2015.09.23

エビデンスに基づくへき地医療者確保

連休前に行われた母校での医学生とのワークショップ

へき地における地域医療を担う人材確保について話し合いました。
そのときの資料がこちら。

Increasing access to health workers in a remote and rural areas through improved retention
Global policy recommendations

WHOがエビデンスに基づいて推奨しているへき地での医療者の確保
離島県沖縄にとっても重要な医療政策。
サマリーより抜粋(specific recommendations)

  • Education 教育
    1. Student from rural backgrounds へき地出身学生の優遇
    2. Health professional schools outside of major cities 大都市外に専門教育施設
    3. Clinical rotations in rural areas during studies 在学中のへき地ローテーション
    4. Curricula that reflect rural health issues へき地の健康問題を反映した教科課程
    5. Continuous professional development for rural health workers へき地勤務者への生涯教育

  • Regulatory 制度規定
    1. Enhanced scope of practice へき地における業務範囲の拡大
    2. Different types of health workers 異なるタイプの医療職種の活用
    3. Compulsory service へき地勤務の義務づけ
    4. Subsidized education for return of service 義務に対する教育費用助成

  • Financial Incentives インセンティブ
    1. Appropriate financial Incentives へき地勤務に伴うコストに対する適切なインセンティブ

  • Professional and personal support プロフェッショナル及び個人のサポート
    1. Better living conditions 生活環境の改善
    2. Safe and supportive working environment 安全で協力的な勤務環境
    3. Outreach support 都市部からへき地への出張サポート 遠隔支援
    4. Career development programmes へき地に居ながらのキャリア開発プログラム
    5. Professional networks 孤立感を低減するための専門家ネットワーク
    6. Public recognition measures 広報活動

折しも専門医についてのあり方検討がなされ、専門医機構なる
団体も整備されました。その中には総合専門医の研修プログラム基準も
示されています。こういう流れも踏まえつつ、離島へき地で働いたメリット
を伝えていくべきですね。

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2010.10.11

病棟内でもっとも清潔な場所は?

医療監視の勉強会メモより



テーマは「院内感染対策を推進するために」
目標は、病院スタッフの意識を変え、具体的に行動にうつすようにすること

医療監視(立入検査)という業務でどのようなアプローチができるのか

現状の問題点
1年に1回、病院に土足で入り込み、書類の表面的なチェックや重箱の隅をつつくような指摘をする

目指すところは
書類のチェックポイントとしては

  • ガイドラインが病院内の事情に合わせてそれぞれマニュアル化され、しかも随時更新されている
  • 院内感染対策に関する研修等が、正職員のみならず非常勤やボランティア等にも浸透するしくみがある

実際に病棟をラウンドするときには

  • 通りかかった医療従事者に実際と同じようにして見せてもらう
  • 問題点は指摘するが、行動を変えるきっかけとなるように具体的な対処策も示す
  • 内部のやる気のある人が動きやすいような指摘を行う
  • 他の施設の良い例を紹介する

改善が難しいポイントについてはstep by step で対策を進めて行きましょう
(例:消毒用アルコール)

  1. 万能壷+注ぎ足し使用
  2. 万能壷+使用管理
  3. 万能壷+毎日交換、壷は滅菌
  4. パック製剤
  5. 単包化製品

自らルールを決めて、それを管理し、その評価をする
というアドバイスで、病院の改善支援を

大変勉強になる研修でした

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2007.12.26

暗い所で本を読んで目が悪くなったと思ってたのに...(medical myths)

残業中は部屋を薄暗くしていることが多いのですが、
そんな中でたまたま目にした新聞記事(朝日)

暗いところで本 目が悪くならないの?

暗いところで本を読むと目が悪くなるという言い伝え(medical myth)
については

焦点が合わせにくく、一時的な目の疲れなどにつながる可能性はあるが、
長期的な影響はないということで大多数の眼科医の意見は一致

という見解らしいです。

いつもこどもにガミガミ注意している身としてはちょっとびっくり。
出典のBritish medical journal から習ってみることにすると
medical myths (医学的な神話)と題された論文の中に、今回報じられた言い伝え

  • People should drink at least eight glasses of water a day
    (1日にコップ8杯以上の水を飲むのがよい)
  • We use only 10% of our brains
    (私たちは脳の10%しか使っていない)
  • Hair and fingernails continue to grow after death
    (毛やつめは、私たちが死んでからも伸びる)
  • Shaving hair causes it to grow back faster, darker, or coarser
    (毛をかみそりでそると濃くなる)
  • Reading in dim light ruins your eyesight
    (暗いところで本を読むと目が悪くなる)
  • Eating turkey makes people especially drowsy
    (七面鳥を食べると眠くなる)
  • Mobile phones create considerable electromagnetic interference in hospitals.
    (携帯電話は病院の医療機器に影響する)

についてはいずれも医学的な妥当性がないとされています。
記事では
これらの言い伝えを信じるだけなら実害はないが、
根拠のない治療法を勧めることは実害をもたらす可能性がある

とまとめています。さすがエビデンス重視の国。No エビデンス , No 治療

で、これまで30年信じていた迷信が打ち破られ、結局自分の目は
どうして近眼になったかという疑問が湧き上がりましたが、本文に

One review article on myopia concludes that increased use of one’s eyes, such as reading in dim light or holding books too close to the face, could result in impaired ocular growth and refractive error.
暗かったり、本に目を近づけたりすることで、
眼の周りの筋肉の発達や反射の障害をきたし近視が多くなる
ということらしいです。
近眼になるのは、暗いところで本を読むからではなく、本に眼を近づけて読むのが原因
というのが今日の結論(同じような気もするんですが...)

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