2009.09.30

オシラセすれどもオススメせず

新型インフルエンザのワクチン接種に向けたニュースが増えています。

今回のワクチンは予防接種法には基づかない国主体の接種事業。
なので、予防接種でよく目にする「勧奨」という文字は、なかなか
見つけられない。その代わり、みんなで事業の「周知」は図る。

あくまでも被接種者またはその保護者の自発的な意思に基づく
接種となります。

接種目的は、感染予防ではなく個人の重症化防止(+そのための
医療体制の確保)。なので、これを打てばかからないというのは誤解。
これを打てば軽く済むという程度の認識で。

国が国内外のメーカーからワクチンを直接買い上げて、国と直接
契約をした医療機関で接種。県はその流通調整をして、市町村も
医療機関や住民への周知でお手伝いするという話だったはずだが
ここへ来て、接種費用負担のニュース。

低所得者ワクチン接種費用軽減へ 国が600億円負担、厚労省(47news

新型インフルエンザ用ワクチン接種について、
生活保護世帯と市町村民税の非課税世帯を対象に、
接種費用を軽減する方向で厚生労働省が検討している
ことが29日、分かった。国が約600億円を負担する。
生活保護世帯の無料化など具体的な軽減策は
市町村ごとに決めるという。

「新型」接種費用、低所得者に国が600億円負担読売では
同省は、生活保護世帯や市町村民税の非課税世帯に対する
無料化を含めた軽減策を、自治体ごとに策定してもらう。
軽減に必要な費用は約1200億円で、国が半額の
約600億円を負担する。
残りも、国は地方交付税措置で補充する方針。

すかさず反応する全国知事会(聞いてないけど)
ワクチン接種費用、低所得者向けは国で全額負担を 知事会(日経
事務負担や財政負担が生じる制度を定める際には地方自治体と十分に協議することも求めた
19年の肝炎治療費、20年のタミフル追加備蓄騒動を想い出す。
今後は10月1日に政府の新型インフルエンザ対策本部会議で決定して
翌日自治体には内容が知らされることになる予定。

気になったコメント
季節性インフルエンザの副作用に関する記事(毎日

08年度に使われた季節性インフルエンザワクチンの副作用報告が、
死亡2例を含め121例あったと発表した。
推計約4900万人が接種し、副作用が起きる率は100万人に約2.5人。

ギランバレーも3例いたらしい

厚労省は

「新型インフルエンザの国産ワクチンも危険はほぼ同じ」
と説明している(毎日.jp記事より

ところで(夜中に更新すると記事がダラダラ長くなるのをお許しください)
これからきっと新型インフルエンザが本格流行を迎えますが、
同時にワクチン接種のために健康な幼児や親なども医療機関を
受診します。例年の2倍のインフル患者+受託接種業務で
パンクしないか(そして感染が広がらないか)心配じゃないすか。

患者を分散させる必要がある医療体制とワクチン接種事業が
連携して検討されることが必要でしょう。

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2009.02.15

はしかの集団(的な場を利用した)接種@うるま市

昨日のNHK沖縄ニュースより。
ニュース中の「集団接種」=「集団的な場を利用した接種」のこと(同じ?)

はしかの感染や流行を防ごうと、予防接種率が低迷している
うるま市で14日中学1年生と高校3年生を対象に集団での
無料予防接種が行われました。

うるま市では、去年12月末現在で、
はしかの予防接種を受けたのが中学1年生で64%、
高校3年生で49点2%と低迷しています。

このためうるま市は、予防接種の受ける人を増やそうと14日、
健康福祉センターで集団での無料予防接種を行い、市内の
中学1年生と高校3年生あわせて、およそ190人が
予防接種を受けました。

去年、県内で41人がはしかに感染したほか、
ことしも今月に入り、宮古島市で初めての
はしかの患者が確認されています。

このため、沖縄県は各市町村での集団接種をすすめています。

予防接種を行った知念正雄医師は、(ちねん・まさお)
「はしかの感染を予防するため友達どうし誘い合って集団接種に
くるなどして対象者みんなが予防接種を受けて欲しい」
と話していました。

県内では宮古島市、石垣市、に次いで3市目か。
定期接種は個別で診療所で行うということが原則だが
麻しんに関する特定感染症予防指針
また、定期の予防接種は、原則、診療所等で個別に行うもの
とするが、国が、応急治療措置、救急搬送措置等について
安全面で遵守すべき事項を別途定め、学校医等と連携をとる
ことにより、中学校及び高等学校等で定期の予防接種を
実施することも可能である

とあるように集団的に学校で行うことも可能。

茨城県内ではこれを最初っから取り入れている(すごいね)

市町村にとってみれば年度途中で急きょ接種方式を変更する
ことは、委託契約や会場運営など「とんでもない」レベルの
話であったかもしれない(だったら最初から集団的な場を
活用して接種しなさいと書いて欲しかったという声もある)

だからうるま市職員や接種に協力した医師会など関係者は
相当骨を折ったはず。でもこれで追加接種せずに、
感受性者として中学高校インターハイ等に参加する生徒が減った
のだから、功績は大きいと思います。

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2009.02.08

MR最後の追い込みを

麻しんワクチン接種率が3期4期で伸び悩み。
一部の集団の場を利用した個別接種を取り入れた
自治体をのぞいて、なかなか目標の95%に近づかない。

今年度は残り2ヶ月を切って、まさにラストスパート。
いや、ラストスパートというのは先頭集団が後続を引き離す
というイメージがあるので、競馬的にはミスターシービー
並みの最後の追い込みが必要。

啓発用のファイル作ってみましたので、
ご自由に。(パワーポイントとPDF)
「mrorikou.ppt」をダウンロード
「mrorikou.pdf」をダウンロード

三期(中1)は親に連れられて、四期は自分で必要性を感じて
接種するというパターンが多い。学校での積極的に勧奨して
スタートダッシュを期待した保健関係者も多かったが、やはり
馬場は重かった(不良馬場

MRに関するCBニュース(おー、これぞミスターシービー)
はしかワクチンの接種徹底で文科省に協力要請-厚労省
(いつもタイムリーなニュース提供に感謝)

今年度から5年間に限り、はしかワクチンの2回目定期接種の対象になった
中学1年生と高校3年生の接種率が低迷しているのを受け、
厚生労働省は2月4日付で、文部科学省学校健康教育課などに対し、
年度内接種を勧奨するよう協力を求める通知を出した。

通知では、都道府県教育委員会を通じて未接種者に働き掛けるとともに、
高3生については、大学などが入学手続きの際に接種を勧めるよう要請。
このほか、学校から都道府県麻しん対策会議への接種状況の報告も求めている。

馬場のせいにするのではなく、最後の追い込みを!(自分にムチ)

Mrbrother_2

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2008.07.27

水たまり+10円玉→日脳対策

日本脳炎が気になる季節がやってきた。(注意報に関するニュース)
厚生労働省からは今年も防蚊対策についてのポスターが出された。
PDFで直接リンクしています)(印象深いデザインです)

夏です。蚊の多い季節がやってきました。
日本脳炎ウイルスはブタの体内で増殖し
蚊(コガタアカイエカ)を媒介して人に感染します。

例年、日本脳炎ウイルスを保有するブタが
西日本を中心に確認されていますので
特に西日本地域(中国、四国、九州等)でブタの多い場所や
(コガタアカイエカの発生する)水田、沼地の周辺の屋外では
蚊に刺されないよう注意しましょう。

夕方から夜にかけて、蚊の活動が活発になります。
お子さんが蚊に刺されないよう注意しましょう。

日本脳炎のワクチンは副作用が問題になった2005年以降
現在では生産が中止されており、残り170万本となってて
今年度100万本、次年度70万本で枯渇するとのこと。(日経

2005年以前は毎年400万~500万本接種していた(産経記事

副作用の少ないといわれる新製法のワクチンが供給されるのが
次年度以降らしいが、できるだけスムーズに新ワクチンに移行
できるかどうかがカギ。さらに空白世代に対する追加接種や
地域によって優先順位をつけることを理解してもらう作業も必要
(最初はワクチンが不足するため)

気になる記事としては、時事ドットコムに載っている

厚労省は、ウイルスを持つ豚が多い中・四国や九州など
感染リスクが高い地域に住み、1度も接種を受けていない
3~6歳児は接種を検討するよう呼び掛けた

とあるが厚労省がそこまで踏み込んで発言したのかなぁと。
感染研の専門家の立場ならわかるけど。

ちなみにポスターは

日本脳炎ワクチンの接種についてはお住まいの市町村にご相談ください。
とある。

と、いつも日本脳炎の話題になると運天港みたいな(運を天に任せる)
不安でモヤモヤした記事(そういう気分)になることを反省して
防蚊対策について検索してみた。

  • 夏休みの宿題実験にもなりそうなブログの記事を発見(はっしんの実験さま)
  • 東京新聞にも「蚊の発生源を絶つ・10円玉の活用」
    蚊が卵を産むのは 代表的な場所が雨水ますや廃タイヤが積まれたところ、そしてお墓。 見落としがちなのが、昨今ウッドデッキのある家も増えるが、その下に バケツなどが置いてある場合や、植木の鉢受け。
    ガーデニングなどで、水をためておく必要がある場合は、十円玉など 銅を入れておこう。蚊の発生を防ぐことが日本銅センター(東京)の調査で 明らかになっている。理由は解明されていないが、ボウフラを飼った実験では、 ガラス製容器で八割が羽化したのに対し、銅製では全滅した。
    情報源の日本銅センターHPにも関連する内容をいくつか見ることができます。

どうでしょう(これは余計)

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2008.07.10

超台帳主義

国立感染症研究所のIASRに掲載された
<速報>福井県の高いMR第2期接種率はどのようにして達成されたか?

これは面白い。

予防接種台帳を徹底管理して、接種率をモニターしていくということ このようなシステムを県全体で確立しているのは福井県だけのようであるが、 このシステムはなにも特別なものではない。定期の予防接種実施要領に 明記された予防接種台帳の整備と管理をコンピュータ等で地道に正確に やっているだけである。

当たり前のことをやっているだけと紹介しているが、
それをきちんと対策に生かしている。
同論文の図を見ると(転載して皆さんに紹介させていただきます)
Pf34151





さまざまな勧奨チラシ、教育活動、マスコミを使った広報活動などは
大切なものであり、一定の効果がある。しかし、このような不特定多数に
向けた勧奨の効果には限界があり、さらに高い接種率を目指すには
「のんびり」組や「うっかり」組に対する個別勧奨が不可欠であることがわかる

このシステム
ではたとえばB市の3歳児でMR第1期をまだ受けていない人は何人いるか、それはどこの誰か、ということが随時わかるということであり、未接種者に対して郵送や電話などで個別勧奨することが可能

となる。もっと台帳を上手に活用しなくちゃとたくさん教えられました。

悩ましい予防接種率の算定の仕方も台帳を活用する方向に転換。

Mr_rate






課題は「どこの市町村でも簡単に出せる(持続可能)」ということ。
大雑把に言えば縦の矢印で
分母=2年前の出生数
分子=1年間の接種数
でもよいんだけど、台帳を標準的に使えることもねらって横矢印でいこう

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2008.05.15

学校における麻しん対策の実際

NHK生活ほっとモーニングで紹介された沖縄県のはしか対策。
番組収録のときにちょうど県立高校での発生があり、
今後学校で拡がったら...と緊張していたことを思い出します。

学校における麻しん対策については文科省と厚労省が監修した
ガイドライン(PDFはこちら)が発行され、対応が整理されています。
(平時における接種状況の把握などは細かくて上等です)

しかし発生時の対応はあくまでも「学校は...する」という表現のため
感受性者へのワクチン接種勧奨や健康観察については
生徒や保護者の情報を提供するという枠でくくられていて

情報提供という名の接種勧奨
という印象を否めません。

現在も全国各地から学校内で麻しん発生のニュースが届き

という感染拡大防止措置がとられています。

あの番組で「学校内で確定患者発生」となった後の対策の実際は...

  • 保健所と学校関係者が状況確認や対策について協議
    • 国立感染症研究所作成の麻しん啓発DVDを活用
    • 対策の基本方針を確認→本庁レベルでも対策を協議

その基本方針とは
  1. 感染を受けた接触者からの発病をできるだけ減らす
  2. 発病者を早期に発見、隔離することによって感染拡大を防止する。
  3. 予防接種により感受性者を減らすことによって感染拡大を防止する。

具体的な対策としては
1.については
  • 学校による感受性者調査の実施
  • 接触後72時間以内であれば緊急ワクチン接種の検討(勧奨)

2.については
  • 接触者に対して毎日(2週間の観察期間)検温を行い、その結果を保健所に報告するよう依頼する
  • 健康観察中に37.5℃以上の発熱が認められたら、あらかじめ医療機関へ連絡をして、麻しん患者との接触があることを伝えてから受診するよう指導する
  • 欠席・欠勤した生徒や教職員については、その理由や受療状況を確認する
  • 校区内の医療機関については、医師会等を通じて、当該学校の生徒が受診した場合は麻しんの疑いがあることを伝えておく
  • 健康観察期間内は、多くの学生や教職員が接触する集会の開催を自粛する
  • 校長が感受性者に対して出席停止の措置を行いワクチン接種を促すことを提案する

3.については
  • 中1、高3の定期接種対象者は、早めに接種することを勧める
  • 接触後72時間を過ぎた後であっても、接触者には接種を勧める
  • 特に感受性者については、注意を呼びかけ、接種を勧める
  • 出席停止等の期間を利用して、感受性者に対して接種を行うよう勧める
などです。
接触してから発症するまでの潜伏期間は2週間と言われていますが
流行の終息に関しては、麻しんの潜伏期は、約10~12 日であること、
麻しんと確定診断されるまでには、さらに数日間を要することから
「最後の麻しん患者と児童生徒及び職員との最終接触日から、
4週間新たな麻しん患者の発生が見られていないこと」

の要件が満たされたときに、麻しん集団発生の終息を宣言するとされています。

テレビで発生があった学校は上記の対応の結果、無事終息しました。

インターハイや高校野球の県予選の時期が近づいており、3年生に
とっては部活動の総仕上げの時期。はしかで参加できないという
事態だけは避けましょう。大人の責任のもとで。

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2007.10.26

インフルエンザワクチンキャンペーン@Okinawa

Agagaga






そろそろはじまるキャンペーン。
効果は4~6ヶ月持続するといわれています。
昨年の沖縄県の流行のピークは3月第2週。
以前よりも流行のヤマが遅くなっているのは
年末年始に流行するノロの嵐のせいかもしれない
と個人的には解釈しています。

今年も同じように流行するのであれば、やはり
年内に接種は済ませておきたいものです。

仕事や学校がいろいろ忙しい3月にインフルエンザで
寝込んでしまうより、ワクチンで予防しましょう。

まず予防 かかってあとに そう思う

ということにならないようにね。

妊婦さんへの接種については、日本では知見不足のため
国立感染症研究所感染症情報センターQ&A)

現段階ではワクチン接種によって得られる利益が、不明の危険性を上回るという認識が得られた場合にワクチンを接種するとされています。一般的に妊娠初期は自然流産が起こりやすい時期であり、この時期の予防接種は避けた方がよいと考えられます。
アメリカ(メルクマニュアル家庭版)では
インフルエンザ流行期に妊娠中期(13〜24週)または後期(25週以降)を迎える妊婦(インフルエンザにより合併症の危険が増すような医学的状態にある妊婦は、妊娠週数にかかわりなく、流行期前に接種を受けるのが望ましい)
とさらに積極的に勧奨です。

画像の使用については声をかけてくださるようお願いします。

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2007.09.22

活動要約(沖縄はしか0)

沖縄県はしか”0”プロジェクト委員会
沖縄県はしか”0”プロジェクト委員会は平成14年に発足した。そのきっかけは平成11年~13年に発生した2度のアウトブレイク(大流行)により、乳児を含む9例の死亡者が出たという苦い経験であった。現場で診療する小児科医たちが声を上げ、行政が間に入り関係機関(教育、保育、マスコミなど)をつなぐ形で同委員会が発足した。委員会では予防接種率が低いという共通の問題認識を持ち、2005年までに接種率を95%に引き上げるという具体的な目標を掲げ、それぞれの役割を確認して取り組みをいった。その後も麻疹小流行への対応を経験しながら新たな課題について検討し、「疑い段階からの全数把握制度」「PCR検査による診断」「発生時対応ガイドライン」のような体制を整備してきた。これらの手段は効果を見せているとして、平成19年8月に発表された国の麻疹排除計画にも取り入れられた。現在は、平成18年から見られるようになった修学旅行生などによる移入麻疹例への対応という新たな課題に対して、観光部局等との連携や接触者の追跡調査マニュアルなどが検討されているところである。発足当時の国の制度では子どもたちの命を守れないという現場の強い思いが、独自の体制とネットワークを生み出し、それを継続することで成熟の過程をたどってきた。

参考になる本は「日本から麻疹がなくなる日」

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2007.09.20

新・日脳ワクチンあと2年

毎日毎日忙しく仕事に追われています。
定時ダッシュでおうちに帰る人たちと同じ建物で仕事をしているのが
妙な感じさえします。

さて昨日行われた予防接種従事者研修会でワクチンメーカー
の先生の講演で

日本脳炎の新しい(ネズミの脳を使わない)ワクチンは あと2年すれば市場に出回るようになるだろう
ということでした。2009年夏。 今は承認・申請から審査の段階とのこと。

副反応の問題とかいろいろクリアするのが大変だったそうですが
あと2年。

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2007.08.02

MR.キャッチアップ.2008

8月1日の厚生労働省予防接種に関する検討会(第15回)の
様子が続々とネット上に伝えられています(Google news "はしか")

今回の案がおそらく最終案の原案になると思われますが、

  1. 免疫不足の若者に2回目の予防接種
  2. 患者の全数調査
  3. 計画の進行を評価する委員会の設置
という柱が示されています。

なかでも目玉は来年度2008から5年間、中1と高3を対象にした
定期予防接種が行われる予定です。

MRキャッチアップキャンペーン2008

日経では
新たに接種対象に入るのは1年間で約240万人。はしかと風しんの混合ワクチンを受けさせるよう市町村などに求める。接種費用は基本的には公費負担となる見通し。

というわけで定期接種なので公費負担になります。
予算の確保は?
接種場所は学校?公民館?
という疑問もありますが、予防接種検討会には総務省と文科省も
オブザーバー参加していたので、そのへんの調整もできている
はずです。詳細の通知を待ちましょう。

いよいよ麻疹排除計画が動き出します。
スイスに輸出したのも日本人と考えられているようだし、
本腰で取り組まないと。

沖縄県はしか0プロジェクトの発生時対応ガイドラインもこれと
連動して見直し作業開始です。

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2007.07.19

日脳 DO YOU KNOW?

ooyake夏が来る前に日脳打とう
と1ヶ月前に記事を書いたら、7月15日朝日の一面に
ワクチン不足の記事が、台風4号を押しのけて載った。

日本脳炎、接種中断が4年以上に 新ワクチン開発が難航

副作用の影響で、05年から事実上中断されている日本脳炎の定期予防接種の再開が、新型ワクチン開発の遅れから、大幅にずれ込むことが分かった。再開は09年以降になる見通しという。当初1年程度とみられた中断期間が4年以上に延びることになり、専門家からは感染者の増加を心配する声も出始めている。旧型ワクチンはすでに製造体制がなく在庫量も限られており、厚生労働省は対応に苦慮している。
(中略)定期接種の中断が4年になると、09年には6歳以下の大半は免疫をもたないことになる。昨年9月には熊本県内で3歳児が発症。15年ぶりに5歳以下の発症が確認された。これを受けて同省は今年5月、旧ワクチンの接種希望者への情報提供や、医療機関などの在庫を調べて不足地域に融通することなどを求める通知を都道府県に出した。
などなど日脳を巡る問題をリポート。 日本小児科学会が懸念していた問題が現実化した形になった。

沖縄にも観光客から「夏休み旅行に行きたいんだけどワクチン打っていた方が
いいですか?」との問い合わせもある。これは九州も同じだろう。
関係者は豚の抗体保有状況をチェックして情報を共有している。

「nichinou.ppt」をダウンロード

先日勉強会で使った資料(「ニチノウ ドーユーノ?」)
を一部改変してアップします。
ご自由にお使いください。

(追記0720)
Tky200707190518

厚労省から啓発ポスターが届きました。

可能な限り蚊を避ける作戦です。

ワクチンについては「市町村のお問い合わせください」とのこと...

朝日は「苦肉の策」と評しています

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2007.07.11

ゼロリスク探求症候群

霞ヶ関の厚生労働省に呼び出され、予防接種に関する検討会に
出席してきました。沖縄県のこれまでのはしかゼロプロジェクトを
中心とした取り組みや今年の発生状況、全数把握の重要性など
プロジェクト委員長ともども報告してきました。

国では2012年を目標に麻疹排除計画を策定し、その中で今年
多数感染者が出た「1回接種でその後ブースターが少ない世代」
に対するキャッチアップキャンペーンの方法が例示されました。
中1と高3に5年間の時限措置としてワクチン接種を行う(朝日)
次年度からの導入を目指して

  • 定期接種として実施
  • キャッチアップの期間
  • ワクチンメーカーの供給体制
  • 学校における集団接種の可能性
  • 費用負担
などなど解決しなければならないテーマはたくさん。
これらを次回(8月1日)の検討会までには事務局で整理するとのこと。
次年度導入が正式に決まれば県や市町村はその制度改正の準備に
追われることになります(また忙しくなるね..)。

昨日の検討会にはこの叩き台(案)に対して、さまざまな立場から
意見が述べられました。(カンガエルーネットワクチントークSSPE青空の会など)
結局座長がまとめた通り、麻疹という病気の内容、ワクチンの効果と副作用
に関する情報提供のあり方を議論しておりましたが当然結論は出ません。

その中で「厚労省はゼロリスク症候群を煽っているのでは...」との
スライドがあったので、調べてみました。

ゼロリスク(探求)症候群とは(提唱者?池田正行氏のwebsiteより)

一言で言えば,”ゼロリスクを求めるあまり,リスクバランス感覚を失い,他人が犠牲になることも理解できなくなる病的心理”です
特徴として
  1. 感染症・中毒といった病気や,食品・飲料水といった生存に必須な物資の安全性を求める行動が根本にあるので,正当化されやすい
  2. リスクを過大に評価する誤解やデマが背景にある
  3. 個人レベルでは影響がないか,ごく小さい
  4. しかし多数派化・集団化によって社会問題化する
  5. ゼロリスク探求により生じた社会問題の責任を,行政やメディアに求める

この言葉が出てきた背景となったのは狂牛病騒ぎらしいですが、
麻疹ワクチン予防接種では、リスクを追うのは、自分ではなく
子どもやその周辺に及ぶことは忘れてほしくないと思います。

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2007.06.21

夏が来る前に(日脳打とう)

夏が来る前に(日脳打とう)
もうすぐ沖縄では梅雨が明けて、夏が来る。
日脳勉強会でやって来た宮古島もすっかり夏模様
(BGMはセミの合唱)。
夏が来る前にやっておくべきこととして、国は

ブタの抗体保有率が常に高い九州、中国、四国地方等にお住まいの方(中略)で日本脳炎ワクチンの接種をこれまでに1度も受けられたことがない定期予防接種対象者は、夏になる前に、最初2回のワクチン接種(基礎免疫)をできれば考慮された方が良いのではと考えています

国はと書いたが、詳しくは国立感染症研究所(感染研)の
感染症情報センター「日本脳炎Q&A」というのが正しい。
国(厚生労働省)の「日本脳炎Q&A」には直接書かずに
感染研を参照するようにと投げているところからも
日脳予防接種問題のややこしさが伺える。

これまでの問題の経緯として
  • もともとマウスの脳で作った不活化ワクチンを使っていたが
  • 副反応としてADEM(急性散在性脳脊髄炎)が問題になる
  • 70万-200万回接種に1回程度発症という頻度だが
  • 2005年安全なワクチンができるまで積極的な勧奨を差し控えた
  • しかし安全なはずの組織培養ワクチンが副反応のため見通したたない
  • 2005年以降明らかに標準年齢児の抗体保有率が低下している
  • その間も日本脳炎の患者は発生していく(2006年は8例)
  • 2006年〜希望すれば、法に基づいた接種が可能(副反応も予防接種法でカバー)
  • 2007年にQ&A改訂

しかし相変わらず市町村から個別通知することはできないため
あくまでも希望に基づいた接種に対応するという形が続く。
希望が増えた自治体ではワクチンが足りないという新たな問題も


もともと日本脳炎で多くの人が命を落としていた日本で、
死亡した患者さんから提供された脳をすりつぶし、
それをマウスに注射したら同じように脳炎を発症したことから
日本人研究者によってウイルスが分離されたという歴史がある。
その患者さんの名前は今でも株の名前として残っている(Nakayama株)
犠牲者の善意によって、その後日本だけではなく東南アジアの
数億人の命を日脳感染から救ってきたとも言われている。


今の日本では、媒介蚊の数も減少し、以前のように生活環境の
中でウイルスが循環するという状態ではなくなったものの、
ブタの中ではウイルスが散発的に発生していると思われる。
そのブタから蚊を媒介して、人への感染も起こりうる状況だ。
感染しても発症するのは100〜1000人に1人だけど
患者は毎年発生している。

県民や市民を感染から守るのはやはり予防接種しかない。

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2007.06.14

DPT接種間隔の乱れ

これまでDPT(ジフテリア、百日咳、破傷風)3種混合ワクチン接種は
定期接種の年齢の幅であれば、接種間隔が乱れても回数を守るよう
各種手引書には記載されていました。

ところが平成17年度に厚生労働省から出された文書をきっかけに
接種間隔を厳格に守る方針が強化され、DPTの1期接種でも
3~8週間の接種間隔が守られなければ「法定外接種」として
取り扱われるようになり始めました。法定外ということは

  1. 接種費用を国が負担しない(任意だし)
  2. 接種による健康被害も予防接種法では対応しない(任意だし)

というしばりも出てきて、市町村はその対応に追われました。
参照:

ただ、この法定外接種とするについては、個別に質問をしたり
研修会で担当者に聞いたら、そう答えていたものの、いずれも
口頭であり、紙として(文書で)明確に方針を示さなかったため
(予防接種に関する手引書からは接種間隔が乱れた時の対応
に関するページが徐々に削除され、いつしか消えていた!)

地方は頭を悩ませながら対応していたというのが現状です。

そんな矢先、ついに国から文書が出されました。
青森県からの疑義に答える形で

DPT1期の接種間隔が急な発熱などの医学的理由により乱れた場合 その接種は法定接種とみなして差し支えない!

という旨の内容です。

この1枚だけ見ると「妥当な判断」と評価できます。が、これまでの
口頭による意思表示とは違った判断となる可能性がある(証拠が
残っていないのでこういう表現となる)ため、地方自治体も方針を
修正せざるを得ないところが出てくるでしょう。
国が1センチぶれると、地方は1キロぶれるパターン。

DPT初回は接種間隔を守って、早めに終了することが大切です。

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