国に達すると推定。最悪の死者、入院患者が出た場合の費用は4500億ドル(約52兆円)と見積もった。

    アメリカはカトリーナで危機管理体制の甘さを暴露し、それを感染症対策で
    取り返そうと躍起になっているという話もあるが、今や鳥インフルエンザは 全世界的な脅威になっている。と言うことは厚労省も認識しているはず。
    研究機関と行政機関が情報交換を密にして政策立案するを願います。

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    2005.10.07

    カナダからのニュース

    来週は看護学校や老人施設、企業で感染症関係の講義が集中している。
    4日間で4回。うち最終日は管内大手企業のオリオンビール

    火曜日に老人施設での感染症対策のネタを探していたらひっかかったのが

    一番下のカナダのサイトでは「レジオネラ」が疑わしいとの記事もある。
    いずれも死亡者は16人。入院は38人で、介護者や訪問者も感染とのこと。
    患者は50-95歳と報道されているように、高齢者が多い。
    今のところ新型肺炎とかSARSの可能性は低いとのこと
    患者も新たに発生していないというが、今後も動向が必要


    レジオネラについてはこちらで勉強(東京都衛生研究所)

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    2005.09.23

    予防接種に関する国の姿勢

    来年度よりはしか、風疹(三日はしか)の予防接種の実施方法が変 更になります。

    平成18年4月1日の時点で
    年齢(月齢)が12〜24月の方のうち

    1. はしかも風疹もかかっていないし予防接種も受けていない
    2. どちらか一つにかかった
    3. どちらか一つの予防接種を受けた
    4. どちらにもかかった、あるいは予防接種を受けた
    と分類した場合
    1. MR混合ワクチンの接種(第1期)
    2. 法に基づく接種はできない
    3. 法に基づく接種はできない
    4. 法に基づく接種はできない(接種の必要なし)
    となりま す。このうち2,3に関しては、感受性のある方(かかっていない 方)の疾患のワクチンを受けることを本人が希望すれば、費用を市 町村で負担しても良い。ただし、法に基づかない接種なので万が一 健康被害があったときの補償は法に基づかない処理(医薬品の副作 用としての補償、あるいは市長会が加入している保険で)としてい ます。責任が市町村へ押し付けられた形。
    次。

    平成18年4月1日の時点で
    年齢(月齢)が25ヶ月以降就学1年前に達しない方のうち

    1. はしかも風疹もかかっていないし予防接種も受けていない
    2. どちらか一つにかかった
    3. どちらか一つの予防接種を受けた
    4. どちらにもかかった、あるいは予防接種を受けた
    と分類した場合 すべて法に基づく接種はできません。まだ万が一地域で麻疹が流行 し、いち早く予防接種を打ちたい感受性者たちについても「法に基 づいた接種はできません」と国は言います。やるなら市町村で体制 を整えて下さいとのこと。
    さらに

    平成18年4月1日の時点で
    年齢(月齢)が5〜7歳で就学前の1年間に該当するの方のうち

    1. はしかも風疹もかかっていないし予防接種も受けていない
    2. どちらか一つにかかった
    3. どちらか一つの予防接種を受けた
    4. どちらにもかかった、あるいは予防接種を受けた
    と分類した場合も、1以外は法に基づいた接種はできないということになります。
    せっかくMRの2度打ちを導入したのに、その恩恵に預かるのは 平成22年以降ということになり、ここでもまた予防接種はざまの世 代が作られてしまいます。


    現在この国の方針に地方自治体や専門機関は反発を強めていろ
    いろ交渉が続いてはいます。
    すでに法改正は済んでいます。

    流れてくる資料を見ていると、国の姿勢が浮かび上がってきます。すなわち

    国は予防接種に関する訴訟(副反応など)で厳しい判決を言い渡されている。だから予防接種は国が接種を義務づけるというのではなく、住民が主体的な意志で接種を希望し、それを実施主体である市町村がサポートするとする方が望ましい

    という後向きな考え。
    先日共同通信で報道された結核予防法を感染症法として一本化というニュースでも(報道では触れられていないが)
    ハンセン病訴訟の影響は大きく、疾患名が残った単独の法律が存在することが、偏見や差別につながった(らい予防法やエイズ予防法)ので、結核も単独法ではなく感染症法に併合させるべき
    との国の姿勢が反映していると思われる。

    でもそれなら昨年の結核予防法改正とそれに関連する一連の混乱は何だったのかしらと思わざるを得ない。それに疾患名を残すのが、即差別偏見につながるのではなく、問題は法律の中味ではなかったの?。らい予防法は法のもとで強制隔離、家族との別離、断種などが行われたし、エイズ予防法は「感染者はこれを他人に感染させる恐れのある行為を行ってはならない」と規定した。

    いずれにしても訴訟の影響を強く受けているということに関しては共通しているのかもしれない。
    立場上やむを得ないところなんだろうか?

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    2005.08.18

    第2のエイズ?

    猿由来新型ウイルス、アフリカで発見(ZAKZAK8月16日) このニュースは先月新聞に先に掲載されていて、それに関する電話相談もあった。

    アフリカのカメルーン南部で猿をタンパク源として摂っている民族を調べたところ 930名中2名(いずれも男性)から新しいウイルスが発見されたとのこと。

    新ウイルスは、成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルスとなっている「HTLV」の一種で、 これまでに確認されていなかった3型、4型という。 いずれも猿から感染したものとみられている。

    ちょうどHIVウイルスにも1型、2型があるので、記事を読んでいると、このウイルスが HIVの3型、4型と解釈してしまう恐れがある。
    でも実際に見つかったのはHTLVの3,4型ということです。

    医学部の学生だった頃にはHIVウイルスはHTLV-3型と習った覚えもあるが、
    それは誤りだということをWhat is HTLV-1?で解説しています。

    HIVもHTLV-1もウィルス学的には、同じレトロウィルスに分類されます。 また、両者ともリンパ球のT細胞に感染するウィルスであり、血液を介して 感染する可能性があるウィルスです。このため、HIVとHTLV-1を同じ様に 考えてしまう方がかなりあります。しかし、この2つのウィルスは、体内での 増殖速度、生命予後が全く異なります。(中略) 以前に、HIVが“HTLV-3”と呼ばれていた時期があるので、昔の本を読んでいると 非常にまぎらわしい場合があります。注意が必要です

    HTLV-1に感染すると将来ATL(成人T細胞白血病)やHAM(HTLV-1関連脊髄症)を 発症する可能性がある。特に長崎、鹿児島、宮崎、沖縄は高浸淫地区である。 鹿児島では先月「日本からHTLVウイルスをなくす会」(HAM根絶)というNPOも立ち上がった
    また早くから取り組んできた長崎県の母乳遮断事業は鳥取大学ウイルス学教室のサイトで 詳しく紹介されている。この2県は撲滅優先型。

    沖縄県はどちらかというと母乳哺育推進型と思われ、短期授乳(6ヶ月未満)だと 感染の危険は人工哺育と変わらないというデータを基にそれほど遮断を強く勧めていない (少なくとも私が小児科にいる頃はそうだった)と思われる。

    最終的には

    哺育方法は、これらの事実をふまえた上で母親の選択に任せる。 (国立感染症研究所ホームページ)
    というが、

    母乳を与えて万が一感染させてしまったときの母親の苦悩や、逆に乳児期に直接母乳を 与えることができないつらさなど、この問題はどっちを選んでも深いジレンマに陥る可能性がある。
    ワクチンや治療法などの確立が早く待たれるタイプの疾患だ。

    それとHTLV-1と言えば「糞線虫」との密接な関連が有名。
    (HTLV-1感染で細胞性免疫に異常を来たし糞線虫を重複感染?)
    これもいつか調べが必要(本日はここまで)

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    2005.08.09

    夏のココロエ3(川遊び編)

    夏休みもそろそろ中盤。宿題を気にしつつも、遊びモード全開の子どもたち。
    こう暑いと、やんばるの冷たい川の水で涼みたくなる。その時のココロエ。

    ここでも数回紹介しているレプトスピラ症について

    レプトスピラ症に気をつけよう(沖縄県北部福祉保健所)

    平成15年より北部の河川で感染したと思われる症例が出てきています。
    特に7月~8月は発生が多くなる時期。
    注意事項(予防のポイント)に書いているように

    1. 皮膚に傷がある場合は、水田や川入らないこと。
    2. 素足で長時間水田や川に入らないこと   皮膚がふやけてくると感染することがあります
    3. 特に7月~10月の間は気をつけること
    4. 水田や川に入った後、突然の発熱、頭痛、筋肉痛の症状がでたら、   すぐにお医者さんにみてもらうこと
    を覚えていてください。

    沖縄県衛生環境研究所微生物室に行くと詳細記事があります。
    同室が作成したリーフレットはこちらからダウンロードできます。

    関連記事:獣医さんから見たマングース

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    2005.08.02

    はしか 風疹 千葉ロッテ

    読売新聞サイト(どうも国内感染症系のニュースに関してはここが早い気がする...)より
    麻疹と風疹の混合ワクチン、国内初の製造販売承認(2005年7月31日)

    ワクチンメーカーの財団法人・阪大微生物病研究会(大阪府)は、同会が開発した麻疹(ましん)、風疹(ふうしん)の 2種混合ワクチン(MRワクチン)が、厚生労働省から製造・販売の承認を受けたと発表した。  MRワクチンの承認は国内で初めて。別々に受けねばならなかった2種類の接種が、 今後は1回で済むことになり、子供と親の負担が大幅に軽減される。
    接種費用が公費で負担される「定期接種」の対象疾患で、 毎年約110万人が予防接種を受けている。 厚労省は、MRワクチンを定期接種に組み入れる方針だ。
    そして最後の一行「定期接種に組み入れる」ことについては、
    平山宗宏先生(日本子ども家庭総合研究所所長)が
    「予防接種に関する最近の動き」と題して解説。
    麻疹ワクチンと風疹ワクチン
      
    • (現行)いずれも、12月~90月 に1回ずつ   
    • (改正後)第1期(12月~18月)、第2期(入学前6か月*)の2回接種にする。   
    • *就学前年度の10月1日から3月31日まで
    麻疹及び風疹の定期予防接種の方法の改正
    • (改正後)第1期、第2期とも、麻疹風疹混合ワクチンを1回ずつ皮下注射(0.5ml)    
    • (MR混合ワクチンは製造申請中)
    という方向に進む。(パブリックコメント募集結果についての厚生労働省のコメントはこちら

    MRワクチンと聞いて思い出すのが、新3種混合ワクチンとも呼ばれたMMRワクチン
    麻疹・風疹・流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の3種類のワクチンが含まれていた。が、
    無菌性髄膜炎という副作用を起こし(主におたふくかぜワクチンの成分によるらしい)
    国内で訴訟まで引き起こした歴史がある。

    その経緯については国会でのやりとりも行われている(質問主意書とその回答を参照)

    しかし、厚生労働省が製造・販売の承認を与えたということは安全に接種できるということ。
    特に麻疹(はしか)については、関係者(小児科医ら)のかねてからの願いであった
    2回接種が法律に基づいて行われることになる(初回は12ヶ月以降であるが...)

    沖縄でもそうだが、はしか撲滅に関する小児科医らの活動は全国的に盛んだ。
    米国CDCからはしか輸出国のレッテルを貼られ、
    2回接種実現に向けて検討を重ねてきた結果が出た形だ。

    あとは、国民にいかにこのムード(はしか予防すべし!)を浸透させるかだ。
    今年度快進撃が続く我らが千葉ロッテマリーンズ (首位FDHまであと4ゲーム)の本拠地千葉マリンスタジアムのベンチには

    はしかワクチン打って、麻疹完封!
    という広告が掲げられている(6月の読売交流戦衛星放送でも確認できた)。
    仕掛け役は全国の小児科医有志らしいです(詳細は「まこと」のblog参照)。
    こういうニュースがもっと報道されるとムード醸成につながると思います。

    千葉ロッテも初芝に今季1号が出たことだし、楽天戦もちばっていこう。

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    2005.07.30

    偽・性病Gメン

    感染症オレオレ詐欺に注意!
    信濃毎日新聞7月24日 保健所の職員を名乗り不審電話 佐久地方で相次ぐ 長野県佐久地方でのニュース

    佐久地方で、保健所職員を名乗る男が、不特定の女性に「あなたと関係のあった男性が、 感染症にかかっているので、質問に答えてほしい」などと電話をかけていることが23日、 分かった。

    このニュースを見て思い出したのが性病Gメンという制度。

    過去の新聞記事によると1966年に復帰前の沖縄で発足。
    当時保健所で働いていた吉田朝啓先生らのインタビュー記事によると

    例えば中部で性病が流行ると,向こうが検査し、すぐ店の営業もストップ。 性病Gメンがいて保健所に怒鳴り込んできて,診察中でもおかまいなしに 治療しろと割り込んできた。
    「向こう」というのはアメリカーのこと。しかしあまり効果をあげるところまでは行かなかったらしい。

    コザ保健所50年のあゆみをまとめる際に調べた資料では 性病接触者調査カード(昭和43年ごろのエピソード)について、

    コザ保健所では、月1回米軍の調査員が来所し、軍病院で判明した接触者調査カードを届けに来ていた。カードの内容は施設名、接触者の特徴等であった。私たちは該当する施設に行き、該当者をさがし、保健所で治療を受けるよう来所カードを渡した。この性病接触者制度はアメリカで実際に行われていた。
    この制度は日本復帰後も受け継がれ、保健所には昭和55年ごろの接触者調査カードが残っていた。

    今回の長野佐久地方の感染症オレオレ詐欺はそれを思い起こさせるような行為だが、
    今やそれは通用しない時代(個人の人権が尊重される時代)。
    感染症の調査でも、きちんと身分を明かして法に則って調査への協力を依頼します。

    県佐久保健所は「感染症に限らず、保健所が電話で調査することはない」と、 電話に応じないよう注意を呼び掛けている。
    その通り。

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    2005.07.24

    夏のココロエ2(HIV/AIDS編)

    琉球朝日放送の夕方のニュース番組「station Q」の中に「がんじゅうへの扉」がある
    今回夏休みを前に若者の盛んな性活動への警鐘という意味も込め
    HIV/AIDSが増加している状況とその要因や対策について取材を受けた
    約半日の取材から「エイズは怖い病気」という点を中心に抽出された印象
    こういう番組ってやっぱり最初からこういう方向に持っていくというシナリオがあるんだはずね
    以下はQABのサイトより引用させていただきます


    がんじゅうへの扉 エイズ・HIV 沖縄の実態

    • 県内のHIV感染者とエイズ患者の状況確実に感染は広がっています
    • 累積数80人は、過去最高の数字で、エイズで亡くなった人も含まれます
    • 人口比率にすると九州地区でもっとも高く特に若年者の急増が目立つ
    • なぜ増加しているのか?沖縄のHIVに対する実状と意識を探ってみました

    医師

    原因もわかっています。感染経路も性行為というのがわかっています。予防法もはっきりわかっています。でも、感染者は減らないです。これが不思議な現象だと思ってあの、いくら聞いてもですね、この病気は僕には関係ないよという意識がある。他人事意識というのが、僕らは一番危険だと思っています。

    未成年への性の指導を行う思春期保健相談士。 思春期の子供たちの悩みに専門的な立場で対処します。 現役の看護士で、この資格をもつ岩品さんは、北部の高校で、 10代の性を考える特別授業を行いました。

    「気づいていないでエッチしているってことは、他人にも移しているって事なんだよね。自分の大切な人がエイズだったらどうする?」
    この授業の狙いは、高校生と年の近い専門家から話を聞く事で、 仲間意識をもたせ、より身近なこととして性を、そして自分自身を考える事。 学生
    「むやみにエッチしないとか、ちゃんと避妊はしようと思った。感染症とかにならないように、いい恋愛をしながら(青春を)楽しんでいけたらと思います。」

    今年の四月から、県内の保健所でHIV即日検査が始まっています。
    受検者数は去年の同じ時期に比べて、1,5~2倍に増えているそうです。
    一方で感染者の数も増えているのがわかりました
    しかし、自分が感染している事がわかれば早めに治療を行うことができます。
    感染拡大防止のためにも、また、安心感を得るためにも積極的に受診して欲しいと思います。


    今回は、北部地区でピアカウンセリングを行っている若者の活動も紹介できた。
    彼らの仲間たちは今度「夏のJam! 祭り」を計画している

    番組でも「他人事意識」という言葉を用いたが、 これがある限り予防的な行動にも結びつきにくいし、患者感染者を差別する心も生まれてくる恐れがある。

    エイズ・性感染症拡大防止について(沖縄県北部地区)

    知識・価値観・態度レベルの目標
    • 当事者意識を持つ・持たせる
    • 正確な情報を持つ・持たせる
    • 自分を大切にする(自尊感情を育む)
    • 何でも話せる友達がいる
    • 相手に応じた情報提供

    この体系は「やんばるの母と子の命を守る」3本柱の「ハイリスク妊娠そのものを減らす」とも一部関連する

    今年の夏休みも横浜でAIDS文化フォーラムin横浜2005が開かれる 一度行きたいと思うが、なかなかタイミングが合わないなぁ。

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    2005.05.30

    日本脳炎予防接種中止勧告

    まだ読売新聞でしか報じられていないけれど
    日本脳炎 予防接種中止のニュース。

    厚生労働省は、幼児から高校生まで年間400万人余りが公費負担で受けている日本脳炎の予防接種について、都道府県に対し、市町村による推奨を中止するよう求める緊急勧告を30日に発令することを決めた。  山梨県甲斐市の女子中学生が接種後に重い神経症状に陥ったことを受けた措置で、国が予防接種を中止するのは極めて異例だ。ただし、中止による混乱を避けるため、希望者には引き続き、公費負担による接種を認める。

    昨年のちょうど今頃、このサイトで「日脳」というタイトルで書いているが
    今回の中止の原因もやはりこの副作用(ADEM:急性散在性脳脊髄(せきずい)炎)で
    健康被害認定を受けたため。

    これまでも同様の健康被害を認めながら

    厚労省は「接種による日本脳炎の予防効果の方がはるかに上回る」として、接種を推奨してきた。
    だから、今回は国としての方針を大転換するものです。

    結核予防法改正の進め方といい、今回も市町村での混乱が十分予想される。
    いみじくも担当記者も述べているように

    一方、今回の中止で、現場の医師や学校関係者、生徒の父母が混乱することも十分予想される。日本脳炎の接種は乳児や児童・生徒の予防接種スケジュールの中に定着しているからだ。今回、なぜ方針転換をしたのか、厚労省は現場への説明を丁寧にしてほしい。

    厚労省結核感染症課の説明を待とう。

    関連ページ

    追記(5月31日)
    昨日発表された厚生労働省の「説明」
    地方自治法第245条の4第1項に規定する勧告にあたるとする強い調子で
    健康局結核感染症課長名で勧告してきた。
    日本脳炎ワクチン接種の積極的勧奨の差し控えについて
    Q&Aつき

    安全性に疑問があるワクチンと判断したなら、全面中止となってもよさそうだが

    流行地へ渡航する場合、蚊に刺されやすい環境にある場合等、 日本脳炎に感染するおそれが高く、本人又はその保護者が希望する場合は、 効果及び副反応を説明し、明示の同意を得た上で、 現行の日本脳炎ワクチンの接種を行うことは認められる。
    という一文があるために、現場は混乱している。 産経関西版でも
    府によると、通知は定期予防接種の見直しとあわせて、感染しやすい地域や、保護者が特に希望する場合は市町村の判断に委ねるとしているため、実施主体の市町村は判断に迷っているという。当面、府は定期予防接種を見直すように指導するとともに、日本脳炎ウイルスを媒介する蚊の分布調査期間の延長などの方策をとる方針。

    しばらくは対応に追われる日々が続きそうですね(閉口)。

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    2005.04.16

    インフルエンザ関連ニュース

    1. 沖縄県内のインフルエンザ流行のピークは、峠を越えました。 沖縄県感染症情報センター
      第13週(03/28~04/03)では、沖縄県は定点あたり33.88で警報継続中です。 第12週(47.45)より減少しました。 全ての保健所で警報発令中です。(05/04/12現在)
      北部地区でも同様です。施設内の流行も落ち着いたようです。
    2. 今年のインフルエンザ流行、過去11年で最悪の可能性(読売)
      今年のインフルエンザの流行は、この11年で最悪だった可能性が高いことが、 国立感染症研究所の調査で15日わかった。 今年はB型のインフルエンザウイルス感染者が全体の60%。 近年はA型のウイルスが主流だったため、感染研では 「B型の抗体を持っている人が少ないことが、流行拡大につながったのでは」 と話している。
      医療機関にも患者が殺到して、病院機能がマヒするというニュースも。 「予防接種を受けてのにかかる」という例も多かったという印象です。
    3. 2005年インフルエンザ情報(仙台検疫所より) 4月15日現在の今シーズン流行について総括しています。
      日本を含めた北半球では、冬になるとインフルエンザの流行がみられます。 例年、日本では11月上旬頃から患者の発生が徐々に報告され始め、 翌年1月以降、爆発的に患者が増加します。ヨーロッパやアメリカでも 同様な傾向にありますが、2004-2005年シーズン(この冬)の世界の インフルエンザ発生状況は、今のところ大きな流行には至っていません。
      そして世界の状況も。
       最近では、アジアを中心に発生している鳥インフルエンザのヒトへの 感染によって新型インフルエンザの流行発生が懸念されていることから、 世界中でインフルエンザの流行状況の監視が行われています。
    4. 鳥インフルエンザでカラス同士の感染を確認(朝日)
      毒性の強い鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)がカラス同士で 感染することを、(中略)実験で確認した。 「カラスが感染を広げる可能性があることがわかった。防鳥ネットなどで 鶏舎にカラスを近づけない対策が必要」と話す。
      やはり、飼育している鳥と野鳥との接触はよろしくないということ。
    5. ウイルス変異?で感染力増す 鳥インフルエンザでWHO(朝日
      ベトナムなどで広がっている鳥インフルエンザH5N1型について、 ウイルスがより人に感染しやすい変異を起こしている可能性があることが、 世界保健機関(WHO)の調査でわかった。 WHOの尾身茂・西太平洋地域事務局長は「恐れていたことが起きている 可能性を否定できない」として徹底した監視と調査を呼びかけている。
      遺伝子レベルで変異して、死亡率の高いけれどもかかりにくいタイプのものから 死亡率はやや低いが多くの人にかかりやすいタイプに変わったらしいということ。
      結果的にはその方が死亡数は増える(ポピュレーション戦略の理屈)。
      開戦前夜も参照。新型ウイルス流行への監視がさらに必要ということ。

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    2005.04.11

    マールブルグ病メモ

    アフリカのアンゴラでマールブルグ病が流行しているというニュース。 アンゴラで致死率9割の感染症、半年間で死者180人(asahi.com)

    WHOは「何種類かの出血熱のうち、マールブルグは最も致死率が高く、エボラよりも深刻だ」との見方を示し、緊急対策として国際社会に350万ドル(約3億6000万円)の支援を求めた。
     
    症状は下痢や発熱、腹痛などから始まり、やがて激しい吐き気にみまわれて吐血する。血液や汗、涙など患者の体液への接触で感染するという。有効な治療法はみつかっておらず、死者には医師や看護師ら医療関係者18人も含まれている。
    海外渡航者のための感染症情報(厚生労働省)」にも同様の報道。 聞き慣れない感染症だが、1類感染症にしっかり分類されている。 その資料を集めておく。

    感染症の3要素に従って整理。

    感染源
    • マールブルグウイルス。糸状の形態をしているためフィロウイルス科に属する。 エボラ出血熱の原因となるエボラウイルスも仲間。
    • マールブルグウイルスの標的細胞は,おもにマクロファージ,肝臓のクッパー細胞,肝細胞,血管内皮などで特に感染マクロファージから大量 のTNFhαが産生され血管透過性を昂進させると考えられている
    感染経路
    • ヒトからヒトへの感染経路は,感染者の血液,体液,分泌物,血便,臓器,精液等との接触による.
    • 針を滅菌しないで注射器を共用することや、患者や遺体との接触で感染が拡大した例も
    • 手袋等の防護策で感染は防げるとされ、医療の場での空気感染による拡大はないとされる。
    宿主
    • エボラ出血熱同様に自然界の宿主は不明であり、どのような経路で最初のヒトへ病原体が伝播するかについても謎のままである。
    • サルという印象もあるが、マールブルグ病の発生にサルが関与したのは1967 年の事例のみで、以後のアフリカでの発生ではサルとの接触は全く知られていない。
    感染してから発病まで
    • 潜伏期間は3~10日(2~20日程度?)である。
    • 患者と接触のあったものは、一定期間の監視が必要である。たとえば
      患者と同居、介護、看護にあたった人、握手したり、患者を抱擁した人、患者検体を取り扱った人、等については患者の診断が確定した時点で監視下に置く。症状がないかぎり入院の必要はない。検温は1 日2 回実施する。38.3 ℃以上の発熱、その他いかなる症状も詳細に記録し、最終接触後3 週間は監視する。(国立感染症研究所ホームページより)
    • まず突発性の発熱,筋肉痛が初期症状として現れる.病状の進行にともなって,下痢,重度の悪寒,呼吸不全,出血,腎機能不全,ショック症状等が認められる.
    • 特異的な治療方法はなく、対症療法のみ。予後は悪い。
    • 今回のアウトブレイクでも致死率9割超。その1割は医療従事者だ。
    • また血清学的診断のためには、レベル4に分類される病原体でBL4実験施設での取り扱いが必要である.世界で稼働中のBL4施設は数カ所あるが,ウイルス性出血熱の血清診断,ウイルス分離などは,アメリカのCDCが行っている.
    とのこと。

    参考にした資料はエボラ出血熱とマールブルグ病(森川茂:国立感染症研究所ウイルス第一部外来性ウイルス室 室長)など

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    2005.03.14

    エイズ即日検査実施しています

    琉球新報に小さく載ったニュース。 HIV即日検査を来月から実施 県内各保健所

    県内の各保健所は4月から、エイズウイルス(HIV)即日検査を導入する。  これまで血液検査の結果が判明するまで1、2週間かかったが、 即日検査では1、2時間で結果が分かる。中部保健所は2日から、 毎週水曜日に試行実施する(要予約)。  中部以外の保健所は予約の必要はない。4月から、北部が毎週木曜日 中央が毎週水曜日、南部は毎週月曜日、宮古が月―金曜日 八重山は毎週火曜日に検査を行う。
    (各保健所の連絡先・電話番号はこちらをご参照ください) 見出しでは来月から実施となっていますが、3月からすでに試行中。 目的は検査を受けやすい環境整備→早期発見治療へ。当然無料・匿名可。

    これまでは、ただでさえ訪れるのが大変な保健所に検査、結果返しの 2度行かなければならなかったのが、即日検査では約1時間弱の 待ち時間で結果が返せるようになり、この待ち時間を所内の部屋で 過ごせば、ワンストップ外来が可能になる。

    即日検査の有用性と課題については、先行して行った保健所で 検査数が5.3倍、擬陽性が9倍にもというmedical tribuneの記事を見つけた。 (「擬」ではなく「偽」だと思うんだけど) 検査数も増えるけれど、偽陽性も増加したという内容である。 また神奈川では受検者の8割がインターネットでの情報を参考に 検査施設を訪れたらしい。 (「HIV検査・相談マップ」by神奈川県衛生環境研究所長今井班)

    今回も保健所での検査はスクリーニング検査なので、確認検査は従来通り 沖縄県衛生環境研究所で行う。 (これはやはり1~2週間かかる)。即日検査ガイドラインの中の「留意点」にもあるように

    • 受検者の立って配慮した対応が必要
    • 受検者は感染不安の要因(性的指向に関すること等)を話すことを躊躇している (待ち時間を利用してあれこれ事情聴取するなどもってのほかということ?)
    • スクリーニング検査で陽性となった場合の告知には、次のことを説明する
      • 結果の意味に関する十分な説明
      • 確認検査の結果を聞くことの大切さ
      • 確認検査の結果が出るまでに利用できる相談機関の紹介
      • 確認検査で陽性となった場合の医療機関への紹介
    • これらを怠ると結果的に早期治療の機会を失うことになる
    という心構えが必要だ。

    ちなみに、このガイドラインの執筆者である中瀬先生の岡山市保健所では クラミジア等の検査も保健所で実施している。 保健所における性感染症検査の導入による効果-岡山市(IDSRより)

    HIV検査に併せた性感染症検査の導入により、 若年女性の利用者が増え、感染リスクの高い利用者も増加したと考えられる。 また、 これら利用者の性感染症早期発見と、 今後の感染予防に役立つ 技術/知識を得る機会を提供できた。
    先進保健所。

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    2005.03.08

    主役はB型

    血液型の話ではありません。今年流行しているインフルエンザのタイプです。 今年前半はノロ騒ぎがあってか、インフルエンザ流行の立ち上がりもスロー。 しかし、現在流行拡大28都道県で警報 インフルエンザ遅いピーク(共同3/4)

    インフルエンザの流行が拡大し、患者数は2月14-20日(第7週)に 28都道県で警報レベルを超えたことが、厚生労働省と国立感染症研究所が 4日発行した感染症週報で分かった。  厚労省は「収まる兆しはなく、例年より流行のピークは遅いとみられる」 と引き続き注意を呼び掛けている。
    という状況です。

    今年の特徴として挙げられるのが、

    今シーズンは発症者の6割以上が9歳以下で、 ウイルスはB型が半数以上と多いのが特徴。
    例年、A型の流行が終わった頃に「控えめに」登場するB型が今年は主役です。 したがって、 
    国立感染症研究所(東京)のまとめでは、 2月末までに全国から集まった1200余りのウイルスの約6割がB型。 「これほど多くのB型が現れるシーズンは初めてだろう」と同研究所 感染症情報センターの安井良則主任研究官。 「B型は春先までだらだら流行する傾向がある」と指摘する。 (3月2日asahi.com医療・健康欄記事より)
    まだまだ流行が衰える兆しはありません。やがて沖縄でも警報が出るはず。

    ではA型とB型の違いはなんでしょう。前出のasahi.com記事によると

    • 症状の違いはほとんどなし(重症化はA香港型に多い)
    • 薬はアマンタジンはAにしか効かない。タミフルにBは反応良くないという声も。
    • ワクチンについては「今のワクチンはB型にも対応している」 A型に比べて抗体ができにくいとも言われるが、一概には言えない
    おかあさん方の関心事は、このワクチンと流行の関係でしょう。実際、 私たちの保健所にあがってきた報告の中にも「接種したのにかかった」という例も 見られます。

    保健行政感染症ネットワークin北海道によれば

    近年世界的に流行しているインフルエンザB型ウイルスは2系統に分かれる。 すなわち、山形系統株とビクトリア系統株である。
    今シーズン流行のB型が米国と同じように山形系統株であるならば、ある程度 ワクチンは効果を持つと考えられるが、ビクトリア系統株が流行の主流となると ワクチンは効果を持たず、さらに一般的に抗体保有価が低いと考えられるから、 流行は拡大する可能性がある。ただしB型ワクチンとして、2年連続ビクトリア 系統株のワクチンを用いているからある程度は抗体の上昇は期待されている。
    というコメントを発表しています。

    では、実際に今年流行しているのはどっちなんでしょうか。 札幌市衛生研究所によると、今年分離したB型60株のうち54株が山形系。 東京都健康安全研究センターインフルエンザ情報によると 今季流行のB型株は昨年流行した株とは系統樹上は別のクラスターに属するとのこと。 系統樹によると(よく見方がわかりませんが)、victoria よりは yamagata に近そうな... 今年のワクチン株(B/Shanghai(上海)/361/2002(山形系統株)にも近いことがわかります。

    いずれにしても、

    東京周辺で幾分患者減少の兆しがみられる(第8週)ものの、
    全国的にはまだ流行が続きそうです。ご注意を。

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    2005.02.02

    流行性脳脊髄膜炎

    またまた中国で耳慣れない感染症が流行しているらしい。 安徽省などで髄膜炎 全国の死者16人 衛生部発表(人民網日本語版) 脳脊髄膜炎と言っても、感染経路は呼吸器系感染症

    今回の流行の特徴については

    1. 発症が多くの地点で散発している。
    2. 患者の年齢が13―18歳の間に集中している。小中学生が主で、児童・生徒が患者の77%を占めている。
    3. 局地的に感染、流行しているのは主にC群髄膜炎双球菌で、中国ではここ数年来新しく発見された菌である。
    4. 患者数が昨年同期より増えている。
    とのこと。

    担当者は「現在、流行性脳脊髄膜炎など伝染病の流行期に入った。春節(旧正月)は人々の移動が増え、伝染病が広がりやすい環境をもたらす」と言う。このため、衛生部は31日に通知を出し、各地で流行性脳脊髄膜炎の予防を強め、発生状況の調査を積極的に繰り広げ、発生状況をすぐ把握し、発生状況報告の質を高め、髄膜炎ワクチンの免疫接種を行い、ワクチン接種率を高め、特に人口密集地の免疫接種を強化するよう指示した
    ワクチンがあるのか。

    海外勤務者のための医療・衛生情報によると 流行性脊髄膜炎にはアフリカにはmeningitis beltというのがあって、 毎年流行を繰り返すとあるが、中国に関する記載はない。また新型か。 医療機関内での飛沫感染が多いというのもSARSと似ている。

    ちなみに日本では4類感染症に該当しており(髄膜炎菌性髄膜炎) 国立感染症研究所ホームページ「細菌性髄膜炎」の項によれば

    なお、髄膜炎菌性髄膜炎は4 類感染症全数把握疾患であり、 診断した医師は7 日以内に最寄りの保健所に届け出る。
    とある。

    ベトナムの鳥インフルエンザといい、引き続き警戒が必要な感染症だ。

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    2005.01.19

    鳥インフルエンザによる24人目の死者(越)

    Yahoo!ニュースのサイエンストピックス「感染症と衛生(国内)」はノロ一色。 マスコミが必死に情報を取ろうと電話をかけてくるのがわかる気もする。

    そんな中、海外からは鳥インフルエンザのニュースも入ってきている。

    ベトナムでは24人目の死者が出たとのこと(残り2名も危篤)。
    NIKKEI NETの鳥インフルエンザ特集からの記事。 こういう特集があると流れを確認できて助かる

    鳥インフルエンザ→新型インフルエンザとなることの脅威は昨年2月に 開戦前夜という記事の中で根路銘博士から学んだ。 その後

    日本は世界で6カ国目の感染確認国(12/22)
    脅威は確実に近づいている。

    【中国】研究者:経済的飼育法で鳥インフルエンザ起きる (Yahoo!ニュース)では、

    養鶏などでは、経済的効率を高めるために、 大量のニワトリを狭いスペースで飼育することが、 「先進国の常識」となっている。張・上級研究員の指摘は、 このような経済優先の飼育法そのものが、 感染症の発生する原因になっていると主張するものだ。
    でもこういう「人と大量の動物との濃厚接触」が現代の食卓を支えている。 もっとこのことにも意識を払わなければと思った。

    1月27日(木)名護市で北部家畜保健衛生所主催の鳥インフルエンザ講演会があります (詳報後日に)。 鳥インフルエンザに関する沖縄県畜産課のwebsiteはこちら


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    2005.01.13

    超過死亡という視点

    感染症法で報告義務がない(5類の定点観測)という理由からか 今回のノロウイルス騒動に関して、健康局結核感染症課の動きは鈍い。 国から流れてくる文書にしても、老健局だったり社会援護局だったり (厚生労働省組織図参照)、事例が発生した施設を 監督する部署から、それぞれバラバラに来ている感じだ。

    だから一つの病院に対して介護療養ベッドの患者分だけの発生状況を 報告しなさいなどという奇妙な調査依頼文書が届いたりするんだろう。 今シーズンの一連の動きがおさまったら、きっとノロへの認識を改めて 全数把握する疾患に「格上げ」するなどの動きが予想される。すなわち

    法や制度は後追い。事件は現場で起こっている
    という認識を持たなければ。

    マスコミが非常に(過剰に?)興味を示している今回の流行による 「重症例」については

    「○○で高齢者が死亡!」
    と報道されても実際に直接死因として書かれるのは 肺炎だったり、吐物窒息だったり、多臓器不全だったりするでしょう。

    特に高齢者について、

    超過死亡Excess Death
    という視点を持って データを整理する必要がありますね。

    超過死亡については(文献なかなか探せませんが)、 国立保健医療科学院の箕輪先生がいろいろ発表されていた気がする。 同院の雑誌「公衆衛生研究1999年48号(4)291ページ~」に インフルエンザの超過死亡 が載っていますので、勉強しましょう^ ^;

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    2005.01.11

    アウトブレイクへの対応(レクチャーメモ)

    岡山大学大学院医歯学総合研究科 津田敏秀先生の講義

    アウトブレイクの基本的対応

    1. 感染症など集団発生の存在の確定
    2. 症例の定義と調査
    3. 疫学的記述(時・場所・人)
    4. アウトブレイクを起こした原因仮説設定
    5. より系統的な研究による仮説の検証
    6. 対応と予防の実施
    7. 報告書の作成

    調査チームの設置。では構成メンバーは?

    • 疫学者
    • 病原体学者
    • 中毒学者
    • 環境衛生担当者
    • 行政官
    • 広報担当者(→F市では記者会見を4時間行った)
    • コーディネータ

    アウトブレイクが存在しているのか
    予想されうる以上の症例が特定の地域・グループ・機関に発生。 2例起こればアウトブレイクという人もいるし、症例によっては1 例出ただけで発生(ボツリヌス菌など)
    症例の定義と調査
    カウントする患者の定義を行う。医療機関や病因物質に関する 情報を収集する。堺市以前のO-157報告書の多くに定義が記載され ず
    疫学的記述
    time/place/personについて分析。エピデミックカーブを描く。 ポイントソース型?持続共通感染源型?二次感染?など
    原因仮説の設定
    どのグループが症状を呈しているか。どのような疾患を考える か。病因物質の源は?伝播様式は?
    仮説の検証
    症例対照研究と(後ろ向き)コホート研究

    感染症など集団発生時の情報管理

    • 適切な情報を必要とするグループに対して、早く、正確に、 継続して!
    • 窓口はひとつ!!
    • 正確さ・速さより、情報の整合性を
    • あなたからのメッセージを伝える機会として利用する

    これらのエッセンスをソフトとして提供している(CDCが開発) →Epiinfoは実地疫学向けの疫学統計ソフト。 日本語バー ジョンも公開されている。

    質疑応答 疫学の点からこれは明らかにおかしいという現状でも、司法界には 通用しないことが多い(企業側が有利?)が。
    →堺市O-157の件は...
    →行政は必要な証拠を揃えることが必要(結果を恐れない)。

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    2005.01.10

    ノロはノロでも

    昨日記事をエントリーして後から、インターネット上では全国 各地から次々と感染性胃腸炎の集団発生を伝えるニュースが続出。 まるで「伝染病」のような勢い。

    一部の患者の便から、ノロウイルスが出たとも報じられ、今朝 のワイドショーでは早速報道合戦が始まっている。

    「ノロはノロでも」とタイトルをつけたのは、 集団感染の成り立ちが

    • 汚染食品の暴露による食中毒なのか
    • 患者便や吐物からの2次感染なのか
    という2パターンあるから。どちらに重点を置いて対策を練るべきか。

    これは潜伏期間や喫食調査、流行曲線などを描けば明らかに なるんだろうけど、恐らくほとんどの症例は施設内感染 ではないかと推察されます。
    患者の体液を取り扱う施設職員等への教育を、徹底する必要が あります。
    あと感染症対策委員会の設置は病院へは徹底されている けれど、老人福祉施設ではどうなんでしょう?

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    2005.01.09

    ノロなの?ロタなの?(感染性胃腸炎)

    年末から最近にかけて、感染性胃腸炎に関するニュースが多い。 当サイトのニュースソースとして、大変お世話になっている

    ICD日記:飛耳長目
    でも連日のように記事が紹介されています。 北部福祉保健所管内でも問い合わせが増えつつあるので要注意の状況。

    感染性胃腸炎の主役といえば、ロタウイルスとノロウイルス。 現在広島で問題になっている特養施設での集団感染事例の原因も どちらかとされています(yomiuri on line 2005/01/08)。 この件に関しては感染研実地疫学専門チームも出動しそうな感じだ。

    この冬(2004-2005)の発生に関しても、感染症サーベイランスによれば ノロが63件、ロタが3件(IDWR2004年50週16ページ) これを見ると集団感染なら、ノロなのかなという気もするが。

    これもいつもお世話になっている横浜市衛研のノロのページでは 感染経路に関する(海外の)情報が掲載されている。

    • 大型リゾートホテルの飲用水の水源タンクに下水が流れ込んだ(448)
    • プールを介して(53)
    • 無症状の調理人が子どものオムツを扱った後に調理し、その料理を食べた大学生が発症(125)
    • イタリアの保養所に公共水道から水を引き込むパイプに破損(344)
    • ホテルのレストランで一人の患者の吐物から飛沫感染
    ( )内の数字は感染者の数。その多さが感染力の強さを物語っている。
    血液型がO型の人たちがノーウォークウイルスに感染しやすいとする研究(参考文献14)があります。
    とのこと。

    一方、ロタウイルスは白色便を呈する乳児嘔吐下痢症と称せられるように 子どもの病気というイメージが強いが、それより上の年齢での報告も当然ある。 (佐賀県衛研

    今後、地域での流行状況を把握する必要がある。 現在のところ、感染性胃腸炎は感染症法の第5類で定点医療機関(小児科) からの報告が主。ノロは食中毒からの報告も把握できるが。 定点以外の医療機関や学校などからの情報も把握せねばなりませんね。

    この流行が終わる頃に、インフルエンザが流行るんだろうなぁという予測。

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    2005.01.04

    BCGはいつからうつべき?

    結核予防法改正に伴い、BCG予防接種の 対象と方法が変わる。 対象は従来の「4歳に達するまで」から 「生後6ヶ月に達するまで、これにより難い 場合は1歳に達するまで」へと変わる。 方法は、従来ツベルクリン反応を先立って 行っていたものを廃止。 よって来年4月に6ヶ月を越えるお子さんは 今年度中に従来の方法により接種を行わないと 対象から外れてしまう。 ただし離島など地理的障壁があれば1歳までが対象。 移行措置は設けない

    ではいつの時点から接種可能か? これが議論を呼んでいる。 厚生労働省は予防法Q&Aなどで

    生後すぐの新生児期から可能
    と明言しているが、日本小児科学会や全国保健所長会が これに反論。 結核研究所のトップページにある保健所長会から新着情報 (結核予防法第13条に基づく「保健所長からの指示」に関する参考資料) によると
    新生時期に安全で効果的なBCG接種を実施 するのは困難と言わざるを得ない
    との結論を出して、保健所長の指示や保健所主催の研修等で 活用するようにと表明している。

    法律ができる前にすべき議論が今ごろ 沸騰しているという感じもするが、兎に角 現場や住民が混乱しないよう調整すべきだ。 県庁と保健所でもすり合わせしないといけませんね。 (この分だとdouble standardになりかねない)

    これらの情報は結核予防会結核研究所 をご参照下さい。

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    2004.12.16

    エイズ予防法

    エイズキャンペーン2004「人権フォーラム@名護」に向けての覚え書き。

    エイズ予防法(後天性免疫不全症候群の予防に関する法律) 1988年に制定され、1999年の感染症予防法施行まで生きていた法律。 その中の記載を見ると

    (感染者の遵守事項) 第6条 感染者は、人にエイズの病原体を感染させるおそれが著しい行為をしてはならない。 2 感染者は、前項に定めるもののほか、前条の医師の指示を遵守するように努めなければな  らない。
    別の項では「患者の人権が損なわれることのないように」と書いてあるが この条文を読むと明らかに患者の行動を制限し、「エイズ=怖い病気」という イメージを持っていたことがわかる。

    この法律は、エイズ予防法は、隔離思想など、らい予防法の悪い面をそっくり引き継いでいる。らいと同じ過ちを2度と繰り返してはいけない(平沢保治:らいに生きてより)と指摘されているように 法律により差別・偏見を助長してきたものである。

    でもね、昨日このことで担当者と話し合ったら、

    自分たちがその時代に保健行政で働いていたら、「法に従った」んだろうね
    ということに気づき、ぞっとした。

    法律によって「作られた差別」という点ではハンセン病もエイズも同じ歴史を 繰り返した。この過ちは、国の中枢にいる役人が患者の苦しみに耳を傾ける ことによって乗り越えられた。それが「現代のスティグマ」には書かれてある。 (名護市中央図書館には置いてなかったけど...)

    国の役人だけではない。患者と向き合って話を聞くチャンスは、我々 地方保健行政に従事しているものにもいくらでもある。 国の方を向いて「粛々と」法に従って仕事をすることも大事だが、 住民の方を向いて、その声を施策に反映させる姿勢はもっともっと大切(特に専門職は)。

    エイズ予防法の経緯は、 役人の「無関心」が、差別を助長した歴史 として教訓にすべきだ。

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    2004.12.08

    クリスマスエッチ?

    帰り道に寄ったコンビニで雑誌を物色していたら(^ ^;)見かけたのがこれ。

    女の子のためのLOVE&SEX講座 絶対、役に立つ! クリスマスエッチを盛り上げろ!
    こういうティーン向け(ガングロ系?)雑誌が手に届くところにあるのが現実。 あおられる子どもたち。

    そういうなかで、昨日は「小学生とエイズ」授業。76分2本勝負。 できるだけ詳しく感染経路を教えてきた。もちろんセックスについても。 だって小学生向けのエイズ資料を見ていたら、 seikou.jpg これで「性交」を説明するのはいくらなんでも無理がある...お布団内感染? クリスマスエッチの内容とは天と地ほどかけ離れている。

    講演を受け手の子どもたちは割とクールに聞いてくれた。 「セックスをしたら必ず感染するんですか?」という質問をした5年生もいた。 正確な情報を伝え続けないとやなギャル系雑誌に負けてしまうと思います。 後は学校や家庭でよく話し合って下さい。

    だから「価値観」をいうのではなく「事実」をたくさん伝えたつもりです。 でもやはり最後は

    「他人事ではない」 「自分を大切にする」 「自分を好きになる」
    という精神論っぽいまとめになってしまいましたが。

    とにかく疲れた授業でした。

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    2004.12.04

    高校生とエイズ

    世界エイズデーがある12月1日前後は、健康教育や関連イベントが目白押しだ。 沖縄県ではメインイベントとして北谷美浜カーニバル前特設ステージで、あのD-51を ゲストにエイズについて考えるイベントを持つ。台風4号が心配だが人は集まるはず。 ちなみに北部地区でも名桜大学祭会場内でハンサムを迎えてイベント開催します。 こちらは集客が心配なので、よろしくお願いします。12月4日5日やんばるに遊びに来たら寄ってね。211号室。

    県庁のホームページには今年9月30日現在の沖縄の患者・感染者数を掲載。 今年はすでに11名と昨年の年間報告(10名)を上回り過去最高のペースで増加中。 男女比は5:1。年代では30代男性。感染経路は異性間のセックスが多い。 唯一これまでと違う点はHIV感染者がAIDSを発症する前に検査により感染に気づくと いう点。全国に比べてもAIDS患者の比率が高かったので、その点はやや改善した。 が、人口あたりの患者・感染者の数は、九州、四国、中国地方で最多というのも事実。

    今週は、高校生にエイズの情報を伝える機会が2度あった。 ・HIV感染と、その後起こるAIDS発病の違い(でも発病前から他人には感染させ得る) ・患者層で20代が増えているので、(潜伏期を10年とすると)感染したのは10代の頃。 ・不特定多数の人とセックスをする人がかかる病気ではなく特定のパートナーからも感染。 ・差別、偏見を受けてきた歴史からの教訓 などなどを伝えたが、ポイントはこれ。(北部地区エイズ対策協議会の3本柱でもある)

    • 自分にも十分関係するという感覚(他人事意識からの脱却)
    • 危険なセックスを避ける(コンドームを使おう)
    • 心当たりがあったら抗体検査を受ける(絶対大丈夫って言える?)

    あえて感覚という言葉を使ったのは

    知識があっても感染を防げないから
    他人事意識からの脱却については次のようなスライドで説明 taningo.PNG

    他人事意識が、差別や偏見をつながるとも考えられる。 高校生に話してみて、とにかく情報が不足しているという印象。要継続的情報発信。 普通につき合って普通に(コンドームなしの)セックスをしても感染する可能性がある時代です、 あなたがたが生きている時代は。

    来週は「小学生とエイズ」 -_-;

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    2004.11.18

    ポリオワクチンでポリオになる

    日本医師会に「ポリオワクチンでポリオになる?」という解説ページがある。

    ポリオの生ワクチンは、病原性がほとんどないポリオウイルス(弱毒ウイルス)をワクチンとして飲むことによって免疫ができ、自然のポリオウイルス(野性ウイルスまたは強毒ウイルス)の侵入が防げるものです。しかし生ワクチンの欠点として、極めて稀に、ワクチンを飲んだ人に自然のポリオと同じ様な症状が現れてしまうことがあります。これがポリオワクチンによる麻痺例 (VAPP) で、日本では約440万回接種あたり1件、数年間に1件生じています。

    先日の日本小児保健学会で「ポリオ生ワクチン接種後に発症したポリオ様麻痺の一例」という発表を聞いた。 演者は山口大学医学部小児科の先生だった。概要は以下の通り。

    • 症例は8ヶ月 男児
    • 主訴は両下肢弛緩性麻痺
    • 発達歴は発症前は短時間ではあったがつかまり立ち可だった
    • 2003年4月にポリオワクチンを初回接種。14日目より3日間発熱。18日目座位困難になりその後も下肢筋力低下が進行して紹介入院となった
    • 家族にも発熱者あり(同胞、父親)
    • 血清のポリオウイルス抗体価 1型128倍(接種後33日目)
    • 糞便よりポリオウイルスタイプ1(vaccine like)同定
    • 経過 座位は回復したが現在(1歳半)独歩未だ
    • 予防接種健康被害として救済措置を請求し、認定された
    • 他疾患(ギランバレー等)は除外された

    「極めてまれ」と表現される発生頻度 (ちなみに今回の発表では250万接種あたり1前後と発表していた)だが、 考えてみると日本の年間出生を約120万人として、この子たちが年間2回飲むと240万回。 つまり、計算上は毎年1人、日本のどこかで予防接種による ポリオ患者が発生し続けていることになる。 現在治験中といわれている不活化ワクチンIPVの導入が急務だ! というフロアの発言もあった。その通りだと思った。

    ポリオの予防接種に関する情報源

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    2004.10.26

    エイズは増えている

    3ヶ月に1度のエイズ動向委員会からの報告が報道された。

    中高生にHIVまん延の恐れ=20代前半患者が急増(時事プレス)
    このニュースソースとなったエイズ動向委員会委員長のコメントを抜粋する。

    今回の報告期間は平成16年6月28日から9月26日までの約3ヶ月である。 法定報告に基づく新規HIV感染者報告数は209件で過去最高となった。 〔前年同時期152件/これまでの最高199件(平成16年4月~6月)〕 新規AIDS患者報告数も126件で過去最高であった。 〔同71件/同106件(平成15年10月~12月)〕
    性別に見ると、HIV感染者報告数209件のうち182件(約87%)、 AIDS患者報告数126件のうち110件(約87%)を男性が占めており、 男性のHIV感染者及びAIDS患者の動向が全体の動向を左右している。
    年齢別に見ると、HIV感染者では20代・30代の占める割合が高く、 感染者全体の約76%(158件)を占めている。 一方、AIDS患者では患者分布はHIV感染者より高年齢層に広がって いるが、今回17件(内日本国籍13件)の20代の患者報告があった。 これらは10代で感染したと推測され、若年層への感染の拡がりを示唆 するものである。今後の若年層の患者報告の動向に注目する必要がある。

    正確な情報提供がされないために、若年層への感染が広がっている。 危険な性行動を避けるための環境整備が行われていないのも一因だろう。 感染源も感染経路も予防法もわかっているのに感染がストップできない。

    エイズデーだけでなく日常的に情報を提供し続ける必要があると痛感。 と言いながら、前回報告(7月)以来ooyakeでも記事にしていないことも 判明し反省する(自己トラックバックで参照先へジャンプ可能か?)

    エイズ動向委員会の中にもあるが、都道府県別のエイズ相談件数。 今回「地域保健事業報告(H13)から見た地域保健活動分析」でも、 エイズの都道府県別相談件数(人口10万対)を掲載しています(下図) hiv-aids.PNG

    人口当たりの患者・感染者が多い沖縄は、相談件数でも比較的多い ことがわかる。東京都、埼玉県、愛知県、神奈川県、佐賀県も多いね。

    これらのネタを持って明日から日本公衆衛生学会(島根県松江市)へ。

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    2004.09.28

    マヨネーズと鳥インフルエンザ

    久々に鳥インフルエンザ感染症の話題。 ここ数日、タイで発生している症例で人-人感染が疑われている。 現在のところ

    タイで鳥インフルエンザに似た症状を訴え、今月死亡した少女(11)と、類似の症状で死亡した母親(26)について、同国保健省当局者は27日「現時点で人から人への感染の可能性を示す証拠はない」と語った。
    とされているが、その一方で新たな患者発生もあるようで、引き続き見守りが必要。
    一方、保健省は同日、母親とともに少女を見舞い、その後入院した母親の姉(36)の鳥インフルエンザ感染を確認した。姉は鳥インフルエンザに感染した鶏と接触していたという。

    人-人感染が確認されれば新型インフルエンザ流行の懸念が現実のものとなる...

    ウイルスが突然変異して人間へ感染するようになると、ほとんどの人は抗体を持たないため、新種のインフルエンザとして大流行する恐れがある。(東奥日報)

    そんななか、マヨネーズでトリインフルエンザ感染の心配なし、キューピーが報告(日経MedWave)というニュース。 「感染した卵黄を使ってマヨネーズが作られたら」と心配する声に対して

    マヨネーズ製造時には、食品衛生法上の卵黄食品の殺菌に必要な61度、3.5分間以上(または同等以上の効力を持つ方法)で加熱殺菌が実施されているH5型、H7型は55度に到達した時点、H9型も55度2分間の加熱で不活化する。仮に原料の卵黄がトリインフルエンザウイルスに汚染していたとしても、この操作で感染性はなくなってしまう。  では、加熱後の製品にウイルスが混入した場合はどうか。キューピーの研究によれば、マヨネーズ内にトリインフルエンザウイルスが混入しても、H5型ウイルスは30分以内、H7型とH9型ウイルスは10分以内に不活化し、感染性を失ってしまうという。
    という報告をしている。この件の心配はなさそうだ。

    そもそもマヨネーズ自体が腐らないのはなぜかわからなかったことに気づく...QPのQ&Aへ

    追記(2006年8月7日)
    この記事を書いて約2年近くたとうとしていますが、関連ニュースが
    報じられました。

    キユーピー、マヨネーズで鳥インフルエンザウイルス撃退、国際学会で報告


    BCNランキングニュース
    キユーピー(鈴木豊代表取締役社長)は、鳥インフルエンザウイルスがマヨネーズの中で30分以内に感染性を失うといった研究成果を、8月14日にカナダのカルガリーで行われる国際学会(International Association for Food Protection)で報告する。

    同社のマヨネーズに鳥インフルエンザウイルスを加えたところ、H5型ウイルスは30分以内に、H7型とH9型ウイルスは10分以内に、感染性を失うことがわかったという。その理由として、鳥インフルエンザウイルスは酸性になると不活化するため、マヨネーズに含まれる食酢の作用で感染性を失ったこと、さらに、乳化された植物油により、鳥インフルエンザウイルスの殻が壊されたことを挙げている。

    研究を継続しているうちに、実際の感染は拡大しつづけたので
    研究内容もバージョンアップしてきたという話。

    具体的にどういう対処(マイマヨ持つとか?!)についてはもうちょっと
    積み重ねてからになるでしょうね。

    でも流行地域へ旅行される方はくれぐれもご注意下さい。

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    2004.09.11

    BCG谷間世代

    結核サーベイランス委員会で森亨先生の結核予防法改正の講義があった。 注目は来年4月から実施される「BCG直接接種」の移行措置の有無。 パブリックコメントを募集(リストの中に見当たらない!)していたこともあって 多少は期待していたのだが...結果は「移行措置ありません」とのコメント。 (正式には9月下旬に発表されるらしいが)

    ということは、来年4月1日からはBCGを生後6ヶ月(困難な場合は1年)以内に 直接接種する方法が始まることになる。すなわち、その時点で1歳を超えていて、 BCG未接種の者は、原則として一生BCGが受けられないということになる。原則と 書いたのはこれらの子どもが結核患者と接触して定期外健診の対象になったら ツ反→陰性ならBCG接種という可能性があるということ。あとは任意で打つしかない。

    すなわちすなわち、現行法(4歳まで接種可能)という枠内でこの半年のうちに BCGを接種するのが最後のチャンスということになる?!

    平成13年4月1日から平成16年3月31日までに生まれたお子さんで、BCG接種がまだの方は、平成17年3月31日までに市町村にお問い合わせのうえ、BCGを接種して下さい
    というアナウンスを流す必要がある。

    しかししかし、当保健所管内をはじめとして、もともとBCG接種は集団方式で 年に1回~2回とチャンスが少ない市町村が多いはずだ。今年度済んでいて、次は 来年しか機会がないという市町村では、臨時に接種日程を組んでもらって漏れなく 受けさせるように広報してもらわないといけない。そうでないと、BCGの谷間世代が ずっと残ってしまうから。

    国が予防接種の制度を「改正」したために、いわゆる「谷間世代」ができてしまう という苦い経験(苦くないのかなぁ)を風疹でしているはずなのに、今後はBCGで 同じことを繰り返そうとしている。まあ、風疹ほどの危機は訪れないにしても、事実 として不平等さが残ってしまう。それとも気にならないほど少ないだろうということか。

    グジュグジュ言ってないで、とにかく対策を練らなくてはいけない。

    関連情報 ・結核予防会ホームページ http://www.jata.or.jp/ ・結核予防法の一部を改正する法律案(厚生労働省)

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    2004.09.03

    MDRPって何?

    早朝テレビで白衣を着た人が頭を下げているから何だろうと横目で見ていたら このニュースだった。京大病院:11人が院内感染、うち2人死亡(毎日)

    京都大医学部付属病院(京都市左京区)は2日、入院患者2人が、さまざまな抗生物質が効かない「多剤耐性緑膿(のう)菌(MDRP)」に感染して死亡したと発表した。病院が調べた結果、死亡した2人を含む患者計11人の血液などから同じ型のMDRPを検出。同病院は院内感染の可能性が高いとみて感染経路を調べている。
    「天下の京大病院」での発生に不安を訴える市民の声も掲載されている(京都新聞)

    感染症というのは3つの要素からなる。すなわち、感染源、感染ルート、感受性のある宿主だ。 このMDRP感染症については、 感染源としては、多剤耐性緑膿菌 感染ルートは、詳細不明としながらも ・経食道エコー端子剥離を介した感染(阪大例)=阪大病院の院内感染で調査委が最終報告(読売) ・内視鏡による感染の可能性(京大例)=京大病院で院内感染か 2人死亡、11人から耐性菌検出(朝日) ・トイレの可能性(京大例)=院内感染で2人死亡 京大病院(産経)などが考えられている。 宿主の感受性については、 ・入院中の日和見感染を起こす、または免疫力が落ちた患者、ICUでの院内感染の原因

    Most infections caused by P. aeruginosa occur in hospitalized patients who are debilitated or immunocompromised. P. aeruginosa is the second most common cause of infections in ICUs and a frequent cause of ventilator-associated pneumonias. In addition to hospital-acquired infections, HIV-infected patients are at risk for community-acquired P. aeruginosa infections and often exhibit signs of advanced HIV infection when they become infected.
    (Merck manual,psedomonas infectionより)

    今のところ症例数は多くないが、死亡例も出ているので、対岸の火事とせずに管内医療機関へも
    注意を喚起していかなくては。

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    2004.08.08

    沖縄女性にウエストナイル熱感染の疑い

    マスコミが騒がしくしているなか...

    CDCのWest Nile Virus : What You Need To Know より

      ウエストナイルウイルス(WNV)とは?
    • WNVは重症化する可能性がある。夏から秋にかけて季節的に流行する(北米の場合)。
      WNVの症状は?→中枢神経系に影響がある。多様である。
    • 感染を受けた人のうち、80%近くは無症状で経過する。
    • 約20%は軽症の経過。発熱、頭痛、身体の痛み、吐き気、嘔吐、リンパ節腫脹、胸腹背部発疹、これらの症状が2,3日続く
    • わずかの人(150人に1人程度)が重症になる。どういう症状かと言うと、高熱、頭痛、頚部硬直、混迷、昏睡、振戦、けいれん、筋力低下、視野欠損、しびれ、麻痺など。これらの症状は数週間つづき、一部の神経症状は麻痺として残る可能性がある。
      感染はどのように広がるのか?
    • 感染した蚊にかまれることによって広がる。蚊は感染した鳥から感染する。これらの蚊から人間や他の動物に広がる
    • 輸血や臓器移植、母子感染(母乳、胎盤による感染)は非常にまれなケース
    • 接触感染はしない。感染者と触れたりキスしたりすることでは感染しない。
      感染した人が症状を発症するまでの期間
    • 感染した蚊にかまれてから、通常は3日から14日後発症する。
      治療はどうするの?
    • 特別な治療法はない。軽症例では自然に軽快、重症例では点滴や呼吸管理などを受ける。
      もし自分がかかったかもしれないという心当たりがある場合、どうしたらいいですか?
    • 軽症の感染者は特に受診をしなくてもよいが、ひどい頭痛や意識がおかしいなどの重症の場合はすぐ受診するべき(入院が必要になる)。妊娠中や育児中の方は主治医に相談すること。
      感染を受けるリスクは?
    • 大部分の人はリスクは小さい。感染を受けた蚊の数は比較的少ない。その蚊にかまれたとしても発症するのは1%よりも少ない。
    • 屋外にいる人ほどリスク大きい。外にいるほどかまれる可能性は高いので、蚊にかまれないような特別な対策が必要。
    • 50歳以上の人は重症になりやすい。重症化しやすいため、特別な対策が必要。
    • 医療的を受けることでのリスクは小さい。輸血や臓器移植での感染の可能性は非常に小さい。
      どうやって予防すればいいの?→蚊にかまれないこと
    • 外に出る時には、DEETを含んだ虫除け剤を使う(箱に書いている指示に従うこと)。
    • 夕暮れとか明け方は蚊が活動するのでその時間帯は屋内にいるようにする。あるいは着衣を長袖にする。明るい色の服を着ると、あなたに蚊が近づいているかすぐわかる。
    • ドアや窓に網戸を!
    • 蚊の繁殖につながるような水溜まりを作らない。ペットの皿の水や鳥の水浴び用の水もこまめに換えること等。
      CDCはWNV対策として何をしたの(省略)
      他に知っておくべきことは?
    • もしも死んでいる鳥を見つけたら素手では触らないこと。役所などに連絡をして下さい。

    この病気は4類感染症。報告の基準は以下の通り。

    診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下のいずれかの方法によって病原体診断や血清学的診断がなされたもの 病原体の検出例、ウエストナイルウイルスの血液や脳脊髄液からの分離病原体の遺伝子の検出例、 PCR法等によるウエストナイルウイルス遺伝子の血液や脳脊髄液中での検出抗体の検出例、 ウエストナイルウイルス特異的IgMの血液や脳脊髄液での検出 ウエストナイルウイルス特異的IgGの検出とペア血清における4倍以上の上昇
    今回はこれには該当しない(よね)。

    8月7日付け琉球新報朝刊の「表層深層(この記事の出典はどこだろう?)」によると

    6日未明、沖縄県での疑い患者の発生を緊急発表した厚生労働省。幹部は「西ナイル熱は人から人には感染しない。緊急度はそれほど高くなく、本当は診断が確定した後に公表したかった」と、冷静な対応を求めた。
    沖縄県庁側のコメントも6日昼には報道されている(時事通信社ニュース)。じゃあなぜ、発表しなければならなかったのか? 感染症や危機管理時の情報管理は難しい(歯止めが効かない)ということを改めて実感した。

    それはともかく、調べ物は以下のサイトでしましょう。

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    2004.07.27

    危険な性行為

    危険な性行為をした人は献血をせず、保健所などで検査を受けるよう 呼びかけています
    というニュースを聞いた(たしかNHKだったと思うが)。 ニュースのネタはこれ。

    危険な性行為というと、不特定多数とか男性同性間のセックスとかイメージしそうだが、 そのことが聞く人の当事者意識を希薄にしている(言い換えれば正しくない情報提供が 他人事意識を助長している)。昨日の岩室紳也先生の講演会でも言っていたこと。それは、

    危険な性行為とは、コンドームを最初から最後まで使わないでセックスをすること

    え、それって、危険な行動なの?と思う人もいるかもしれない。 でも、もはやHIV/AIDSは特別な人が罹る病気ではない。 感染した相手は不特定多数のパートナーではなく、いつもの決まった相手であることが多いのに。

    岩室先生は、

    この単純なメッセージが人々に届いていないことが、感染拡大につながっている
    と指摘していた。

    「○○ではうつりませんよ」という伝え方が他人事意識につながっているし、 そもそも教える側にも他人事意識があるでしょうと解説。 実際に患者を診てその生活に触れ、しかも高校生などの若者からの相談を受けている 岩室先生の話はリアリティがあって、聴衆を惹きつけた。 チャンピオン君を使ってのコンドーム装着ナマ実演も良かった。さすがコンドームの達人。

    HIVに感染しない方法は

    1. セックスをしない
    2. するならコンドームを正しく最初から最後まで装着する
    このinformationを繰り返し伝えていきましょう。

    関連サイト コンドームの正しい装着法、バーチャルHIV抗体検査などが掲載されている CAI(Campus AIDS Interface)はこちら

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    2004.07.13

    結核集団感染レビュー

    明日は医学部保健所実習に来ている学生に結核のミニレクチャーを行なう日。 ちょうどasahi.comに結核集団感染に関する記事が掲載されていた。ネタ記事候補。 タイトルは結核、散発続く集団感染 既感染者減り、免疫力低下

    既感染者が減り、社会全体が結核に無防備になりつつあるという背景のもと、

    北海道富良野市で6月、中学校教諭が病気に気づかずに授業を続け、生徒ら60人以上が感染した。 慶応大学の横浜市内のキャンパスでは5月、3人の発病が判明。茨城県内の病院では6人が死亡した。
    等の集団感染事例が報告されている。 ある20代看護師は職場(病院)で感染曝露を受け、
    発病しなかったが、予防のため治療薬を毎日飲み続けた。治療終了はようやく半年後。「発病が怖かったので、一生懸命飲んだ」と振り返る。妊娠の可能性があった同僚は、途中で薬を飲むのをやめたために、発病してしまったという。
    と紹介されている。

    未感染、既感染を問わず、発病の危険が高いのは、免疫力の落ちた人だ。
    とあるように、 結核にはハイリスク集団と呼ばれるグループがある。免疫機能が低下し 結核を発病しやすくなっている。高齢者の他には、糖尿病、人工透析、 酒びたり、レントゲンで治った跡があるねぇと言われた人たちなど。 高齢者の発症については、朝日記事中の森亨先生の図では、 内因性再燃と外来性再感染という2パターンあるようだ。 外来性再感染というのはよほど免疫力が低下した人に起こると考えてよいだろう。

    当地のように、以前からの罹患率が高く、かつ高齢者が多い地域では、毎年のように高齢者からの 発病が見られている。これらの発生を抑えるため、高齢者への予防投薬も推奨されていた(平成10年7月の公衆衛生審議会結核部会)が、その後の歯切れは悪い...tryする価値はあると思うんだけど。

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    2004.07.10

    刺身を食べて、アガガガガ....

    先週の学生への講義で、意外なほど反響があった寄生虫の話。 特にアニサキスの話は新鮮だったらしい。やっぱり若い世代が 育ってきた環境では寄生虫などアリエナイ話なんだろうか。

    刺身好きの宿命という九大寄生虫展示会でのコメントによれば、

    もし夕食に刺身かにぎり寿司を食べて、夜中から早朝にかけて、 おなかが痛くなったら、まずアニサキスの感染を考えた方がよい. 小さな線虫が胃に潜り込もうとするので痛みが起こるのだ.
    なんと、各地で目撃談blogも投稿されているでは... ・部屋とアニサキスとわたし(蜂よ!蜂よ!)アニサキスが・・・(2月のいぬ)

    やはり刺身を食べて、アガガガガ....となればこの虫を疑いましょう。 寿司や刺身を食べる前にも(こっそり)透かしてみてみましょう。 イカ刺し食べるなら、イカそうめんにしましょう。


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    2004.06.21

    日脳

    実は予防接種に関する問い合わせがかなり多い日本脳炎
    ちなみに新しい分類では「新4類」に属する。
    質問の内容はほとんどが接種間隔に関するものだが(これもなかなかややこしいが)、
    今回は別のものが来そうな予感。

    接種の12人に健康被害認定 日本脳炎ワクチンで(共同、6月17日)

    日本脳炎ワクチンの接種を受けた後、まれに起こるとされる急性散在性脳脊髄(せきずい)炎(ADEM)で健康被害認定を受けた患者が、医師の副作用報告制度が始まった1994年以降、12人に上ることが17日、分かった。
    12人のうち東北、北陸、中国、九州に住む3-15歳の4人は昨年度、ワクチン接種後に発熱や頭痛、嘔吐(おうと)、意識障害などが起き、医師らを通じ同省にADEMと報告があった。 同省の疾病・障害認定審査会は今年、4人の発症までの期間や症状などから「接種との関連の可能性がある」と健康被害を認定。予防接種法に基づく医療費などの被害救済を認め、厚労相も承認した
    というもの。
    まあ、タイミングが良くないと言えないこともないが、時期を同じくして「日本脳炎予防接種を/県が呼びかけ」というニュースも出された。ちなみに現在は
    今年は台風や雨の影響で蚊の発生が少なく、発令基準に至っていない
    状態。
    国は現在の製剤方法の変更を指示
    一部メーカーは、マウスの脳を使わずに製造した安全性の高いワクチンの臨床試験中で、06年にも供給可能になる
    というが、接種対象児を持つ親は判断に迷うかもしれない。
    こういう主張する人さえいる。

    判断するための情報を提供し、相談に乗るというやり方しかないであろう。
    あなたの子どもだったらどうしますか?と聞かれたら(こういう聞き方をする人が結構いる!)
    受けさせます
    と答えます。

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    2004.06.15

    “HIV”と“エイズ”の違い、知っていますか? 

    今年の世界エイズデーのキャンペーンテーマが決まった。

    “HIV”と“エイズ”の違い、知っていますか? 

    HIVというウイルスに感染して、免疫力が低下することによって発症するのがAIDS。
    HIVというウイルスに感染したことが気づかないままでいると、感染後10年程度で発症する。
    早めにHIV感染に気づくことが、本人にとってもパートナー(sexの相手)にとっても大事。

    これまでは、保健所での無料・匿名検査が中心であったが、結果が出るまでに時間がかかり、
    何よりも、人影もまばらな保健所に2度も行く(しかも廊下で待たされたりする)ことが、「検査を受ける」
    行為への足かせになって、検査件数の伸び悩みにつながる一因となっていた。

    このため、街頭での献血に検査目的で行く人が後を絶たず、検査窓口の拡大が急務とされていた。
    エイズ問題に対する社会的な関心が低下する中、公的な無料匿名検査の利用者は、1992年の約13万5000人を頂点に減少し、最近は年間5―7万人程度にとどまっている。一方、献血の検査で感染が判明した人は、92年の34人から昨年は87人に増加した。感染直後に献血されると検査をすり抜けることがあり、昨年末には、輸血を受けた患者がHIVに感染する事故も起きている。
    (以上、Yomiuri On Lineより
    このニュースによれば、無料匿名の検査窓口を一般の医療機関に広げる制度が導入されるらしい。
     
    新制度では、医療機関での検査を希望する人は、まず献血会場に行き、問診で事情を説明。委託先の医療機関への紹介状をもらい、それを持参して無料匿名検査を受ける。検査に保険証は不要だ。1人約7000円の検査費用は、同省が日赤に補助金を支出する形で負担し、日赤が委託先に支払う。

    献血の検査でエイズウイルス(HIV)感染が判明しても通知しないのが原則だが、実際には、感染者の健康管理の観点から知らせる場合もあり、検査目的の献血者が絶えない要因と言われてきた。対策として同省では、検査窓口を拡大した地域では、献血で感染が判明しても、本人に一切通知しない方針を徹底する。
    やはり献血からの感染血混入を絶対に阻止するという意志を感じる。

    保健所でも即日検査(約1時間弱で結果が出る)導入のための準備が進んでいる。
    HIV検査・相談マップでは、全国各地の検査・相談機関等が検索可能。
    ちなみに沖縄県はここを参照。

    エイズが日本に「登場」して20年余り。ようやく検査の体制が整備されてきたという感じだ。

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    2004.06.08

    溶連菌

    管内感染症サーベイランス情報。

    沖縄県北部福祉保健所管内では第22週(5月24日~30日)に

    A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告が8件あった。
    北部管内の保育所、幼稚園、小学校等での流行に注意が必要

    以前は診断・治療が遅れて、リウマチ熱や腎炎などの合併症をきたすこともあった。
    最近は迅速検査キットができて診断技術?は高まったとされる。
    ただし治療については、注意が必要。


     治療にはペニシリン系薬剤が第1選択薬であるが、アレルギーがある場合にはエリスロマイシンが適応となり、また第1世代のセフェムも使用可能である。いずれの薬剤もリウマチ熱、急性糸球体腎炎など非化膿性の合併症予防のために、少なくとも10日間は確実に投与することが必要である(国立感染症研究所感染症情報センターHP

    例の人食いバクテリアだって同じ溶連菌感染。とびひ(伝染性膿か疹)も同じ。油断禁物。

    A群溶血性連鎖球菌についての詳細は横浜市衛研を参考に。

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    2004.06.05

    医者のネクタイ、ナースの帽子

    yomiuri on lineより医師のネクタイは病原菌の巣?

    イスラエルの医大生の研究。

    臨床実習先のニューヨーク市内の病院に勤務する医師ら医療従事者が着用したネクタイ42本
    で、20本から黄色ブドウ球菌などが検出された。患者と接することがほとんどない警備員の
    ネクタイでは、検出されたのは10本のうち1本だけだった。

     

    医師のネクタイは、診察の際にベッドで寝ている患者に触れたり、せきを浴びたりする可能性が
    高いためと見られる。ネクタイで患者に感染が広がった実例は見つかっておらず、この病院の院長は
    「病院のどこにでもある菌で、過剰反応は禁物だ」と反論している。


    患者の診察をした後、手を洗えば問題ないんだろうけれど、なにげにネクタイを
    直す癖などあれば、そこが温床になる可能性は十分あり得る。
    「ネクタイ洗ってますか?」と医者に聞いてみてもいいかもしれない。

    ナースキャップ廃止という動きも、不潔対策らしい。
    もっともこちらは機能面での問題(じゃま)が主らしいが。

    医師も手洗いの邪魔になったりするから、外してもいいかもしれない。
    知り合いの精神科医師は「ネクタイ禁忌」と言っていた。首締められるんだって。

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    2004.05.29

    累積接種曲線

    やっとこれは使えそう!という資料を発見。

    高知県高幡保健所の発表「累積接種曲線導入による予防接種の評価」

    「入力が煩雑」という課題を克服してくれそうなソフトだ。
    予防接種率のマジックもこれだと見破れる。

    国も今後の麻疹対策のあり方として

    1) 現在、標準的な接種期間として生後12~24ヶ月とされているが、これを生後12~15ヶ月とし、保護者、関係者に広く周知をはかる。
    2) 実施主体である市区町村は、1歳6ヶ月健診、3歳健診において接種もれ者のチェックを行い、もれ者へは関係者より保護者へ定期接種をつよく勧奨する。
    3) 入園(幼稚園、保育園)・就学時健診を利用した接種もれ者のチェックを行い、もれ者へは関係者より保護者へ定期接種をつよく勧奨する。
    4) より接種しやすいあらゆる環境づくりに努力すべきである。具体的には、接種漏れ者に対し、休日接種、もしくは予防接種週間の設定をするなど、予防接種機会の増大を図る。
    5) 麻しん対策の重要性について広く啓発活動をおこなう。

    特に1)の15ヶ月時点での累積接種率を推計することができれば
    評価指標として使える。

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    2004.05.28

    命令に従わない人たち

    結核患者87人、入院拒否 「感染拡大の可能性も」

     

    結核予防法に基づく入院命令に従わなかった結核患者が2002年度に87人
    いたことが、厚生労働省が27日までにまとめた全国調べで分かった。
    複数の薬が効かない多剤耐性結核菌に感染している人が、約3分の1を占めていた。 
    同省結核感染症課は「命令に従わない人が感染を広げている可能性がある」と指摘。
    強制入院の導入も含めた対応の検討を、結核医療の検討小委員会で始めた。

    確かに命令入所に従わない人は存在する。しかし、そのような人にも人権があるため
    周囲の人に知られないようにアプローチして、強制力を伴わない命令を発している現状。
    でも感染の危険に晒されている周囲の人はどうなるんだろう。
    多剤耐性は感染力が弱いという「定説」もあったが、それでは周辺は納得すまい。

    患者の人権 vs 周囲の人の人権
    感染症にとっての大きなテーマだ。

    感染症新法と同様に扱うのだろうか。これも今度の結核予防法改正に間に合わせる
    つもりなんだろうか?

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    2004.05.18

    画期的レジオネラ対策?!

    24時間循環風呂や温泉での感染で死亡する人まで出たレジオネラ感染症
    その感染経路については、ヒト-ヒト感染はないとされるものの

    エアロゾルを 発生させる人工環境(噴水等の水景施設、ビル屋上に立つ冷却塔、
    ジャグジー、加湿器等)が屋内外に多くなっていることなどが感染する機会を増やしている

    対策は塩素しかないのかなぁと思っていたら、このニュース

    風呂のレジオネラ菌を磁石で感電死、東京工科大が開発
    磁石の近くを物体が動くと、その物体に電気が流れる「電磁誘導の法則」という現象を利用した。
    細かい穴の開いた薄膜に磁石の粉を塗り、そこに風呂の湯を通すと病原体に弱い電流が流れ、
    感電死するという。 6日間、風呂の湯を通し続ける実験では、磁石の粒を塗っていないろ過膜に比べ、
    湯中のレジオネラ菌の量が1000分の1に減少。黄色ブドウ球菌や大腸菌などにも効果がある。

    何だかよくイメージできないけど、従来の防止対策・衛生管理よりも効率的で安全な方法になるのではないかという予感。
    レジオネラに関するtokyo-eikenのサイトも参考に。

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    2004.05.13

    イノシシ食べてE型肝炎

    “生焼け”イノシシでE型肝炎に集団感染…長崎
    このニュースによると、

    69歳の男性2人が、食べた約40日後に急性肝炎を発症、
    近くの医療機関で治療を受けた。

    さらに...

    追跡調査したところ、3人が肝炎症状を示して受診していたことが判明。
    血液からE型肝炎ウイルスに感染していたことを示す抗体が見つかった。
    また症状はなかった7人のうち6人からも抗体を検出。
    全部で11人が感染していたことがわかり、付近の山中で捕獲した野生イノシシを
    バーベキューで食べたことが原因とわかった。

    同医療センターの矢野公士医師は
    「バーベキューで不十分な加熱となったのが原因と見られる。
    生肉が触れたまな板やハシなどの取り扱いも注意すべきだ」としている。

    E型肝炎(4類感染症)に関連するサイト
    国立感染症研究所「感染症の話」

    ボランティアに糞便材料を経口投与した実験では、投与後約5週間で発症が見られている。その後悪心、食欲不振、腹痛等の消化器症状を伴う急性肝炎を呈する。症状としては、褐色尿を伴った強い黄疸が急激に出現し、これが12~15日続いた後、通常発症から1カ月を経て完治する
    ボランティア様ごくろう様。
    神戸新聞の記事もあった。
    結構日本各地で食されているみたいね。
    沖縄でイノシシといえば本場は西表島。八重山時代に石垣で食べた覚えがある。
    確か血イリチャーだったと思う。そういえばこの間は名護でイルカ(ヒートゥ)を食べた。
    イノシシ肉も十分火を通しておれば問題ない。刺身は...自分だったら遠慮するかも。

    さらに脱線して、琉球料理「イナムドゥチ」は「いのしし」「もどき」の略らしい(asahi.com)

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    2004.05.02

    蚊でうつる感染症

    連休突入初日の29日に、シーミー(清明祭)があった。識名霊園は混んでいた。
    お墓ではごちそう(オードブルね)を食べたが、蚊にもかまれた。

    というわけで、こじつけ気味だが「蚊でうつる感染症」について検索してみた。
    まず新しいところから世間をにぎわしているウエストナイル熱
    2003年米国では9858名の患者が発生し、252名が死亡している。

    多くは不顕性感染におわるが発症した場合以下のような病態となる。
    通常型は急激な熱性疾患として発症し、頭痛、背部痛、めまい、発汗、時に猩紅熱様発疹(約半数の症例で認められる)、リンパ節腫大、口峡炎を合併する。患者は第3ー7病日に解熱し、短期間に回復する。発熱はニ峰性を示すこともある。

    蚊の季節が到来、難航が予想される西ナイル・ウイルス対策(Wired News)ではコロラド州の蚊担当者の苦労を伝えている。

    ウエストナイル以外にも、蚊はマラリア、日本脳炎などの感染症を媒介してきた。
    仙台検疫所の動物由来感染症のページでは吸血画像付きで解説がされている。
    確か、ハマダラカは石垣島の河川流域でも生息しているはずである。もちろん病原体(原虫)が存在しなければ、マラリア感染が拡がる心配はないのだが。

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    2004.04.30

    セックスでうつるがん

    国(厚生労働省)が各都道府県への説明の中で

    子宮頚(けい)がんの多くは性感染症と関連があることから、学校や母子保健担当者と協力して若い女性向けに予防教育を進めることも自治体に求めた。
    ニュースソースは「乳房温存」目的に明記 厚労省、がん検診で新指針(共同通信4月27日)

    HPVというウイルスが性行為で感染(主に不潔なセックスが原因)するというのは
    以前から知られていた。最近それが急増しているというデータ(YOL記事参照)もあり、
    国として強調する方針ということだろう。ということで今回のカテゴリーも「感染症」
    しかし若い女性ばかりに教育しても、パートナーが理解がないと効果なしおくんだけどね。

    ただし、下記の患者サイトでも指摘されているように、感染症というのはどうしても
    かかった人に対する偏見とか差別とか言われなき中傷が生まれてくる。
    このような配慮を欠かすべきではない。
    ・参考にしてほしいサイト ***子宮癌・卵巣癌患者情報交換サイト***「うさぎの本宅」

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    2004.04.28

    はしか輸出国ニッポン

    1歳のお誕生日に、はしかのワクチンをプレゼントしよう!という
    日本医師会のキャンペーン

    1年間に約80人の小さなお子さんが、「はしか」によって命を落としています
    というメッセージが込められている。
    勢力的に取り組んでいる札幌市で
    予防接種率が95%を超えたらしい。

    アメリカでは1歳すぎと就学前に各1回、計2回接種を行い
    流行を抑えこんできた。

    2002年の年間患者数は44名と史上最低を記録!
    日本は米国に麻疹を輸出している国と見なされている。
    横浜市衛生研究所の麻疹(はしか)についてのサイトより

    沖縄でやるなら1歳のお祝い(タンカーユーエー)にカラーの予防接種カードを並べるキャンペーンした方がいいかも。

    子どもの健やかな成長を家族、親戚一同で願う場だから。

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    2004.04.27

    連休にヤンバルで川遊び

    川遊びするには早いかもしれないが
    連休を前に明日は小学校で健康学習会を開く。
    テーマは「レプトスピラに気をつけよう」

    昨年、主に夏休みに川遊びをした児童・生徒を中心にレプトスピラ症が多発した。
    (沖縄タイムス2003年10月8日朝刊24面に記事)

    県健康増進課は七日、人畜共通の感染症であるレプトスピラ症の発生が続いているとして、今年二回目の注意を呼び掛けた。感染場所は、北部地区の川と推定されており、二歳から五十五歳までの男女計十四人の感染が新たに報告されている。

    沖縄本島での多発例は珍しいという。原因となったのはヤンバルの川。

    感染日は六月下旬から八月下旬と推定され、大半が源河川で遊泳していた。

    源河川と言えば沖縄の川遊びのメッカ。最近では琉球アユを放流している清流で中南部から訪れる人も多い。

    とりあえず病気の基礎知識と予防法を子どもたちに周知するための学習会。
    具体的な予防方法は

    予防方法として県は(1)皮膚に傷がある場合は水田や川に入らない(2)川や水田に入った後、突然の発熱、頭痛、筋肉痛の症状が出たら、すぐ医療機関で受診する(3)七月から十月の間は、特に気をつける-などを挙げている。

    参考WEB site

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    2004.04.24

    SARSふたたび実験室から・・・

    昨日報道された北京でのSARS感染が拡がりを見せている。

    中国で新型肺炎疑い例1人死亡…感染研究生看病した母
    日本では空港や港湾での検疫体制を強化するとのニュースも。

    北京からの入国者には
    (1)発熱やせきなどの症状があれば申し出る
    (2)その後10日以内に症状が出た場合は電話で保健所や医療機関に相談することを促す。

    ただしただし、感染源が特定されそうというのは明るい情報。
    この女性研究生は3月7日から22日まで、北京にある中国疾病予防センターのウイルス病予防所実験室で研究活動を行っていた。23日に列車で安徽省合肥市に戻った後、25日に発熱などの症状が出たため、29日北京に行って入院。4月2日には再び安徽に戻り、4日から安徽医科大学付属第1病院で治療を続けている。

    初発index caseがどこから発生してどのような広がりを見せているかが
    追跡可能な間はまだ対策に選択肢がある。
    これがわからなくなったら地域封鎖しかない・・・

    実験室からの感染だとすると、今シーズン2例目(たぶん)。
    感染防止対策をいっそう厳しくしないと、地域からの信頼感さえ失いかねない。

    おまけ?ニュースでこんなのがあった。 「保健所長」ポスト、医師以外もOK…厚労省決定 医師は保健所の中で信頼される働きをしないといけない。 保健所は地域の中で信頼される働きをしないといけない。 教訓として受け止めましょう。

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    2004.04.23

    SARSふたたび?

    SARSが再び広がるかどうかは、初期対応にかかっている。

    北京SARS疑い例患者は20歳女性、5人が発熱
    まだウイルスが証明されたわけではない(疑い例)けれど、周囲へ拡大している兆候もある。

    北京市ではすでに対応策に動き出しているといわれている。患者の居住地域全般の消毒を行い、患者に近しい171人に対して医学監察を行っている。現在までに、その中の5人が発熱などの症状を訴えており、隔離観察が行われているという。
    昨年SARSを制圧したのは結局隔離quarantineだった。 中国大陸での蔓延をゆるしたのもquarantineが適切ではなかったからである。

    今シーズンはじめて地域内感染が疑われる事例が発生している。緊張して動向を見守りたい。

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    2004.04.14

    保育園でB型肝炎集団感染!

    集団感染シリーズ!というわけではないけれどB型肝炎の話題。
    厚生労働省がB型肝炎についての初のQ&A集を公表(4月8日)。
    (タイトルはなぜかC型肝炎となっているが・・・)
    B型肝炎を性感染症としてはっきり位置付けているのは好評価。
    それとほぼ時を同じくして、日本感染症学会で出された事例がこれ。
    <B型肝炎>ひっかき傷から感染 九州の保育園児
    感染経路としては

    その結果、元職員がB型肝炎のキャリアーで、アトピー性皮膚炎があり、患部のかきすぎにより出血していたことが分かった。感染した園児13人のうち6人にもアトピーなど湿しんを伴う皮膚炎があり、同様にかきすぎで出血していた。

    とのこと。
    遺伝子型はほぼ一致していた。

    というのが動かぬ証拠というわけか。
    もちろん差別や偏見につながる「過度の心配は不要(白木鳥取大教授)」。
    しかし一般的な注意事項として上記Q&A集にもあるような

    ・ 歯ブラシ、カミソリなど他の人の血液が付いている可能性のあるものを共用しない
     ・ 他の人の血液に触るときは、ゴム手袋を着ける
     ・ 注射器や注射針を共用して、非合法の薬物(覚せい剤、麻薬等)の注射をしない
     ・ 入れ墨やピアスをするときは、清潔な器具であることを必ず確かめる。


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    2004.04.13

    学習塾で結核集団感染

    結核集団感染のニュースが報道された。が、感染と発病を混同している。

    ちなみに集団感染とは、「同一の感染源が、2家族以上にまたがり、20人以上に結核を感染させた場合をいう。
    ただし、発病者1人は6人が感染したものとして感染者数を計算する」と定義されている。


    小学生が結核集団感染 横浜市の学習塾で(共同通信)
    横浜市中区の学習塾に勤める40代の女性講師が結核を発病し、塾に通う小学生2人が感染、小学生14人と講師の家族2人が感染した疑いが強いと発表した。
    感染した児童2人は目立った症状はなく通院による投薬治療を受け、16人は念のために予防薬を服用している。

    正しくは発病者2名(小学生)と感染者16名(小学生+家族)のようだ。
    横浜市の学習塾講師から18人が結核感染(Yomiuri On Line)
    小学校高学年の2人が発病していたほか、小学1―6年の14人と女性の家族2人が感染していた。18人とも、通院して投薬治療を受けている。

    感染と発病の違いについては、結核予防会「結核の常識」(無関心の中に潜む結核のカゲ)に掲載。
    日本でもまだこんなに集団感染が報告されている(厚生労働省資料「結核集団感染事例一覧」)。
    長引く咳は赤信号。

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    2004.04.10

    風疹、流行の兆し・・・

    先天性風疹症候群(CRS)で聴覚障害となった子ども達が
    甲子園を目指すマンガ「遥かなる甲子園」(マンガに出てくる聴覚障害者HPより)。

    実は今、風疹が流行の兆し!

    国立感染症研究所感染症情報センターの発生動向調査でも
    注目すべき感染症」として取り上げられている。都道府県別には、

    群馬県、大分県、鹿児島県など報 告数の多い都道府県もあり、第12週では宮城県で、第13週では埼玉県でも報告が増加してき ている

    年代別では、
    本年 は昨年に比べて、学童期や20歳以上の割合が非常に多くなっている。これらの報告は小児科 定点からの報告であるので、成人の風しんがより多い可能性もあり、予断を許さない

    昨年9月の時点ででは風疹予防接種未接種者が15-24歳の約6割760万人いる。
    多くの成人が風疹の「感受性者」として社会で生活している可能性がある。
    特に、妊娠可能な女性や妊婦さんは細心の注意が必要としている。

    先天風疹症候群ゼロ作戦(ハラショーネット)に情報が集約されている。
    後はIASRでの解説記事で風疹ワクチン接種の経緯を知ろう。
    国の経過措置は終わってしまったけれど、現在妊娠していない感受性者(もちろん男女とも)は
    ワクチンを接種すべきである。

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    2004.04.09

    ウイルスとの共存

    来週の講演に向けての覚え書きシリーズ「ウイルスとは何か?」
    対象は小学校高学年の生徒とその親たち(青年会議所メンバーズ)
    それにしても、「ウイルス」「感染」で検索すると出てくるのはコンピュータウイルスばっかりね(--;

    タイトル「ウイルスと人間」

    1.感染症の歴史
      ○結核に見る盛衰復興の流れ
      ○SARS、鳥インフルエンザの話題
    2.感染症のしくみ
      ○感染源・感染経路・宿主
    3.感染源としてのウイルス
      ○寄生虫、細菌によっておこる病気
         ・川で遊んで発熱したら・・・
      ○ウイルスによっておこる病気
         ・麻疹、風疹、インフルエンザ、胃腸炎etc
    4.ウイルスの正体
      ○「地球上で最も単純な構造をもつ極小の生物」
    5.免疫について
      ○どうして熱が出るの?どうして赤く腫れるの?
      ○ワクチン
    6.ウイルスとの共存?! 
      ○ウイルスや細菌と共存している人間
    7.感染症のこわいところ
      ○予防こそ対策の基本
      ○実は偏見や差別する心が最もこわい
    8.メッセージ
      ○健康が守られることの大切さ
      ○教育こそワクチン

    関連図書
    ○「キラーウイルスの逆襲」-SARSとの闘い、そして共存へ(畑中正一)
    ○空飛ぶ寄生虫(藤田鉱一郎)
    ○結核の歴史(青木正和)
    ○遥かなる甲子園(山本おさむ)
    ○検疫官(小林照幸)
    などなど。

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    2004.03.24

    続・飛行機内結核感染

    今日は3月24日。世界結核予防デー。よかった、間に合って。
    というわけで、航空機における結核感染の可能性についてのWHO勧告。

    1.毎年100万人以上の旅客がいることから搭乗前に旅客の結核感染を調べることは不可能
    2.現在までに、飛行機内の活動性の結核を発症したとの報告はない。
    3.航空機内の結核感染を疫学的に調査することは、時間的・経済的に浪費
    4.排菌中の結核患者が搭乗た明らかになった場合、航空会社は健康管理当局と共同して、
      乗客・乗員に結核菌暴露の可能性について情報を与えるべきである。
    5.引き続き、乗客・乗員が結核感染を確認する方法と、INHの予防的服用の必要性の有無を
      確認する方法について積極的に情報を与えなくてはならない。
    6.感染性の結核患者に対しては、搭乗を拒否できるし、そうすべきである。
    7.感染性の結核患者は、感染性がなくなるまで航空機に搭乗すべきではない。
    8.地上における出発遅延が30分以上となる場合、十分な換気がなされるよう処置をしなくては
      ならない。
    9.室内の空気の再循環による結核菌の散布が起こる証拠は現時点では全くない。
    10.航空機搭乗員の結核の有望率は、一般大衆と同様であると考えられる。したがって、
      搭乗員に対して特別なスクリーニング検査を行なう必要はないと思われる。

    出典:WHO,communicable Disease Cluster : Tuberculosis and Air Travel : GUIDELINE FOR PREVENTION AND CONTROL,Jotto Associati,Italy,1998

    出稼ぎ→発病→帰郷→受診→診断→登録というパターンでは発病→帰郷のときに飛行機に乗る・・・

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    2004.03.21

    鹿児島で豚コレラの疑い例

    豚コレラが疑われる豚が鹿児島で見つかった(南日本新聞より

    ウイルスは確認されておらず、豚コレラ特有の症状も出ていないが、県は疑い例として念のため農場の消毒などの防疫措置をとり、半径3キロ以内の養豚農家58戸(7万5500頭)に移動の自粛を要請した。
    現在のところ可能性が低いと見ている農林水産省。
    豚コレラは人には感染せず、感染した豚の肉を食べても人体への影響はないとされる。
    過剰に騒ぐ必要もないが、家伝法対象であるので、現在は出荷自粛の状態。結果は3,4日後には出るらしいので注目しておきたい。
    畜産業界は受難が続いている。
    豚コレラ関連サイト
      - 豚コレラの撲滅と今後の対策 - 動物衛生研究所九州支所
    - 韓国豚コレラ発生情報 - 埼玉県中央家畜保健衛生所
    - 豚コレラに関するQ&A - 農林水産省

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    2004.03.14

    飛行機内結核感染

    明日から福井県で第55回結核予防全国大会が開かれます。

    さて、飛行機のような閉鎖された空間での結核感染の危険性について
    情報を探してみました。飯塚川津通信の結核勉強リンクが内容充実して
    いたので参考にさせていただきました。

    まず日本語の文献では
    航空機旅行における結核感染(三浦靖彦)=日本医事新報2000:No.3983:57
    (ここでは航空機内の空調システムの話が記載されているらしいが、
    これはネットでは目次しか探せなかったので図書館に行く必要がある・・・)
    ちなみに著者は航空医学研究センターの研究指導部長

    New England Jounal of Medicine Volume 334:933-938 April 11, 1996 Number 15
    多剤耐性の結核患者が飛行機内で結核を感染させた症例の報告(abstractしか読んでないが)
    結核の感染をツ反(TB skin test)で判断しているが、

    機内の同じsection、とりわけ患者と2列以内の距離にいた人に有意に陽性者が多く、
    時間の長い路線(8.75Hour)の方が陽性になる率が高かった

    CDCのTravelers' Health Information on Tuberculosisの項では、6つの同様文献について言及。
    The findings suggested that the risk of TB transmission from an infectious person to others on an airplane was greater on long flights (8 hours or more). The risk of exposure to TB was higher for passengers and flight crew members sitting or working near an infectious person because they might inhale droplets containing TB bacteria.

    やはり、飛沫が届く範囲で、長時間(8時間以上)のフライトでリスクが高まるという判断。
    これだと、国内線程度のフライトではそれほど結核感染についてリスクは高くないとする
    こともできる(感染の可能性はゼロではないけど)。
    いずれにしても、旅行社の協力、理解がなければ調査などは進められない。

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    2004.02.26

    米軍ハンバーグでO-157

    関連するニュース
    子供3人がO157感染=基地内販売のハンバーグ原因か-沖縄(時事通信)

    ・<O157>在日米軍向け牛肉を回収 沖縄の基地で検出(共同)(毎日新聞)

    米軍基地で販売されたハンバーグが基地の外に
    出回り、食中毒症状を起こした。
    いわゆる横流れ品。以前はタバコとか缶詰とか重宝
    されていた時期もあったけど、こういう横流れは
    ノーサンキュ。
    それにしても流通経路とか感染の拡がりのための
    聞き取りとか、いろいろややこしくなりそうな事例だ。
    今後もこのニュースに上書きしていく。
    2004年2月26日(木)09:32

    やはり加熱かカギなのか。東京都健康安全センターQ&A


    より抜粋。
    Q 冷凍肉中でもVTEC O157は生存するのか?
    A -20℃凍結牛肉中のO157の生存性を検討した結果9ヶ月後でも生残菌数に大きな減少がみられていない。他の食中毒菌と同様にVTECは凍結肉では長期間生存できるため、凍結肉の解凍時に調理環境などへの二次汚染に注意しなければならない。

    Q ハンバ-ガ-の加熱条件は何度が適切ですか?
    A 米国のFDAの報告によるとミ-トパティの製造基準として最低の調理温度(中心部)は68.3℃である。本温度でO157は8秒で死滅する。従って本温度で15秒間以上の処理時間が求められている。なお、ミ-トパティの保存温度、保存時間により熱抵抗性も変わる。-18℃の低温に保存した菌の方が15℃保存より熱抵抗性が高い傾向である。安全性を考慮するならば中心温度が70℃以上の加熱が必要であろうし、より安全性を確保するならば中心温度が75℃であると言われている。

    2004年2月26日(木)16:26

    琉球新報による続報。米国駐在記者による取材。
    沖縄だけではなく韓国、西海岸へも出荷していた
    らしく

    出荷元の米カリフォルニア州の食肉会社は24日までに、約4万トンの製品回収に乗り出した。

    同様の症状を示した人がいるかどうかは、如何に
    して調べるんだろうか。バリバリいかによるサルモネラ
    アウトブレイク
    (1999)では46都道府県で1500
    余名の感染者を出したが、エリア的にはその比では
    なく、しかも国境も越えているので難しいのか。

    2004年2月26日(木)21:43

    やはり基地内に立入調査を行うことは難しいらしい。
    これも地位協定の壁なのか・・・

    基地外であれば通常、県は食品衛生法に基づき、立ち入り調査をし、商品の回収や営業停止などの行政処分を科すことができる。

     米軍基地の中という“治外法権”の区域では、立ち入りは簡単ではない。米軍が、日米地位協定三条で施設・区域内の一切の管理権を持っており、それを根拠に日本の国内法が適用されないのである。

     そのため、日本側が立ち入りを求める際、許可の可否は米軍の裁量に委ねられている。


    沖縄タイムス社説より)
    つづく。
    2004年2月27日(金)19:06


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    2004.02.25

    減った減った!インフルエンザ

    流行マップではまだ日本中真っ赤ですが、
    ピークは越えたのか、今週(第8週)の患者は
    減ってきている模様。

    yahooニュースでも、ピークを越えたとなっている。地図が塗り替えられる
    のは、時間の問題ではないかなと思うのは楽観
    しすぎ?

    昨年も今の時期からSARSが流行を始めたので
    次に登場するのは、どんなウイルスなんだろうか
    という不安もある。

    引き続き手洗いレーコーで。

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    2004.02.24

    寂しいニュース

    感染症とは切っても切れない偏見差別の問題。
    大分の鳥インフルエンザでも通報した民家に対して
    いやがらせをする人がいるという。「なぜ通報した?」と。

    ただでさえ心苦しい思いをしている人に対して
    さらに追いつめるようなことを言うのは、相手を
    思いやる心がないと言わざるを得ない。

    感染ルートもはっきりせず、渡り鳥への調査も
    始まっているらしい。誰が感染するかわからない
    状態だのに。

    感染そのものも早く終息して欲しいが、差別する
    ココロも人々から離れてほしい。

    関連記事
    ・「ココロのSARS」に有効ワクチンを

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    2004.02.13

    また新型ウイルス?

    新興ウイルスで14人死亡 バングラデシュで流行のニュース

    WHOによると、米疾病対策センター(CDC)での検査で、9人の患者の検体からニパウイルスに似たウイルスが確認された。

    また新型ウイルスの登場か?
    ニパウイルスも人獣共通感染症。今度は豚か。

    国立感染症研究所「ニパウイルス
    霊長類フォーラム第97回「ニパウイルス感染」などを参考に学習しましょう。

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    2004.02.11

    ワクチン1本2万円?

    ワクチン30万人分廃棄?のニュースより。

    厚労省には「病院に『接種料は2万円』と言われた」などの苦情が寄せられた

    健康不安を抱いている人から金を巻き上げる医師が
    いるということか・・・。
    事態を重視した厚生労働省は「悪質なケースでは、病院名を公表することも検討する」としている

    悪徳診療所。医師会の自浄機能が働けばいいんだが
    逆のパターンも考えられる。

    さて、トリインフルエンザについての医療機関での
    対応
    指針が国立感染症研究所から出た。
    問診でトリとの接触歴を聞いてトリアージを行い

    HPAIが疑われる情報が得られた場合には、当該患者を診察・処置する医師、看護師等の医療従事者側もマスクや眼鏡着用等で飛沫感染の防御を実施し、インフルエンザ迅速診断キットの活用等、可能な限りの病原体検索を行うことが望ましい。

    HPAI=highly pathogenic avian influenzaの略。
    疑い例は保健所に連絡。保健所は地方衛生研究所と
    協議のうえ、検体確保してウイルス学的検査を実施。
    実際の診察に当たる医療スタッフにおいて、インフルエンザのワクチンを接種していないスタッフで、今シーズンまだインフルエンザに罹患していないものは、可能な限りインフルエンザワクチンを接種しておくことが望ましい

    とも。

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    2004.02.10

    ブタ、トリ、ヒトの三角関係

    根路銘記事の中で豚を介しての新型ウイルス誕生が
    懸念されていることが指摘されていた「開戦前夜」参照。

    その後、ベトナムで豚からH5N1が検出されたという
    ニュース
    現段階では

    押谷博士は「ウイルスが検出されたことと感染したこととは別」と指摘。

    WHOは「注意深く検査を続け、結果に応じて速やかに対応する」

    という状況。
    動物に感染するインフルエンザの亜型という動物衛生
    研究所のサイトによると、
    カモ、鶏、豚、馬、アザラシ、クジラなどへの感染も
    あるらしい。
    H5N1に関するブタ、トリ、ヒトの三角関係については
    YOMIURI on-lineの記事が詳しい。

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    2004.02.06

    開戦前夜

    やはりウイルス研究者の間では今回のH5N1型
    (鳥インフルエンザ)の世界的流行は脅威らしい。

    以下の記事からの引用。

    「まさに開戦前夜です」

     厳しい表情でそう語るのは、元WHOインフルエンザ呼吸器ウイルス協力センター長の根路銘国昭氏である

    新型ウイルスの誕生には3つのパターンがあるというのが定説だ。①水鳥からニワトリなどの家禽(きん)に伝染したウイルスと、人間界のH3N2などのヒト型ウイルスとが、どちらにも感染可能なブタの体内で遺伝子交雑を起こして生まれる②人にとって未知の組み合わせのウイルスが鳥から人に直接感染し、やはりヒト型ウイルスと遺伝子交雑して誕生③かつて流行したウイルスが数十年ぶりに復活―である。今、政府がやっきになって防ごうとしているのが②のシナリオだ。
    、「最悪のシナリオ」として▽重症患者数15億人以上(地球人口の25%以上)▽直接死亡者5億人以上(同8%以上)という数値を算出。

    今、日本中で流行しているH3N2型の方が、まだ
    悪さをしないのかと思うほどの記載。でも決して
    過大評価ではないようだ。それにしてもブタも仲介
    しているとは。

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    2004.02.05

    流感ワクチン効果なし?!

    記事のタイトルを見ると、インフルエンザワクチンは
    乳幼児の発症を20-40%抑えるとあるが、中味を
    読むと

    年齢別に分析すると、1歳未満では有効性はなかった。

    当たり外れのある世界だからこういう結果もあるの
    かなという感じもするけど
    研究班は1999年から2003年に、全国の55の小児科で予防接種を受けた子に発熱があったかどうかを指標に有効性を調べた。

    過去5年間に及ぶ調査だけにこれをどう解釈するか。
    乳幼児に対する同ワクチンの効果の有無は従来、はっきりしていなかった。調査結果を受け、同省は乳幼児へのワクチン接種を勧めるかどうか検討を始める。

    研究班の結果をどう施策に反映するか注目しましょう。

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    2004.02.03

    鳥インフルエンザ

    鳥インフルエンザ

    同省は、世界のどこかで新型インフルエンザウイルスが見つかった場合、感染症法に基づく指定感染症に指定し、患者の強制入院や接触者の健康調査などの拡大防止策を実施できるようにする方針。

    今は4類感染症の鳥インフルエンザ。新型インフルエンザに変異
    すれば指定感染症。昨年のSARS並みの対応を迫られる。
    「疑い例」の報告義務とか

    変異の可能性については楽観的な意見も聞かれるが
    情報収集が必要。

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    2004.01.31

    はきくだし

    インフルエンザの患者も急増しているようですが
    同じくこの季節によく見られるのが感染性胃腸炎。
    はきくだし。

    以前はロタウイルスが主役だったが、最近はこの
    ノロウイルスによる集団感染が目立つ。

    滋賀の病院内で30名以上も集団感染

    ノロウイルスについては横浜市衛研が詳しい。カキで当たるのもこれらしい。

    ノーウォーク様ウイルス感染症では、嘔吐がよく見られ、吐物中にもウイルスが検出されます。吐物中のウイルスが感染源となることもあります。大ホテルのレストランでの晩餐で客の一人が嘔吐し、晩餐の客たちに胃腸炎の集団発生が起こった事例があります。

    吐物がエアロゾル化して感染する可能性もある。
    もちろん下痢した子どものオムツ処理でも十分
    感染しうるということ。

    手洗いの大切さは、この病気でも同じだ。

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    2004.01.23

    歯磨きでインフルエンザ予防

    インフルエンザウイルスが細胞に侵入するのは
    歯磨き粉や石鹸に含まれる界面活性剤により
    防ぐことができる!と講義で習った覚えがある
    んだけど、そういうサイトが探せない・・・

    雑菌無くすから良いという説はあるが、これは
    まゆつば。

    きちんと文献調べろってというお叱りを受けそう
    ですね。ちゃんと探してみます。

    東日本でインフルエンザ注意報発令している
    都道府県が増加。

    まめに歯を磨いてインフルエンザを予防しよう。

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    2004.01.18

    鳥インフルエンザ関連

    インフルエンザQ&A:感染症情報センター

    ベトナムで4人目の死者(毎日新聞)が出るも、
    ヒト-ヒト感染はまだ確認されていない様子。
    変異が起こるとアウトブレイクが予想される
    こともあって、国も指定感染症への指定準備
    をはじめている。

    インフルエンザも徐々に流行の兆し。
    流行レベルマップもチェックしておきたい。

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    2004.01.13

    結核

    海外研修生に結核の説明をする。その準備。

    結核は感染症である ・ 感染源は結核菌 ・ 感染経路は飛沫、空気 ・ 宿主はヒト 感染から発病までの流れ ・ 暴露→感染が30% ・ 感染→発病が10% ・ そのうちの半分が最初の2年間に発病 ・ 発病のハイリスク集団がある ・ 胃切除=ハイリスクの説明 結核の疫学 ・ 年間発生35000名、死亡者3000名弱 ・ 発見動機 薬物療法 ・ 短期、多剤併用療法が主流 制圧の歴史(制圧されてないけど) ・ 死亡率と医療の関係 ・ 緊急事態宣言の話 結核対策 ・ 発病を抑える ・ 発病の広がりを防ぐ 保健所における結核対策 ・ 接触者健診 法制度の話(PHNから)

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    2004.01.11

    効かないワクチン

    はしかワクチン、効果8割 千葉のメーカー出荷

    同様の報道が琉球新報でもあった。新報記事

    1.本当に効かないの?
    2.効かない可能性のあるワクチンはどれ?
    3.そのワクチンを接種されたのは誰?
    4.その子たちは再接種すべきなの?
    5.再接種するときの費用は?

    順を追って、決定していかなけばならない。

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    2004.01.08

    ハクビシン

    中国広東省では最初の患者?と
    ハクビシンから検出されたウイルスが
    一致したため、感染源疑いということで
    ハクビシン一掃作戦が進んでいる。

    そんな中のこのニュース。
    Yahoo!ニュース - 社会 - 共同通信

    地域内でヒト-ヒト感染が認められたら
    地域内伝播地域と定義されてしまう。

    でも今シーズンは去年と違って
    1.徹底した情報提供
    2.検出方法の向上(検査や疫学調査等)
    3.院内感染対策のレベルの底上げ
    4.警戒体制の柔軟性
    5.国際機関の裁量権強化
    の理由から影響は軽いだろうとWHOは予測

    動向を注目したい

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    2004.01.05

    レプトスピラ

    Yahoo!ニュース - 沖縄 - 琉球新報

    昨年夏、沖縄県北部の河川で遊んだ児童生徒がレプトスピラに感染。
    以前はネズミが媒介動物として知られていたが、最近はマングースも
    保菌している様子。保菌率60%超というデータも

    沖縄県衛生環境研究所に詳細な情報があるが、
    来年度以降も流行があるようなら、疫学調査も必要になるであろう。

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    2003.12.30

    副作用>>ポリオ

    Untitled Document

    Yahoo!ニュース - 社会 - 共同通信

    昭和50-52年世代は特に注意が必要。

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    確率の問題?

    献血に使われる血液にHIVが混在する確率とか
    ワクチン株によるポリオの子→親へ感染とか
    数百万回に1回(あるいはそれ以下)とか
    ほぼありえないと思われていたことが現実に
    起こってしまった。感染された方にとっては
    0か1しかないわけだから確率の問題ではない。

    確率をゼロにするための努力を怠るな(この場合
    ウイルスを不活化することだろうけど)という
    教訓をつきつけられたニュースであった。

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    2003.12.29

    SARSと情報公開

    広東省でのSARS患者は容態安定して
    周辺にも感染は広がっていないと報道。
    中国当局に対し「情報公開が不十分」
    として、香港の新聞が論評記事も出た
    (いずれもyahoo News)。

    本日家の掃除をしていて目にした記事
    医学書院週刊医学界新聞12/1号)で
    日本のSARS対策が検証。台湾人医師
    関西旅行問題(5月)における情報公開
    についても触れられている。感染拡大を
    防止する目的で情報公開することは大事
    だけど、100%の確証がない状態でどこ
    まで公開すべきかなど、頭を悩ませての
    判断を下さない場面もあるんだろう。

    で、全然関係ないけど、今日は夕方から
    糸満市西崎公園にイルミネーションを見に
    出かけました。第5回平和の光いとまん
    ピースフルイルミネーション

    さすがに130万個(県民の数だけ)散りばめ
    られたイルミネーションは見ごたえがあり
    会場は子連れやカツプルで大賑わい。
    写真がアップできればいいんだけど今は
    デジカメなし子なので、HPででも確認して
    下さい。

    ちなみに次狙っているデジカメはこれ

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    2003.12.28

    やはり今年も

    世界的流行があるんだろうか?>>SARS
    台湾に引き続き中国広東省でも・・・
    (yahooニュースより)
    台湾では実験室内での感染だったけど
    今回は医療人ではないというし。要注視。

    ちなみに沖縄県にも迅速検査キット導入。
    「心強い」のは確か。

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